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貴方と“声”を共有するのは、なかなか退屈しませんでしたよ。カスパル。
[消滅してしまった彼に、“声”が届くかはわからない。
それでも、それだけは伝えておきたい気がした。
彼と、コンラートとユーリエと。
4人でそれほど親しく言葉を交わす事はなかったけれど、今となっては全てが懐かしい]
――カルパス、ユーリエ。
[コンラートとの話を終えた後、“声”を使って呼びかけるのは、他の二人の名。
一度試練に脱落した彼らにこの“声”が届くかどうかはわからない。
けれど、もしそうだとしても、彼らが全てを忘れてしまう前に伝えておきたい言葉があった]
二人とも、お疲れ様でした。
交わせた言葉はそう多くはなかったですが、ご一緒できて楽しかったですよ。
[初めのツンケンした雰囲気はどこへやら、掛ける“声”は朗らかな響き。
協力らしい協力ができたわけではない。
カスパルに至っては、敵対すらした仲だ。
なのに、こうして試練を終えてみれば、“声”を共有した彼らへは奇妙な仲間意識が残る]
お二人が私の事を忘れてしまっても、私はお二人の事を忘れません。
[思えば、彼らが何を望み、何のために試練に挑んだのかすら、セルウィンは知らないのだ。
思い返えして、もっと言葉を交わしておくべきだったな、と今更な事を思った]
……ユーリエ、機会があればまた祭りでお会いしましょう。
カルパスには、もしお会いする事があれば、おやつカルパスをお渡ししますね。
[揶揄なのか励ましなのかわからない言葉を紡いで、くすくすと含み笑いする。
試練が終わり、現実世界に戻っても、それですべての縁が絶たれてしまうわけではないから。
別れの挨拶ではなく、これまで通りの他愛ない言葉を。
そうして、少し意地悪く微笑んだ*]
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