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……俺はヴェルナー、旅人だ。
そして俺は、ラグナロクを探しにきた。
[ こんな体になった今、もうコソコソとする意味はない
堂々と目的を告げれば女はどんな反応をしたか
差し出された手をみれば表情を変えぬまま
一歩、二歩とフレデリカに歩み寄る
そのまま彼女の顔に自分の顔を近づけた
彼女が逃げなければ
唇が触れそうな程に
逃げられたにせよ、逃げられなかったにせよ
そのまますり抜けて彼女の背面へ ]
握手はできないんだ。
実体のない俺たちには。
[ フレデリカの方を振り向けば
彼女はどうしていただろう
俺の表情は何一つ変わらない、無表情なのだが ]**
── 第2エリア・ホテル付近 ──
[ フレデリカと別れて向かった先は第2エリア
本当は第1エリアへ向かうはずだった
自分の実体はそこにあるだろうからと。
けれど道中に出会った────否、
正確には一方的に見かけた1人の男>>1:397
ナニカを探しているような瞳に
自然と体が吸い込まれた
ドロイド達をいとも容易く倒していく様は>>1:416
普通の乗客ではないように見える
…つまり、"海賊"の1人ではないかと ]
(…………ん?なんだ?)
[ 男の視線の先に、1人の船員を見つける
ホテルの看板を見て笑う男は何を考えているのか
そのままその場にとどまった>>1:419
ふわり、船員の方へと近づいて周りを伺うが
特に面白いものは見当たらない ]
(でも…そうか
ラグナロクに、会えるのか)
[ 俺は笑う
色々あって本来の目的を忘れるところだった
さぁ、行こうか
────ラグナロクを探しに ]
[彼はどこか生を諦めているように見えたから、
生きているという希望を持てばその顔に少しは生気が戻るかも、
そしたら共に死んでいなかった喜びを分かち合おう
――そう考えていた私の目論見は
彼の変わらぬ口調>>+6の前に瓦解した。
それどころか、そう口にした彼の表情は一瞬ひどく悲しそうで。>>+7
誰だって死ぬのは怖いし、生きていられることは嬉しいこと
――そんな自分の尺度を絶対だと信じていた私には、
彼の反応の乏しさは衝撃的だった。]
(なんで、残念がっているのです……?)
[そう口にしようとしたけど、唇が震えるだけで声が出なかった。
今までずっと誰かの顔色を窺って生きてきた。
だから彼の表情の変化は見逃さなかったし、
喜びを照れ隠すのならまだしも、
生きていることの悲しみを隠す彼が分からなくて。]
だから受け入れるの早すぎですよ……。
[顔から火を噴く勢いで頬が真っ赤になっていくのが
自分でも分かった。
鼓動が早すぎて息が苦しい。
そんな私に出来ることは、
彼の順応力の高さへの抗議という的外れなことと、
去りゆく彼の背中を見つめることだけだった。]
― どこか ―
[───あれから。
どれほど時が経ったのかは分からない。
しかし、僕は意識を呼び戻す事ができたようだ。
目を開け、周囲を見回し、……ゆるやかに状況を確認する]
あれ、……ここ、どこ…?
[今、僕はまさに目を覚ましたばかりだけど、それまで僕は何をしていたのだっけ?
記憶が混乱して、すぐに思い出せない。
そして、僕は自分の身体を確認する。
目の前にかざした手、見えるけれどもホログラムを空間に投影したかのようにおぼろげで]
…───んん?
[僕がホログラムに映し出されているとして、それを自分自身と認識するのは何だかおかしくはないか?
それに、常に手元にあるはずのリュートがどこにもない。僕は急に不安を覚えて、周囲を見回す。そして、僕は気づいてしまった、……]
身体が、宙に浮いてる?!
[何てことだ。
これまでの情報をつなぎ合わせると、僕はまるでゴーストになったかのようだ。
つまり、僕はもう、]
…───死んじゃった、のか…?
