情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
[そうして目的の部屋に導かれるように足を向ければそこには赤毛の狼の亡骸があった…。]
…クララ、が
[伝承の通りの人狼という存在もそうだが、クララがその人狼であったという事にショックを受ける。そしてオットーも、リーザも…この場に"生きて"いる全員が重い役を負わされている事を、日を追うごとに重さが増していくことを確認させられる。]
……パメラ、大丈夫か?
[着いてきている以上、見せないというのは不可能であろうから…可能な限りの気遣いを。]
リーザも泣いて謝るくらいならあんなことしないでよ。
[私は何時まで困っていればいいのか。]
それとも、私に食べられると思っての命乞いかしら?
[冗談をいうように。]
もう、別にいいのよ。
[腰をかがめて、視線を合わせると、もう一度笑いかけた。]
――宿の前――
[背負っていたなら、降ろし。手をつないでいたなら、離す。
宿を出てしまえば、惨劇から少女の視界と記憶を守る大人の仕事は終わった。
切り株にはヴァルターが腰掛けていた。誰か見覚えのない男と話をしていて、声も出せないのに割り込む気もない。
聞こえてくるのは呟きのようでうまく聞き取れない。
――というよりも、随分聴覚もやられているのだ、と薄々理解していた。
話をするくらいならあまり不都合ないが、拾い聞きなんかはどうにもならない。
宿の壁に凭れて空を見る少女に、同じく途方に暮れて空を見ようとしたその時。]
……(ヨアヒム)、
[姿変わるでもない彼の様子に、探し人を見つけたとばかり、軽く手を上げてみせる。
あの姿のパメラを連れているようなのには苦い顔をしかけたが、彼女は記憶に関してだけは失っていない様子だったので、一般的に言う子供とは違うかと、そのまま見送った。]
あー、もう。
泣かないの。
[ほら、と嫌がらなければ抱きしめる。]
えぇ、大丈夫よ。
リーザのおかげ。
[少し、嘘をつく。
でも、やっぱり小さい子が泣いているのは見ていられない。]
― 赤毛狼の亡骸の前 ― >>+28
ディーターにケガさせられたあと、クララにホータイしてもらったんだよね…
[ リーザは気を失っていたし、異性で年齢も近いオットーの手助けを借りるわけにもいかず(>>3:212)、そういうことになった。 ]
(おふろ(>>1:304)ではしっぽなかったのに…)
[ まさか自分が美味しそう(>>4:37)と思われていたことなど知りもせず。 ]
[ ヨアヒムに気遣われれば、必要ないことを伝える。 ]
私はもうだいじょうぶ。ここに来ちゃったから。
来てないひとの方が、つらい。
[ 自分の亡骸に涙してくれた人のことを想う。 ]
[クララに抱きしめられれば拒否しない。
大丈夫、リーザのおかげという言葉には、泣く子を落ち着けるための意味もあるだろう。]
(私が泣いたら、困らせちゃうんだから、泣くな。泣くな。)
[自分に言い聞かせて嗚咽を抑えれば、無理してでもクララに笑顔を向けただろう。]
[嗚咽を抑えるリーザ。
笑顔を向ける。]
別に、無理はしなくていいわよ。
[くすくす笑いながら。]
私が一緒にいていいなら。
しばらくこうしてましょう?
[リーザ。
…そして自分も落ち着くまでは。]
[再びクララに抱きしめられ、クララの胸に顔を埋める。
そうしている間に眠ってしまっただろう。
眠ってしまったならば、目をさましたときに見えるのは避難部屋のベッドからの景色だろうか。**]
はい、おやすみ。
[リーザは結局、私をどう思っていたのか、わからなかった。
それを知るのは怖い気もする。
まぁ、今はいい。
どうせ時間は沢山あるから。**]
[他の死者の気配は何となく、感じるが。
どことなく体が重だるい気がして、自分からは話しかけず。]
…………。
[掌を眺めてみて、ある事に気づく。
うっすらと、透けていた。
終わりが近づいているのかもしれない。**]
[とん、と爪先で地面を蹴ってみる。
死んだのにこれほどはっきりと感触があるのもおかしい気がしつつ、喜ばしいこととも思う。
ふらり、と壁に凭れさせていた体を浮かす。何をするでもないけれど、約束がたくさんあったのを、思い出したのだ。]
(場所、聞けないな)
[口がきけないのは案外不便だ。せめて筆談ができればいいのだが、向こう側に置いてきた物に触れられる気がしない。
誰を連れるわけでもないが、誰がついてきても構わず、宿を離れて村の中を歩きはじめる。]
べつにゲルトみたいにひどくないけど。
…。
……。
………。
[ 何しろあそこにはW自分"も居るので。
]
行きたければ一人で行けばっ。
[ ふいっと何処かへ行ってしまった。 ]**
――村を巡りて――
[宿を出て、あの日の足取りをそのままたどる。
教会の十字架はこのさなかにあっても凛としていた。スープを飲むことは叶わなくなった、としばらくそのまま建物を見上げていた。
パン屋も同じだ。明日も来る、と言ったのに。結局のところそれは叶わなかったのだ。破ってしまった約束が、たくさんありすぎた。
