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[躊躇いの時間は長かった]
――ふん、これを聞くからには、次の対戦も必ず勝つのだぞ?
[蓮魔が此度の選で王華となれば、少なくとも四君子として再び当たることはない。
この真意を知った上での対戦は絶対に避けたかったが故に、そう前置きして]
間違った者があるなら止めよ。
正しき者が力を付けて上に立て。
単にそう示したかっただけよ。
[『間違った者』を放置せず倒す意志がある者ならば、少なくとも幾らかは『正しい者』に近くはあるだろう。
つまりそうした者を四君子の位置まで持ち上げるか、もしくは四君子にそうした意志を持たせるため。
つまり王華を目指すという言葉の、半分は
――もっとも、そう気を回さずとも、氷華を倒すという意味では既に満場一致しているようだがな。
蓮魔め……。
[護花>>+35の内心までは読めなかったが、意志が戻った途端にこれかと眉間に皺を寄せる。
その仕草も同様の意見を彼女に抱かせたかもしれないが]
いや、いい。
この傷程度はすぐ直る。そのまま持っておけ。
[神の着衣なのだから、半分に切り裂いた所でいずれ修復は出来ようが。
傷をさらすより不格好な印象を与えることは間違いないだろう*]
[仮に氷華から>>+40頷かれても、じゃあ切り裂きましょうかと言う程、リリも鬼では無かった。]
…………。
では遠慮無く。
[内心で、そこまで悪意溢れている神では無いと位置づける。蓮魔との会話を聞いていれば、それは尚の事理解る。]
なら、知る努力もしなきゃ。
間違っているかも、正しいかも、
自分以外を知ることから始まるでしょうに。
貴方が間違っているかどうかなんてのも。
[対話を耳にしながら、そう小さいながらも口にした言葉は、何処まで氷華に届いたろう。**]
なんだその表現は。
[石頭、氷頭との揶揄には平然としていたものだが、そこ>>63には反応する辺り、思うことでもあったか]
外、とは……何を言って……。
[異界という意味でない外なら、氷華も散々見てきた。
しかし――他者を拒絶し、決して互いを理解しないままでは、真に"見た"と言えるのか。
そんな氷華に、蓮魔が示したのは眼下の戦い]
……まあよい。他に見るべきものもない故な。
[不服そうではあるが、一応は蓮魔の意に従う心算らしい]
[蓮魔との会話に、護花は何を思ったか。
横から掛けられる言葉>>+42に]
何を、そなたに口出されなければならぬのだ。
[数千年単位で年齢の違う娘にすら、そう言われるらしい。
そこに忸怩たるものはあったが、むしろ意識に引っ掛かったのはその先の言葉]
私は――……
[否定される覚悟は幾重にもして来たのだが、そうではない言葉に二の句が継げず]
ふん。妙な時に目覚めよって。
[話を全て聞かれた今となっては、強引に否定に持っていくことも出来ない。
ある意味、拒絶以上に恐れていた状況であった]
それも、結局は強者の……
――まあ、良い。
今は否定を重ねるのも無駄であろう。
[結局の所、千年前に影響を受けたであろう花神がこの反応では、拒絶を前提とした戦いなど無意味だったということになる。
怒られる方が余程いい、とはこのことか]
…………。
[蓮魔が護花――紺野へ呼び掛ける声>>65は聞こえていたが、何も言えないまま、不機嫌な眼差しを眼下の戦舞台へ向ける。
ご褒美という発想に、冬神と花神の差を見せつけられつつ**]
だって貴方、生きているものの事をあまり知らないように思えたから。
[其れは元が精霊の身>>1:28>>1:125だったが故か。]
だから、そう思っただけ。
[リリ>>+44は氷華に、ほんのりと微笑する。]
名前は紺野莉麗です。
[蓮神>>65の名前は正確には聞いていないけれども。
『紺野』と呼ばれれば名前を返した。]
ありがとうございます。
[手渡しされたのは蜜飴。
それを嬉しそうにころりと転がして]
神様からの贈り物ですね。
[にっこりと、氷華へ向ける表情とは真逆の笑顔を向け]
ところでこれ、他の神様にも効きますか?
