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[いずれ事を構えねばならない部分>>*3には、今は返さないでおいた。
互いの目的を知り、秘密を共有した。後は妨害されなければ、現状はそれでいい]
では、お互いに邪魔をしないようにしましょう。
その代り、あなたが不利に動くとわかったら、すぐに排除するわ。
[共闘だか宣戦布告だか分からない宣言をする。
宮廷画家という絶好の地位にいる以上、王宮や王室に関する情報は自分よりもはるかに多く手に入れてるだろう。もしかしたら、王子たちと懇意にしているかもしれない。
彼女が持つ情報は欲しいが、完全に味方でない以上提供は、してくれないかもしれない。
しかも、もたらされる情報が正しいとも限らない。
惑わされるくらいなら、はじめから共闘者など居ないものとして動いたほうが、得策かもしれなかった]
話はそれだけかしら?
だったら、もう行くわ。
[互いの正体を知った後で、もし話がまだ続くなら足を止めるし、そうでなければこの場は立ち去る事にする。わたしは宮廷画家の反応を待った。*]
― 応接間 ―
[王の間での話し合いより数日の後、侍従を通じて兄からの連絡>>107が齎された。話の内容はスラムで起きた暴動についてとのこと、その用向きを聞いたウェルシュは一度眉を寄せた。
ともあれ兄の呼び出しを拒むことはなく、ウェルシュの姿もまた指定の時に合わせて応接の間へと現れている。久しぶりとの感覚は、さほどなかった。
そもそもが、兄が軍の用向きで国をあければ一月だって顔を合わせぬことはザラである。けれど同じ宮中で、これほどまでに顔合わせぬことは例になく、それを思うとウェルシュの顔は憂いに沈んだ。]
お待たせを致しました。
[ほぼ同時に現れた兄へ向け、まず向けたのは礼一つ。
向かい合ってソファに座れば、兄からは射貫くような鋭い眼差しを向けられた。なるほど、と思う。
なるほど、これが話に聞く兄の威か。>>=7]
──── はい。お話は使いの者より。
[対するウェルシュはといえば、それに怯える風を見せなかった。兄だからというのもある。けれど穏やかな物腰のまま折れぬ柳の如き強さを見せるのは、これも同じく兄の前では見せてこなかった顔。それは政の場にある人の貌で。]
南のスラムで暴動が起きたと。…、なるほど。
[冷静な、怜悧とすら呼べるほどの仕草で示された資料をめくる。その顔が曇った。これにはギルドの権を弱めたことで、貴族と癒着ある商人が値を釣り上げたとある。
…──けれどそんなことは、出来なかったはずだ。
出来ない。ように仕組みを整えた。
何故なら制度の目的は、貧しい者にこそ利益あるよう整えたものだったから。
それは王の目を通り元老院の目も通り施行されたはず。
献策したのは確かにウェルシュ、けれどその前にガードは幾重にもあったはずなのだ。なのに。]
いいえ。兄上、これはあり得ないこと。
[だからまず、返されるのは端的なる否定の言葉で。]
あり得ないはずです。
私のつくった制度がそのまま実施されたのなら。
私は民のため、貧しき者らの為の施策を考えました。
それは父上とてお認めになられたこと。
それゆえに、父上は私の施策を実行なされたのです。
……そして実際、私は民の間に降りてみました。
見落としはないか、不足はないか。
あの時はまだ、そのような事にはなっていなかった、はずです。
[一か月前、兄と街中で出会った日。
あの日のウェルシュの一番大きな目的は、それを確かめるためだったと言っていい。問題はないようであった。少なくとも、この目が節穴でなかったのなら。]
………。
それでも施策を共に練った者の名を問われるならば、ヘルムート・ハイドリヒ・シュナウザーと。
彼は監査局長ではありますが、同時に私の良き相談相手でもあります。良き相談相手にして…教師。というと少し違うでしょうか。
ですが非常に聡明で、良く物事を教えてくれます。
…───とはいえ、兄上。
[つい。と顔を上げれば双眸に宿るのは雷閃くかの如き鋭い光。
この様子を見る者がもしあったなら、やはりよく似た兄弟よと笑ったやも知れぬ。動と静、柔と剛。全く対極のようにも見える二人。
父に良く似て、強く厳格な印象を与える兄に、母に良く似て穏やかな印象を与える弟。
けれど魂の色はどうだろう。…存外変わらぬものと、無論、そのようなもの見る者も評する者もいないのだけど。]
進言により。というのはお口が過ぎましょう。
兄上の目には、私がそれほどまでに頼りなくお映りか。
私が臣の言いなりに、ただ諾々と従うだけの者と見えておいでか?
