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[ 非難する人々を足元に見ながら、僕は機体を飛ばす。 迷惑だろうけど、構うものか!
やがて、光る人型が見えてきた。
こちら……支部がある方へ移動してきている! ]
お前の相手は僕だ!!
[ 確実にダメージが入るとお墨付きの重力粒子砲は、
しかし周囲の人々の非難が完了するまで使えない。、
僕はレーザーブレードの双剣を左右の手に持って、小さめの人型……大天使へ向けて飛びかかった。 ]
おおおおおおぉぉぉ!!
**
邪魔だ!どけ!
[視線をアークエンジェルへと向け右手でトリガーを引く。BMIと操縦のバランスもだいぶ取れるようになってきた。だがいくらコレを上手く操ったところで天使の一体すら落とすことができないでいる。
着弾したハズの痕は即座に塞がれていく。]
だったら……これでどうだ。
[天使へと機体を走りこませながら、視線を素早く天使の左肩、胸、腹、腰へと合わせてロックする。]
落ちろッ!!!!!
[雄叫びをトリガと認識s多VCSが肩と腰4門のカノン砲から徹甲弾を打ち込む。
だがここで手は緩めない。
着弾に遅れること刹那、ハーモニクスブレードを右上段から袈裟切り砲撃によってよろめく天使のその上半身を斬り飛ばす。]
「とんでもないな…あいつは化け物か。ガルムで天使を倒しただと?」
[カーク・ハウンド中尉は新入りの戦果に目を丸くしていた。
それもそのはず、天使の修復能力を上回るにはどうしたってガルムじゃ火力が足りない。
やるならジンロボによる高出力の攻撃か。ギアならば10機近い斉射で跡形もなく消し飛ばすしかなかったのだから。]
「……こりゃ、もしかすると希望が見えてきたかもしれねぇな!」
[友軍に驚きと歓喜が上がる中、リエブルは全く逆の境地にいた。]
《振動剣のエネルギー伝導率著しく低下、再使用ができません》
くそ、もう使い物にならなくなったか。
[ブレードをアサルトライフルへと持ちかえて先を急ぐ。。
今回は先ほどの初陣のときとは違う、出現したのはグローセンハンクの市街地だ。
俺たちが手間取ればそれだけ市民の犠牲が増える。
もし到着前にプリンシパルが動き出せばそこはもう地獄と化すだろう。]
間に合えよ!
─ グローセンハンク・市街 ─
[漸く市街の入口へと辿り着いたころ、街はすでに混乱の中にあった。
この国の兵士や連合軍がなんとか誘導を行い避難を進めているがこの騒ぎではどれだけの犠牲が出ているかわからない。]
……あれは?
[レーダーが捉えた天使群に目をやると巨大な人型のロボットが見える。]
ジンロボ…?
[しかし、連合軍の使う型とも中東で投入された量産機ともシルエットがまるで違う]
新型か?いやあれはどこかで・・・。
[不明機の姿を視界に収めた瞬間、その先に屹立していたプリンシパル級が…
────動いた。]
危ない!避けろ!!!
[しかし、チャンエルが合わないのか通信が届いていない。オーディンの速度でもここからではどうしようもない。
そうしているうちにもプリンシパルはその翼を大きく広げていく。]
《ねえ?私がファルケンへと伝えてあげましょうか?》
……何?
《任せて…アレは私の…──姉妹だもの》
[リエヴルは混乱していた。そもそも今の声は誰だ。いや聞き覚えがある。
あれはこの機のナビゲーションボイスではなかったか?]
お前は……一体……
《私はフレイヤFreja……ずっと貴方と一緒にいたのよ》
[そうBMIが告げるよりも早くファルケンへと通信が入る
『プリンシパルが動く、回避しないと死ぬわよ』
……と。]
― 市街戦 ―
[ レーザーブレードは、拍子抜けするほど簡単に、大天使を両断した。
ふたつの光の塊になって左右にゆらりと分れ、 ]
やったか?!
『 兄貴、それフラグだから!>>3:140 』
[ が、左右に分かれた塊は……、
とぷんと寄り添い、即座にくっついた。 ]
うわっ!
