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[ もうアマンドに入り込んでいるというのも驚きだが、教会の塔の上とか。]
雨が降り始めた。
滑るなよ。
そこで怪我したら、教会の修士たちは手当よりも説教をするぞ。
[一つ目の役目は果たせた、と。
安堵の気配は絆にも伝う]
……ラルス。
今、マルールの司令官と話をしてる。
[唐突に飛ばした声は落ち着いたもの]
大丈夫だよ。これくらい平気。
ちゃんと屋根の下にいるし。
教会の連中にも見つからないし。
[ちゃんと鐘楼の中にはいるが、そこに至るルートが正規のものではない、とまでは言わずともいいところ。
説教は聞きたくないなあ、と内心が漏れる。]
そ……、っか。なら良かった。
[声が返るのには、少し時間を要した。
もう少し早ければと言うも詮無く、響きは苦笑めいた色を乗せる。]
ならこっちも引き上げるよ。
お疲れさま、クリフ。**
うん、ラルスもお疲れ様。
……大丈夫?
怪我してない?
[返答に時間がかかったのを案じ、問う声を向ける。
怪我の有無は後で会えば分かることだが、問うてしまうくらいには気が急いていた*]
― 回想 ―
[その声は、物心ついた時から傍にあった。
自分より年上、兄と同じ年頃の、いわば幼馴染。
最初は兄と一緒にいたところに混ざり込んで、事ある毎にくっついて歩いたりもした。
幼い頃から騎士に憧れを持っていたクリフはローランドと話が合った。
剣の相手をしてもらったり、一緒に乗馬をしたりして。
友であり、兄のような感覚をクリフは抱いていた]
『うーん、地形によっては有効、かなぁ?』
[8つも歳が離れているため、ローランドの知識に追いつけない時もあったけれど、言葉を重ねるうちに徐々に物事を覚えていって。
齢二桁になる頃には、父に「どこで覚えてきたんだ」と驚かれることがままあったと言う]
(うん、ふしぎ)
(でもラルスとお話出来るの、うれしい)
[どうして秘密の会話が出来るのか。
不思議には思っていたが、原因なんてどうでも良かった。
話せる事実が、ただただ嬉しかった]
(えっ、ホント!?)
(ラルスすごーい!)
[師範に勝ったと報告が届けば、一緒になって喜んだ。
クリフもまた、あれが出来た、これが出来た、父に褒められた、などなど。
取りとめのない話であってもローランドに伝えたりもした]
[時には]
(ラルス、宿題教えて!)
[そんなしょうもないことも伝えたりしていたのだから、迷惑や苦情はお互い様だったのだと思う]
[商人になる、とローランドに打ち明けられた時、クリフは大いに驚いた]
えっ、何で!?
騎士にならないの!?
[騎士になる前に、と前置いているのにそんなことを言ってしまったのは、それほど衝撃的だったからと思って欲しい]
あ、そっか……。
[跡継ぎだ、と言われれば、安堵のような声が落ちる]
[商人になる、と言い出した理由を絆結ぶ声を介して聞く。
見識は広くあれ。
そんな教えの下に育ったローランドの選択は、今でこそその大切さを理解出来るが、まだ歳若い時のクリフには少々納得が行かなくて。
けれど、ローランドの選択が間違ってるとも思わなかったから、我侭を言うのはぐっと堪えた]
……絶対、戻ってきてよ。
待ってるから!
[疑っているわけではない。
その約束が果たされるよう、無事に戻ってきてくれという願い。
声は届くのだから、逐次確認は出来るのだけれど。
約束として交わされるものは特別となり得た]
[そうして、彼はクリフが騎士団に入る時に、約束通りに戻ってきた]
お帰り、ラルス。
待ってたよ。
[送り出した時よりも心身共に成長した姿で出迎え、ローランドを抱擁する。
それから共に騎士団で地位を上げ、
重ねた夢の実現を目指し、これからも
はは…、ごめん。
少し、しくじったかなあ。
これはナネッテさんに叱られる。
[怪我よりそっちの方が怖い。とは、本気で返した。>>7]
うわ、マジか……。
一緒にいた方が良い?
[うわ、と言った時の表情は、きっと友も想像出来たことだろう。
続けたのは、少しでも緩和出来れば、と思っての言葉]
[ 魚か。
ならば優勢も何もありはしないな、と笑う。]
ティルカンの大将がマルールの野営地まで来るとの約定を交わした。
というわけで兵は引き上げる。
安心していい。怪我はない。
クリフ殿は、そうだな──
[ ああ、おれが魅了して虜にしてやった、と答えてもよかったが、誤解されても面倒なので置いておく。]
大胆不敵だ。
どこかおまえに似ているかもしれない。
[ と、ナネッテからもたらされた情報に、空気が波立つ。 ]
レオノラ・リンザールが深手を負い、ティルカンの捕虜になっていると…
あ〜……。
ふふっ、ありがとう。
でも一緒にいたらクリフまで飛び火しないかなあ。
[とは言ってみたものの、幾ら容赦のないナネッテだって今のクリフを叱ったりはしないんじゃないか。そんなことを思いながら、でも気遣ってくれる友の声が嬉しくて言葉を紡ぐ。]
でも、うん。
こうやって話してたら、少し気が紛れてきた。助かる。
[続く礼は心から。
やっぱり痛いものは痛いと、情けない顔で笑った。]
[だが、暢気な空気はもたらされた報せの前に吹き飛んだ。]
ノーラが?まさか、そんな!
……俺、すぐ行って取り返してくる。
[常よりは低い声で告げる。
こんな時はたいてい、即行動に移しているのだ。]
飛び火したらその時はその時だ。
[まぁきっと大丈夫なんじゃないかな、なんて楽観的な思考で紡ぐ]
そっか。
気が紛れてるならいいけど、無理だけはしないでよ。
[痛いものは痛い、と言ってくれる分、余計な心配はせずに済むけれど、案ずる想いが消えるわけではない。
無理をさせるのも本意ではないから、と願う声を乗せた]
[ 行くな、とは言わなかった。
自分でも動揺しているくらいだ。
ましてレトとレオノラの交流はよく知っている。]
あちらの将は、治療させるためにこちらで引き取った、と言っている。
[ 無体な扱いは受けていないはずだ、とそれだけは付け加えた。]
[結局、叱られるなんてことはなく。
温かい手に、肩に手を触れられて。>>130]
何やってるんだって、叱られるのかなって思ったんだけどさ。
…生きて、帰って来て嬉しいって言われて。
やっぱ大事にしないとなあって ……
[完全に息子の感慨を零して少し笑った。]
クリフ、あとでそっちに行っていい?
この怪我だから、酒は飲めないんだけど。
お土産、渡してなかったからさ。
[それはいつぞやのリクエスト。>>1:=0
メレディスに届けて取り分けておいた>>2:136素朴な焼き菓子。彼には直接手渡したくて、ずっと持ち続けていた小さなお菓子だ。]
僕もまだ食べていないんだけどね。
きっと美味しいと思うんだ。
あとで、お茶を用意して待っててくれるかい?**
ラーシュ、
おれは拠点に戻っている。
[ レトを救うためなら、もう一度、戦いを挑むことに何らためらいはなかった。]
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