[それは悔しさでもあったろう。
兄の前で、一生弟であることは変わりない。
けれど今や、二人共に成人をしているのだ。兄はそれでも、一人前とは見てくれないのか。相も変わらず、頼りない庇護の対象としてしか思われぬのか。
その悔しさを滲ませて、弟はじっと兄を見る。
奥の歯は食い縛られ、頬は僅かに紅潮していた。]
………これは我が施策。
ゆえに、これが暴動の契機となったというなら、この一件は私の手落ちです。ですが兄上、この件は腑に落ちないことがあまりに多い。
暴動は果たして、本当に施策に絡むものなのか?
暴動を起こした者らは、真にスラム街の者たちなのか?
或いは施策を歪めた者があるのか、
……ただ、民の不満を煽りたいだけなのか。
兄上。兄上も噂の件は、ご承知でしょう。
何者かが父上を弑し奉ったのみならず、それを広めた者がいる。
その者の狙いが何かは、分かりません。
…が、私にはラメールを揺るがさんとする者のあるように思えるのです。上を崩し、下を揺さぶり、国滅ぼさんとする者の意思があるようには思われませんか。
[一息に言ってのけた視線は、兄の上に据えたまま。
そうして漸く息をつくと、ウェルシュは兄の前に頭を下げた。]
兄上。この資料、写しはありましょうか。
あれば私にも一部、預からせて頂きたいのです。
もしも私の手落ちなら、私にはこれを正す義務があるはず。
さに非ず、どこかで何かが歪んでいるなら、それを確かめ正さねばならない…これもまた、私の責務でありましょう。
今はこの時、どれだけ手早く手を尽くせるかは正直お約束を致しかねますが、それでも全力を尽くすことはお約束申し上げます。
それまで民と軍、双方に負担をかけることは心苦しく思いますが…
いかがでしょうか?
[いつしかウェルシュの物腰は、常の穏やかさを取り戻している。言葉遣いも兄への敬意を保つまま、兄の応えを待つべく彼の上に視線を*止めた*]
[俺が、
(況して、
彼女達に会う事があったのはいつだっただろう。]
… 扨、御嬢さん。
どうしたってそんなにこの国が嫌いか?
好きかと訊かれれば確かに是ではないが。
[何を言っているのかと言わんばかりの表情をされたかもしれない。
寧ろ、警戒を見せられたかもしれないが。]
あぁすまない、趣味で諜報をしている者だ。
だから…… 不穏は知っているのさ。
[そんな事を、飄々とした口振りと笑顔の表情で。
(全くの、冷やかも過ぎる目で。)
言ってのければ、瞬きを一度挟む。]
[その瞬間に、冷やかな彩は消え失せて、言うのだ。]
良ければ、故国の話でも聞いてくれないか。
あぁ、自ずと俺の正体も知れるだろう。
[それでも、協力するともしないとも口にはしない。]
[矢張り、俺はここに於いても、縛られない鳥か風かであろうとしていたのだ。
風が吹けば気儘に流れ、気が向けば流れに抗おうと、 …そう、思うのは変わらないのだ。
(生涯、俺が真に仕え、真に敬うのは一人きりなのだ。
だから、俺が “此方側” に流れたのは偶然よりは必然で、何より当然の事であったとも言えた。)]
両王子何方を支える気もない、ってだけだ。
そもそもこの国の行く末に興味がない。
だから、全て終わった後は、
……2人で好きに取り合ってくれ。
俺はここを郷に据える気はないからさ。
[実に、持たぬままでいる気なのもあって、あっさりとしていた。]*
……そうなるかなぁ。
[ なんて、
返って来た言葉>>*4にのんびりと応える。
強いて言うなれば、ローレルは蝙蝠だった。
自らの生存の為には鳥にも獣にもつく。
話をするに自らの後ろ盾に
確たる忠義を抱いているらしい彼女とは
きっと噛み合わないのだろう予感がした。
平穏を奪われることへの焦り。恐怖。
それだけが身体を動かす動力に足りる。
忠義や忠誠などというものは
