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― 病院内警備室のモニター前 ―
『ふむ、相変わらず良い腕だな。
……ローゼンハイムが見たら卒倒しそうだが』
[術者の指示に従い、最上階に向かう幻をモニター越しに見た院長が呟く。
最上階の特別室でベッドに横たわっているアーヴァインに歩み寄るその姿は、ローゼンハイムに良く似た女性の姿をしていた。
アーヴァインからのストーキングで心を病んで、ここ数年休職をしているものの、ローゼンハイムも一応は国軍の将官。
あの幻に魅了されてアーヴァインのストーカー行為が収まれば、自殺未遂をした被害者も、その内に仕事に復帰できるだろう。
しかし、あのアーヴァインと自分にそっくりの女性が仲良くしている姿を目撃すれば、心の傷はさらに広がりかねないな、とも思ったのだが。
他に用意されていた材料では、セーラー服美少年戦士か、皮のズボン+上半身裸+首輪+シルクハット+仮面姿の筋肉質の男か、ふさふさ白猫か、ウサギか羊かライオンかペンギンかドラゴンかスライムのどれかになってただろうと聞いて。
院長は大きなため息を零した]
『…………軍に手配を任せたのは失敗だったか?』
[モニター室でクレメンスから幻を制御しているマジックアイテムを受け取った院長は、集会場でのクレメンスと曾孫とのやり取りを知っていながら、その件には触れずに当たり障りのない話をしていたが。
ヴェルザンディはんは、うちが貰いますえ――と。
そう切り出されれば、ニヤリと性格の悪い笑みを向ける]
『本人が幸せになれるならば、連れて行くのは別に構わないが。
子供が生まれたら、その魔法技術とヴェルの医療技術、両方引き継がせておくようにな。
何しろ、あのゴキブリの生命力と次代を残す本能だけは筋金入りだからな。
40年後か50年後くらいに、また同じことが起きた時に対処できる人材は貴重だ』
[多分、40年後だろうと50年後だろうと100年後だろうと、院長だけは代替わりしないでそのまま健在なのだろう**]
― 最上階の特別室 ―
「ほへっ!?
あれ、ワシの嫁候補にこんなローゼンハイムそっくりのおなごが居ったかの?
でも可愛いのー、ワシ好みじゃのー。ワシの嫁じゃーーー!!」
突然現れた幻(とはアーヴァインは知らないけれど)の女性に、アーヴァインさんは驚きましたが。
根本的に単純なアーヴァインさんは、家族以外から好意を向けられる事に慣れていない事もあり、ここ数年ずっとお気に入りだったローゼンハイムさんにそっくりな女性(の幻)にすっかり惚れこみました。
『私を奥さんにしてくださるなら、私だけを見てくださいね。他の方まで奥さんにしようとされるのは、嫌です』
なんて言われて、こくこく頷くアーヴァインさん。
ということで、集められた参加者たちは、無事アーヴァインさんの魔の手に掛かることなく解放されることになりました。
あとは、それぞれ好きにいちゃいちゃしたり愛を語ったりアーヴァインさんの抹殺を企てたり(幻は邪魔をしません)してください。
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