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そうか。
[>>=12明かされた事に返すのは短い答え。
怪我についてはこちらも人の事は言えないので、それ以上突くのは避けておく。
>>=13続いて、ギィも合流に向けて動いていると聞けば、こちらもそろそろ動くべきだなと察し]
悪いが多めに採ってきてくれないか。
少し、血を流し過ぎていてな。
[薬草については、そんな事も頼んでおいた*]
[互いの鼓動の温度が、今は救いだ。
自分もきっとこの先、本来の自分をさらけ出すことなどできないだろう。
フェリクスの死ですら、利用しようと考えている己がいる。
けれども今だけは、共鳴する鼓動の中でだけは、素直でいられる。]
フェリクスだって、お前がそこにいてくれて喜んでいるさ。
あとは、あっちでフェリクスに再会した時に、これだけのことをやり遂げたんだって胸張れるようにしないと。
あんまり不甲斐ないと、心配される。
今でも―――ああ。そうだろうな。
なんといっても、あの人は俺たちの師だ。
あの人がいなければ今の俺たちは無かったし、
多分、この先もそうなんだろう。
[感謝を伝えそびれた。
気づいたそれは棘となって心に刺さったが、きっとバルタが言ってくれたと思えば痛みも小さくなる。]
フェリクスが、言っていた。
俺たちのおかげで、楽しかったと。
[ 彼の最後の言葉をカナンに伝える。再会の時を語るコエには、笑みが浮かんだ。 ]
あまり早く逝くと、蹴り返されそうだな。
騎馬隊と合流できた。
薬草も調達したぞ。
君が野営地につくのとどっちが早いだろうな。
ところで、会ってみて将軍をどう思った?
いい面構えの男だろう。
元首も、あれに劣らずだ。
印象はだいぶ違うがな。
待たせたな。
[兵への指示の合間に、響くコエは柔らかい。]
早くお前と話をしたいが、状況を作ってからだな。
まったく、不自由なこと極まりない。
俺たちが選んだことでもあるが、な。
[それはどれ程進んだ頃合いか。
ギィの下に送った騎馬兵が合流したとの声に、そうか、と声を返して]
見目以上に真面目な男だな。
それと、俺達が思っている以上にゼファーは不自由だ。
個人が国を語る自由すら無いらしい。
元首であっても、縛られているかもしれないな。
[バルタと交わした言葉で、おもった事を告げた後]
野営地か。 わかった。
[臨時拠点へと向かうつもりだったが、まだ方向転換は利く。
隊に指示を出して、マチス隊が護衛している本拠へと向かった*]
ああ───フェリクスが、
[楽しかった、と告げられた言葉に、震える息を返す。]
それなら…よかった。
まったく。あの人は最後まで俺たちを助けてくれるな。
そりゃあ、早く行きすぎたら蹴り出されるだろう。
なにしろフェリクスだぞ。
下手したら槍でつつき出されかねない。
[小さな笑いでコエが揺れた。]
[ ベリアンのバルタ評にうなずく。]
兵が強力なだけに、勝手に国政に口を出させていたらすぐに内戦に発展するからな。
風刺文化もないようだし、自分には生きづらいところだ。
元首は──ああ、
彼もまた縛られているのは事実だろうが、縛られたままでいる男ではなさそうだ。
最終的には、彼をうなずかせるしかないのだけれど、
君の活躍もあって、少しは、王国兵にも骨があると感じてくれているだろうか。
それとも、まだ制圧一択だろうか。
[ しばし、思案の気配。*]
...急がせたのは俺だが、護衛の数が少なすぎるぞ。
[ 柔らかく響くコエに返すのは、こちらの方が糾弾するかの言葉だ。
だが、カナンの姿を見た途端、あからさまに鼓動が喜びに跳ねるのは止めようもなく、それは彼にも伝わってしまったろう。 ]
不自由だが、安全だ。
それに...もう、そう長いことでもないかもしれないしな。
[ コエでしか本音を交わせない不自由を嘆かれれば、怒りも持続せず、宥めるように静かに返す。 ]
下手をするとどころか、確実に嘴で突きまくられるな。
[ フェリクスの姿を見せる前に、間をおくように、ことさら明るいコエを贈る。 ]
勘弁して欲しいところだが、まあ、逝くときはお前と一緒だろうから、今度は二人一度に挑んでみるか。
[会えた瞬間に鼓動が跳ねたのはこちらも同じだ。
他の者に気づかれぬかと心配するほどだ。]
泣きそうなコエで早く来いと言ったのは誰だったかな。
[弾む心と共に、揶揄も軽やかに出ようというもの。]
かの豺狼を除き、俺とお前が並び立ったら、
その時は、な。
[雌伏の時は、とこで終わりだ。]
あー。
[百舌鳥につつかれまくる光景を想像して、げんなりしたコエを出す。
何故か鳥が大軍だ。おかしい。]
お前と二人なら、さすがにもう勝てるだろう?