最も縁遠い感情だと自負していた。 ]
邪魔はしないようにね…。
易々と舞台から降りるつもりはないけれど
…気を付けてはおこうじゃないか。
なんたってきみ、怒ると怖そうだから。
[ どこまでも日常の延長、といった体で
へらりと崩した笑みで相手と向き合う。 ]
今日は挨拶で声をかけただけだからねえ。
話というほどの話はないんだけれど…
ああ、そうだ。
手土産代わりに一つだけ教えてあげる。
[ 素直に情報を渡すと言ったところで
さてもや、彼女が素直に受けとる保証はない。
だけれど秘密を共有した仲ならば
大して伝えたところで腹の中は痛くもない。
ローレルにとっては大して価値のない情報。 ]
…国王陛下を殺したのはラメールの民さ。
信じるか信じないかはきみ次第だけれど。
[ 国王は暗殺されたのだと、
彼女はもう知っていたかもしれないけれど
下手人の心当たりまではあるまいと思っていた。 ]
[ 仲間と呼ぶには薄弱過ぎる繋がり。
もう行くわと言われたら
それじゃあまた会う日までとでも
行って見送ろうとする程度の細い糸。
そこに引っかかった者がいた。>>*7 ]
おやおや立ち聞きとは趣味が悪いねえ。
でも――そう、折角だから答えよう。
ボクはね、決してこの国は嫌いじゃないよ。
[ 臆面も恥じらいもなく淡々と言い放つ。
傍らの彼女が彼を知らぬようなら、
[ 飄々とした態度、笑顔。
胡乱とも呼べるような冷えた目つき。
けれど、画家が気にすることはない。 ]
…自分を取り巻く平穏が脅かされるのが怖いだけ。
大概の人間と動機は大して違うまいさ。
只、平穏が欲しい。それだけなんだよ。
[ ―― 淡々とした口調は崩れない。
それだけを求めて生きてきたから
今更口に出すことほど簡単なこともない。 ]
きみが話したいと言うのなら話を聞こう。
[ 自分が語った分だけ聞く姿勢となる。
それもまた、この画家には自然なこと。 ]
[ 全てを聞き終えたあと。
静かな語調で画家は話し出す。 ]
きみはあくまで傍観者であろうとするんだね。
…いいや、決してそれを悪いこととは言うまいよ。
ボクにはボクの、きみにはきみの生き方がある。
きみがきみの生き方に殉じることが出来るよう
密やかに願っていることしかできないけど――、
いつか、きみの郷が新たに見つかることを祈ろう。
…軽口の言い合える一人の友人として。
[ 宮廷画家はすでに明日も知れぬ身、
彼が郷を見つけたとして便りを聞ける確かはない。
けれど、
何かしら言葉をかけずにはいられなかった。
一人の友として根無し草にも似た
彼の行く末を案じる心は持っていた故に。* ]
[引っかかったのは微弱も極まる細い糸。
(これが蜘蛛の糸であったなら、引っかかった哀れな鳥と嗤われるもまた、俺は気になどしなかっただろう。)]
いいや? 立ち聞きなんて人聞きの悪い。
ただ、風の気紛れが声を運んだものだから。
[実のところ、2人が話しているのを知っていて来ているのだから、人聞きの悪いと言ったところで盗み聞いたに相違ない。
淡々、返される言葉に否定を載せる事はしなかった。>>*13
俺が自己紹介するでもなく、知らないように見えたなら、彼女が勝手に言ってくれていただろうが。]
いや、この際だ、違う名を教えておこうか。
…そうだな、 “
そう呼んでくれて構わない。
[
実質的に、ジュードの名と綴りは何ら変わらない。
そうして嘘にも真実にもなる言葉を言葉に乗せる。
そこまでを述べたなら、冷やかな彩は嘘かの如くに跡形なく消えた。]
平穏、な。 あぁ、極自然な願いだろう。
少なくとも、俺はそれに兎角言わないさ。
[平穏を求めるのは生き物の本能だ。>>*14
最も原始的、根本的な願いと思うものだから、否定する訳もなく。]
[望郷を思い起こすかの如く、語り始める。]
