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[クレメンスの言葉に乗って、大公――長兄が命を落とす原因となった人物――を暗殺した。
大公その他もろもろの暗殺の主犯という証拠を抱え、いつか己が自自首する時には、クレメンスを――次兄たちが命を落とす原因となったタヌキを――巻き添えにする。
そして、帝国と公国の戦争が勃発し、互いに互いを壊しあう。
……もう、その時点でほぼ兄たちの復讐は成っていたから。
己の心に潜んでいた、その望みに気付く必要がなかった。
ただ、シュヴァルベの再建だけはしたかった。
あそこは、己の人生の大半を過ごした、幸せな世界だったから。
だから、それに執着して――執着しすぎて、カサンドラと言葉を交わすまで、己のもうひとつの願いに気付けなかった]
[自らが引き起こした戦争が、その後どうなっていったのか。
あれほどに求めた、平穏なシュヴァルベが叶ったかどうか。
結局、死んだ後も何一つしらないままだったけれど。
――平穏なシュヴァルベに帰るという願いは、自らの手で壊してしまったが。
――兄たちの復讐という、もうひとつの望みは叶えていた事に。死の間際に気付いたから。
死が訪れるその時には、処刑されるとは思えないほどに安らかな表情が浮かんでいた――]
僕の、望み……。
[>>+16ステファンの視線を受け止め、彼の紡ぐ言葉を聞くと]
…ふふ、やっぱり君は優しい。自分以外の人のことを思ってあげている。
僕は、もっと自分勝手だよ。
…自分が死ぬために、戦争が起きてほしかったんだから。
[目を伏せて微笑む]
…胸の病でね。自分が長くないって分かっていたんだ。
家族にとって僕はお荷物だったから…せめて、軍人として死んでやろうって思って。
…自棄になってたのもあるかな。僕の大事な人は、みんな居なくなってしまったって思い込んでた。
少しは前向きに生きれば良かったかもしれない。そうすれば…少なくとも、フレデリカにはもう一度会えたのに…。
先輩だって、生きているかもしれないのに…。
[独り言のように呟く]
[>>+19「戦わなくて済む」その言葉とは裏腹に、苦い笑みを浮かべるステファンを見つめる]
…そうだね。
きっと…生きてる人間のほうが、ずっと辛い。
大事な人と戦うのは…。
だからさ。もしまたここに来る人がいたら…その時は、昔みたいに話せたらいいなって思うよ。
…本当は、来てくれないほうがいいんだけど。
[ステファンの心中は分からなかったが、先ほど彼が自分にしてくれたのと同じように、ステファンの肩をぽんと叩いた]
…お茶とか用意してみる?生徒会の時みたいに。
お菓子作りの名人もいるし…。
[冗談めかして笑い、傍のカークにちらりと視線を投げてみたりした]
[>>+10 聞き覚えのある声に振り返る]
……先生?
[着ている服が違えど、もふもふを愛でる姿は士官学校の時のシロウを用意に思い出させて、当時の呼び方が自然と口から出ていた]
ここにいらっしゃるってことは…
…先生もなんですね…。
[寂しげに笑うが、>>+18シロウが歩き出そうとした足を止めるのを見れば]
…どうしたんですか?
[きょとんと首を傾げた**]
― ??? ―
――ッ。
[3人を見ていたところに、掛けられた声>>+29。
不思議そうな様子に、どう反応すべきかと迷った]
…………いや。
ひさしぶり、だな。
[彼らの中に混じる資格は、自分の中にはない。
そうわかっていても。
一方的に彼らのその後の事を知ってはいたが、ずっと会っていなかった顔ぶれだ。その顔を見れば、とても懐かしくて。
ずっと求めていた、あの穏やかな日々とよく似た景色の中で。また彼らに会えた事が、こんな状況でもやっぱり嬉しくて。
不思議そうにしているラヴィとスノウを撫でながら。
おそるおそる、堪えていた一歩を踏み出した]
ここにいるのは……おまえらだけ、か?
