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……まだ、死ぬつもりはなかったんだけどな。
[生死不明なら、それはそれで彼女が縋る希望になるだろうか――なんて、甘い期待を頭の片隅で考えながら、ぼやく。
死ぬことは何も怖くはなかったけれど、それでも。
それでも、あと少しだけ、もう少しだけ、
――生きていたかった**]
[ヨアヒムは、渇いて仕方がないと言っていた。
オットーは、一心不乱にこの体を貪っていた。
――殺されてもなお、彼らを異端者だと思うことは出来ない。
むしろ、どうすればその呪いから解放できたのだろうか、と言うことばかりが脳裏を過ぎる]
[ヨアヒムとオットーが人狼だった。
他に仲間は居るのだろうか。
もし、村に現れた人狼がその2人だけだとしたら――
――残されたヤコブは、どうするのだろう]
[エルナに宛てて認めた最期の手紙。
それが人の目に触れることを、心のどこかで恐れている。
彼らは、獣でも異端者でもないことを
幼い頃から共に遊び、語り合ってきた友人であることを
よく知っているから。
獣や異端者として裁かれる事を、恐れていた]
[雪を踏みしめても、何の音もしなければ感触もない。
冬景色の中で佇んでいても、寒さも感じない]
――なるほど、確かに死は救いなのかもしれない。
[物理的な苦痛の全てから解放される。
だけど、魂がここにあるかぎり、それは逆に苦行となる。
声も届かず、触れることも出来ない。
ただ――見ていることしか出来ない]
―幽界―
[ニコラスの最期>>3:230を、そして彼の手紙>>3:215を。
結局のところ、フリーデルは全て見ていたわけで。
彼が、本当に死んだということを――エルナの支えがまたひとつ、消えてしまったということを。
それを受け入れるのにまる半日掛かった。
……そうして、ようやく受け入れた彼女は。
佇むニコラスの前>>+6に、ふわりと着地する。
表情こそ穏やかなものの、握った拳は震えて、目線はやや鋭いもので。
声もまた、何かを押し殺すように震えている]
………………ニコラスさん………………
…………あなたまで、“こちら”に来てしまったんですね………
―広場―
[まだ、来るつもりはなかった、と彼は言うが。
フリーデルは絞りだすような声でそれに応えた。]
……じゃあなんで手紙を遺したんですか。
死ぬ覚悟、最初からしていたってことじゃないですか……!
[全て見ていたのだから。
少なくとも、あのような手紙を残すというのは、最初から生きて帰れることはあまり期待していなかったということだろうということくらいは、簡単に推測出来るわけで]
……歯を食いしばってもらえますか。
……私がそうすることをエルナさんが望んでいるなどとは思いませんし、死者に鞭打つなどシスターとしてあるまじきことですが。
[徐々に、徐々に。語気が荒らげられて。
生きていた頃ですらしたことがないほど、攻撃的な目線をまっすぐにニコラスにぶつけて。]
一回この手で殴らないと、私の気が収まりません!!
[搾り出すような声に、驚いたように目を開く。
そして、ほんの少し非難の色を浮かべて「手紙を覗くなんて趣味が悪いと思います」とぼやいたが果てさて、色めき立つ彼女の耳には届いていたか]
……そりゃ、相手は友人とはいえ人狼ですし、生きて帰れる保障がなかったから、シスターの仰る通り手紙を残したんですけどね。
彼は僕の友人だから。
僕が止めなければいけない――違うな。
止めたかったんだ。
[そんなのは自分のエゴでしかなく、結局はこうして死んでしまったし、エルナを独りにしてしまった。
殴らなければ気が収まらないと言うフリーデルには何も言わず、ただ、怒りを受け止める覚悟を示すように黙って目を閉じる]
[小さい呟き>>+11は、フリーデルの耳に届くことはなかった。
実際の所エルナ宛に手紙を遺したという事しか知らないわけだが……それだけ見れば、推測するなど容易なもので。とはいえ、ニコラスが手紙を全て見られていると思っていることなど知る由もなく。
だが。
「止めたかった」と言われれば、少し目線を和らげもして]
…………男の戦い……
……という、こと、ですか。
[まだ拳は握ったままだが、とはいえそれを振ることはなく。
僅かに態度も手も緩めて、ニコラスを見たまま。]
……勝手です。
……使い古された文句ですけど、男なんてみんな。……勝手です。
[悲しげに、しかし口を尖らせて言うものの。こんな村でも、外のことは情報としては入ってくるし。そもそも小さい村だからこそ見える人間関係というのもあるのだ。
これが「男の戦い」と言うのなら。女である自分が口を挟んではならないのかもしれない、とも、思うのだ]
[殴られる覚悟を決め……しかしフリーデルの手が振られることはなく。
目を開けると、その表情は幾分和らいでいるように見えた]
そう、ですね。
勝手だと思います。
誰にも、エルナにすら話さず、1人で決めてしまった。そして殺されてしまった。
……それでも僕は、ヨアヒムやオットーを化け物だと思うことが出来ない。
どうすれば2人を呪いから解放できただろうって、そんなことばかり考えてしまうんです。
でも結局殺める以外に方法がないなら、やっぱり僕の手で果たそうとしたでしょうし――異端者として裁かれるような事にだけはしたくなかった。
……彼らにだって、死と言う救済と平穏を、平等に与えられる権利がある。
そう、思うんです。
[その声は、届かなかったけれど。
少し寂しそうに、目を伏せた**]
―それから―
[フリーデルとの会話をどれだけ交わしたか。
男の魂は、手紙を見つけたエルナの傍にあった。
手紙の内容に顔つきが変わっていき、包丁を片手に部屋を出て行くその背中を追う]
――ごめん。
君に、そんな顔をさせたくなかったのに。
[誰よりも彼女の笑顔を望んでいたというのに、彼女から笑顔を奪ったのは
――紛れもなく、自分だ]
[ヨアヒムが誰かと怒鳴り合う声が聞こえる。
その部屋の中に、エルナがそっと押し入る。
そして、窓が閉められ――
狭い部屋の中、大切な2人が、守りたいと思っていた2人が。
殺意を剥き出しにして対峙しているのを、ただ、見守るしかなかった**]
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