… 此処から馬でも十数日。
一年の殆どが寒冷な気候の山岳地帯がある。
そこが今、どうなっているのかは知らないが、
俺が敬愛した国は、
疾くに歴史という過去の産物の中に失せた。
俺は、その国の、
王子であって、王子でない者、だ。
[「隣国に消されたのだ」、とは縁起でもないから言わないが。]
その国は何かと加工が得意でな。
作物は僅かな間しか実らないような、
そんな極寒地ではあったが、あぁ、
皆、とても逞しく生きていたよ。
[亡くなった国を再興するつもりもなければ、王として君臨するのも真っ平御免と思っているのは伝わっただろうか。]
[冗談めかして、彼女の言葉に笑って返す。>>*15]
ローレルも願いの叶う生き方ができるよう、
暗雲や濃霧が払えるなら力添えくらいは。
…… 風の向こうから、ならしてもいい。
何せ、 “俺も人間なのでね” 。
[飄々、気儘故の、回り諄い言い方だった。
彼女の身を案じているのは、それとなく伝わった…かもしれない。
(俺としては伝わってほしくはないが。)]**
― 応接間 ―
[此方が応接間に辿り着くのと同士に弟も到着したようだ>>=8。
久し振り、と言っても諸外国からの視察で城を空けていた頃より遥かに短いが、共に宮中に居ながらも会っていない期間が久しく感じさせたのかも知れない。
憂う弟に向けた視線は鋭いもの、意図せず発した眼光に彼は怯む事は無く。
穏やかさを持つが折れぬ強さを持つ弟の顔>>=9。
成る程、と心の中で呟きながら、初めて見る弟の一面を見遣りながら席を薦め腰を下ろす。
前置き無しに報告書を提示し、書類を眺める弟の顔を表情を見逃さぬ様見つめていたら、見る見る曇ったものへと変わっていく>>=10。
開口一番に出る言葉は不備は無い、というもの。
貧しき者達に利の恩恵を受ける様に施策したと>>=11。
父を認め施行し、実際弟が町へ視察し不備は無かったと告げる様子を見せている。
確かに一月前弟は城を抜け出し街へ足を運んでいたのは事実。
何処まで確認をしたのかは定かではないが、治安的に安定していたのだから正しく施行されてたとは思う。
少なくとも弟が施策し、父の目も通し正しく施行し運用されてた、という情報は理解した。
と、施策を共に練った者の名を聞けば思わず眉間に皺を寄せてしまう>>=12。]
[監察局であるシュナウザーが、管轄外の事を進言している、という事実には危機感を覚え警戒の念を抱く。
弟が信頼を置き相談相手となっているのは理解出来る。
されど、シュナウザー監査局長から感じ取った野心的な匂い、そして監査とは違う管轄である税に関しての進言したという事実には警告せざる得ないのだ。]
待て、シュナウザー監査局長は管轄外の事に干渉しているのだ。
税に関する事は監査局の仕事ではない。
相談するだけとはいえ、最終的な判断はお前が決める事であり、あくまで参考とするつもりなのは重々承知してる。
が、本来の役割とは違う干渉を許すのは如何なものか。
[結果的に功を奏したとは言え、監査局が内政に干渉をした事は許される事ではない、と忠言を申し付けるが弟はどの様に受け止めたのか。
もし弟が王位に就き、弟を利用し軍を牛耳る事があれば後々の脅威となりうる。
そう思うと、厳重に注意をせざる得ないのは立場上あっての事。
そんな時空気ががらり、と変わる。]
[ヘーゼルの瞳に鋭さを宿す。
それは雷の様に力強く、閃光の様な強い光の様な物を感じさせる。
初めて見る弟の鋭さを見れば、弟とて父の血筋を引いているのだと改めて認識出来る。
が、弟の鋭さに“重さ”が足りない。
確かに弟や自分の鋭さに下の者は畏怖を感じ怯ませる事はあるかも知れない。
されど、父の重厚で且つ鮮烈な眼差しを何度も受けてきた自分にとっては怯む物を感じさせず、堂々とした振る舞いで弟の眼差しを真摯に向き合う>>=13。]
