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燃える・・・・・・
私の要塞が・・・・・・
[門が破壊され火を放たれ、壮観な砲台群は折れ曲がり、華やかだった騎士達は次々と斃れていく。
やがて大勢決すると、息のある者は陵辱され、散々に弄ばれた後に見るも無残に殺されていく。
そこにはもうアイリの知っているゾネスは何一つ残っていなかった。]
もう・・・・・・見たくない・・・・・・。
[目を逸らす、その光景はどれだけアイリの心を闇にかえていったか。
足元を見るとボオっと少しずつ消えかけていく。
死して尚、終わらない惨劇に心は折れて存在する意味も失っていく*]
[母国に災厄の種を撒いた愚かな王子は今でも眠り続けている。
胸に秘めた憎しみも悲しみも狂気も忘れ、目覚めるまであと少し*]
ひどい……。
[ゾネス要塞の惨状を見て、わたしも言葉を失った。
せめて、わたしがまだ生きていたら。
わたしがゾネスを掌握していたら、無血開城を促し、騎士たちもあのような目に合わせなかったのに。
見知った顔が、次々と無残に殺されていく。
北の侵攻は救世主たれ、と願った。
しかし、これでは略奪者ではないか]
指揮官誰よ…ぶち殺してやる。
[憎悪を込めて呟いたが、わたしの手は届かない。
怒りに燃える目で、わたしは眼下に広がる光景を睨んだ。*]
[ ふわり 意識の端で見たのは紅い焔
煌々と燃え上がる要塞の近く、消え行く魂を>>+0 ]
………アイリ、さま
[ アイリのもとにあるのはふわりとした意識だけ
言葉はきっと届かない
さて、今近くに誰かいただろうか
す、と目を向けてそちらのほうを見たかもしれない*]
[はたと気づいた時、僕は"僕"を見降ろしていた。
否、正確には"僕だったもの"と言うべきか。]
……ああ、死後の世界って、本当にあったのか。
[負ったはずの怪我は全て消え去っていて。
雨露に濡れたはずの服もいつも通り。
手足の感覚もちゃんとあるけれど、実体があるかは分からない。]
ははは……。
[まるで現実感が無い出来事に遭遇して、
僕はただ乾いた笑いを浮かべるばかりだったけれど。]
[――目に入ったのは妻の姿。
彼女は紅く染まった僕の亡骸に寄り添うと、
汚れることすら厭わずに僕を抱きしめ、泣き叫んでいて。]
…………う、
[その光景を目の当たりにして。
僕は。]
うわああああああああん!
[全力で泣き出した。]
ごめんよおおおお!
君を置いて逝ってしまって、本当にごめん……っ!
[人目も憚らず――周りに他の幽霊?が居たかも気にせず男泣き。
その様子は、普段のシュナウザーという男を知る人からすれば目玉が飛び出るくらい驚くべき姿だったかもしれないが。]
ぐすっ……。
でも、君たちが不自由しないくらいのお金は……ううっ、
遺してあるから……
それで幸せに……ひっく、暮らして欲しい……
[兎にも角にも、涙枯れるまで泣き続けたのだった。]*
[ゾネスの惨状に下唇をかみしめていると、どこからか聞こえてくる男泣き。>>+5]
監査局長…あなたも亡くなったのですね。
[800の軍勢が押し寄せた時は切り抜けたのに、戦乱と関わらない処で命を落としたのか。
声掛けてみたけれど、眼下に広がる光景を目の当たりにして(きっとあの人は彼の奥さんだろう)泣いてるようなので、今はそっとしておこうか。
わたしはその場からすっと後ろに下がって、離れた。*]
[懐かしい夢から覚めて起き上がる。
身体がずっと軽い感じがすると、今までが疲れていたのだろうか、ずっと感じてた重みは無く。
渦巻く激情が収まり、今は心が凪いでいる様に静けさを取り戻せていた。
身体を起こせば、見えるのは自分が寝台の上に身体を乗せ眠っている姿。
医務官や侍女が己を囲いながら、此方の名前を呼び悲しみに更けていた。]
……なっ。
[己が死んだ、なんて知らずに眠っていたのだから、今の状況を理解するには驚きが邪魔をする。
一人の給仕が部屋を飛び出し何処かへ向かうみたいだ>>25。
漸く自分の死に気付き、その現実を心が受け入れつつある。
永遠の眠りに就いている己と、己の死を悼む者達を翠は何を思って眺めているか。
暫くすると、随分軽くなった身体を動かし己の私室から後にする。]
[何処かで一人嘆き哀しむ者が居る>>+0。
己が蒔いた災厄により、ゾネス要塞は崩壊し、気高い女騎士達は、無慈悲な蹂躙により辱められ悲惨な死を迎え、筆舌に耐え難い惨状を繰り広げてる。
その様子を見る事しか出来ずにいる嘗ての総督は哀しみに耐え切れず、その魂が消えていくのだろうか。
方やもう一人の女軍人は凄惨な場面を目にし、怒りと憎悪に満ち拳を震わせていた>>+2。
消え去りそうな魂に哀しみを向けてそうな女軍人が傍らにおり>>+3。
人目も憚らず一人で男泣きをし哀しみに耽る青年が居る>>+6。
自分が引き起こした災厄に、哀しみや怒りを抱く彼らに目を背ける事は無く、一人何も言わず翠の瞳を向けていた。
そんな彼らを慰める手段も資格も無い己は、一度彼らから背を向けその場から立ち去る。]
[弟の声に導かれ、とある一室に足を運べば。
以前見かけた娘と弟が同じ部屋で話をしていた>>16。
何かに堪える様に紙の上に指を引く様子に、その翳りのある面持ちを見れば何かが悟れる物がある。
そんな彼女が告げるのは己に毒を盛った事>>17。
漸く知った自分の死の真相、瞼を閉じその状況を受け入れる。
“裏切り者は軈て裏切られる”、それは当然の報いであり必然なのだ。
故に己の命を毒で殺めた娘に怒りも憎しみも持たない。
弟が兄の死を、此方の命を奪った真実を知り>>20。
激情に駆られた弟は娘に掴み掛かる様子を>>21、此方は声を掛ける事も弟を止める事も出来ず、拳を震わせながら悲痛な面持ちで二人の成り行きを見守っていた。]
フェリクス様…。
[王宮の一室のやり取りを見守る気配に近づき、わたしは声をかけた。
わたしと同じく魂だけの存在になってしまった、ラメールの王子様]
あなたは王子でありながら、なぜ…自分の国を自ら他国に売り渡そうとしたのですか?
