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― 子育て奔走記 ―
[騎竜の調教方法にはいろいろある。
だが、いろいろ聞いた挙句、卵をもってきたソマリアランの取った手段は――]
ちちうえー、ほんとに好きなのもっていっていいんですか!
[ローゼンハイムに案内されたクロイスさんちの武器庫。
そこでソマリアードは自分の身の丈にあった武器と防具のセレクトをする]
「いいなあ、アランばかりー」
[そうぼやいて見守るだけなのはソマリアードである。
だが仕方がない。父親から「アランから3本勝負で1本でも取ったら」といわれて、三戦全敗のアードには参加する資格がないのだ]
[そうして、扱いやすそうな短剣を2本携え見守る子供のそばで、いよいよ殻にひびが入る。竜の視界に入らないように、隠れる見物人。そして、いざとなれば助け舟を入れられる位置にローゼンハイムが入る]
[そうして生まれた竜が翼を広げれば、全長は子供と同じくらいに見え、爪や牙の鋭利さも、子供が持つ短剣と同じくらいに見えたのだが――]
わーい! かったー!
[わりとあっさりと。竜は両角を折られ(片方でよかった)、常識の知らない子供に屈服させられるんであった。この時の角から削りだされたのが、2本の竜笛である。普通竜笛は1本しか作らないのに、余分に人間に痛い目をあわせられ、そのせいで調教がうまくいかなくなったのが今のミシェイルなのであった]
[そうしてしばらくは、おんぶひもについているのが卵ではなく、竜になった。
竜も仕方ねえなあ、という感じで物理を畏れ、アランのいうことはきいた。
アードのことは、生の豚肉を切って、ミルクくれるひと、という認識になった。アランはわりと適当だったから相手が赤ちゃんでえさを定期的にやらねばならぬということを忘れてしまうのである]
[この間、あちらこちらのご家庭に幼竜を連れまわしては、竜が牙や爪をむくことにアランの教育的指導が入るという、誰に危害を加えてはならないのかという教育が徹底的になされた。
リンドブルムさんちはわりと寛容であったが、シンクレアさんちにはそれはそれは怒られたのはいうまでもない]
[だが――一つ問題が起きた。甘やかしすぎたのである]
[やわらかい畜産の豚肉しか食べない。
それでは、いざ外へ連れ出したときに何の役にたたない。おなかへったから、とすぐに人里入って豚肉を食わせているようでは、お前故郷の火山に帰れない、というか野生に戻れないだろ! というやつである]
ちちうえ! 家出します
[すがすがしい家出宣言]
[夕飯までに帰るんですよー、という母の声にも元気よく頷いて、それはもう勢いで家出していった]
ちちうえ、スリングください!
[ちゃんと小竜と夕飯に帰っての話である]
[兎に角竜に狩りを教えるのにあたって、同じように物理で飛び掛っていては意味がない。
滑空、飛び掛り、それらを効果的に教えないと―― そうして選んだのが、子供だって簡単に使用できる投擲道具だった。]
[こうして、近場の森や林で、狩りをしてはミシェイルに狩りを教え、これが野生の生肉だー、しかと食えー、みたいな教育的指導をしていた]
[従卒やっているアードが館に帰ってきた時も、一緒に狩りにでかけた。これがまた大変笑い転げるように面白かった。とりあえず、焼いた肉の味は覚えさせてはならないと二人心に誓った]
[そうして、森と家と、往復する感覚が少しずつ長くなる。
ミシェイルには野生の夜を、火山を教え込まねば! という親としての使命に目覚めたのである。
ちなみに、ミシェイルがアランのことを親として慕っていたかといえばNo.である。じゃれつく以上の苛烈な攻撃があり、アランはそれを悉く撃退した。自分よりも大きな化物に正面から堂々と優位さを見せ付ける。……そういうやり方の師匠は、ミシェイルだった]
[そんなある日のこと]
[生肉の強奪事件にあった。
鷹に奪われた生肉を、ひとりと一匹でおいかけた時に――自分よりも幼い女の子が、鷹のしつけの練習をしていた。
