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[ひとまずの不安は解消されそうだったが、現状では解消されないものが一つだけあった]
───── ジーク。
[いつも必ず傍にいた存在。
不安で寂しい今こそ、逢いたい、と切に願う**]
……ん?
[薄い霧の中、当て所なく彷徨っていた歩みが、止まる。
右手が無言のまま横に伸び、何かを掴むように指が折り曲げられた。
応じて現れるのは、黒の柄と銀の穂先を持つ槍一振り]
どうやら、害意あるものもいる、と。
[呟きつつ、ゆっくりと槍を構えるのに応じるように、霧の中から巨大な飛蝗を思わせるものが飛び出してくる。
前脚が蟷螂よろしく鎌状になっているそれを飛蝗と認めていいかどうかは判断に苦しむところ──というのは、ちょっと置いといて]
私がここに居ることに気付いたのは、貴方が来る少し前だから、
貴方が言う害虫のようなものには遭っていないわ。
昔は剣を握っていたこともあったけれど……
今は、必要なくなったから。
それ以来、持ち歩くことは無くなったわ。
[問い>>*14に返したのは否定。
武器を持たない理由も付け加えて私は小さく笑う。
元々、兄として振舞うために身につけた技術、身体能力も人並みであり、戦いに向いていたとは言い難い。
傍に
今、再び剣を握ったとしても、どれだけ動けるものやら]
───、カムナ殿、それ…っ
[思案するディークの傍に現れた紅い炎。
それが何なのか見当も付かない私は、何かの異変かと思い慌てた声を上げた*]
[正面に向け、突き一閃。
繰り出された一撃は、違わず飛蝗の頭を捉え、その身を貫いた。
淡い翡翠色の光の粒子が零れ、銀の穂先が突き抜ける]
動くのは久々だが、鈍っちゃいねぇぜ?
[く、と口の端浮かべるのは楽し気な笑み。
銀の穂先に貫かれた飛蝗は力なく鎌を振り上げた後、霧に散り果てるように消え失せた。
完全に気配が消えた、と確かめてから、ゆっくり、槍を下ろす]
やぁれやれ。
動けるのはいいんだが、どうにも勝手がわからんな。
まともに話せそうなのがいりゃいいんだが……。
[槍を肩に担いで零す呟きはため息混じり。
とにかく、幾つか感じる気配に接触するべきか、と。
そんな事を考えつつ、ぐるり、周囲を見回した。*]
護りの力……。
ありがたいけれど、良いのかしら?
幻だとしても、形見なのでしょう?
[それを私が持って良いのだろうか、と私は確認の問いかけを向ける。
問題無いとなるなら、その短剣はありがたく借り受ける心算だ*]
ええと……それで、卵、だったかしら。
それを探せば良いのよね。
[ディークは他にも居る仲間と逢えれば出られると言っていたけれど、それはきっと根本的な解決にはならないはず。
大元であるものを探せば結果的に同じだろうから、と私は卵探索に参加する意思を示した*]
[ふ、と。
微睡みが途切れ、目を開く。
そこにあるのはいつもの見慣れた光景─では無かった]
……何だ?
[視界を遮る霧に包まれて確かめる事は出来ないが、明らかに違う場所。
瞬時に浮かぶのは幻術で惑わされているか、精霊術で動かされたかだがそのどちらも即座に否定する。
他の場所ならいざ知らず、拠点の中にこんな大それた干渉してこれる奴を見過ごす程自分も仲間達も負抜けちゃいない。
ならばこれは現実では無い、と思うのが自然だが]
夢…と思うのも楽観しすぎだよなぁ。
[夢にしては目が覚めたあの感覚も、手足を動かす質感も生々しすぎる。
何か解らんが、面倒なことに巻き込まれたらしいとは理解出来た]
…ま、ぐだぐだしてても仕方ないし。
とりあえず何があんのか調べてみよっかね。
[自分だけが巻き込まれているなら良いが、悪友やその家族、人魚の子や仲間達が巻き込まれていたら厄介だ。
人がいないか、この場所が何なのか、ついでにどこの誰が巻き込んでくれたのかを調べようと霧の中に足を踏み入れた**]
……ん?
[霧の中を緩く進んでいた歩みが、止まる。
目に入ったのは、淡く揺らめく灯のようなものが放つ煌き。
それと、対峙しているらしき人影が、二つ]
行ってみる、か?
[小さく呟き、歩みをそちらに向ける。
途中、届いた声が紡ぐ名>>*40には覚えがあったから、ほんの少し、表情が険しさを帯びた。*]
...で、一体ここはどこなんだ?
