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― 図書館 ―
わからない、というのは、こわいものだからね。
事、今回に関しては知る努力がどこまで届くかわからないから厄介とも言うし……。
[語られる言葉>>5に返すのは同意の頷き]
そうだな……思うが故に、で他を傷つけるのは、私も好まない。
……その辺りを上手く伝えられればいいんだろうが……これまた難しいだろうしな。
[愚痴>>6にも頷きを一つ返しつつ、同意の声を上げる仔猫の様子に目を細めながら、定位置へと戻った。
色々と思案しているらしき様子>>7には特に声をかける事無く、自身も香草茶を味わって。
カップが空になった直後くらいに、くらり、と目眩を覚えて瞬いた]
……?
あ……れ……?
[視界が霞んで歪む。
頭の中に帳が降りてくるような感覚。
意識が続かない]
(……これは、もしかする……か?)
[呟いたつもりの声は音にはならず。
ふわりと包み込むような感触に導かれるまま、意識を手放して]
― 魔導師の研究室 ―
…………………………。
…………ここ、は。
私……は……?
[次に目を開いた時に見えたのは、全く知らない場所。
ここはどこなのか、自分は一体どうなったのか。
そんな事を考えながら、ふるり、と首を横に振った。*]
― 魔導師の研究室 ―
……んん……。
中々、引き当てられませんねぇ……。
[雪色の花弁を持つ鉢植えを魔力でふわりと包んだ後、魔導師は小さく息を吐いた]
この調子で無差別を続けると、違う意味で問題が膨らみそうですし……さてさて、どうしたものやら。
[水盤越しに見える街の様子。
一人の花精を巡る乙女心の暴走とその顛末は、魔導師の視界にも入っていた。
この手の事が何度も続くのはさすがに……と思うものの、具体的な対策は取れていない]
先に保護した個体は、明らかな異変がありましたが、今回は……っと。
[ぶつぶつと呟いていた魔導師は、微かな声>>+2を捉えて緩く瞬く。
こちらで目を覚ます者も出て来たか、と。
そんな事を考えながら、は、と一つ息を吐いて]
……驚かせてしまったら、すみません。
ぼくは、ベネディクト……あなたたちには、『長』です、と名乗った方が通りがいいかも知れませんが。
ここは、あなたたちの暮らす『街』の『外』……にある、私の研究室ですよ。
[苦笑しながら、自身の名と場所を教える。
幾つもの鉢植えが並ぶ不思議な空間。
そこに咲く花の中には、今目覚めた花精にも見知ったものがあるかも知れない。
当の花精は、自身の本体の傍にふわりと寄り添うように立っている。
振り返れば、自身よりも大きな本体の姿が目に入るわけで、それはそれで怖いかもなぁ、なんて思いつつ、魔導師は花精の様子を伺った。*]
……はあああああ!!!???
なんだ、それ、どういう事だ!?
[覚醒が追いついてきた知識が言葉の意味を理解した瞬間、らしからぬ大声を上げていた。
戸惑いながら周囲を見回せば、何やら見知った形が視界を過る]
……な。
なんだ、これ……。
[は、と振り返った視界の先には、見知った己の本体が花弁を開いている。
が、明らかに大きさがおかしい。
その理由を思考するにはピースが足りず、司書は珍しくも取り乱した風で辺りを見回した。*]
― 魔導師の研究室 ―
[こちらの言葉に対する反応は、まあ、想定の範囲内だった。
さて、どう説明したものか、と魔導師の内で思案が巡る]
……落ち着いてください……と、言っても難しいでしょうが。
順を追って説明しますので、まずは気を鎮めてくれませんか?
[この調子では、伝わるものも伝わるまい、と思うから、まず願うのはそんな事。*]
………………失礼、した。
予想外の事態に、思考が追いつかなくて、取り乱してしまった。
話を、聞かせていただけるか?
[どうにか気持ちを静めて、話の続きを請う。
ついその場に座り込んだのは、已む無しという所か。*]
― 魔導師の研究室 ―
……混乱するのは、仕方ないでしょう……こんな事、体験した事のある花精は今までいないはずですし。
こちらで目を覚ましたのは、あなたが最初ですからね。
[座り込む様子>>+9に苦笑しつつ、穏やかなこえでこう告げて]
さて、ではどこから話しましょうか。
先に『街』に出した告知と、今起きている異変については、御存じですよね?
