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[彼が今まで見せたことのないような表情をしたと思えば、動くことのない私の頬へと、そっと顔を近づけたのです――。
時間的には数秒程度だったのでしょうが、彼の隣で見つめていた私からすれば数分、数十分にも感じられました。
彼はその後蓋を閉め、Nルームを後にしたのですが、私は暫くその場を離れることが出来ませんでした。
蓋の中で眠っている私の顔を直視することが出来たのも、今回が初めてでしょう。
じっと、コクーンの中で眠っている私自身の顔を見つめ、私自身の頬へと手を伸ばしましたが、当然頬に触れることはなく、すっと私の手はすり抜けて行きました。]
……どうして……普段からあんな顔見せてくれなかったのですか。
ダーフィト、あんな顔出来たのですね……。
[今まで見たことのない、まるで別人のような彼の表情。
物理的に雫が流れることはないのですが、何時の間にか涙声になり、表情もぐしゃぐしゃに歪んでいたでしょう。]
どうして……声が届かないの……!
私は、ここに居るのに……!
ダーフィト……!
[彼の忠告を聞いていれば。無用心でなければ。情に流されなければ。
過去の傷という言い訳の盾を持ち出していた自分がただただ虚しく、哀れに思えてきたのです。
そこに残ったのは、溢れんばかりの後悔と、悲痛。*]
[もしかしたら、自分の身体に、戻ることができるかもしれない。
その一心で、かつての自室へと戻る。
だが、その人が来るとも思えないのに整った部屋には、私の身体らしきものはどこにもなかった。
まあ、あったところで、戻れた可能性は低い。
わかっている、わかっていた。
そう思っていても、落胆は隠せない。
暫く、その部屋の中でただ呆然と浮かんでいた。]
──── 回想 レストラン ────
[ベルティルデの問いかけ(>>4:+5)にオクタヴィアが答える(>>4:+21)。
オクタヴィアも私と同様に死んだ自覚はないものの、殺された"らしい"。
────私も、オクタヴィアさんも、ベルティルデさんも………人狼に襲われた人がこの姿になるのなら、何か理由があるのかな……?
考えてかけて、今はそれよりもこの状況をなんとかしないと、と首を振る。
────んー、私達が人狼に復讐できる力を持ってる、何てことないかなぁ……
そんなのは夢物語なのだろう。
それでも少し期待してしまうのは、無力だと思いたくないからだろうか。
もしかしたら、と私は思う。
人狼に襲われた記憶のあるベルティルデなら、人狼が誰だか知っているのではないかと。
しかしそれを問うのはやめた。
"大丈夫です"という彼女(>>4:+6)に、もう辛い記憶を思い出させたくなかったから。
その代わりに、"敬語をやめよう"という提案をしたのである。]*
──── 回想 メイン・サロン ────
[ベルを励まそうと自分の見てきたものを語る。
文としてまとまっていたとは言えないそれを、ベルはしっかりと聞いてくれた。
そして、"ありがとう"と。]
えっそんなっありがとうなんて……
私なにもしてないし、できなかったしっ!
あ……ベルのヘマ………?んーと……見て…ないよ……?
[多分メイン・サロン前のどこかの通路で転んでいたのはベルだと思ったが、それは口に出さずに誤魔化した。
目が泳いでいたため、きっとバレバレだろう。
────ごめんっ本当はたくさん見たっ!
心の中で謝る。バレバレなこの嘘を、ベルはどうとっただろう。
それからまた改めて"ありがとう"と微笑む彼女を見て、ゆるゆると首を振る。
オクタヴィアの励ましもあって(>>4:+22)ベルは元気を取り戻してくれただろうか。
一瞬違和感を感じたが、気のせいだろう(>>4:+29)。]*
──── 回想 10年前 ────
[ふわりと微笑んだ後、私はベンチの男の人の事など忘れ、友達との遊びに没頭していた。
やがて日が暮れて、友達と名残惜しげにわかれる。
今思えばそう。遊んでいた時もこの時も
私はずっと見られていたのである。
その日は夕方から天気が悪くなったのを覚えている。
いつもより暗い歩き慣れた道は、全く知らない道のようで怖かった。
ふと、何かの気配を感じ後ろを振り返る。
しかしそこには誰もおらず、ふさぁぁと草木が揺れているだけだった。
────はぁ、よかった。何もないよね。
ホッと息をついて前を向いた瞬間、
きゃっ……………!!
……ぃゃっ……………………んぐっ!!!!
