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― 現在軸 ―
[樹の上部で8人の勇者たちが各々活躍を見せる中、
根の事前調査の命令を受けた一団もまた奮闘していた。
特に妖魔族が多いと以前より報告されており、
なかなか調査が進まなかった場所を突っ切る形だ]
『あれ、妖魔族の姿が見えなくなりましたね。
こちらには何もないのでしょうか』
[それまでの猛攻が嘘のように、ふと妖魔族の姿が見えなくなる。
同行してくれていた癒者が、バルタザールに癒しの術をかけながら呟いた。それに対して「いや」と否定の言葉を紡いだのは、誰だったか]
――…これは、いる、な。
[バルタザールは、誰かが紡いだ言葉を肯定する。
これは嵐の前の凪だ。
極端に妖魔族が密集していたのは、力ある何かに押し出されたから。そして、この場合力ある何かは、世界樹の根を齧る翼毒蛇の可能性が高い。もしかすれば獣人であるタチアナの方が、よほど気配を察していたかもしれない]
[先頭で突っ込んでいたが故に受けていた傷の癒しが終わったところで、癒者に礼を告げると『言霊石』に唇を寄せ囁きかけるは神官長へ。
任命時の彼の人の口ぶりから、翼毒蛇を勇者たちのスパルタにあてようとしているというのは透けて見えていたから、伝える言は以下]
ルートヴィヒ様、聞こえますか?
おそらくですが、翼毒蛇の生息地の近くにいます。
これから本当に翼毒蛇かどうかの確認に参ります。
翼毒蛇であったなら、翼毒蛇自体はそのままに。
周りにそれ以外の厄介なものがあれば排除
――…それでよろしいか?
[今まで駆除できなかった翼毒蛇を彼らに討伐させようなどと、どんな無茶だ、と思う心はある。
しかし、逆を言えば翼毒蛇を駆除できないような勇者なら、この世界を救うことはできないのだろう。
けれど、やはり突貫ではあるのは否めなければ、翼毒蛇とだけ対峙できるように場を整えるのが自分たちの役目だろう]
[さて、神官長の返事はいかなものであったか。
なんにせよバルタザールは隊を3つに割ることに決めた]
今回の目的は1に翼毒蛇がいるかどうか、いるならば場所の特定。
2に翼毒蛇に厄介な物があれば、その排除、だ。
翼毒蛇には手をだすな。また厄介物の排除も無理はするな。
厳しくなったら他の隊に合流することを考えてくれ。
――…生きてまた皆で会おう。
[タチアナ以外の隊員の割振りを決めて、皆にかける言の葉。
皆判ってると言う風な顔をするのは、
神官騎士としてこの世界の平穏に命を賭す覚悟はあれど、
命を無駄にすることはしないという心根を同じくしている者達だからだ。
その心根を同じくしている者を選んだ……とも云えるのだが]
タチアナ、君は私のいる隊と共に来て欲しい。
[そして、最後に声をかけるのはタチアナに。
勝手に彼女を編成に組み込まなかったのは、色々思うところがあったから。
故に隊長としての命でなく、願いで共にと願った。
彼女が他の2隊どちらかと共に行くのを願うなら無理強いすることはない。
出発間際の彼女の養い親の表情を思い浮かべれば、何かあった時、他者に任せるよりは自分が……という思いはあれど、他の2隊の彼らのことを信頼していれば、彼女を任すに足ると思ってもいる。