[蓮魔への問いかけ。
朧げだが癒やしの効果があったように見えていた。
蓮魔からの答えはどうだったろう。
どちらにせよ、リリは、効かないなら半分に割り、効くならば丸ごと、蜜飴を氷華へと差し出した。]
はい。
これも、“外”を知る一つですよ。
[氷華に近づくと、その手を手でとり蜜飴を渡した。*]
[眼下で繰り広げられるのは、高揚を隠さず>>*55、本性を晒し>>*57、自らの血を流し>>*65、命のやり取りすら思わせる>>*69ほどの戦い。
勝利してもまだ一戦が残されているというのに、出し惜しみする様子は微塵もない。
感情も露わに向き合う様は、真意を黙した氷華と、感情を封じた護花の戦いぶりとは、まったく対照的でもあった]
[そうして戦舞台を眺めている中、隣に近付く気配があった。>>68
ハルトが次戦への準備を進めつつも、時折こちらの会話へ意識を傾けているのは感じていた。
何か思う所ある風の表情が居心地悪くはあったが、肩に乗せられる手を払うことはなく]
理解などはどうでもいいが……
――こうとなっては、他に責の取りようもなかろうからな。
[つまり了承を示しているのだが、やはり素直な一言で受け止めることは出来ぬ性分らしい]
咎ならば幾らでも引き受けたというに……。
[続けたのは誰に聞かせるでもないぼやき。
この氷華にとって、自ら歩み寄ることは、相手に何をされるよりよほど堪えるようであった]
……そうかも知れぬな。
[先のやり取りを経たからか、護花>>+46の言葉には存外素直な答えが返る]
精霊の頃から、氷雪と共にある……そのような場から出たことがない故。
[生命の輝きへの密かな焦がれ。
その原点ははきとは思い出せぬが、ひとつだけ象徴的な記憶があった]
[極寒の中、温もりを求める生命は互いに身を寄せ合う。
しかし体温を持たず、寒さすら感じることのない氷精霊は、そのような行為を必要としない。
何か感情を得た訳ではなく、ただ自分はそうした存在なのだと、その光景を遠くに認め悟った]
[護花が蓮魔へ向ける表情>>+47は、氷華へのそれとは真逆。
それ自体は当然と流したが、次なる行動は予想外のものだった]
は?
いや、私は食物は、だな……。
[熱持たぬ元精霊には不要のものと、一度は拒んだものの、少女の目的がただの栄養補給でないことは明白であった。
手を取り乗せられた蜜飴、その形は、丸ごとか半分か]
良いのか? 私にはやれる褒美などないぞ?
それにだな――
[それは甘いだけでなく、神の癒しの力籠められた一品]
これは、そなたにこそ必要なのではないか?
[傷の修復はしたものの、万全かどうかはわからぬ。
それでも彼女は、蜜飴をこちらへ差し出した。
それを、理解出来ぬと。
氷華の眼に、微かな狼狽が浮かんだ*]
最初から褒美なんて期待してません。
[氷華>>+53へ、にべもなく。
寒さに痛みと与えられた身、更には氷華のこの態度だ、褒美などという期待はする気もない…]
手足は、貴方が治してくれたのでしょう?
それに、
[と、指差し触れようとした先は、氷華が先に厭わしげに見ていた>>+34右肩。]
そのまま放置しておくのも何ですから。
だから、さっさと食べて下さいね。
[…ただそれは、氷華が内心はどうあれ自分の外套をリリに掛けた様な、慮るものだったか。]
って。
効果は……無いみたいですけど。
[蓮魔の答え>>71を聞き付け加えるように。]
異文化のコミュニケーションですよ。
[蜜飴をふたつに割った片方を氷華の掌で握るように手を動かし。片方をぱくりと口に含んでみた。*]
[にべもない護花の反応>>+54にふん、と鼻を鳴らしつつ]
……それは、そうだが。
[手足の修復は、あくまで
それを口に出すことまではしなかったが。
そこで指を触れられたのは、右肩の傷。
常ならば一瞬にして塞がれるそれだが、従華の力であったことと相性の悪い炎だったためか、回復の速度は鈍い]
まあ、良い。
[どうやら甘味のみで効果はないらしく。
それでも割られた内の半分を掌に握らされれば>>+55、いつまでも持ち続けている訳にもいかず]
……ふむ。
[半球を口の中に入れ、舌で転がす。
体温の低い身では飴はなかなか溶けず、氷華の感覚は生あるものに比してかなり鈍い。
しかし、『何かを食した』という経験すらない氷神にとってそれは――]
な、なんだ……!?