[ 天使の腹部辺りから、剣が飛び出してきて、
僕らは後退しながら切り落とす。 ]
[ 人型だからつい、
「人型なら駆動部がここにあって、こちらには曲がらない」
……などと前提してしまう。
この思い込みは危険だ、と僕は自戒した。 ]
ファルケン!
何m……何cm程度に切れば消滅するか、
データ取ってて!
[ 端から切り落とす作戦に変更。
これは相手の攻撃を落とせば、攻守一体になると気づいた。
最も、レーザーブレードの燃料が切れるまでが限度だが。 ]
[ ふと、天使群の向こうに、ちょこちょこと動く者が見えた。>>+52
小さい方の天使と似たようなサイズの機体……ギアだ。 ]
民間機じゃない……連合軍か!
もう来てくれたんだ!
[ しかし、ファルケンが読み上げた歴史では、ギア部隊で天使と戦う場合のキルレシオは、
とんでもない偏りになっていたはずだ。
僕の機体がどれだけ天使に通用するかはわからないが……、
それでもサイズ的には多少ましのはずだ。 ]
……僕がやらないと!!
[ この目の前の天使をまずは細切れにしよと奮起する僕は、
大きいほうの天使の動き>>+53に気付かず、 ]
[ その時。
女性の声が緊急を告げた。>>+54 ]
……どこからの通信?!
[ 僕が何かを言うより、移動を担当するファルケンが、急激な後方移動をかける。
がつんとヘルメットをぶつけ、僕は声をあげた。 ]
ファルケン!
『 大丈夫。あれは姉さんよ。 』
姉さんって……誰?!
[ 疑問は尽きなかったが、権天使の動きを見て、
僕はその程度ですんだことを幸運だと思わねばならないと知った。 ]
[ ジンロボサイズの大きな天使は、高く遠く翼を広げると、
シャアアアアアアアアアアアアアン!
ガラスを砕くような音を立てながら、熱線を放った。
まさしく断罪の炎の剣……。それが地上を一直線に焼いた。 ]
あ……あ……!!!
人が!
……町が!!
[ 煮えたぎった道が、ジンロボが通れそうな幅で、
家も道路も無視して貫通した。
カタカタカタ、と手が震えた。
喉がひどく乾いてひりつく。飲み込む唾は堅かった。 ]
『 大バカ兄貴!
余所見しないで! 』
[ 視界が横へ薙いだ。
追うようにして、光の剣が通り過ぎていく。
感情の存在しないAIは、今の一撃で失われた人命に竦むことはない。
ただ、脅威度のランクを付け、事前動作を記録し、
そして、僕らへ繰り出される大天使の攻撃を機械的に避けた。 ]
……!!
ごめ、ん……!
[ 頭部が溶けたギア、中に人影を残したままひしゃげた車から目を逸らしながら、
僕は大天使の攻撃を逃れ、権天使が開けた通り穴へ飛び込んだ。
足裏が熱損傷の表示を出すが、構わずに。
軍隊のチャンネルに合わせていなかったので、
オープンチャンネルで叫んだ。 ]
聞こえますか?!
これから、重力粒子砲を使います!
ギア部隊は……、
[ 重力粒子砲、というキーワードで、
ファルケンが取るべき選択を3倍速で話す。
……ベストはギア部隊を囮に、もろともに撃つこと。成功率9割と出ている。
あり得ない! 意図して人を撃ったら、僕の心が、信念が折れる。 ]
ギア部隊は、可及的速やかに退避してください!
[ ギア部隊を退避させると、今、彼らが押さえてくれている大天使の攻撃が、こっちに来るだろう。
成功率は3割以下に大幅減だ。 ]
倒せなくても、退散させられたらそれでいい……!!
[ 脚部の収納から、折りたたまれた砲身を取りだした。
人間から見ると、それこそ土管のような大砲である。
手首のスナップで展開。
右肩へ担ぐようにして固定。
これで、僕らの移動・回避能力は激減する。
もし、攻撃を外したら……?
あるいは、効かなかったら?
……そんなことは考えたくない。 ]
さがれ!
GMHの機体が奥の手を使う!