[腕を掴まれ、騒がないように、と口許を布で覆われる。
どうにか振りほどこうともがいても、11歳の私の力では全く歯が立たなかった。
「暴れないでよ。傷つけたくないんだからさ。」
はっきりと、そう聞こえた。
行為に似合わぬ優しい声で。
背中にぞくりと冷たいものが走る。
……その声を最後に、私の意識は途絶えてしまった。
きっと、この男が────公園のベンチに座っていたあの男性が何かしたのだと思う。]
[目を覚ました時、最初に目に入ったのは私を覗き込む男の顔だった。
────?!
声は出せなかった。
"人は本当に恐ろしい場面に出くわした時、声が出せない"と聞いたことがある。
どうやらそれは本当のようだ。]
「おはよう。ようやくお目覚めだね。
はは……そんなに怯えて……可哀想に。
……あぁ…どんなに騒いでもらっても構わないよ。
どうせ外には聞こえないしね。
それから……この部屋の外には出ないでね。
やっと手に入れたんだ……アイリス・サーヴェスタ……
誰にも渡さないよ…………」
[そうして男は私の頭を撫でる。
その時感じた悪寒は尋常ではなかった。
気持ちが悪い程の優しい声。
光のない目は何かに取り憑かれているようで、全く感情を読み取れないのである。
何より私は、この人に名乗った記憶などない。
男に体を起こされて、自分がソファに寝かせられていたことに気づく。
手足はロープで縛られ、自由がきかなかった。
どういうわけか、ロープと手首、足首の間には柔らかい布が巻かれていたのだが。
理解が追いつかないまま、男を睨みつける。]
「あ、お腹すいたよね?
何か持ってくるよ。待ってて。」
[男は特に気にする様子もなく、ご飯を取ってくる、と部屋を出た。
カシャン、と鍵をかける音が聞こえる。
────どうしよう。とにかく、ここから逃げなくちゃ。あれからどれくらい経ったかな?警察には伝わってる?
]
[ざっと部屋を見渡す。何か、逃げられるようなところはないか、と。
しかしその部屋には窓はおろか、家具すらろくになかったのである。
部屋の大きさも、6畳ほどだ。
────ソファと小さな机と……バイオリン?
部屋の端に黒いケースを見つけた。
形からバイオリンケースだと推測できる。
つまりここは、あの男がバイオリンを練習する為の部屋なのだろうか。
数分後、男は袋を持って戻ってきた。
中には菓子パンが入っている。]
「はい、どうぞ。
アイリス、これから君は僕と暮らすんだよ。
とても嬉しいことだね。
あはは、遠慮しないでいいよ?なんでも言って?」
[目の前に差し出された袋をじっと睨みつけ、私はなにも答えなかった。]
────逃げなくちゃ。この狂った人から。パンなんていらない。でも、逃げるには手足が自由に使えなければ……
恐怖心はまだ拭えない。むしろ高まっている程だ。
それでも、ずっとこんなところにいるわけにはいかない。
いつかパパとママに会うために────]
………手と足のロープを取ってほしい。
パン、食べられないから。
[声が震えないようにトーンを抑えて呟いた。
男は"あ、そうだね。ごめんごめん。"といって手足の拘束を解き始める。
────これで逃げられる。後はこの部屋を出るタイミングだけど……この人がこの部屋にいる間だけ、部屋の鍵は開いている。という事は……!
力ではかなわなくても、不意打ちならばいけるかもしれない。
チラリと部屋の隅にあるバイオリンケースに目をやった。]
…………………飲み物。
[ぼそりと、しかし男に聞こえるように。
男は、「あ!そうだった!水でいい?」とやけに明るい声で言う。
私が頷くと、男は部屋を出て行った。
────やった!これで……!
バイオリンケースを手に取る。
それは思ったより重かった。
高価なものだったら…と気が引けたが、今はこれしかないのだ。
扉付近に待機して男が戻ってくるのを待つ。
心臓がドクン、ドクンと痛いくらいに脈を打っていた。
ついに扉が開いたとき、私はバイオリンケースを投げつけてその部屋から逃げ出したのである。]
ベル!良かった、また会えたね!
[ベルは既に亡くなっている、その事実を忘れ、…は抱き着こうとしたかもしれない。が、触れる事は出来ず]
そっか…私たち、やっぱり"死んじゃった"…のかな。
それでも、また会えて嬉しい!
ベルが襲われた時、私は気づく事が出来なかった。あまつさえ、ベルを襲った『人狼』に加担したなんて…
ごめんなさい…
[昨日の事を思い出したのか、消え入りそうに小さな声で]
――現在――
[あの後私は落ち込み、自暴自棄になっていたのですが。
ふらふらと彷徨っていると、何やら周辺が慌しかったのです。
しかも、私の行きたくない資料館近辺で。
見えた影はケーニッヒ先輩と>>189……タイガさん>>229。]
……!
