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少しばかり、将軍と言葉を交わす機会を得た。
ゼファーが困窮状態にあるという彼ら自身の危機感はとてもよくわかったよ。
海峡を渡ればすぐそこにあるカーマルグを領有したいと考えるのは自然なことだ。
一方で、自分には、カーマルグの民を元の居住地に戻し、これまで同様の生活を保証する使命がある。
譲れないラインだ。
自分は、あちらの民も、こちらの民も、飢えさせないようにするのが最善と思う。
君の意見を聞きたい。
篝火が要る間に戻って来られるならな。
[>>=5友の言葉に返すのは、やはり軽口めいたもの。
だが、続けられた呼び掛けには、微かな沈黙を含ませて]
理想を言うならば、ゼファーとの協力体制を築いた上でのカーマルグの自治の維持。
海賊はまだ暫くは痛手も残ろうが、次の来襲にはゼファーを想定しての戦力を整えてくるだろう。
それに備えるは、カーマルグにも我らが王国にも酷だ。
ゼファーから武力を、カーマルグから豊かさを、互いに補いあう関係が作られるならそれが最適だとは思うが…
折角占領した地をむざむざ明け渡してまでそれを選ぶ利を、あちらに示せるか?
[そんな風に、声を返した**]
[ 「篝火が要る間」に関しては、実際に今夜のうちに王国軍拠点へ駆け戻るのは不可能と承知している。]
間に合うべきときには間に合うものだろう?
早く会いたかったら、北の方に騎馬の捜索隊を出してくれてもいいぞ。
干潟は通らないが、北側から戻る考えでいる。
[ 軽口にまぜて、方針を伝えておく。]
[ ベリアンが語る未来の図に、楽しげな声が返った。]
カーマルグは目下、王国領の一部であって自治権があるわけではないが、
今後は、有事にいちいち陛下の裁断を仰がずとも済むよう、領主をおくのはいいな。
カーマルグ領主ベリアン・グラウコス──などはどうだ?
自分としてはなにより安心だ。好きな時に顔を出せるしな。最高だろう?
海賊については、将軍も、王国兵の手に余るだろうと示唆していた。
ゼファーとしては、海賊を相手にするのはやぶさかでもなさそうだったから、
君のいう"協力体制"の一環として、共闘を依頼するのもありだと思っている。
戦費は同盟の運用金かなにかの名目で王国が出すことにしよう。
有事以外にも、定期的に軍事教官を派遣してもらって、教練を行ってもらうというのを期待したいな。
交流があれば、連携はよりうまくいく。
トルーンを要塞都市化して、王国兵を常駐させるのは前提だ。
これまで、独自に森に逃げ込んでいた民は、城壁内へ逃げ込んで王国兵に守ってもらえることになる。
ああ、地元の者たちに自警団組織を作ってもらって手伝ってもらえば、王国のかかりも削減される上、自分たちの故郷は自分たちで守るという、この戦で培われた義勇の志を後世に伝えることもできる。
残る問題は──そう、ゼファーが「折角占領した地をむざむざ明け渡して」くれるかだ。
ゼファーは、王国軍を蹂躙してすめば、王国に協力する必要などないのだから、
我々がこの戦いに勝って、彼らを話し合いの席につかせなければならない。
ただ、──
交渉というものは、最初から落とし所を目指してやったのでは、それ以下の結果しか得られないものだ。
今は、ゼファーを殲滅する気で行動してくれ。
それくらい死に物狂いになってやっと、勝ちが拾えるかどうかという瀬戸際だと思っている。
わざわざ迎えが要る年でも無いだろう。
だが、そうだな。
あまりに遅いようなら、考えておく。
[>>=9重ねた軽口に、方針を受け取ったとも含めて返した後。
