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イェンスさん?
[>>+7声に顔を上げると、声の主の姿はすぐにみつかった。
転びそうになりながら、駆け寄る。
酷く足下が柔らかかった]
ここにいたんだね!
怪我、してない?
ゾフィヤさんがね――
[あなたはきっとどこかで待っているって。
>>2:114彼女の言葉に答えを示せなかったのは、自分の心の弱さを見たせいもある]
[そうだろう、と。
状況に矛盾しない説明に、納得してしまった自分が、酷く、恥ずかしくて。
ごめんなさい、と。
口を開こうとした]
―――ぁ
[ゾフィヤ、と。
その名前を口にしたせいだろうか。
空間に渦を巻いて現れた映像には、
彼女が、人形を駆使して戦う姿>>15――
そこは、先ほどまで自分が居たはずの場所で、
けれどそこには自分の姿はなくて、
何故、と疑問に思うのと同時に、
全てを*思い出した*]
『なあんだ』
[それは、兄に吹き飛ばされた白虚星。
彼もまた、その命を散らし妖星に取り込まれていた]
『折角親切に教えてあげようと思ったのに。
あは、気づいちゃったんだ……自分が死んだ事。
ねえ、どうして死んだのか教えてよ。
勇者サマ?』
[にぃ。
フィオンの顔を覗きこみ、抉るように問いかける。
口元を、笑みの形に歪めて]
[>>+15イェンスが名を呼ぶのにも気づかぬまま立ちつくす。
そろりと上がる左の手が、
自分の胸を撫でる。
今は衣服に跡もなく、
あの出来事が嘘のように汚れもない]
ぅ、わ。
[>>+16自分の傍に、もやが立つ。
白く濁った光が人の姿を模った]
……お前……
[現れたのはイェンスと同じ顔をした、
けれど似てもにつかない笑みを浮かべた、魔]
[魔に顔を覗き込まれる。
睨もうとするが、どうして死んだか問われれば、瞳は揺れた]
カーク……
[震える唇が名前を呼ぶ
時を巻き戻しても思い出される始まりは唐突だ。
突然、刺されたと。
正しく言葉に出来るとしたら、それくらいしかなかった]
『ねえ。
震えてるよ?』
[くすくすくす。
何が起こったかなど、知るはずもない。
しかし、こんな反応をされてはどうしても期待してしまう。
つ、とフィオンの唇を人差し指でなぞる]
『ね、教えてよ』
……っ
やめ……ッ!
[フィオンの傷を抉るような白虚星の言動をやめさせようと、腕を伸ばす。
しかし、その姿を捕らえることは出来ず、ふわりと浮いて離れてしまった]
[>>+24震えていると指摘されても、
止めることはできなくて。
つ、と。唇に触れる感触にびくりと肩を揺らす。
ずきり、と。
胸が、カークに刺された時を再現するように痛んで]
――ぅ ああああ!
[あのときは漏らさずにすんだ苦痛の声が、
今は堪えられずに飛び出した]
[>>+25制止しようとしてくれたイェンスは、
けれど叶わずに離れていく。
手を伸ばそうとして、よろけて膝を突いた。
あのときのようなすがる手はない。
自分の胸を押さえたまま]
……カーク。
[掠れた声で、名を呼んだ]
[>>+26始まる。
その言葉に顔を上げる。
ぱちんと鳴らされた指に応えるように、映像が映し出される]
――――っ
[自分に刃を向ける前。
にこやかな笑みで、カークが告げたのは
「早く行かないと」と。
弟を思いやる言葉で>>2:117]
「>>61幼なじみが、弟に向かって向ける言葉は、
互いにとってあまりにも残酷な内容だった]
ごめんね、一緒に戦えない。
にこいち勇者だって、いったのに。
[穏やかな笑みを浮かべるカークに、向けるのは謝罪]
[>>+30背を撫でる手に気づく]
イェンスさん……
[見れば心配そうななかに揺れる瞳があった。
言葉無く繰り返される仕草に、笑みをつくる]
ありがと。
……もう、だいじょうぶ。
[小さく、頷く]
[胸から手を離す。
ぐ、とその手で膝を支えて、丸めて身体を伸ばした]
膝ばっかりついていられないよね。勇者だもん。
ぼくもここで――戦わないと。
[何が出来るかなんて、わからないけれど。
屈してばかりいるのは、勇者ではないと。
イェンスに微笑んで、頷いて。
間近にいる魔に、視線を向けた]
[イェンスに向かって大丈夫だと口にして、
思い出したのだ。
動揺するカークに向かって、
自分はだいじょうぶだと繰り返して。
カークは優しいって罵ったけれど]
[どうか死なずにいて欲しいと、祈るのは、兄の無事。
しかしそれと同時に――
元に戻らずにいてほしいと、心の隅で想う。
身を挺して守ったはずの弟は死に、その姿を映した偽物を自分の手で殺したと知ったら、きっと、苦しむだろうから**]
まずぼくがだいじょうぶじゃないとね。
[言い聞かせるように頷く]
……そうか。ヴェルナーさんが。
[>>+35イェンスの言葉にようやく、地上の戦いの結末を知る]
まぁ、ヴェルナーさんの強さ、べらぼうだからなぁ
[勇者相手でも、手加減無かったしな、と。
なんとなく首の後ろを撫でたりした]
[>>+35一言ずつ、しっかりと告げられる言葉に頷く]
そっか。
……知らないうちに策にはめられてしまったけれど……
[背中の剣に手をやる。
こんな場所にあっても、なくなりもせずに具現化している]
もう思うとおりにはいかないよ。
……えぇと……魔物め。
[名前を呼ぼうとしたけど知らなかったし、
まさかイェンスと呼ぶわけにもいかなかったから、
今まで倒してきた魔物と同じように、呼んでおいた*]
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