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― 天上宮・楼閣 ―
……さすがに、朱雀様自ら出る、と仰せられただけの事はある、か。
[遠く離れた地より感じる、主の力。
夏の陽射し思わせる強き陽の気、それが生じるという事は、相応の陰りが生じている、という事で]
……と、なれば、これも已む無し、という事か。
[小さく呟き、大太刀を握り直す。
視線の先には、遠き陰気に、そして、力の要たる天上宮に惹かれて現れし翼持つ妖魔の影]
……確かに、地を護りし二神には、到底及ばぬ身だが。
[ふ、と浮かぶのはどこか愉しげな笑み]
護り託された以上、容易く抜かせるわけにはいかんので、な……!
[宣の後、楼閣を蹴って天へと舞う。
閃くは、朱の翼と白銀の大太刀の刃。
一気に距離を詰め、横薙ぎに振るった一閃は、鋭い嘴を持つ一つ目の巨鳥を数羽、まとめて斬り払った。
横に振り切る事で生じる勢いには逆らわず、その場でくるり、一回転。
そうする事で周囲を見回し、他に妖魔の影はないかと確かめてから、一度、楼閣へと降りる]
……今の所、単発的なものが多いが……何度も続かれると、厄介だな。
[大太刀に残った妖魔の血を、己が火気を持って焼き尽くす。
そうする事で、そこに残る陰気をも焼き清めつつ、次の攻勢へと備えていた]
……大本を叩けば止まる、とは、わかってはいるが……。
[小さく呟いた後、ふる、と首を横に振る。
大本を叩く、その事自体にはなんら懸念する事もない、と。
そう、思うからこそ昏い推測は打ち消す。
己が主のように、諦める、という思考を放棄する所までは、まだ至れてはいないが。
似た者気質のいとし子にも、どんな状況にも屈しない、と言う意思の焔は確りと灯っていた。*]
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