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─ 村内 ─
[ 今日は気分がいい。
びっくりするほど体が軽いし、どこも痛くない。 ]
しかし、賑やかじゃの。
今日は祭りじゃったか?
[ ふと自分の体を見たら、一番いい服を着ていた。
一人娘が隣の村に嫁に行く時に来た礼服だ。 ]
ああ、
やっぱり祭りじゃったか。
[ 得心し、村の中を歩きだすその背は曲がっていないし、
髪も黒くふさふさとしている。髭はあったが清潔そうに刈り込まれていた。
年齢までも、60年前、娘の結婚式に出た時の姿であったが、何もおかしいとは思わなかった。
祭りとはそういうものだ。 ]
―????―
…ん…んん…?
…あれ…
あたし…なんでこんなところに…
[気がついたのは、家の中だった。
いつもと変わらぬ朝。いつもと同じように目覚めた。
そう信じていた。
しかし、そこは自室ではなく暖炉のあるリビング。]
…パパ…?ママ…?
…ママ…なんで泣いてるの…?
[ただならぬ雰囲気。
父が見たこともない沈痛な表情をしている。
母はただ泣きじゃくるだけ。]
…どうしたの?何かあったの…?
[状況を確認しようと起き上がったその瞬間、言い表しようのない違和感を感じた。]
[何が起こったのかわからなかった。
まるで鏡でも見ているかのように、自分を、見下ろしている。
しかし、それが鏡でないのは明白だった。
驚き慌てる自分とは対照的に、目の前の人物は目を閉じたままピクリとも動かないから。]
え…どういうこと…
あたし…えと…夜…外に出て…それから…
[状況が把握できない。
昨夜の出来事を必死に思い出そうとするが記憶が混濁している。
一部分がまるで抜き取られたように思い出せない。]
[そのうちに轟音が響き、父がペーターに避難するよう促した。>>154
送り出されたペーターを母が呼びとめる。>>156
その手にあったものを見て、カタリナは目を見開く。]
えっ!?
ちょっ…ちょちょちょっと待って…!
[なぜその日記帳を母親が持っているのか。
普段は引き出しの奥にしまっており、日記をつけていることすら話していないはずなのに…!
記憶が混濁しているせいで、昨夜それを机の上に置いたまま外に出てしまったことを思い出せずにいた。
しかし、それが他人に見られたくない内容であることだけはしっかりと記憶している。
母親がペーターにそれを手渡すのを見ながら、そんな場合ではないと知りつつ慌てふためく。
あんなものを読まれてしまっては、死んでも死にきれない。
特にペーターには…!
なんとしても阻止せねば。
幽体となった身でどうやって止めようというのか。
そんなことは考えもしない。
とにかく必死で、雪の中を走りだすペーターの後を追った。]**
【見】羊飼い カタリナは、栞を挟んだ。
【見】老人 モーリッツは、栞を挟んだ。
─ 村内 ─
[ 轟音にはっとした。
なぜかびっくりするほど早く走れた。
それを疑問には思わずに、村の入り口の方へ向って。 ]
……これはなんということじゃ。
[ 雪崩に塞がれた道に、息を呑んだ。
すでに下に何があったかもわからないほどになっているが、
残ったわずかな人々の様子を見れば、
何人か巻き込まれたのが分かった。 ]
いかん。
【見】羊飼い カタリナは、栞を挟んだ。
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