これは、物凄く……
[甘い、とか、美味だ、とか。
そうした陳腐な感想すら、味わうこと自体初めての者には表現出来ない。
ただ、それは心地よさではあった。
拒絶ではなく、長く味わっていたいと、
それは、自ら生み出せる低温環境以上に、欲求とも呼べる感情を引き出していた]
[それっきり言葉を発することはなく、ただ口の中の飴を転がし続ける。
幸い、溶けにくい分だけ、その時間は長く続いた*]
[蜜飴は、凍った体温の身では直ぐに融ける事は無かった。
きっと常温ならばすっと溶けて消えてしまう程のものだったに違いない。
氷華が文句を言いつつも食べる様子を、何処かしてやったり、を含ませつつの微笑を浮かべ。]
これはね、“美味しい”って言うんですよ。
[「とっても甘いですね。」と、黙りこんだ氷華>>+58の代わりに、蓮魔へとリリは感想を伝えた。*]
…………。
[美味しい。
単語は知っていても、自身と結びつかなかった感覚。
物を食する必要のない身では、口にすることはないと思っていたが>>+59]
美味しい。
ふむ、そうだな。そう認めても良かろう。
[そして蕩けるような、沁みるような感覚は甘いというもの、らしい]
未知なるもの、か……。
[異文化のなんとか、と護花は言っていた>>+55。
初めに触れたものがその感覚であったのは、僥倖であったか]
でも、私には、何も……。
返すことは出来ぬ。
[それでも、何処かそれを手にすることを心苦しく思い遠ざけるように。
氷華は届くか届かぬかの声で呟いた*]
それに“甘い”。
覚えて下さいね。
[含める様に告げる。
氷華>>+60が言葉にするのを求めている訳ではないので、伝わればそれで良いとばかりに。]
……、氷華様。
[と呼ぶのは、完全に心の縛りが溶けていないのか否かは不明だが。]
雪って綺麗ですよね。
人の暖かさを知れます。
全てを凍え付かせることは、私は人間だから駄目だって思いますけど、冬自体は悪いものじゃないって思いますよ。
どんな季節でも、
ずっと同じ季節だったら、私は飽きちゃう。
空から舞う氷の
冬に咲く柊の花も、
私は好きですよ。
[出来るかは分からないけれども、氷の六花。
否、氷の
もし巧く造れても造れずとも、それは氷華の目には留まったろうか。**]
……ふん。
[含めるような言葉>>+62を口には出さず、ただ確かに聞いたと答えるように呼気の音を漏らす。
そこに掛けられる、主君としての名を呼ぶ声>>+63]
急に何を言い出すのだ。
[急にと言っても、自身の呟き>>+61を受けての語りというのは聞いていく内に知れたか]
そなたの世界にも、雪はあったか。
[しかも語られるそれは、氷華が思うような、全てを凍らせる苛烈な冬ではなかった。
綺麗だと語られるそれは、少女自身が区別したように、穏やかに降り積もるようなものであっただろう]
冬は耐え忍び……通り過ぎるのを待つだけの季節。
そうしたものだと思っていたがな。
[厳冬司る神として、敢えて明確にしてきた意味づけ。
しかしそれとは異なる一面に、少女は意味を見出しているらしい]
[好きだ、と、少女の口から紡がれる言葉>>+64。
仕方ない、や、必要だ、のような消極的な肯定でなく]
[そして少女は、胸の前へ持ち上げた両手の間に、小さな結晶を生み出した。
自然現象としての六花でなく、そこに生まれたのは歪な四花]
もはやそのような力は、残っていないと思っていたがな……。
[蜜飴の力か否か、既に右肩の傷は塞がり腕は自由となっていた。
その両手を、少女の両手の上へ翳すように差し出す]
それは、このようにして生み出すのだ……リリ。
[呼び掛けと共に、少女の手の上にはらりと落ちる、氷の柊花*]
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