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― ??? ―
[時折、周りの景色が過ぎ去っていく。
少女には、どうしてそうなっているのか、など解らないのだけど。]
…誰か、いないの?
エリザ、どこ…?
[きょときょとと周りを見回しながら歩いている。]
[相手はこちらに気付くだろうか。
もし気付かれても、目を逸らしてしまうだろう。
そこには戦場においての事とはいえ、彼女の行動に温情を与えなかったことへの、後ろめたさがあった]
― ??? ―
……?
[聞こえた声>>+3に、少女は目を瞬かせ。]
えー、と。
マリエッタ、だっけ?
[少女は相手の後ろめたさ>>+4など知らず、とことこと近づいて。]
…大丈夫?
ここ、どこか、わかる?
[疑問と心配の言葉を紡ぐ様子は、以前、言葉を交わした時と変わらなかっただろう。]
― ??? ―
ええ、そうですわ。
[こちらの名を呼ばれ、頷く。
以前と変わらぬ様子に、少しばかり安堵はしたが。
何処、と問われれば首を傾げる]
さあ……。
戦場にて意識を失った所までは、覚えているのですが。
[言って、目の前の少女を見詰める]
貴女は……
確かその時には、近くにいらっしゃいませんでしたわね。
[ロー・シェンから処遇を問われはしたが、その後の顛末までは知らぬままだ。
危険な目に遭っていたとは、考えたくない事だった]
― ??? ―
よかった、間違ってなくて。
[少しだけほっとして]
うー?
うん。気付いたらここにいたの。
……エリザもいない。
[長い間一緒にいる友人の姿がないことに、しょぼん、としょげかえった。]
― ??? ―
……ん。そうだといいな。
[しょんぼりしているのは変わらないが、軽く微笑みを浮かべて。]
…ね、周りがどんなだか、調べない?
昏いばっかで、やなの。
[正直な言葉を紡いだ少女は、相手の反応を待つ**]
[知らない街、知らない匂い。
『ヴォルケンシュタイン家』を知らない街の人々は、シュテルンに対するのと同じごく自然な笑顔を自分へも向けてくれた]
ああ……こんな
[外の世界を知らなかった少女は、いつしか自ら手を差し出し、街へ駆け出すようになっていた]
[突然の雨の中、ずぶぬれで駆け抜けた日もあった。
師匠はやれやれと苦笑しただけだったけれど、シュテルンは申し訳なさそうにしていて。
そんなシュテルンに、こちらは満面の笑みを向けて言った]
気にしないでくださいまし。
わたくし、こんなの初めてでしたから……とっても、楽しかったですわ。
[結局その翌日は、熱を出して寝込んでしまったけれど。
心に残っていたのは、楽しかったという思いだけ]
― 現在・氷竜軍軍営 ―
ん、…………
[小さく声を漏らして、ゆっくりと目を開ける。
そこは見知らぬ場所で、見知らぬ人々が自分を取り囲んでいた。
傷の痛みはなく、治療が施されたことがわかる]
あの、……ここ、何処ですか。
[訊ねれば、自身が氷竜軍に捕虜の身として囚われていることや、戦闘から数日経過していることなどが伝えられるだろうか]
そう、ですか……。
[意識が戻った今、さすがに短剣は没収されるかとも思ったが、結局提出を命じられる事はなかった。
それは、シュテルンが言い置いていた事もあるだろうが――
最大の理由は、自身もよくわかっていた]
今のわたくしに、貴方がたに斬りかかる力など、ありませんものね。
[寝台に体を起こすのがやっとで、長く会話することも困難な状態。
近々捕虜交換の運びになると聞かされてはいたが、海精軍に戻った所で、戦線に復帰できるとは思えなかった]
いえ、それどころか――
[何より自分の体を知る精霊師に思う所はあったが、それを口に出すことはなかった]
― ? ? ? ―
[意識は再び、昏い世界へ舞い戻る。
しかしその表情に、哀しみの色はなく。
胸元には蒼色の、暖かな光を宿していた]
― 捕虜交換当日 ―
[氷竜軍側の馬車に乗せられ、指定された平原へ向かう。
意識を取り戻した後も、結局シュテルンと言葉を交わす事はなかった。
無事を確かめたい思いはあれど、捕虜の交換が決定している以上、それは敵軍の動向を探る言動と見做されかねず。
体調を鑑みても、託された
……みんな、大丈夫かな。
[明るい場所を探していると、気になるのはもちろん他の者の事。
無意識ではあるが、その中に幼馴染であるジークの事も含まれている。]
本当!?
そっかぁ、よかった。
[マリエッタから聞かされた事>>+22に、ほっとしたものの。
すぐに彼を言葉で傷付けたことを思い出して。]
……早くここから出て、この戦止めて。
謝りにいかなきゃ。たとえ、無理でも。
[エルフよりは短いが、ニンゲンと比べたら遥かに長命だから。
せめて悔い無きように。
しかしどうしてここにいるのか、の部分を思い出そうとすることが恐ろしくて、
そのままにしているのだが。]
ここからは、きっといずれ出られるでしょう。
でも、約束して。
……願いのために、自分の命を投げ出すような事はしないって。
[純粋な少女を真摯な眼差しで見詰め、口調を正すのも忘れて訴える]
それはきっと、貴女の大事な人も望まぬことですわ。
……生きているなら……きっと、いつか叶うから。
[胸元の蒼を押さえながら、柔らかく微笑んだ]
解ってる。
戦なんてそんなモノだって。
[知識としては知っている、理解している。
だからこそ、マリエッタの言葉>>+24には頷いて。]
……へぅ?
[訴えられたこと>>+25には、目が点となって反論しようとしたが、
大切な人も望まない>>+26と聞いて口を噤んだ。]
(……でも。)
(お互いの寿命が違うかもしれない場合はどうしたらいいの。)
[そんな事が浮かんでは消えていった。
エルフよりは短いがニンゲンよりは長い時間を生きることができるから。
のんびりしていたら、きっと――**]
ううん。
[もしかしたら、少女は戦を猟に―少女にとって、
もっとも身近な物へと落とし込んでしまったのかもしれない。
それでも、ずれは大きいはずだが。]
マリエッタはあたしより周りが見えてるよ。
[ぽふ、と頭に手を置いて、撫でようと**]
ウェルシュ、様……。
[頭に置かれた感触に、目を円くする。
貴族の家に生まれたせいか、その行為には不慣れだった。
けれど特に抵抗はせず、受け入れて]
ありがとうございます。
このまま……外でも、無事に再会出来るといいですわね。
[そう言って、小さく微笑んだ]
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