こちらが語った未来に楽し気な声音が返ったのには、微か瞑目し]
この状況で王国領のままとは、それこそゼファーが納得すまい。
カーマルグの民とて、今回の様なことが重なれば王国への不信も募る。
その前に自治を任せる方が後々の面倒が減るからな。
[そんな返答をした訳だが、続いた領主という言葉に目を瞠って]
……別荘にでもするつもりか。
[そんな風に笑ったのは、呆れ混じりでもあったけれど。
拒む意思はないとも伝わるものだったろう。
>>=11更に続くギィの構想に、口は挟むことなく最後まで聞いて。
>>=12『今』についての行動の示唆まで聞き終えると、あぁ、と頷き]
元より、そのつもりだ。
本気でやらねば相手すらしてくれぬだろうからな。
[例えばたった今対峙しているケファラスの長などな、とは心の内だけで紡いだ*]
陛下が君にカーマルグを預けてもいいと認めるほど、手柄をたててくれたまえよ。
[ 今も戦いの渦中にいるだろうベリアンに、感謝しつつも口にする言葉は軽妙だ。
そういうところは昔から変わらない。]
ゼファーが納得するどうかは、相手の柔軟さ次第だろう。
先ほど、ザール将軍にゼファーが兵を引けば、侵攻の件は不問に付し、ある程度は損害補償も出すと打診してみたが一蹴だった。
あれは多分、遠回しすぎて、裏が伝わっていないな。
[ 帰還を支援する船を王国側から出すと言ったのは、兵のみを乗せるにあらず、彼らが国で「戦果をあげてきた」と報告できる程度に物品を積み込んで引き渡すためだ。
顕彰碑もまた、海賊討伐をして王国に貢献したという形で戦死者の面子をたてて、遺族に謝恩金を出せるようにという名目になる。
ゼファーが二度と侵攻する気を抱かないように叩き潰すのではなく、慰撫する。そういう戦略である。>>91]
王国としては、隣国が暴徒化──それこそ海賊の強化版になるのは避けたいことだ。
彼らが、飢えることのないように、ただ、施しとは思われない形で援助していきたい。
少しばかり豊かになれば、彼らの意識も軍事以外に向くのではないかな。
好きなことをしたいとか、外国に行ってみたいとか。
[ 餌付けして飼い馴らすというと聞こえが悪いけれど。
人は、衣食住が足りれば、快適さを求めるようになるものだ。]
あの地で新しい文化が芽吹くのを見られたら、素晴らしいと思わないか。
[ きわめて個人的な野望を述べた。*]
それは困ったな。
手柄なんてものは立てようとする程逃げていくものだ。
[>>=15ギィの言葉が軽い内は、こちらもまたそれに応じる。
>>=16真面目な色が加わればやはり、その軽さを収めて応じるのだが]
腹芸なんて考えられぬ程真っ直ぐなのかもな。
[落とした呟きは、まだ少し軽さが残ってしまっていたか]
[ともあれ、続く言葉は異論無きもの。
ゼファーと全面戦争なんてなればお互い消耗するだけなのは目に見えている。
何よりそんなことをすればゼファーだけでなく王国も資源財源が共に枯渇するだろう。
そんな未来は誰も望むまい。
なによりも、>>=17ギィの語る野望は]
…あぁ、見てみたいな。
戦ばかりではない、彼らの姿を。
[自分が討ち取ったあの青年のように、戦で命を落とすばかりだろう彼らに違う未来を迎えさせるものだから。
異論など出ようはずもない*]
真っ直ぐな将軍は、おそらく、真っ直ぐそちらに向かう。>>-18
森づたいに騎兵をつれていた可能性もあるから、自分よりよほど早くつくはずだ。
不意打ちを受けないよう、注意をしておいてくれ。
ところで、実戦を指揮してみた君の感触はどうだ?
ゼファーがいうほど王国兵は弱いか?