[タイガさんは私の意識が消え行く時に見た漆黒の獣の姿ではなく……まだ過去を重ねてしまう、普通の、人の姿。
様子を見ると、ケーニッヒ先輩が……タイガさんを案内しているのでしょうか。
まるで、あの時私が案内したときのような光景。
しかも入って行く場所は、資料館。]
だめ……! ケーニッヒ先輩、行っちゃだめです!
[当然、私の叫びは聞こえることもなく――。
苦手意識など何処へやら、私は必死でケーニッヒ先輩とタイガさんの後を追っていったのです。*]
[資料館近くの二人を見かける前。
懐かしい声が聞こえ>>+61振り向くと、そこには見慣れた、揺れる赤毛の妹のようなお姉さんが居たのです。]
サシャ……!
[昨日のサシャの様子は克明に刻まれていました。
狂気の笑い、私を颯爽と救ってくれた弓矢で、エレオ達を傷つけていたこと。
でも、今私に語りかけた明るい口調、様子。
私に抱きつこうとして……すり抜けた現実。
まるで昨日のことが夢だったように、私の知っている、明るくて可愛くいサシャのままだったのです。
幽霊になったまま意識もあって動ける段階で夢だと思いたいのですが、昨日のサシャが悪夢のままであるなら、幽霊のままでも良い、と思えたほどに。]
私も、また会えて嬉しい、けど……。
サシャは……。
[死んでしまったのね、と声をかけて良いのか。
昨日のサシャは夢であって欲しかったから、そのことに触れたくなかったのです。
そんな時、ぼそっとサシャが何かを呟いたのですが。]
……どうしたの?
[私は、いつもの癖で聞き返してしまったのです。*]
[どれ程の間、そうしていただろうか。
不意に、小さくピアノの音が聞こえて来る。
どこかで聞いたことのある、懐かしいメロディー。
本来防音のしっかりしているだろう個室であったが、何の因果か、その音はしっかりと聞こえた。
望郷の念に駆られる。
あの大学に、平和な場所に戻りたい。
そのためには、ここで立ち止まっているわけにはいかない。]
そうだよね…先ずは、手がかりを見つけないと。
この状態でも、思いの外長く活動できるみたいだし。
一時の夢、って訳でもないんだろうな。
まずは…資料室、かな。
彼女…ベル、が襲われたところ。
[いつの間にか、かすかなピアノの音は止んでいた。
演奏者は誰だったか。
ふと気になったが、今は手がかり…何らかのとっかかりを探すべき時だ。
余計なことを気にしている場合ではない、が。]
…ありがとうございました。
[私を立ち直らせてくれた、姿も知らないー恐らくは知っている誰かなのだろうがー演奏者のいる方角へ、一礼する。
この位の時間を、惜しむこともないだろう。
そして、今度こそ、資料室へと飛んでいく。]
[嫌だとか考える暇もなく資料室に入ると、中にはシェルダン先生が既にいらっしゃったのです>>234。]
先生……!
[ケーリッヒ先輩がタイガさんを連れて来て、その指示を出したのは先生……?
――どのみち、先生が危ない。
ドロイド錯乱時、頭部が血塗れになっていた先生の姿が蘇ったのです。>>2:39]
先生っ! タイガさんは……!
[先生の様子といえばいつも通りの飄々とした様子で。
――先生は、ひょっとしたらタイガさんのことを知っているのでしょうか?
なら、尚更先生が……!]
──── 医務室→??? ────
[眼鏡の男性の告白は、私だけでなくそこにいた人々を驚かせた。
当たり前だ。急にこんなことを言われて、理解できる方がおかしい。
サイボーグ、第2の脳、人狼………
よくわからないことが多すぎて、私の頭はパンク寸前だった。
────それに……カークを探っていたなんて。
思えば2人の仲はいいとは言えなかった。
私をここに運んでくれたとき、ピリリとした空気が流れていたことを覚えている。
会話の内容など、私にはわからなかったのだけど。
────でも、私は信じます。あなたが……"ハダリー"さんが、人狼ではないと。
何もわからなくても、あの優しさだけは本物だ。ならば私はそれを信じる。
申し訳なさそうに医務室から出て行く"ハダリー"(>>4:162)を見送って、私は一度、大きく息をする。
そこにまだマリエッタがいたならば、"あ………私、メイン・サロンに戻りますね。この姿になっているの、私とマリエッタさんだけじゃないんです。"と微笑んで廊下に出ただろう。
そこには既に"ハダリー"の姿はなく、マリエッタが付いてくるなら一緒に、メイン・サロンへ戻っただろう。]
……!
[タイガさんの瞳の色が、赤色に変わった瞬間。
――そう、私がこの瞬間を見たのは、二度目。
でも、先生は迷わず銃を抜き、タイガさんの額へと――>>271。]
いや……! だめ、逃げて……先生……!
