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これは………
[降り注ぐ光の中、目線の高さに浮かぶ滑らかな表面をした球体>>2:#3が目に飛び込んでくる。
球体へと近付く頃には他の者達も集まって居たか。
ある程度の人数が球体の周囲に集った時、黄昏色の光が広がった]
[球体とその周囲で起きる変化>>2:#4を私はマジマジと見詰める。
何とも不思議な光景だった。
様々映し出された光景が鏡のような表面をした球体に写し取られる度に球体が透き通っていく。
その不思議な光景から、私は目が離せなくなっていた。
口笛のような音が上空から聞こえても、視線は透明となった球体へと向いていて、花開くように外殻が開いていくのを見る]
……仔が、孵った、のか。
[先程垣間見た竜と同じ色の仔竜。
形もそのまま縮小したような感じだ。
卵を探していたのに、まさかこのような場面に遭遇するとは]
文句言える立場じゃないもんなー、お前さんは♪
[ ディークが、カナンに答えると同時に笑み含んだ声が、降って来る ]
[ くすくすという冥狐の忍び笑いが、そんなディークとカナンの耳に届く ]
その王子様には、ちゃんと話しといた方がいいぜ。次が無いとも限らないからな。
[ 続いた言葉は、少しだけ真剣味を帯びていた* ]
[黄昏の光を追う途中、背に乗せたガートルードが話し始めると>>45ヤクモは一度『キュイ』と鳴き、少しだけ速度を落とした。
そうして、耳を澄ますように語られる過去を聞いていたが、彼女が負担になっている、と言われると>>47]
『キュイィ!』
[ふるりと鬣を振るようにしてあげた声は、目一杯の否定の意だとは竜の言葉が判らずとも伝わっただろう。
宥めるように撫でられると、続いた決意の言葉は黙って聞いて、微笑みと共にかけられた願いの言葉には>>49ばさりと、羽根を一度羽ばたかせる]
『キュイ、キューイ!』
[それは、ガートルードを見つけて嬉しげに擦り寄ってくるヤクモがいつも発するのと同じ鳴き声。半身たる騎竜師の気持ちをも代弁している、と、ディーク自身も気付いていたから、いつも苦笑しているとは、ガートルードは知らないだろうが]
(大好き、ずっと一緒にいるよ)
[太陽の竜は、そう彼女に告げていた*]
『役には立ってるから心配しなくていいぜ、お嬢ちゃん。
想い合うヒト同士の気ってのは、冥界に近付きすぎてた夢幻竜を引き戻すには大きな力になったからな』
よう、王子様。
[ 事が収まり、夢の世界から現世へ、戻ろうとしたその時、カナンは闇に包まれた。
目の前には、青白い炎で象られたような九尾の狐の姿が浮かびあがる ]
あのぼーずに任せると、肝心なとこを端折りそうなんで、ちょいと一つだけ教えておいてやろうと思ってな。
ああ、心配しなくていい、他の連中と戻る時間は合わせてやるからさ。
[ 光る獣の姿の表情は判別できない。けれど、にやりと笑う気配がした ]
俺が、あのぼーずに身体を借りた理由のひとつは、あいつが冥界...お前さんたちの言う黄泉路に近付いて俺の気が馴染みやすくなってたせいだ。
つまり、同じ条件なら、あいつじゃなくても構わなかった、てことさ。
[ だから、お前さんもせいぜい気をつけな、と、楽しげに言う声が聞こえたと同時に、闇も狐も、カナンの周囲から消えた* ]
[全員の無事を確認出来た後、私達は現世へと戻ることになった。
この場で会うことが出来た、初めて会った者達に今後会うことはあるのだろうか。
サイプレスの御仁達は距離の問題もあり難しいだろう。
機会があればと思うが、さて、どうだろうか]
……─── !?
[そんなことを思いながら現世へと戻ろうとした時、私の周囲が闇に飲まれる>>*9。
息を飲み足を止めると、目の前に青白い炎が浮かび上がった。
なんだ、狐、か?]
……冥狐?
[私は、向けられた言葉でそうであると気付く。
ぼーずとはディークのことか。
獣の姿故に表情は分からないはずなのに、私は冥狐が笑ったように思えた]
[続けられる言葉は口を挟まずに聞く。
その内容を聞くにつれて、私の表情はやや険しいものへと変化した]
……そう言うことか。
ご忠告痛み入る。
黄泉の国と共に在るが故の危険性は心に留め置こう。
今回のことは解決すべきことだった故に非難もせぬ。
だが単に現世での活動のために狙うことがあるならば…容赦はせぬ。
[ディークめ、私に憑依させぬために身を貸したな。
私を護るべきと考えたなら責められることではないのだが…。
私は内心嘆息しながら、冥狐に対して宣戦布告めいた断言をした。
冥界の者を現世で闊歩させるわけにも行かない。
黄泉路近く在る者としての役目、改めてそれを胸に刻む。
忠告を残し消え行く声に返した後、私の視界から狐と闇が掻き消えた**]
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