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遠い、とおい昔から。
空には竜が。地には人が。
その狭間には精霊が。
思い思いに、生きていた。
そんな世界の片隅で、ある日。
少年と、幼竜が出会い、絆を結び。
精霊に愛される少女が、それを祝福した。
それが、空と地と狭間に住まう者たちの繋がりの始まり。
ある日、世界は大きく揺らぎ。
天より災いの影来る。
影を退けたのは、竜と絆を持つ者と。
精霊たちのいとし子。
彼らの手には、一振りの剣と、薔薇色の宝珠。
雄々しき竜の皇と、気高き精霊の王の贈り物。
空と地と狭間の繋がりは災いを打ち払い、そして。
始まりの英雄たちの真実の幾つかはそっと潜められたまま。
世界は神代から人の世へと移ろって。
『始まりの騎竜師』と称される彼の在り様は多くの人と竜の間に広まって。
いつしか、それを伝えるための学び舎が作られた。
王立ラヴェンデル騎竜師養成学校。
騎竜師の名門として知られるラヴェンデル家の当主が学長と講師を務め、才ある者は生まれに関わりなく、騎竜師としての修行を積む事が出来る場所。
そこから巣立った若き騎竜師たちは、ある者は故郷の護り手となり、またある者は王国騎竜師団の一員として務めを果たしてゆく。
そしてその時も、騎竜師としての称号を受けた若者たちとその騎竜が卒業試験である妖魔討伐のために飛び立つ事となっていた――のだが。
目的地に到達する直前に、突如として湧き上がる暗雲。
吹き荒れた嵐を回避する暇もなく巻き込まれ――気づいた時には、不可解な空間へと転移していた。
薄ぼんやりとした灯りに照らされた洞窟のような空間には、白銀の竜と共に佇む騎竜師らしき青年が一人。
彼は、生徒たちに気づくと困ったような笑顔を向けてきた――。
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