[何やらざわざわとした気配は感じるが、辺りに他の人間の姿は見当たらなくて。
おそるおそる歩み寄りながら、そう尋ねた。
6年前のダンパで踊ったシェットラントや、菓子の腕前に尊敬の念すら抱いていたカーク、たまに生徒会の面々に紛れ込んで美味しいコーヒーや紅茶を淹れてもらったステファン。
教え子たちの中でも特に親しくしていた部類の面々は、まだこの3人しか死んではいないのだろうか。
それとも――ほかの面々は、ココとは違うドコカにいるのだろうか。
拠点から本国へと送られ、調査や裁判を経て処刑をされた男には。
目の前にいる3人に聞こえている、己が死んだその日より遥かに以前の剣呑なやり取りは聞こえていなかった**]
……そうか。
[>>+27死ぬために戦争を求めた、との言葉へ、呟くように応えた]
僕が人のことを思ってるっていうなら……君だってそうだ。
ずっと、家族の期待に応えようとしてたんだろう。
もう子供じゃなかったんだ、家なんか捨てて逃げることだってできたのに。
学校にいる頃、君はどこか気を張っているように見えたけど、
ヴィンセント先輩やフレデリカといるときは、そうじゃなかった。
彼らは、本当の君を大切にしてくれていたんだね。
そんな大事な人を失ったと思って、君自身は立派な軍人であることを求められて……
苦しかったよね。
……僕だって、君に生きていて欲しかった。
でもきっと、過ぎてからでないと、見えないこともあるんだと思う。
今は、せめて。
大事な人たちがここへ来ないことを願っていよう。
……もし、もしも、来てしまったら。
そうだね、そのときは、あたたかいお茶を淹れて迎えようか。
何十年か先のことになるといいんだけど。
[>>+28冗談に紛らす口調に、こちらも合わせた]
[>>+29新たな人影に気付いたのは、シェットラントが先だった。
呼ばれる名前を認識して、目を瞠る]
シロウ教官《せんせい》……?
[恩師であった彼とは、卒業以来顔を合わせていない。
軍に身を置いているのだろうとは思っていたけれど、どの部隊にいたのかも知らない。
ただ、自分の知っている彼ならば、たとえあの世だろうが気安く手を振りながら寄ってきそうな気がしていた]
……お久しぶりです。
[>>+31物怖じするかのような彼の態度に戸惑いながら、会釈する]
そう……ですね。
少なくとも、この中庭には。
[>>+32おまえらだけか、との問いにはそう答える]
ただ、あの校舎や寮の建物も……ついさっき現れたような気がしますから、中に誰かいるかどうかは。
[答えながら、少し考える]
ここが死後の世界、もしくはその入り口なのは確かだと思います。
でも、戦争なのだから、僕らの知らない大勢の人がいてもよさそうなのに。
……この場所に愛着を持っている人間だけが、ここにいるのでしょうか。
他の人々は、それぞれの思い出の景色の中に……?
……何か、言ってるそばから人が増えちゃったなあ。
[シェットラントへ苦笑混じりの目を向けて]
厨房、見てくるよ。
ここにお茶があるのかどうかわからないけど……テーブルと椅子が出てきたくらいだし、きっと何か見つかりそうだ。
……カーク先輩は、どうします?
[声を掛けてから、建物の方へ歩き出した]
― ??? ―
………ずっと意識がないままだった、って聞いてたけど。
いつの間にか、オマエもこっちに来るハメになってたんだな。
[瞠目しているステファン>>+34には、そう苦笑を浮かべた]
そうか。
……………他の建物に、誰もいなけりゃ良いけどな。
[少なくともこの中庭には――という返答>>+35には、息を吐いた。
ここに居なくとも、どこか他の似たような世界に、死んだ教え子たちが居るかもしれないけれど。
ここに来ていない者たちは、まだ生きている可能性もあるから。
周囲の建物を見回していれば。
閉校されるまでのほんの数年しか使用されなかった、「ねこうさぎすいーつかふぇ」の看板がついたままの施設――調理設備のある小さな小屋とそれに併設された屋根つきのテラス――もあっただろうか]
― 回想・猫ウサギスイーツカフェ ―
おおおおぉ! ついにできたかー!!
