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How many ages hence
Shall this our lofty scene be acted over
In states unborn and accents yet unknown!
千載ののちまでも
われわれのこの壮烈な場面はくり返し演じられるだろう、
いまだ生まれぬ国々において、いまだ知られざる国語によって
─── 『ジュリアス・シーザー』 第3幕第1場
豊かな水と緑に囲まれた王国、シェーンバルト。
穏やかで温暖な気候は国を潤し、
人々は自然に寄り添って平穏な日々を送っていた。
その平和が、一日で崩れ去ったのだ。
真っ白い大理石をふんだんに使った王都ジルヴァーナ。
白亜の都とも呼ばれる美しい町並みは、炎の中に沈んだ。
陽光に映える眩い都は、魔物の跋扈する地へと変じた。
始まりは、王都近くの小さな洞窟だった。
山の裾野にひっそりと口を開けるその洞窟は、
ごく平凡な洞窟のひとつとして、近隣の街のものが知る程度だった。
古い伝承や不確実な噂に、時折この洞窟が語られることもあった。
だが、周囲に住む人たちにとっては、ただの変哲のない場所だったのだ。
その洞窟からある日突然、魔物の大群が溢れ出した。
近くにあった町は瞬く間に呑みこまれた。
騎士たちが対応する間もなく魔物は王都に押し寄せた。
十分な準備をする時間があれば、また違っただろう。
しかし、無防備に近い王都は魔物の侵略に屈し、
王家に連なる主だったものたちは殺され、
有力な騎士たちも数多く犠牲となった。
魔物を指揮する者がいたということさえ、後になって知れ渡ったこと。
それほどに侵略は素早く、また徹底的であった。
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