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謝らなくてはならないのは僕の方だ。
肝心なところで意地を張ったりして、
……さよならも、必ず戻るよとも、
きちんと伝えることが出来なかった。
なんだろうな、君が女の子だからかな。
男であることを意識しておかないといけなくて。
……ちゃんと、大事に思っていたのに。
[近いからこそ言わずとも通じることもあれば、
近過ぎるからこそ見えなくなるものもあって。
これはきっとそういう類のものなのだとエドルファスは思い続けて来たが。]
いつかかならずまた会いましょう――、
……、 …うん。
[確かめるように魂は反芻する。]
ね、サシャ。
君は勇敢な戦士だけれど、
戦で命を落としては駄目だよ。
ディーン兄さんや、カークや、チャールズさんにマーティンさん、
皆のことを支えてあげて、そして、ラモーラルの光を見届けて。
この先のラモーラルがどのように「変わる」のか。
君が「変えたい」と思った国はどうなってゆくのか――
子供の頃も言ったよね。
眉下げた顔や泣き顔でなくて、君の笑顔が好きだから。
幸せに生きて。そしてまた会おう。
…約束。
[今際に紡いだみっつめの
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ふむ、どうなるかと見守っていたが、ダーフィト、チャールズと両方落ちでほぼ決まりかな……?投票動かなかったらだが。
― 回想 ―
[オクタヴィアスと友人としての付き合いが始まるとともに、彼をしばしば訪れるダーフィトとも徐々に打ち解けていった。
同年代のダーフィトとは、語ることや付き合い方もオクタヴィアスとはまるで異なるもので、酒を飲み語り合ったりしたものだった。
ダーフィトは時折、他では口にしないような話題を振ってくることがあった>>3:350]
ウェストマールが?
[そんな話題に慣れてきていた身でも、その日はさすがに驚いたように聞き返してしまった。
軽い世間話といえばそれまでだが、彼がそれを聞くのにはなにか意図があるように感じだのだ。
軍人だったころには間違いなく、事実はどうであれそんなことはないと答えていた問い。
その時も、やや躊躇った後、そう答えようとしたが]
……お前にもそう見えるか?
[結局は、肯定ととれる言葉を返す。
付き合ううちにダーフィトがどれほど優秀な軍人であるかは理解していた。
ならば誤魔化そうとしても、いつかは気づくだろう。
それにオクタヴィアスの友になると決めた以上、ウェストマール軍人としての見解を述べるのでは、彼らの利益にはならないと思ったのだ]
……実際のところ、俺が辞める少し前あたりから軍も様子はおかしかったな。
粗悪な武器が流通したり、兵士も思うように集められなくなっている。
金を掛けている軍ですら影響がではじめているんだから、他はもっと国力が落ちてきているとみていいだろう。
今は、まだ問題ないだろうが……。
この状態が5年、10年と続いていけば、いずれはもっと影響がでるだろうな。
[今までは、国のありように疑問など抱いていなかった。
国に命じられるままに戦うことが自分の任務だったからだ。
だが彼らと付き合っていくうちに、果たしてそれで本当に良いのかと考えるようになっていた。
異国には異国の人たちの暮らしがあって、それぞれに自分たちの国のことを大事に思っている。
そんな当たり前のことを彼らと接して実感していくたびに、それをウェストマールの都合だけで断ち切っていっていいのかと思えてきたのがひとつ。
そして何よりそのことが原因で、ウェストマール王国の国力が衰えていくのを憂いていたのだった。
ゆえに、ダーフィトに告げる表情はあまり明るくもない]
[物思いに沈み込んでいると、更にダーフィトはとんでもないことを尋ねてきた。
先ほどの話は前振りで、こちらが真に訊きたかったのかと悟る。
ラモーラルがウェストマールの支配を離れたとしたら。
その仮定は、彼らが一転してウェストマールに反旗を翻すということでもある。
オクタヴィアスの信念と、国のありよう。
それが同じであったからこそ、迷いもなくオクタヴィアスの味方になることが出来た。
その前提が崩れた時、どちらの手をとるのか。
その為に選ばなかったほうを捨てられるか。
突きつけられたものは重い]
[他国からどう思われようが、自身にとってはウェストマールは生まれ育った国だ。
そのウェストマールを簡単に捨てるとは即答できなかった。
だからといって目の前のダーフィトやオクタヴィアスと敵同士になりたくはない。
そもそもオクタヴィアスに惹かれて彼と共にあるために、軍を辞めたのだ。
彼の信念が、もしウェストマールからの独立を願うことになったとしても。
その暖かな陽射しを忘れることは、一生出来そうにもなかった。
ならば――既に選択は成されている。あとは何があっても彼らの友であるという覚悟だけだ]
[どれくらいの沈黙だったのだろうか。
随分長い間逡巡していた気もするが、実際には短かったのかもしれない。
迷いを振り切るとダーフィトに告げる]
ああ。
その時が訪れたとしても。
俺は、タヴィアとお前の友であり続けよう。
[曇っていた表情は、それでようやく晴れた]
― 生前・マーチェス平原 橋の北方 ―
[別たれた道。見たものが違う15年。感じたものが違う15年。
互いの重さを、確かめ合うように、吐きだすように交わした視線>>11と言葉が歩んできた道を雄弁と語っている。
彼が未来への光を見たように。
私は彼らの乱>>36を言葉と感じて変わっていこうとする在りかた>>37>>38に大切な日常を送るものたちが変革をしていく未来の光を見た。
ゆえに支柱を折ろうとした。チャールズ・フォスターを越えずしてダンクラードには届かない。捕えれれば最もいいが、そのような甘さでは道に至れない。そう感じるからこそ、討つときめた。より少ない犠牲を…早期の決着を。一人でも多くの若者たちの未来を求めて]