竜を手名付けるのに生傷だらけの自分。
とても信頼関係の構築されている若き鷹匠。
……あのこすごい! という感嘆とともに、声をかけようかと思ったが――、ミシェイルが鷹を食べたそうにしていたので、そっと森の奥へとひっこんだ。
この後、彼女と再会するのはアードが正騎士になった後のことである]
[やがてミシェイルは、幼竜から子竜へと脱皮を経て、クロイス家から飛びだっていった。
飼い主が呼ぶまで帰ってくるな、が基本であったのだが。
それでも怪我したときや、豚肉食べたいときとかに、クロイス家にいるのはご愛嬌である。了]
― 初酔いの夜 ―
[それは騎士団に席を置くようになって、左程経っていない頃のお話。
シェットラントは、まぁ理由は分からないではないけれど、あまり此方には寄りつかず。
ヤコブは、遠目にたまーに見守っているもののまだ成長途上で先が長い。
魔物はたいして現れず、世界は平和で、民はつかの間とは知らない春を享受しており。
けれど騎士団は騎士サマの集団だけあって、キリリと真面目な人間が多く、気を抜かずに警戒を怠らず修練に励んでいる。
怠惰な魔女は、暇だった。
…と誰かに喋ると、なにもしないから暇なんだろうと仕事を押し付けられそうになったが、そうではない。
そうではないのだ。仕事は丁重にお断りした。
暇なのが嫌とは言っていない。
ただ、暇なのだ。
なにかしたい。でも仕事じゃあない。気晴らしがしたい。
―――魔女は大層我儘だった]
[とある夜。
酒瓶を片手に、騎士団の宿舎を歩く魔女の姿があった。
ホートン砦警護の為しばらくペンホールズを出ていたリンドブルム卿が、帰還したとの情報を耳にしたからだ。
魔女には友達がいない。
だから酒を嗜む時も基本は独りである。
この日も、ひとり部屋で杯を傾けていたのだが、そういえば…と先の情報を思い出したのだった]
[酔った頭で考える。
なんで行こうと思ったんだろう。
騎士団で一番真面目そうに見えたから、あえて酔わせてみたくなったのかもしれない。
酒を持って急に押しかけ時の反応が見てみたかったのかもしれない。
暇な魔女の、迷惑な思いつきの遊び。
…ちなみに騎士団長の息子ソマリアードも、真面目ランキングでは上位に食い込む御仁だったが――あちらは妻帯者。
そこんところは気を使った魔女である]
[リエヴルの部屋の前で、とんとん。軽い調子でノックする]
突然だぁけどぅ、誘いにぃきたのよぅ。
[開いた扉の向こうにいた相手へ
手元の酒瓶を見せるように掲げてから]
[そう、ただでさえコイツぁ騎士様だな真正面からやったら魔法発動までにぶっ殺されちまう、と思った相手である。
めちゃくちゃ早いし強い。勝ち目とか正直ない。>>+136
しかもご紹介頂いた内容が。
千体屠った矛であると。そんな相手の肉体言語が弱い訳がない。間違いなく。]
あっ、
[勢いよく走り出したはいいが。
何かにおもいっきりけつまずいて、ずさーっと顔面から転がっていった。正直一発打たれる方がマシだった。
どこまでも残念なやつだった。>>+137>>+138
しかし、あの投げた酸が、彼の馬に傷を付けなくてよかったと思う。
もし傷ついていればきっとこれでは済まなかった。同じ目に会された(被害妄想)だろうから。]
[かなり問答無用だったが、無理やり部屋に入り込んで杯を要求した。
秘蔵の酒だからぁ、とか言った気もする]
…、独りじゃぁ…美味しくないんだものぅ。
[結局押し切って酒を飲んだ。
今考えても、よく追い出されなかったと思う]
[会話は多くもなく、少なくもなく。
ゆっくりと他愛も無い話題を重ねた後。
なんで誘いに来たのか問われ――とろんと翠の瞳をリエヴルに向けた]
なぁんて、…… ねぇ――――…
[ぽやんと冗談めかした笑みを添え。
傍のクッションを抱えて、ぐぅ。と眠りこけてしまった。
それが、初めてリエヴルと飲んだ日の…記憶*]
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