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[凄惨な奇襲作戦に決着が付いた後、クレステッドは主への報告を行う。]
ギィ様。奇襲作戦により、敵騎兵隊にある程度の損害を与えることに成功しました。
半数以上の兵を本隊へ合流させることを許してしまいましたが……
レト・ヴィオレンツァという名の豪胆な指揮官を倒しました。
あの者に代わる指揮官など、そう居りますまい。
一旦兵を休ませ、またそちらを追いかけます。
しばし駆ければ本隊へと合流できるでしょう。
[と、冷静に素直な報告を行った。
クレステッドの声には疲労の色はあるものの、特に問題はなさそうな口ぶりで。]
ご苦労だったな、クレス。
おまえを手こずらせるほどの使い手がいたとは。
名を聞くほどに好い敵だったか。
[それほどの敵を相手に、腹心がどう戦ったかは手に取るようにわかった。
少なくとも、一方的に斬りつけるような真似はしていないだろう。]
無理はするな。
だが、なるべく早く来いよ。
急いで儀式の用意をせねばな。
……気づかれて、おりましたか。
[ようやく彼は白状する。]
……この身に宿した力。何もしなくても、持って半年、というところでしょう。
しかも、大部隊を率い、指揮を執り、前線で戦い、魔をもってそれを防ぎきろうと言うならば。
正直に申し上げます。
その任の成功率を少しでも上げるには、この身を使い切らざるを得ません。
[しかしその声に、もはや悲しみの色はなく。
当然といえば当然であった。一番悲しむべくは、主君を騙し、驚かせることであったのだから。]
今更言うまでもありませんが、我らの夢に、この身と魂全てを捧げられるのは。
一度死した身でありながら、それに殉じてまた力を尽くせるのは、至上の喜びです。
[本心からの言葉で、喜びを持って宣言し]
……ですが。僭越ながら、お願いがあります。
儀式が成功し、我らが悲願が叶ったならば。
ギィ様も仰ったように、より完全な形で魂を喚起することも出来ましょう。
それゆえ、私を臣と思ってくださるならば、どうか。
…………どうか、お願い致します。
[願いごとをそのまま直接言おうとしたが。あまりにもそれは野暮なので、止めた。
言わずとも伝わるだろうし、元よりそのつもりなのだろうと。
それに。その答えがいずれであろうと、この身を尽くすことに代わりはないのだから]
― 独白 ―
[実のところ、彼はまだ悩んで居たのかもしれない。
いや、事実そうなのだろう。そのことを暗に指摘され、むしろ心は軽くなったのだから。
あらためて宣言してしまえば、気も楽になるもので。]
そうだ。
いずれにせよ一度は死して消えた身ならば。
二度も三度も、大して代わりはしないさ。
[そう独りごちれば。
心の奥底。僅かにあった迷いが、ふっと消えていった]
[腹心の配下からなされた告白。
薄々と感づいてはいた。
彼の存在が希薄になりつつあることには。
改めて存在の期限を聞かされ、暫し瞑目する。]
おまえがそういうのならば、そうなのだろうな。
[自分の心身を使い切るという彼。
必要だというそれを認めて]
───ああ。任せておけ。
おまえの献身、無駄にはしないさ。
俺とおまえの夢の扉を、こじ開けてやる。
[自信に満ちた声で宣言した。]
はい。
ギィ様ならば、必ずややり遂げてくださると信じております。
……ならば私は臣下らしく。
露払いを、任されましょう。
[そう伝えた声音は、言うまでもなく。
数千年前、自らの目的を語った時(>>*3:3)と同じ性質の。
しかしそれよりも遥かに、深く澄んだものだった]
ベネディクト、
皆を導いて防衛を突破し、王都を解放してくれ。
後から来ることを信じて、 先に行っているぞ!
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