[ 霧の中、その霧にまぎれるような白一色の男は、剣呑な表情で辺りを見回す。共にティータイムを楽しんでいたはずのファミーユの姿が傍に無い事が、男に緊張を強いていた ]
[ 最後に見た時、ファミーユはふいに眠りこんでいて、やはり疲れているのだろうと考えて、その身体を抱き上げるために手を伸ばした瞬間から、記憶が途切れている ]
...精霊術にしちゃ、手が込みすぎてるよな。
[ 空間そのものを変異あるいは転移させるような術を男は知らない。更に言うなら ]
そもそも、こんな面倒なことするくれえなら、暗殺仕掛けた方が早いだろうし。
[ そっちの心当たりなら、いくらか無くもないのだが、どうもそうではないようだと結論づけた ]
とにかく探すか。
[ 記憶している状況から考えると、ファミーユが急に眠り込んだ事と、この異変に繋がりがある可能性は高い。ならば、彼女もどこかに居る筈だ、と、判断して、男は歩き出す。
もしも勘が外れていれば僥倖だが、あまりこの手の勘が外れたことはなかった* ]
[ある程度距離を詰めた所で一度、歩みを止める。
何やら、ややこしい事になっている──というのは、辛うじて見て取れたものの、口を挟む事も手を出す事もなく]
やっぱり……『南』の、か。
[覚えある名で呼ばれていた方に視線を向けて、ぽつり、と呟いて]
……もしかしなくてもこれ、時間軸も狂ってんのか、ここ?
厄介だな、おい……。
[彼らが認識している自分と、ここにいる自分の相違から、こんな言葉が口をつくが。
このまま、突っ立っているわけにも、という思いからそれは飲み込んで]
おーい、そこのお二人さん。
取り込み中らしいとこに悪いんだが……ちょっと、いいかい?
[槍を抱え込むように右肩に担ぎつつ、呼びかける声の調子はごく軽いもの。*]
(……あー……やっぱり、なぁ)
[ユウレン王、という呼びかけ>>*50は予想通りで苦笑が滲む。
けれど、それは刹那で押し込んだ。
最後にそう呼ばれたのはいつだっけ、なんて感傷も過ったが、それもまとめて飲み込んで]
『南』の、カナン王子……か。
まさか、こんな所で会う事になるとはなぁ……。
[あらゆる意味を込めてそう言った後、は、と短く息を吐き]
その言い方だと、お前さんはここがどういう場所か知っている……って事でいいのかね。
いきなり迷い込んで正直、どうしたもんか、と思ってたんだが……わかる事があるなら、すまんが教えてもらいたい。
このままじゃ、身動きも取れんからな。
[一先ず、自分に徹底的に欠けているもの──即ち、現状の情報を得る事を優先する。
生きる時間軸の相違については、ややこしくなるので割愛した。
彼が自分から見て過去である場合、色々と面倒な事になる可能性があるからだ]
ああ、それと。
この場では、王と呼ぶ必要はないぜ。
……見ての通り、今はそっちの業務からは離れてる。
[問いを投げた後、ふと思いついて付け加えたのはこんな事。
一応、嘘はついていない。
いろんな意味で]
だから、呼ぶ時は嵐激の騎竜師カーク、で頼むわ。
そちらさんも、な。
[カナンとこちらを交互に見る青年>>*52にも、ごく軽い口調でそう呼びかけていた。*]
[ひとまず様子見、と霧の中を手探り進むことにしたのだが]
…やっぱ、なーんか感じ良くないんだよねぇ。
[歩けど歩けど人影は無く、けれど誰か居る気配は感じる。
それが誰のものかもどれ程の距離かも解らず、明確な敵意とかではないのは確かだが気持ちが良いものとは言えない。
この心もとなさは幻術に掛かった時に似ているななどと思いながら周囲に絶えず警戒して進む。
だから、その些細な変化をも見落とすことは無かった]
[微か、眼前の霧に揺らぎが起きる。
それを見止め進んでいた足を一歩後ろに下げたと同時、]
うっわ、キモっ
[ぬるりとした輝きを表皮に携えた大きな百足が身体を投げ打ち現れたのに思わず声をあげた]
刺さんねーとか、無いわー…
[この年で虫が怖いなんぞ言うことは無いが、流石にこのでかさは勘弁して欲しい。とにかく動きを止めようと頭を狙い投げ放ったのだが。
カツンと良い音を立てて弾き飛ばされたのを見て、げんなりとした声を落としつつも次の行動に移ろうとまた手を腰のダーツに伸ばし]
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