[ギア各機に危険を報せる。しかし……]
《こちらブリッツ隊、欧州は俺たちの故郷だ。化け物どもに好きにはさせない》
[ギア隊が次々に後退する中、黄色のカラーリングのなされた一隊がプリンシパルへと殺到する。]
《撃て!グローハンクの勇者よ!》
[ 大砲との接続が完了し、照準が僕のツヴァイフリューゲルのメイン画面に表示される。
サブ画面に表示されるのは、エネルギー充填率。
83%……84%……。 ]
……早く……!
[ 焦りながら視界を戻して、僕は驚愕する。 ]
……なんで逃げてくれないんですか?!
下がってください、巻き込まれる!
[ キュゥゥゥン……と大砲が高く鳴き始める。
振動が僕らの機体にも伝わって、慣性吸収するはずのコクピットさえ、カタカタと音をたてた。
89%……90%…… ]
だめです!
このままでは撃てません!
早く逃げて!
に、逃げ……
もう、間に合わない!!
[ 照準を外すか、と考える。
空に向けて撃てば、弾は無駄になるが、人を殺さずにすむ。
……と。
再び、あの声だ。>>+65 ]
[ 97%…… ]
ばかやろおおおおおおおおおおお!!!!
[ 僕は、罵声をオープンチャンネルに叩きつけた。 ]
第二案だ!
等価交換を要求する!!!
[ 98%…… ]
僕は、あなたたちの想いを無駄にしないから、
あなたたちは……、
[ 99%…… ]
あなたたちの命を無駄にするなああああああああああああ!!!
[ 100%! ]
『 重力粒子砲、充填完了!
照準計算終了!
……兄貴! 』
3秒後に権天使を撃つ!!
全機、3秒で全速後退せよ!!
これは……、、、
要請じゃない、
命令だ!! 従えクソ軍人どもおおおお!!!!
[ ああ、全く、
こんな汚い言葉を使うなんて、
本当に、僕は悪い人間だ!! ]
[シュテルン、今は彼があの機体のパイロットだとも知らないが、その彼の方向が響く。
フレイヤを通さなくてもここにいる全部隊にその声は届いただろう。その気持ちが届いただろう。]
なぜ、俺は彼らの特攻を許した。
[GHMの機体が信用できなかった?いいや違う、それが効率的だと理解していたからだ。ほんの少し前、それを隊長に抗議していたというのに戦場に立った途端にこれだ。]
……俺は人の命の重さを……忘れている?
──eins!!!!!
[ 砲の鳴き声は、すでにコオオオオオ!と固く深いものになっている。
こちらの機体の共鳴がひどい。
……ふと、僕の脳裏を、「もみじ産業のボルトとナットは、絶対に緩まない」と褒めたときのサシャの顔がよぎった。 ]
[ 音が消える。
照準の向こうで、炎の鉄槌を準備する権天使だけが、
クリアに見える。 ]
──Feuer!!!!!!!!
[ 思ったほどスイッチは重くなかった。
押す前に、当たったと僕は判った。 ]
──そうだ、極東でSOLを撃ったときも、このオーディンにそれが在ると知ったから実行した。
アリスの榴弾で味方に被害がでる恐れもあった、SOLでオーディンごと死ぬことだってあった……なのに俺はそれを実行した。
なぜ?
それが最も敵を殲滅するのに効率的だったからだ。
あのとき、中東戦線でエースとなったあのときも俺はただ効率的に敵を殲滅したに過ぎない。
大破した味方を盾にしてその陰から敵を撃った、いいや回避できない味方すらも盾に使った。
言い訳はいくらでもできるが、戦場に立ったときいつだって俺は何よりも戦果を挙げるための効率を考えている。
俺は……どうかしている……。
[ 音が戻った。
赤い翼のエンジンまで使っても、砲撃の衝動を相殺しきれず、
僕らの足元は何mも滑り、地面に跡を残した。 ]
……っつあ……!
[ 超小型のブラックホールは大天使を何匹か巻き込みながら、
権天使にぶち当たり、吸いこみ折りたたみ乱雑に押し込めて……、
びっくりするほどあっけなく、プツリと消えた。 ]
はあっ……はあっ……!
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