ガラス窓の向こう側、片付けられて空っぽの、パンかごを見ながら苦く笑う。]
[そしてそのまま、宿に戻ったのだったか。
今日はそうせず、更に向こうへと歩を進める。
花屋、水車小屋、靴屋と過ぎて、図書館があった。]
(ここか)
[ドアに触れる。感触がない。思い切って手を真っ直ぐに伸ばしたら、そのまますり抜けた。
頭の何処かで、本当にこんなことが起きるのかとどこか感心し。
強烈な違和感を覚えながらも、閉まったドアに向かって足を踏み入れた。]
――図書館――
[ずらりと並ぶ、蔵書を見やる。
背表紙にはタイトル、作者名、それから図書館の貸出を示す記録票だけなのに、自然と心が踊るのが本好きの性か。
思わず手を伸ばしたら、ドアとまったく同じことが起きるだけだったが。
どうしても、ここに来たかった。アルビンと話しているのを聞いたが、ここに自分の著書は並ぶはずだったのだろうか。
アルビン次第だろうが、ぜひ並んでほしいとも思う。
そうでなくとも、新しい司書は入るべきだ。本も、図書館という施設も、よいものだと思うからだ。
蔵書を読むことも出来なかったが、それでも暫くの間ここにいた。]
――そして――
[図書館を出たあとは、微かな羊の鳴き声を辿って、牧場を探すつもりでいたのだが。
羊など、もう殆ど残っておらず。
やはり難しいかと、あの少女が羊飼いの娘とは知らず目を伏せる。
場を離れようと、足の向きを変えた、その先だ。]
――(あ)、
[そこは、あの大雪崩の起きた、村の入口だった。
今はただ白く、うずたかい雪の壁。
一体何人が助かって、一体何人が「雪解け」のあとに出てくるのだろう。
後悔と自責が頭のなかにちらついて、そのままぼんやりと、雪山を眺めている**]
[気がつくと、泣いていた2階の奥の部屋>>5:+39にいたはずが、いつもの避難部屋のベッドにいた。]
(昨夜、シモンさんに手を握って貰いながら寝入った>>4:135後のことは全部夢……だった訳ないか。)
[あの後朝まで眠っちゃって、夜のことが全部夢だったらよかったのに、という僅かな望みは、右手の『業』が打ち砕く。]
[ベッドから身を起こせば、そこには僅かに血の滲むシーツに包まれたリーザの骨と服の残骸、そしてピストル。
そして、部屋の中で身支度を整えるシモン>>5:66。
リーザの血で真っ赤に染まった服は、綺麗に畳み、リーザの傍らにあった。]
[「……じゃあ、行って来る」なんて、銃を懐に部屋を出ようとすれば、聲について話してくれたあの日のこと(>>2:238>>2:255>>2:257>>2:260)を、思い出す。]
(シモンさんがあの『聲』で私とジムゾンさんを背負うか、ジムゾンさんが私とシモンさん、ディーターさんを背負うか…しかないんだよね。もう…。)
[本当はジムゾンに元に戻ってもらいたい。
でも、いつかのジムゾンの問い>>2:293に返した言葉>>2:309が、そのまま彼からの答えになるんだろう。]
(――もう、同じ場所には、戻れない。から。)
[銃を手に出ていくシモンを、止めることは出来なかった。
例え、リーザの声がシモンに届くのだとしても。]
―談話室―
[虚ろなジムゾン、詰め寄るシモン、煽るオットー。
あまり会わなかったアルビンの反応、ペーターの反応。そして、ディーターの反応。]
(ディーターさんの反応が一番意外だったな。
本当に…シモンさんとジムゾンさんと、3人で悪友だったんだ…)
[遭難したり、バカなことやったり、というエピソードは詳しく知らないが、お互いがお互いを深いところで信頼しあってるんだ…と強く感じると同時に、もう、シモンさんの家で3人が飲む、という淡い夢は現実にはならないのだと突き付けられたようだった。**]
―談話室→外―
[虚ろなジムゾンが外へフラりと出た。
いや、談話室から遠ざかろうとしている。
…ディーターが追いかける。]
ディーターさん、戻って!!
[ジムゾンの様子は、私を喰らってる時から少しずつ酷くなっている。
クララの最期のそれと通ずるものがある。
宿から離れてるのは、もしかしてディーターやシモンを手にかけたくない理性と、人狼としての本能のせめぎあいではないか?
リーザを手にかけた時の涙を再びは流したくないからではないか…?
しかし、ディーターもリーザの声は聞こえない。
ジムゾンに声をかけるディーター。
虚ろな目で訴えるジムゾン。―黒い狼が現れる―
ジムゾンとしての「理性」が、人狼としての「本能」に抗う。
「本能」が勝っても、「理性」が流し続ける涙――。]
(―私が自分を護れたならば、ジムゾンさんがここまで苦しむ前に…楽にしてあげられたのかな…?)
[右手に強く残る衝撃。
例えこれが強くなったとしても、今のジムゾンよりは辛くない。
そう思えば、自らが選択肢に挙げることすらかなわなかったそれを選びたかった気持ちが堪らなく零れた。**]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新