[もふもふと甘いものをどちらも堪能できるカフェ――というヒンメルの計画を聞いて、この男が乗らなかった訳がない。
学長の美少年趣味という弱みを握っていたので、当時学長のイチバンのお気に入りだったカシム少年を生贄にしたり。
ついでに、士官学校に出資している主な有力者の中から、奥さんに浮気がバレるとまずい婿養子のベーネミュンデ侯爵を脅したり、もふマニア仲間のリッテンハイム侯爵をもふもふ写真と猫うさぎスイーツカフェご招待券などで買収したり、学生時代の同室者だったニコラスを(ロリータ系女装趣味をネタに)無理矢理協力者に引きずり込んだり…と。
主に裏工作的な協力を惜しまなかった成果か、ヒンメルが卒業する前の短い期間でスイーツカフェ>>127>>164が完成した。
人間用のスイーツの他に、うさねこも食べられるオヤツ類も販売されていて。
いつの間にか校内に増えていた、ラヴィの子供たちと思われる仔うさぎたちも居つき、連日大盛況だったそのカフェには。
もちろん、この男も日参して、もふと糖分を十分に楽しんだものである]
[余談だが。
殆どの生徒は名前で呼ぶのに、ヒンメルをエルンストと呼ばなかったのは。
ヒンメルが入学した翌年に卒業した教え子の中に同じ名前の者が居たので区別する為に姓で呼んでいたのが、そのまま癖になったものである]
[足は自然と、かつて自分の過ごした東寮へと向かっていた。
建物の作りは、やはり記憶にある通り。
建物自体にも、中の備品にも、全く破損は無い。
壁紙のちょっとしたシミや床の傷は、自分たちがいた頃にもあった程度のものだ]
『誰もいなけりゃいいけどな』
[>>+37シロウの言葉には全く同意だった。
いくつかの気配を感じれば、身を強張らせる。
しかし、人の姿は見えない。
先ほどから聞こえる声と、同じ類のものなのだろう。
おそらくは生者の気配]
―東寮・食堂―
……懐かしいな。
いつも、あそこに寮長が立って……
?
[>>2:594その場所に、ジェフロイの姿が見えたような気がして、目をこらした。
けれど、やはり誰もいない]
……気のせい、か。
[呟いて、厨房へと回る。昨日まで使われていたかのように、貯蔵庫や棚には食材が入っていた]
でもこれ、いつの、
[言いかけて、自分で可笑しくなる。
たとえ古びたものを口にしたところで、これ以上どうなるというのだ]
珈琲はあった……けど。
そうだ、ここ東寮だから……。
[棚をあさる手を止めた。
自室では当たり前に紅茶も飲んでいたから、東寮の食堂に茶葉が無いのをあまり気にしたことがなかった]
……自分の部屋に行けば、ある、かな。
でも、
ここって……いつの時点の学校なんだろう。
[自分が卒業してからは、誰かがあの部屋を使っただろう。
そもそも、寮を退去するときに、当然私物は全て引き払ったのだ]
…………。
[こくり、唾を飲む。
見たい気持ちと、見たくない気持ちの両方があった。
卒業生が母校を訪ねるのとは、状況が違う]
― ??? ―
ステファンの茶、か。本当に久しぶりだ。
[建物へと歩き出すステファンを、そんな言葉とともに見送って。
視線を、スイーツカフェへともどす]
……あっちに、何か無いかオレも見てくるか。
もふたちが他にもいるかもしれねーし。
[自分が原因の一端を担った戦争のせいで、死んでしまった教え子たち。
懐かしく思えども――彼らの傍にこれ以上居づらくて。
スノウとラヴィをその場に下ろし、もふ用おやつ袋の中身をいくつか置いて。
もふーずを撫でてから、懐かしの猫うさぎスイーツカフェへと足を向けた]
…………。
[少しのあいだ躊躇って、結局は自室へと向かった。