だから、タチアナの選択は、彼女の思うままに**]
─ 回想 ─
[神官長が近しい者だけを集め任せた特別な仕事>>1:51。
その責任の重きは、本来ならば自分が担えるものではない。
身体能力で劣らずとも、きっと足手纏いになる。
お前には無理だと言われる可能性は高いと解っていても、願わずにはいられなかった。
だからこそ、神官長>>1:*4からもバルタザール>>1:+14からも了承を得られたことに微かな驚きと、深い感謝を抱いて]
はい。
自分の身は、自分で、まもります。
[バルタザールから付け足された条件も、当然のことだったから否も無く頷いた。
同行する面々が誰か解らずとも、その中で自分が一番未熟なのは間違いない。
序列のみならず日常生活も力の差に影響される獣の性を持つ身なれば、尚の事力が上の者に迷惑をかける訳にはいかないから]
─ 回想 ─
バルザー、さん。
ありがとう、ございます。
私…がんばり、ます。
[神官長にバルタザールから許可を貰えた報告に戻る直前。
もう一度バルタザールを見上げ、礼を言って頭を下げる。
メレディスからの口添えがあったことは知れたかどうか、彼がまだこの場に残っていたなら彼にも頭を下げてから場を辞した**]
─ 現在軸 ─
[養い親も含めた、神殿の面々の見送りを受けて出立した先は聞いていた通り─否、それ以上の厳しさだった。
今まで自分は神殿や門前町など危険の少ない場所にいた、異変があっても一度に察知するのは片手で余る程度のものばかり。
四方八方から様々な気配、敵意を感じるのは初めてのことで疲労も緊張も今までとは比べものにならない。
それでも精一杯、鼻や耳、肌など己の感覚を全て研ぎ澄ませて団が進む先の気配、異変を探りながら此処まで来た]
………だい、じょうぶ。
[同行を貰えた報告の際神官長から言われた通り>>1:*5出来る限りの準備はしてきたし、そもそも前面に立ってはいなかったから怪我は無い。
癒者から問われた治療の必要には頭を振り、他の人の治療にあたってもらう。
ただ疲労が想像していた以上に激しくて、酷く休息を望んでいる身体を休めようと間近の根に寄りかかった刹那、その感覚が自身を襲った]
─────── …っ !?
[ざわり、肌が一気に総毛立つ。
極寒の寒気にも似た震えは、歯の根が噛み合わぬ程。
獣の感覚全てが、この先に在るモノの存在を畏れ、怖れる。
『こちらには何もないのでは』
何処からか聞こえたその呟きに、かろうじて頭を振るも声すら出せない。
そんなタチアナに代わり、近くに居た騎士が否定を紡いでくれた後]
…すごく、こわい。
おおきなの、が…いる。
[いる、と肯定するバルタザールの声>>+0に、微か頷き。
怯える獣の性を何とか抑え、震える声であげた同意はバルタザールの推測の後押しになったかどうか。
神官長への確認>>+1と、その返答>>*0を聞きながらも震えはまだ残ったまま。
この先に向かうことは出来るのか、そんな弱気が胸を占め始める。
バルタザールによる新たな部隊編成、それぞれにかけられる言葉>>+2。
その中にタチアナの名前が無いことが、より弱気を広めていったけれど]
…──わたし、です、か?