大筋は、あの告知の通り。
原因不明の病があなたたちの本体に発生しているため、蔓延を防ぐために魔力の結界で包み込んで隔離しつつ、病の原因と治療法を探しているのがこの場所です。
今のあなたは、意識だけがこちらに……本体の傍に戻っている状態のため、本体の傍からは動けなくなっています。
病への対策が見つかれば、また元の場所で目覚める事ができますので、しばらくは我慢してくださいね?
[花精の現状を説明しつつ、本体の様子を改めて観察する。
少し元気がなくなっていたようなので隔離対象にしたが、違ったかあ、なんて思考は、とりあえず埋めている。*]
― 魔導師の研究室 ―
[こちらの説明をそのまま受け取ってくれたらしき花精の様子に、内心、安堵の息を吐く。
その後に向けられた問いと言葉>>+12には、色々と刺さるものも感じつつ]
あなたの前に隔離した方は、突然に目に見えて弱り始めたので……そこを基点に調べて行けば、何とかなるかと。
一番いいのは、病の大本を抱えている方がすぐに見つかる事なんですが……難しいところです。
[言いつつ、見回す魔法花の鉢には、一見すると異変の影は見当たらず。
魔導師はふう、と幾度目かのため息を漏らしていた。**]
― 魔導師の研究室 ―
[視線巡らせる魔導師>>+12に習うように、周囲を見回す。
見ただけでは異変が起きているとは思えない、色とりどりの花々。
この中に、病を抱えたものがいるのか、と。
そんな事を思いながら、司書は魔導師に視線を向ける]
……なあ、長殿。
そもそも、私たちは……なん、なんだ?
[零れ落ちたのは、ふと浮かんだ疑問。
それは、以前から抱えていたけれど、答えが出なくて沈めていたもの]
ああ、いや、その。
私たちが花と縁深い花精である、というのは認識している。
ただ……なんというか。何故、このような在り方をしているのか、というのが、その。
以前から、気になっていて、な。
[恐らく、今を置いてそれを聞く機会はないだろうから。
浮かんだそれを、躊躇いながらもぶつけてみた。*]
― 魔導師の研究室 ―
ん? どう、しました?
[呼びかけに、魔導師は視線を花精へと向けて。
ついで、投げかけられた疑問>>+13に数度瞬いた]
さて……どう説明すれば、伝わるのでしょうね。
あなた方は、言わば『心』の具象。
花に宿る想い、それを映しとったもの。
花に心はあるか、あるならば、それはどのような成長をなし得るか。
……それを、ぼくは知りたかった。
ま、「そんな事を知ってどうする」と言われてしまえば、それまでですが。
疑問に感じた事は、どうしても突っ込まないと気が済まない性分なもので……。
[は、と一つ息を吐いた後、滲ませるのは苦笑]
いやまあ……あなた方にとっては、こんな勝手な理由で在り方を押し付けられて。
……あげく、こんな騒動まで起きてしまって……いい迷惑なのかも知れませんが。
それでも、ここで投げだすつもりは、あらゆる意味でありません。
[ぼやくように言いながらも、己が所業は否定しない。
そこにあるのは知を求める研究者としての矜持。*]
[思う所を告げた後、見上げるのは頭上で揺れる雪色の花弁。
そこから零れる甘い香りに目を細めた後、視線は再び魔導師へ]
今、起きている事に対して、私は何もできない。
だから……投げ出さぬというあなたの言葉を信じて、待つ。
けれど。
[ここで一度、言葉を切って]
何も出来ぬからこそ……あなた自身も、どうか無理をしないでほしい、と。
そう、願うよ。
[そんな言葉を投げかけたのは何となく。
魔導師が目的のためには無理をしてしまうような、そんな風に思えたから。**]
― 魔導師の研究室 ―
……はは。
[花精から向けられる言葉>>+18 >>+19に、零れるのは苦笑]
ありがとうございます……正直、理解を得られるとは思っていませんでした。
[身勝手な創造主として詰られても文句は言えぬ、と。
そんな思いもあったから、声音に滲むのは安堵]
ええ、わかっています。
ぼく自身が動けなくなってしまっては、本末転倒ですからね。
……休息は、適宜取りますよ。
[こんな風に身を案じられたのは、いつ以来だったかな、と。
そんな事を考えながら、魔導師は頷きを一つ、花精に返した。**]
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