いくつか、見えぬ気配とすれ違う。
どちらかの軍が、現実の学校跡地を占拠したのだろう。
もし先ほど食堂で見えたのが、現実のジェフロイの姿なのだとしたら、
ここにいるのは、帝国軍]
[かつて、自分が使っていた部屋。
扉の前でまたしばし逡巡した後、中へと入る]
……あ。
[拍子抜けしたような声が漏れる。
そこは空き部屋になっていた]
[寝具の置かれていないベッド、空の机や空の本棚。
がっかりしたような、ほっとしたような気分]
紅茶は無い、か。西寮か、カフェの方に……
[そのまま部屋を出ようとして、ここにも誰かが「いる」ことに気付く]
[姿は見えない。声は聞こえない。
でも何故か、「彼」はとても悲しんでいるように思えた]
[現実の学校跡地にいるのが、帝国軍の兵ならば]
[この部屋を訪れるのは]
…………。
[何も見えない。何も聞こえない。
いつかしてくれたように、その肩を抱くこともできない]
[それでもしばらくの間、じっと、その傍らに寄り添っていた>>2:182**]
― 狭間の世界 ―
[意識が、覚醒する。
霧散し、風に攫われた灰がやがて澱みに吹き溜まるように
寄り集まり、漫然とした知覚を持ち、自我を取り戻し、
自らを存在として認識する。
目を開けば、そこは朧な白に包まれた世界。
或いは、意識が”目を開いた”と錯覚しただけで、
世界を認識してはいないのかもしれない。
上下左右限りなく続く白の中に、ぽつりと浮かんだ感覚。]
こ こ は …
[声帯を震わせることない”声”
目覚めたばかりの意識は茫洋として、記憶は混迷の中にある。
ひとつひとつ、記憶の糸をほぐし、手繰り、巻き取っていけば、
ある時突然、理解が意識を貫いた。]
そう、 か。
死んだんだ。
[言葉として形にすれば、客観的な事実から実感へと変わる。]
…あは は
[零れたのは、涙でも、苦鳴でもない。
無念でも悲しみでも怒りでも後悔でもない。]
あははははははははははっ
[ただ、ただ、笑い声が響き渡る。
いつしか背に当たるのは草の地面に、
頭上に広がるのは蒼い空になっていた。
懐かしい校舎の中庭で、
笑う声が反響しながら上へと昇っていく**]
― ねこうさ喫茶跡 ―
ああ……あの頃のまま、だな。
[年季の入った他の施設とは違う、真新しい設備。
オープンしてから解雇されるまで、ほぼ毎日通っていた店。
準備を終えて客が訪れるのを待っているかのように、椅子やテーブルは綺麗にならんでいるが。
注文カウンターの横にある、各種スイーツが並べられていたショーケースは、空っぽで何も入っていなかった。
懐かしくて、そして寂しい心地になって。
それでも、何かないか――と。教官時代には一歩も入った事のなかった、調理設備があるだろう小屋の中へと足を踏み入れる]
[初めて訪れた厨房は、綺麗に片付けられていたが、何もないわけではない。
作業台の上にはまな板や包丁、ボウル、計量器具などの道具が整理された状態で残っていて。
受付カウンター近くには、ティーセットやコーヒーメーカーなども残っていた。
まるでスパイとして潜入したどこかの執務室で機密書類を探るかのように。
手際よくあちこちの引き出しや戸棚などを物色すれば、小麦粉に砂糖、ベーキングパウダーなどの材料のほかにも、紅茶やコーヒー、ココアなどもそろっていた]
………永久水晶まで残ってんのか。
[金属製の大きな戸棚を開けば。
その中には、各種果物や野菜、牛乳、ジャム、バターなどが、よく冷えた状態で入っていた]
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