なぜ、破滅に導こうとしたのですか…?
ラメールは平和でした。豊かな国でした。
わたしが生まれた国エトワールでは、手に入れたくても入れられないものを持っていたのに…。
…なぜ、壊そうとしたのですか?
[わたしの詰問は非難めいて聞こえてしまったかもしれない。*]
[娘の問い>>18>>19。
憎むべき事が有れば愛せるのか、と確かめたい意図なのだろうか?
何処か縋るに似た様な物を彼女からも感じられる。
その様子に何時か語り合った時の弟のそれと重なって見える様に翠を細めた。
耐え難い事実を突き付けられた弟は、止められぬ衝動に駆られたのか娘に掴み掛かってた彼>>21。
己の死ですら受け入れ難い事実なのに、親しい友人が此方を殺めたとなれば筆舌に耐え難いというもの。
嗚咽をし慟哭に堪える弟は、娘の問いにこう答える>>24。]
――――。
[はく、と吐息が漏れた。
告げる弟の言葉に凪いだ心が揺さぶられる。
真実だと思った事は幻想で、幻想だと思ってた事が真実で。
誰も味方が居ないと思ってたのに、実はずっと変わらずに居たのだという事を知り。
無いといった物が側に変わらずあった事に気付き、心が荒れ狂いそうなくらい騒ぎ立てる。
――――激しい後悔と、重い罪悪感に。
上を仰ぎ、かたかたと身体を震わしながら、奥歯を噛み締め、重苦に目を反らさず受け止め様と堪えていた。
そんな時にドロシー・ブライアンが此方に声を掛けられ、其方へと翠を向けた>>+12。]
[彼女の言葉は何処かしら非難の色を見せてるかも知れない。
此方がした事は責められて当然の事を仕出かしたのだから弁明しようとはしなかった。
弟と娘のやり取りに視線を戻し、彼女の問いを答える。]
……手に入れられなかったからだ。
手に入れられないなら、いっその事壊してしまえば良いと思った。
ただ、それだけの話なだけだ。
[何を、とは言わずとも分かるかも知れない。
手に入れられなかったから自棄を起こした、と言われればそうであり事実でもある。
何方にしても嘘偽りでは無く、厄災を起こした己は命を落とした彼らの怒りの矛先に成るべく正直に胸の内を明かした。
其れは己の償いという想いが無いと言えば嘘であるが。
何より怒りを憎しみをぶつけられない辛さを知るが故、自ら
…手に入らなければ壊してしまえ…って、国で暮らしてる民は物じゃないのよ。
[わたしが一ヵ月前に予想したことが、まさに的中していたなんて。>>5:+14]
手に入らなければ、何の罪もない人々を巻き込んでもいい。
死んでもいいって思うの?
あなた、元はそんな人ではなかったでしょう?
[少なくとも先王存命の頃、軍のトップにあった時はそのような人物ではなったと思う。
本性が表れたというよりは、人が変わったとしか言いようがなかった。
それもこれも、先王の遺書のせいなの?]
…あなたが売り渡した情報のせいで、ゾネスは今あのような有様よ。
[わたしは眼下に広がる光景を示す。>>+0>>+2
ゾネス要塞を守る女騎士、即ちラメールの民が辱めを受けて撃ち捨てられている有様を。
かつてはフェリクス王子自身も、白狼館には足を運んだことがあるはずだ。
見た事のある光景の変わり様を見て、彼は何を感じるだろう]
目を背けないで、ちゃんと見なさいよね。
あれが、あなたの招いた結果なんだから。
[彼に考えの改めを求めたところで、もう何一つ変える事はできないのだけど。*]
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