そうか。
…なら、早急に決着をつけねばならんな。
流石に二人の将相手は負けの目しか見えん。
[>>=20返す答えに、こちらが既に強者と対峙していることは知れるだろう。
続いた言葉には、頷きを見せた後]
単身であれば、王国兵は確かに弱い。
だが、軍としての統制ならば、ゼファーに敵わぬ訳ではない。
[実際に率いている現状、率直に抱いた感触を口に出した*]
[ ベリアンの言葉に、状況を察した。
自分が残した命令だ。
ひたすらゼファー兵を苛立たせ、休ませないようにして疲労させる一方で、抜きん出たリーダーシップを発揮する者を見つけ出して落とせと。
兵にとっては華がない作戦だから士気は上がりづらかろう。
けれど、ベリアンは兵らの働きに手応えを感じているようだった。
自ら率いている実感、そして各所からの報告を受けることで読み取れたものか。
戦いによって見出され、磨かれて輝く星。
王国は徴兵制を活用することによって優良な人材を見出し、抜擢してきたのだ。]
[ 自分は、兵役という制度は悪くないと思っている。
3年でゼファーのような精鋭が育つはずもないが、郷里に帰った後、自警団をつとめたり、災害時にノウハウをもって動くことができる素地は作れる。
それに、兵役のような機会がなければ、他の職種や異なる身分の者たちが一緒に生活をすることはないし、国のさまざまな地区を訪れることもないのだから、共同体意識を育むにも有効な制度だと考えられる。
欲をいうならば、成人に兵役を課すのと同様に、子供に3年間の基礎教育をすべきだ。
そうすれば、この国はもっと成熟する──
そんな話をしたかったけれど、今はベリアンの集中を妨げるべきではない。]
我が加護を。
[ ひとつ、声を送って、月を仰いだ。
ベリアンにも等しく降り注いでいるだろうその光に同化して、彼の元へ行けたらいいのに。*]
カナン。
[ 恐らくは、この戦の局面を、一息に塗り替えるかもしれない
勝敗を問うでなく、ただ、確かめるように、唯一の名を。 ]
───…ああ。
[張り詰めていた気を、ゆっくり吐き出すようにコエを零す。
名を呼ぶ響きが、緊張をほどいていくようだ。]
やれるだけはやった。
あとは、向こう次第だな。
[響きには、やりつくしたあとの充足感が漂っていた。]
[ 返るコエ、その深い響きに、彼の感じる充足感を共有する。
異なる国、異なる価値観、異なる望み...その全てを身一つで乗り越え、高く硬い壁を突き崩してきたのだ、と。 ]
そうか。
俺にも、必ず紹介しろよ、その大地の民とやら。
お前が、そこまでして口説いた相手を見てみたい。
[ 少しばかり、興味以外の何かが滲んだが、相変わらず男自身は無自覚だ。 ]
もちろんだ。
戦いが終わればすぐにでも会わせてやる。
生きのいい奴だ。きっと気に入るぞ。
[明るい口調で保証する。
むこうのコエに滲む何かは、気づいたけれども直接指摘したりはしなかった。]
なにしろ俺とお前は同じものだからな。
俺が気に入ったんだから気に入るって。
[ただ、そうとだけ付け加えておいた。]
あとは、戦いを終わらせるだけだな。
[コエの雰囲気を変えて呟く。]
どう終わらせるか。
それが、最大の難問だ。
[王国は侮れぬ敵だ。
勝つにせよ負けるにせよ、最善を探さねばなるまい。]
[ 俺とお前は同じもの、と、躊躇いなく断じるカナンのコエに、鼓動が跳ねる。
人が聞いたら、きっと仰天するだろう。 ...浮かんだその言葉は宙に消え ]
確かに、そうだな。楽しみだ。
[ 静かな肯定だけを返す。 ]
[ 戦を終わらせる、その形を探るカナンの言葉に、思い出すのはギデオンが最後に落とした言葉>>61 ]
薬も飲み過ぎれば毒となる。ほどほどがいい。か...
薬も飲みすぎれば毒?
…確かにな。
[不意に届いた言葉に、誰の言葉だ?と疑問が浮かんだが、重要なのはそこではない。]
俺たちは相手を殺しつくしたいわけでも、こちらが全滅するまで戦う気もない。
どの時点で、妥協できるかだな。
若い連中を納得させ、長老どもを黙らせる程度の戦果は持ち帰る必要がある。
それが為されなければ、先も無い。
.........カナン、急げるなら、出来る限り、早く来い。
[ ふいに、コエの調子が、何かに耐えるように、絞リ出す声音に変わる。 ]
……、
[どうした、という言葉は呑み込んだ。
あんなコエで呼ぶのは、聞いたことがない。]
わかった。
[是非もなく、行くと答える。]
ゼファーの隊長格を一人、降した。
お前の加護の御陰だな。
[失血のせいか、声の力は先よりも弱いが、意識は失せず]
ゼファーの兵から離れた所で、騎兵を50ばかりそちらに向かわせる。
[迎えを送る算段も、忘れてはいなかった**]
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