[狼の俊敏さ……俊敏さだけじゃない。
肉体能力全てが、人間が叶うものじゃないから。
一瞬の隙が出来たら、もう――。]
[同時に流れ出す過去の光景。
母が、父に包丁を向け、刺したこと。
今度は、先生が、父に似た人に、銃口を突きつけている。
私にかかっている幻惑――血の記憶の呪縛は、解けていないのです。
この呪縛が解けるには、まだ暫く歳月がかかることでしょう。
それほどまでに、当時7歳だった私の心に深い傷を残していたのです。
大好きな母が、大好きな父を殺そうとした場面が。
私の根底にあるのは『人狼への恐怖』ではなく。
大事な人が、大事な人を、殺そうとする場面に対するもの。*]
――資料館に入る前――
[可憐な赤毛がさらっと揺れたと思えば、サシャはぱっと頭を下げたのです>>+71。]
……昨日のあの時、見てたわ。
覚えてるの? ……あの時のこと、自覚あるの?
[「あの時」とは勿論、サシャが矢を放ちエレオや皆を傷つけた時のこと。
彼女の表情は真摯そのものに見えて、私はこくりと頷きました。]
ええ……。
なら、サシャの話が終わったら、私もサシャに話したいことがあるの。
先、聞かせてくれる?
[そのまま彼女の話が始まったのならば、黙って聞いていたでしょう。*]
──── ??? ────
[それは医務室からの帰り道だったか、メイン・サロンだったか。
少し離れたところにベルを見つける。]
あ!ベル!!
怪我した人たち、大丈夫だったよ!
あの……"エレオ"さん……?も!
それと────
[安心させるように微笑む。
その後、少し言いづらそうに目をそらし、マリエッタが倒れていた事、そこで浮遊するマリエッタに会った事、ハダリーの告白を簡単に説明した。]
でも……"ハダリー"さんは私を助けてくれた人なの……
私、その人が人狼だなんてどうしても思えなくて……
[声をかけられたのはその時だったか。
振り返るとそこには、人狼に魅せられた"サシャ"がいた。
思わず一歩後退してしまう。
────この人は本当に昨日の人と同一人物なの……?
今の彼女が"全部滅んでしまえば良い!"なんて言うようには見えない。
戸惑ったまま、彼女を見つめて私は震えていた。
それでもベルとサシャが親しげに話す様子(>>+61,>>+66)を見て震えは治まって行く。]
ゎ………私は……アイリス・サーヴェスタ…
あの…………呼び方は……アイリでも……アイリスでも………
[小さな声で相手の質問に答える。
まだ握手には応えられなかった。
ベルが昨日のを見ていた、といったなら
[資料室の場所は、覚えていた。
何度かデータを確認しに行ったから。
やがて、資料室の前にたどり着く。
資料室の中に、目を向けると、そこにいたのは、4人の人間。
乗員らしき男性が2人、サラリーマン風の男性が一人、そしてー浮いている女性。]
べ、ベルさん?
[思わず、声をかける。
部屋の中の空気は、張りつめていた。
そして…やがて、サラリーマン風の男性ー「タイガ」と呼ばれていたかーが、対峙する乗員風の男性の一人に襲いかかる。
その姿が狼に見えたのは、果たして暗い部屋が生み出した錯覚だったか。
私は、ただ呆然と見ていることしかできなかった。]**
──── ???→仮眠室 ────現在
[ベルとサシャと別れ、私は当てもなくふわふわと辺りを彷徨っていた。
すると1人の男性が目に入る。
────あれは……"ダーフィトさん"……?
1人でどこへ行くんだろうと疑問に思い、その後をついて行く。
たどり着いたのは仮眠室だった。]
わぁ………こんなところあったんだ……
でも、なんでここに?
["ビンゴ、かねえ。"と呟くダーフィトに私は首をかしげる。
やがて彼の口からでた"ハッキング"という言葉に、私は動揺したのである。]
ふぇ?!
は、ハッキング?!
えっと、確かハッキングって、凄い人がやるんだよね?!
犯罪だよね?!
[昔、小説で読んだことがあった。
その中でその中でハッキングは、とてつもない凶悪犯罪に利用されていて、1人の人間がパソコンだけで世界を脅かしていた。
私にはそのイメージしかなかったのである。
浮いたまま、1人であたふたしていると彼はスノウを呼び出し、"タイガ"と名を告げた。
その行為は昨日、サシャがおかしくなった時にみんながしていた行為。]
ダーフィトさん……?
それ……どういう意味があるんですか……?
[当然その声は届かず、虚しさだけが残った。]
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