昔されたみたいに、コテンパンにしてやろうぜ。
[やりたかった。
としんみりしそうになるのを、ぐっと押し込める。
嘆くのは、フェリクスの前に出てからだ。*]
───それと、
お前の後ろで俺が消えていても気にするな。
[言葉を付け加えた時の顔は、少年時代、気に食わない教官に手ひどい悪戯を仕掛けに行くときのそれだった。]
お前が口説かれる前に、俺が口説き落としてやるさ。
まずは相手を驚かせるところから。だよな。
[まったくもって、悪だくみの相談に違いない。]
そうだ。
フェリクスの家に彼と遺言を届ける時は、俺も同道したい。
[バルタが行くことは当然として、そう告げる。]
ずっと考えていたことがあるんだ。
ゼファーに動かせる労働力がまだあるんじゃないかと。
国を富ませるために王国の、カーマルグの民の知恵を借りたい。
だがたとえば王国の民と従民に繋がりを作れば、反乱の契機を呼び込みかねない。
かといって市民をそちらへ振り向けることは、いきなりは無理だ。
もっと市民に近い者たち、───女たちに知識を得させて、そこから従民に広めていくのはどうかと考えている。
長老たちが聞いたら泡を吹いて倒れそうだが…。
[女が家の外で働くなど論外だと思っている連中は多い。
かくいう己も、女が家の中で何をしているかなど全く知らないのだが。]
だから、フェリクスの奥方に話を聞いて、可能ならば力を借りたいと思っている。
[これもまた、今は夢物語のような話だ。
だが孤児が元首になるよりは、簡単だろう?*]
[ 決戦の相談をしているというのに、目の前の男は、愉しげに瞳を輝かせ、悪童の顔で、敵味方双方を出し抜こうという悪巧みを口にする。 ]
気にした所で、お前が止まるわけもない。今更、だ。
[ そんな時、一度は、溜め息混じりに肩を竦めるのも、昔から。
呆れたような口調とは裏腹、唇には笑みが浮かぶ。
そうして続いた言葉には、くっ、と喉が鳴った。 ]
全く、我らが師の教えは有用極まりないな。
せいぜい、驚かせてやるといい。
ティノス。
[出立の時。
ふと、神殿に居た頃の名で友に呼びかける]
俺は、今でも俺の主は俺だけだ。
そして、それは俺だけではなく、皆もそうだと思っている。
だがなティノス。
皆が皆、己の心のみに従って生きればそれはただの身勝手だ。
だからこそ、指針となる者は要る。
王というものはそういう存在であって欲しいし、あるべきだと俺は思う。
[訥々と語るのは、己の思い。
初めて会ったあの時から、己が抱いている信念]
俺の主は、俺だけだ。
だがな、ティノス。
俺の翼と認めたあの時から、俺の王はお前だ。
だからこそ、俺はお前を信じている。
俺の心の淀みを吹き飛ばしたように、その翼でゼファーに新たな風を吹かせてくれる事を。
そしてこの戦いを、希望の第一歩と為してくれ。
その為の戦いに我が身を捧げることを、俺は誓おう。
[心の中ずっと秘めていた思いと、今もっとも強く求む願いを友へと明かし告げた*]
ありがとう、ベリアン──メラン。
[ 秘めたる思いを打ち明けてくれた彼に、そっと言葉を返す。]
自分は、君と出会ってから、ようやく「人間」として目覚めた。
君を頼りに、世界を知った。
君が育てたと言っても過言ではないよ。
君は、あの日、己のことを手足だと言った。
自分は、君と手を伸ばし、君と共に歩み、世界に希望を届ける。
──人生が豊穣であるように。
礼を言われると、なんだか面映ゆいな。
[>>=20友から返された声に、柔く微笑う。
続けて伝えられた友の思いに、笑みは湛えたまま頷いて]
あぁ。
往こう。
[持たぬ者である己と、持つ者である友。
何から何まで表裏であり、けれど同一でもあるからこそ]
[ 微笑む気配が伝わる。
怒りと涙で始まった出会いは、豊かなみのりをもたらした。]
───ゆえに我あり。
[ 誓いのように、共鳴のように言葉を重ねる。*]
[ ふいに届いた声に、僅かに笑う気配を返す。 ]
その話か......