[口に出して、それからようやく、これまでの経緯を少しずつ思い出す。
そういえば僕は、銀羊号に乗って、旅をしていたんだった。
ファームパークでいつも通りリュートを鳴らして、歌を歌って。
キアラという曲芸師の女の子に会って、それからフレデリカが来て、少し会話をしたかな。フレデリカは僕の歌を気に入ってくれたようで、手放しでほめてくれるのがうれしかったな]
あの時までは、楽しかったね…。
[あの会話が今からどのくらい前の会話だったのかは、もはや不明だ。
おそらくここはまだ銀羊号の中だけど、あれから目標地点に到着したのか、あるいはその手前で宇宙空間を漂流しているのか、時間経緯もあいまいだ。
そして、ここがコールド・スリープルームNと呼ばれる部屋であることを僕はまだ知らない。
ただ、足元にはケースに入って眠らされているかのような僕の身体が横たわっていて、その両隣にキアラとフレデリカ、それから名の知らぬ黒髪の男性が同じように安置されているのが分かるっていうだけで]
……。
[どうやって殺されたのかは覚えてないけれど、ファームパークに暴走したドロイドが突入してきて、混乱の間に意識が途絶えたのだと思う。
あそこに僕の身体が収められているということは、誰かが運び入れてくれたのか。
僕は、僕の身体を真上から見下ろすという不思議な体験をしている真っ最中だけど、そこには特に何ら感情を抱く事はできず、今はただ、手元に楽器がなくて、それが弾けないのが残念だと思うばかりで]
[果たして、僕と同じようにフレデリカたちもゴーストになってしまったのか。
あるいは、こうして存在するのは僕だけなのか。
あいにく、僕はフレデリカたちより目覚めるのが遅れてしまったから、彼女がこの場から一度去ってしまったことに気づけていない。
この部屋の外で何が行われているか知らず、僕も移れるものなら場所を移動しようかと思い立ったその時、船内の緊急警報を耳にする。>>#6]
勇敢なる死者たち、
[この時は、何のことだろう?と首を傾げたが、それがまさか自分にも当てはまるとは見当もつかず。
死してなお(実は死んでない事も後でどこかで知らされるだろうか)実は使命を背負わされているだなんて、この時の僕は知る由もなかった、───。**]
── 回想・第4エリア ──
[ 彼女に浮かぶ困惑の色>>+22
生きている可能性を知って喜ばない事に
疑問を持たれたのだろうか
────もしそうなら。 ]
(……そんな顔をするなよ)
[ 俺は少しおかしい"らしい"から
きっと俺は、彼女に理解できないことを
平然と語っているのだろう
彼女が浮かべたその色は
会話している相手によく見た表情
これまで何人にこんな顔をさせてきた?
何人に気味悪がられた?
そして誰しもが俺から離れていった
別に構わない、何と思われようと
もう慣れてしまったんだ
今更変える気なんてない
変え方がわからない
────これが俺だ ]
― 第四エリア 通路 ―
[ヴェルナーが去って暫くしてから、
私は顔の火照りが完全に落ち着いたのを確認して動き出した。
目指すのは第一エリアのコールドスリープルーム。
本当に医療モードだったのかという不安>>+3もあったし、
運ばれていったキアラちゃんや、
暫く呆然としていたセルウィンさんに会えるかもと思ったから。]
ドロイドの暴走と海賊の侵入がほぼ同タイミング
なんて確かに出来過ぎている…よね。
けど……いくら海賊といっても、
対海賊も想定しているドロイド達を
一斉に暴走させるなんて、そんなこと出来るの……?
[もしかしたら海賊が用意周到だったのかもしれない、
或いはドロイドなど機械に強い文明の者がいたのかも、
それか電子機器に干渉できる種族が……
考えだしたらキリがない。
そんなことを考えながら通路を進んでどれぐらいが経っただろう。
第四エリアの通路が終わり、
中央のメインサロン付近に差し掛かったところで、
若い男の怒号が聞こえてきた>>1:567]
― メイン・サロン ―
ガルー?
海賊じゃなくて?
[そんな疑問を口にした途端、
鳴り響いた数発の銃声に思わず頭を抱えてその場に屈む。
銃弾が今の自分を貫くことはないと頭では理解している。
それでも、ほんの少し前に撃たれて死にかけた私には
数発の銃声は恐怖を蘇らせるには十分過ぎた。]
も、もう、いい加減に、して……。
[震えが止まらない体を抱きしめるようにしながら、
勇気を出してそっとメイン・サロンを覗き込もうとする。
本当は怖くて今すぐこの場を離れたい。
だけど、このままだと怒号と銃声が発生した理由が分からない。
分からないこと、私はそれ自体が怖い。
だって何が起きるのか予測出来ないし、
身構えることすら出来ないから。
意を決してのぞき込むと視界がホワイトアウトした>>8]
[たぶんさっきまでの私だったら悲鳴をあげていたと思う。
けど震えていた私は何が起こったのか分からず、
きょとんとしているだけだった。
次第に聞こえてくる喧噪から、
どうやら相手をガルーだと断じて襲い掛かっているらしいことを知る。]
ガル―…ガル―…ガル―
[聞こえてきた言葉を反芻する。
何処かで聞いたことがある単語。
そういえば昔パンチカードを借りて読んだ。
たしか、寄生生物とそれに感染した女の子の話だ。
二人の友情と最期のギムレーに向かう決断が印象的だったっけ。]
あの話に出てくる寄生生物の種族名がガル―だったよね。
けどなんで今、小説の話をしているのです……?
[過激な行動を繰り返していると目される男の声には、
ふざけている様子は一切感じられない。
それが不思議で私は首を傾げていた。]
[煙が晴れてからは別の男性が仲裁に入ったので、
暫く様子を見守る]
うーん……、今度はガル―ではなくて泥棒>>21?
さっき大声で叫んでいたのは咄嗟に口に出ただけで、
深い意味はないのかな。
[うん、きっとそうだと心の中で一人相槌を打つ。
だってガルーは小説上の架空生物。
だから――]
ガルーなんているわけないじゃん。おおげさだなあ。
[なんて口にした直後、
まるでタイミングを計ったかのようにスノウが現れて、
人狼によってカシム少佐が殉職したことを告げた>>52]
(おかしいのは私の方なのなの……?それともみんな?
もう何がおかしいのかさえわからないよ……)
[分からないことが立て続けに増えていく一方で、
解決することは何もない。
私の脳はとっくにキャパオーバーだった。]
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