― どこか ―
[オクタヴィアスとクレステッドが熱い抱擁を交わしているその頃。>>4:171
どこからその様子を見ているのか、はあとため息一つ]
全く……。
[零れた言葉はオクタヴィアスだけに向けられたもの。
テッドと呼ばれている青年が、恐らく幼馴染のクレステッドなのだろう。
自身の死を悼み後悔している風のオクタヴィアスに向ける言葉は的確であり、凡そ自身の心情と変わることがない。
どこまで自身のことをクレステッドが聞いていたかは知るところではない。
だが、こうして一度も会ったことのない自身の心情を理解してもらえているのは有り難いと思うし、彼がいればオクタヴィアスの心配はいらないとも感じた]
[問題はオクタヴィアスのほうだ]
……ずっと見張っているっていっただろ。
俺が命を落としたからって、その約束を反故にするとでも思っているのか。
[置いて行かれたなんて全く思っていない。
オクタヴィアスが自身のことを忘れない限り、身体は砦に置いたままでも心は置いて行かれてないのだから]
だから……明日には引きずるなよ。
[弔われるのは自分だけではない。
他にも命を落とした人間はいるから、悲しむなとはいわない。
それでも明日がくれば、また進まなければならない。
それが生きているものの責務なのだから]
……
[チャールズの声をじっと、聴く。
悪ガキが。と落とされた声は、過去と同じで違うもの。
かつてなら、拳骨か雷ひとつ落ちれば即座に謝罪を切り返したものだが、今はその響きのもつ懐かしさに、そしてかなしさに刹那口を閉ざした。]
ごめんなさい、チャールズさん。
置いて逝くような形になってしまって。
[でもね、と、魂の声。]
僕自身は、こうなってしまったこと、悔いてはいないんだ。
男として、自分で選んだ道だ。
命を賭してでも、――兄さんを、皆を、護りたいと思った。
このラモーラルの未来を描く一助となりたい、と。
[だから己の死に誇りを持っている。と、
悼んでくれる人に、声ならぬ声は静かに語りかけた。
こんなことを言わずとも、彼ならばきっと理解ってくれている。
決して、非業の最期であったわけではないのだと。]
[短い沈黙の後に続く柔らかな労いに、
はっと息を呑んで、チャールズを見つめた。>>25]
………、
ありがとう。
よき大人が正しい手本を示してくれることが
まず人間の成長に必要だと説いたのは誰だっただろう。
…。誰の話であったか今はもう朧げな記憶しかないけれど、
だとすれば、チャールズさん。
あなたは正しくそういう存在だった。
[エドルファスにとっても。
きっと、今兵としてある幾らかの同胞にとっても。
チャールズは尊敬と憧れと畏れの対象であり、
そしてまたゆるりと成長を見守ってくれる大地のような。父親のような。]
あなたやマーティンさんたちの存在があればこそ、
僕は「道」を選び取ることが出来たのだと、思っている。
…そんなあなたに、
こんな風に労いを貰えていること、
少し変かもしれないけれど、嬉しく思うんだ。
[労いの中にかすかな賛辞をも読み取れば、
魂は微笑む気配を漂わせて、揺れる。]
我らの主の征く道を、王城に繋げる。
……
[それは確かに、ダーフィトとの一騎打ちの最中に己が発したもの。
チャールズの元に届いているということは、最期の言葉として
彼らの耳に入ったということなのだろう。
チャールズの深い声を追うように小さく唱和した。]
ええ、
、 …――お願いします。
[それは繋ぐ意志であり、先への願いでもある。
ディーンの副官であり解放軍の守護者たる双璧のうち一人。
そして、きっと自身にとっても『父親』に似た存在のひとりであった彼に深く頭を下げ、託す。>>28
多くの言葉を紡がぬのは、揺らがぬ深い信あってのこと。]
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収容場所に来て下さった方の追悼への返答を駆け足で回収しつつ。
こんばんは。
今日はチャールズさんとダーフィトさんか…大詰めだね。
ゆるっと桟敷席に座って見守るよ。
― 葬儀の日 ―
[争いの最中であるのが嘘のように、しんと静まり返っている。
その場にいるだれもが戦いで亡くなった人を悼んでいた。
やがて、最初は小さく細く、それから徐々に静寂を打ち払う響きで、感情を込めた美しい音が流れる。
その音を奏でる人の心があらわれたかのような穏やかで暖かい音色]
[最初にその音を聴いたのはもう随分と前のことだ。
何かのパーティーだったように思う。
自身は正式な客ではなかったが、オクタヴィアスの護衛役と称して末席に控えていた。
そのおりに、オクタヴィアスが客をもてなす為にフルートを吹いたのだった。
その時まで彼がフルートを吹いているなんて知らなかったし、フルートそのものに興味もなかったのだが。
いざ彼が、吹き始めるとその優しい音色にいっぺんでとりこになってしまった。
それ以来、オクタヴィアスにまた聴かせて欲しいと頼んだこともあってか、しばしば聴ける機会を彼から設けてくれるようになった。
そしてその音色に幾度と無く安らぎを感じていた。
――今、この場所でも]
こうして送って貰えるんなら、俺だけじゃなく他の連中だって、安らかに眠れるだろうな。
タヴィア……ありがとう。
[声はもう届かない。
それでもこの感謝の気持ちは伝えられずにいられなかった]
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クロイツにツェーザル、こんばんは。
本日もあと30分だね。
って、挨拶を間違って灰に落としてしまった。
眠くはないはずなんだけど。
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