情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[肉を裂く嫌な音。
一瞬の灼ける痛み。
零れ落ちるあたたかな血。
確かにあった感覚は、すぐに失せて。
視界がぼやけていく。
ああ、実際に死ぬときの感覚もこうなんだろうか?
これすらも、忘れてしまうのは*惜しいのに……*。]
[夢を、見ていた
純粋に輝く瞳を持っていたあの頃の
四角い画面いっぱいに輝く“夢”
その画面はもう、色を見せないけれど
ただ一時、その夢を見ていたくて
ただ、一時、]
― 牧場 ―
あ、れ……。
[誰かが>>+5、いる。
けども、それが誰だかすぐに青年は認識できず。
未だぼんやり。
風の音が聞こえて。
なんだか背中がもふもふするのを感じた。]
………もふもふ?
[振り返る。
羊によりかかっていた。]
『はいはいお疲れ。
……無茶しやがってて、馬鹿が。』
[声の方へと視線投げれば、ハヤブサが柵の上で羽を休めていた。]
ああ……そうだっけ。
[頭の中、先の出来事が逆送りされ、ピントがあった。
指先が自然に首元へと延びる。
そこには傷はなく。
少し俯いた拍子にようやく気付く。
試練が始まる前の服装に戻ってることを。]
……ちぇっ、つまんないな。
判断ミスったか……。
― 牧場 ―
[さて、目の前にいる人物>>+5。
もし、ベレー帽をかぶっておらずとも、自分と同じくここにいる=脱落した人物、
なら誰か思い至るのは容易なこと。
その傍らに桜色の少女。
ああ、あの包み込んだ桜色。]
君は、誰のジェムを……どんな夢を、奪ったの?
どうして、そんなのを欲しがってしまったの?
[どうせ忘れてしまうと知っていても。
自分にない発想、なぜなのかという興味を満たしておきたくて、ストレートに問いかけた。]
奪った……?いや、違う。俺は奪いかけた
[俯き、目を伏せる
記憶の奔流の中、あのシーンが鮮やかに浮かび]
奪ってはない……これは、確かに言える
[ゆっくりと顔を上げる
悲しげな瞳は、それでも真っ直ぐに彼を見据えただろう]
おや……?
[青年は、羊に背を預けたまま、不思議そうに首を傾げる。
確かに、知れたのは”ジェムに手を伸ばした”ところまで。]
ってことは、すんでのところで留まった、って事かい?
じゃぁどうして……人狼なんかに?
いやうん、恩恵ってヤツで君の過去をちょっとだけど知れてね……
そして、君が人狼だって……。
[見据える表情>>+11は、後悔でもしているかのように*思えた*。]
― 牧場 ―
……。
『どういうことだ?相手の正体が知れる、という恩恵は絶対の筈なのに……。』
[ハヤブサが嘘を吐くとは思えず。
けども、目の前の少年も、おそらくは契約者であろう桜の少女も、嘘を吐いているようには見えず。
そもそも、脱落してから嘘を吐く必要性も感じられない。
青年は右手で羊の毛をぽふぽふと弄びつつ考え込んでから、口を開く。]
……この世界、随分欠陥だらけなんじゃないか?
人狼を排除すべきとしながら、人狼も再び試練を受けられるってだけでも大概だし。
こんな設定の漫画があったなら、読者から盛大にツッコミが入るところだぞ。
合格してたなら、ついでにそのあたりも暴きたかったんだけどなぁ。
ま、もう無理な話、か。
[残念そうに一度俯いてから、再び少年へ視線を向け。]
で……君は。
最初は、どんな夢を見てたんだい?
いろんな人に否定されてたみたいだけどさ。
他人のことを知るっつーんだから、確かに絶対じゃなくちゃいけねえよな
ちなみに俺は人狼から魔女を守れる恩恵を持ってたんだけど……、人狼に間違われるなんて、皮肉なもんだよな
[悲しげに、笑う]
人狼も、自分から堕ちた奴と不可抗力で堕ちた奴の二種類が居るからな
きっと、魔女に戻りたい奴のためのシステムなんだろ
[連音には、もう関係の無い話になってしまうが
しかし、目の前の彼は随分と知識欲旺盛なのだと感じる
恐らく桜の少女も、同じ気持ちだろう]
俺は……俺の、夢は……
[蘇る、脱落する前のこと
それでも話すだけならば、過去の話をするだけならば
一度、目を伏せ、開き]
……アコーディオン弾きに、なりたかった
もう、どうでもよくなったけどな
[悲しむように、自分を嘲るように、笑う
試練が終わったら、恐らく諦めてしまうのだろうから]
お兄さんは、何を願ったんだ?
[ふと、問を投げ返してみて*]
ほぉ……守る、か。
素敵な力じゃないか。
[目を細める。
他人のモノを欲しがった少年の手は、確かな力を持っていた。
あの否定さえなければ、欲しがることもなかったのだろうか?]
けど、その人狼が魔女に戻っても、また人狼に堕ちる可能性もあるからなぁ……。
やっぱ、欠陥に思えるかな。
[あの、仮面を外した少女が、実際のところ人狼だったかどうかはわからない。
けども、少女が人狼だったなら。
自分の目的の為なら、再び堕ちることだって厭わないだろう。
盲目的なそれは、強さにもつながるだろうけども。]
[語られた夢>>+17に浮かぶのは、魔女だった時の少年の姿で。]
なるほど、ね。
それが、魔女としての姿に反映されてたってことかな。
でも、どうでも……ってそれはなんだか寂しいね。
俺は、君のなりたいアコーディオン弾きがどんなのかわかってないけどさ。
プロとしてやっていきたいか、それともただ遊びで弾ければいいか。
プロだったら……うん、難しいだろうね。
簡単に”頑張ればプロになれる”なんて無責任には言えない。
けどさ……こっそりひっそり夢見つつ、楽しむくらいならばちは当たらないと思うよ?
それに……
アコーディオン弾いてた君の姿は、なかなか様になってたしさ。
ん、俺……?
いろんなことを、知りたかった。見たかった……
体感したかった。
それを、自分の作品にフィードバックさせたかった。
実体験というのは、想像に勝るから。
リアリティに差が出る。
いや……俺さ、漫画描いてんだよね。
っても、プロとしてはまだまだだし、そもそも自分のオリジナルストーリーで長編描いてないし、ね。
……だからさ、正直今こうやって話してることすら、試練が終われば忘れるってのは、残念だったりするのさ。
君くらいの年の子と直接話す機会ってのもなかなかないしね。
[軽く肩をすくめて笑う。]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新