[共に来て欲しいという声>>+3に顔を上げれば、同行を許された時と同じ表情が見えた。
バルタザールがどんな思いで発したかは解らない。
けれど、共に来れるかでは無く、来て欲しいと願うその言葉が──
一緒に先を進むことが出来ると信じてくれている、タチアナにそう思わせてくれて。
収まることは無いかもしれないと思わせた震えを遠退かせてくれた。
だから、タチアナは迷う事無く、確りと頷きを返し]
いっしょに、行かせてください。
お願い、します。
[此処まで来るのもそうだったように、バルタザールは一番危険な所を進むだろう。
その行く先、少しでも安全に進める様に自分にしか出来ないことを頑張ろう。
その誓いを今、改めて胸に抱いて同行を願った**]
――…よし。では、よろしく頼む。
[タチアナの答えを貰い、一つ頷く。
そして、隊の一員として彼女に願うことは以下のこと]
タチアナには、特に頭上を気にして欲しい。
人というのはどうしても前後左右に意識が向きがちでな。
上と下の警戒がおろそかになりがちなんだ。
下はまだ地に足が付いている分、上よりは警戒は行くけれどな。
[ある意味一番重要な箇所を彼女に任せたのは、
翼毒蛇の気配を一番に感じていたように見えたからだ。
急にこれの願いはいささか重すぎるだろうか?と、
バルタザールに内心迷いがない訳ではない。
ただ、バルタザールは、その迷いを表面に出してよい立場で今はない。
決意を秘めたように見える彼女を信じるように、見据えた。
そして、大概この手の信頼をバルタザールは裏切られたことがない。
だからこそ、未だ生きて此処に在る。
その信頼故の結果は、直ぐに出ることになるとは、流石に思って居なかったが。それもまた聖神『オルキス』の導きか]
[タチアナの予想通り。バルタザールの隊は、他の2隊より厳しい道を進む。
正確に云えば、翼毒蛇の気配に真っ直ぐに向かっている。
他の2隊は左右を挟む形だ。
翼毒蛇を絶つのであれば、4隊に分け四方を囲む形をとったのだろうが、今回の目的が討伐でないこととと安全性を鑑みて3隊の形をとった]
少し休憩を取ろうか。
[厳しい道を進むが、敵というべきものは見えない。
これまでの強行軍もあり、バルタザールが休息を提案した、その時だ]
――…っ!!??
[タチアナが警告の声をあげたのが聞こえた。
反射的に皆がその場から飛びずさったのは、歴戦の騎士達だけあった。
どうっと重い音と、地が揺れる感覚。
タチアナが警戒していた上から襲来したのは]
人食い大蜥蜴だと!!??
[どうやって飛んできたのか甚だ理解しがたいもの。
大人3人分はゆうにある巨体がある場所は、先ほど隊の皆がいた場所だった。
警告の声が少しでも遅ければ、下手すれば数名潰されて命を落としていただろう]
くそっ!!
[しかし潰されなかったことに安堵するのは、まだ早かった。
翼毒蛇の傍に、どういう形であれ居れるほどの能力を持った大蜥蜴だ。
素早く得物を定め、大人を一飲みする大口を開けて突進を仕掛けてくる。
得物と定められたのは――バルタザールである。
各々体勢が整わぬ中、狙われたのが自分で良かったとバルタザールは一瞬、死を覚悟しながら思う。しかし、最後まで生きることを諦めはしなかった]
[ジュシュッ…―――
という肉を裂く音がその場に響いた。
しかし、バルタザールが喰われた訳ではなかった。
バルダザールの得物である、片手剣より大きく、大剣とまではいかない両手剣が、柄の部分を上に刃の部分が下に、つっかえ棒のように大蜥蜴の口にはまっている。
バルタザールを噛もうとした力が、そのまま剣に伝わり、切っ先が下顎を貫き地面に大蜥蜴の身体を縫いとめた形だ]
流石に肝が冷えた。
[抜かりなく誰かがトドメを刺したのを確認して、バルタザールは苦く笑う。
息絶えた大蜥蜴から自分の得物を引き抜き、
一息吐くと、タチアナに向かって礼を一つ]
もう一瞬気が付くのが遅かったら危ないところだった。
――…助かった。
[今回のことが、彼女の自信になるか、そうでないか
――…そんなことを考える間なく、他の隊からの連絡が入る]
この先に、確かに翼毒蛇の姿があるようだな。
[ひとまずその近くに距離を詰めようとしたところで、
更に神官長からの連絡がくれば>>*1]
翼毒蛇の正確な場所は特定できました。
また、取り巻きと思われる敵も1体は駆除できたのですが、
他にもいないとは限りません。
こちらに来られる火炎と疾風の勇者が翼毒蛇が
1対2で闘うことができるように全力でサポートします。
[任務に是と返し、こちらの状況を手短に報告するのだった。その後は、与えられた任務通りに動く心算**]
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