現に話を聞いてみれば、本来関わるべきではない者に関わらせたのは確かのも然り。
お前は素直で心優しい人間である故、兄として気掛かりであるというのも確かだ。
[弟に悔しさがあったのはあるのだろう>>=13。
庇護するべき対象としてではなく、年長者として指導し将来を期待し忠言し次に生かす為に言った意味を兼ねているのだが、それを弟がどう受け止めるのかは定かではない。
そしてこのやり取りを思い出すのは、嘗て自分が父に叱られた事を思い出し、改めて父が何を想っていたのかが少し分かる様な気がした。]
[弟の疑問を耳にする>>=14。
幾つかの疑問点は挙がる。それはまだ軍も調査の段階で、暴動の鎮圧と同時に調査をしなければならない上に、まだ判断できる材料は揃ってない。
が、弟が口にする疑問点は此方も調べれなければならないと改めて認識し。]
一先ず、お前が施策を考え父上に認めてもらい、それが正しく運用されてるという事は分かった。
それにしても、あまりにも暴動が起きるのは早すぎる。
これに限らず、何者かの思惑が絡んでいるのは確かだ。
[国を揺るがさんという言葉には一言此方の言葉を付け加えよう。]
内にも外にも揺るがそうとする者が居るのかも知れない。
幾つかの思惑が複雑に絡んで、破滅に向かっていくのではないかと思ってる。
[不穏な空気にそう感じた言葉を弟に伝えれば席を立つ。]
分かった、後で下の者を通じて資料を渡そう。
それと、施策の資料を後で此方に渡してくれ。
此方の調査の資料として目を通しておきたいからな。
俺は、これから暴動の視察に向かう。
だから、後で下の者に資料を渡してくれ。
[此方の上に視線を止めている弟>>=15。
穏やかな口調で提案をすれば、資料が欲しいとの事。
此方の上に視線を向けている事にすぐに口は出さず、そのまま暴動の視察に向かおうとしている。が、
その前に、弟を真っ直ぐ見遣り、一言だけ言葉を残しその場を後にしよう。]
その目……。
よく見るアレだ、ある意味懐かしいな。
[その言葉の意味を弟が反応見せたり問い掛けたりする前に、此方は応接間から出て行くつもりだ*]
[ローレルとの対話中に新たに現れた人物>>*7を見て、わたしは軽く鼻を鳴らす。
彼とは一ヵ月前にも王都の酒場で会った。
王宮に出入りしている鷹匠、という事くらいしか知らなかったが、趣味で諜報とは]
…エキセントリックな人ね、あなた。
[どうやら、この国の人ではないようで。どこの国にも属さない、という事だけは伝わってきたけれど]
この国の出来事の傍観者?
じゃあ、さすらいの吟遊詩人みたいに、歌でも歌ってみる?
[なんて冗談めかすが、別に受けを狙ったつもりはない。
彼の話を聞いてから、わたしは再びローレルの方へ向き直る。自分と敵対するか、もしくは協力者でなければ、向ける関心は特にない]
[怒ると怖そうと評されたけど、特に訂正を持ち掛けるつもりはない。
いずれは事を構えるにせよ、現段階で相手をするつもりはなかった。
最後に手土産代わりに、と聞かされた内容には、少しだけ驚かされる]
───国王を暗殺したのは、…ふぅん…。
さすがに情報早いね。
[こちらの情報網は、まだそこまで捉えてない。彼女の言ってる事の裏は、直に取れるだろう。
元々外部の犯行は考えにくいから、叛気に駆られた野心家か、あるいは他国に買われた者か。彼女の口ぶりだと、あちらが買ったようでもなさそうだが]
じゃあ、今度こそ行くわ。
[もたらされた情報に、特に礼を述べるでもなく、わたしは踵を返す。
国王暗殺。
決まらない王位継承。
ゾネス要塞に戻る日程は、もう少し先になるかもしれない。*]
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