俺の個人的な問いだ。
お前が話をつけてしまえば答えを聞く必要もなくなるだろう。
[ 気にするな、と、言えば、或いは余計に気になるのかもしれないと、知った上で、そう告げた。 ]
― 過去 ―
[ 男にとって母の思い出は遠く薄い。
名家の出だった母は、その出自に相応しく、子が共同体に預けられる七歳までの育児の殆どを乳母と侍女に任せきりだったからだ。
それでも、愛情がなかったというわけではなく、時折抱きしめられれば喜びが湧いたし、「父上のような強い男になりなさい」と、言われれば、誰に対するより素直に「はい」と頷いた。 ]
『奥様は、旦那様に操をたてられたのです。』
[ その母が命を失ったと知った日、叔父の目を盗んで教えてくれたのは、男が生まれる前から、母に仕えていた侍女だった。
叔父は戦死した父に代わり、母を妻にと望んだと言う。けれど母はそれを断り、翌日の朝に謎の突然死を遂げた。
原因不明の病死と言われたが、外科以外は進歩の遅れたゼファーの医者の言うことなどもとより宛にはならない。 ]
叔父は、女を毒殺などしない、と、言った。あれが本当なら、おそらく母は自分で命を絶ったんだ。
[ そしてその瞬間、親族全てが叔父の側に付き、英雄の子は、孤立無援の孤児になった。 ]
母が、生きてくれていたら、とは、思わない。だけど...
[ 遺言ひとつ、形見のひとつも、母は残して逝かなかった。まるで、我が子の存在を丸ごと忘れてしまったように。 ]
散々苦労してきたお前には、おかしな話に聞こえるだろうが、俺はお前が羨ましいよ、カナン。
[ 父からの愛情を確かに残された、それが羨ましい、と。そんな心情を吐き出したのは、父母が亡くなって一ヶ月も過ぎた頃。
叔父から身を守るため、毒に体を慣らそうと思い立って、少量の毒草をわざと口にし、手足の痺れと悪寒で昏倒したところをカナンに見つかった時の事だった。
今思えば毒のせいで随分気が弱っていたのだろう。 ]
[ その日から、カナンが叔父に対して、蛇蝎に対するごとき嫌悪をあからさまに向け始めたのには、少し驚き、驚きながらも、喜びを感じずにはいられなかった。 ]
女性に、特に未亡人達に、自分一人でも生きられる道を用意するのは、悪くないだろうな。
俺も詳しくは知らないが、女達には、独自の情報網や、助け合いのためのグループがすでにあるらしい。
それを利用すれば、話も早いだろう。
[ カナンの計画に、そう賛同の意を示しながら、男は過去の記憶の中の母を思い出していた。彼女にも家を出て生きる道があれば、或いは、と。 ]
......フェリクスの奥方なら、きっとそういったこともご存知だろう。
お前の計画が、彼女自身の張り合いにもなればいいがな。
[ そう語るコエは、柔らかい** ]
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