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[通信相手の性別は己には―当然相棒も―分かっていないが、
わたくしという一人称に女性的なイメージを引き寄せる。
言葉とは実に不思議なものだ。
そうして、それに続く言葉は彼女いない歴年齢の相棒にはなかなか刺激的だったようで。]
ふへっ?
え、や、そっ、そそ、そのぉ…っ。
――ッ。
[縺れる舌でそんな言葉を紡いでいたが、相棒の耳の近くに寄せていた指輪の嵌った左手が、びくりと震える。
通信機が相手の吐息をクリアに此方に伝えてくれたお蔭で相棒の顔は真っ赤になっていた。
うっかり己も光ってしまったぞ。]
えと…その、ちょっと熱いっすね?
お酒でも飲んじゃいました?
[あははと笑ってはいるが、動揺は誤魔化しきれていないだろう。]
お、いいですねー。
ウチ、イエロー二号!今グリーンの頭上におるで!
天井は眺めええわぁ。
[ちょっぴりあくどい笑顔は、もらった福袋でうまいこと隠しています。
望遠鏡を弄るカチャカチャという音も、マイクが少しばかり拾っているよう。]
いやーでもねーメルヒオルさんねーうるさかったら切るって言ってくるんだよー。
切らずにいてくれてるから優しいって思うけど!
ヒロインは塩も平気なくらいがちょうど良いってばっちゃ言ってたべ。
……共有!
[マイク越しでも伝わりそうなほどに目を輝かせて、がんばって小声でうなずきます。秘密とか共有とかには、弱かった。]
この手で元の所持者を打ち倒し、力を示した結果だ。
お前には、どう見える?
俺はただの略奪者か。それとも、
……いや、よそう。
[静かに首を横に振った。彼ら以外には気付かれない、刹那の時。]
それで、そっちはどうなんだ。
こいつを昂らせる程の力を持った魔剣、どうやって手にした。
僕がレッドですか??
[エスタシオンマーク入りの通信機をしげしげ眺める。]
あー、ほら、僕も晴れて無職になったからどこでも行けるし、嘱託ヒーローとしてはエスタシオンさんみたいな今を時めく戦隊に入れてもらうってのは願っても無い話なんですけど、ええと、
僕、レッドというよりどちらかと言うとホワイトって感じじゃないですかあ。
[きらり、とキメポーズ。]
普段は指令室で戦隊の皆さんに指示を出しつつ、いざとなると前線に出て戦っちゃうみたいな司令官タイプとか、戦隊の皆さんがピンチになるとどこからともなく現れる謎の仮面の男とか、
憧れますねー。
[うっとりしていると、ぽよぽよと周りに小さい羊が現れて回り始めた。
どうやら妄想中のサインのようです。]
まあ、そういうことになるんだろうな。
だが……お前は気になるのだろう?
[ヒーローであることを否定はしないが
含みのある言葉。何のことだか彼は分かるだろうか。]
サシャ、余計なことを言うなら本気で切るぞ。
ただでさえ切り替えが面倒なんだ。
[そう言う男へもし視線を向けたなら
二人が持つものと違う形の通信機を手にしていると、気付くことだろう。]
そういえば、スタッフさんいろんな通信機持ってたなぁ……
これは もしかして
いたるところでヒーローたちの密談が……?
アッヤバイLIN●荒れる
相手さんも通信機の使い分け大変そうだなぁ
しかし、困った
ヒーローの密談とかピンクあたりが荒れそうだ……
アッ通知ヤバイ
[ひっきりなしになる通知音、さっきオンに戻してたの忘れてたね。]
はい!
この激動の一年を戦って来られたメレディスさんなら、
きっと僕達を纏め上げて下さると思いまして!
[どきどき。緊張の一瞬です。
でも、どうして交渉に向いてなさそうな緑の子が此処にと
思った時もありました。
それがですね……
イエローは関西弁で捲くし立てるようにお話しますし
ブルーはシュトーレンバカですし、何しろブルーの定義に
合わない熱血漢なのです。五月蝿いんです。
ピンクは現リーダーですが、女性です。
……で、一応頭脳明晰(という事になっています)な緑の子に
白羽の矢が立ったのです。
根が真面目ですから、気まずいことにはならないと思うのですが。]
はっ、そ、そうかホワイト……ですよね。
その見た目からですと。
[ですので、お相手が否と言う分にも強く押し返したりは
しないのです。]
でも、たまに本屋さんとかで見るよ。
俺がナントカピンク!?とか、男の人が魔法少女とか。
ピンクに見ちゃダメ!って言われてるから中身見たことはないけど。
需要はありそう>女装ヒーロー
……
[何も言わない。
自分もそういったものを見掛けたことはあるとは、口に出す気分ではなかった。]
……これだから女は理解出来ん。
[頭の上にまた頭。>>*19
聞き覚えのある口調が通信機にも、直に耳にも届いて
なんだかくすぐったいですね。]
あぇ、メルヒオルさんそれはつれないです。
い、色々と気にはなったりしますけれど、やっぱり
気にしたままじゃいけないと思うんです!
ですから、これを機に、メルヒオルさんの事を知りたいですし
三人で何か一緒にやるというのも楽しいのではないかと。
[サシャとの通信を切る、という話と
緑の子がメルヒオルの事を気にしている>>*22という二つの話へと
合わせて返します。
確かに、見えない壁で隔てたままではいけませんよね。
頑張りましょう、緑の子よ。]
……。
[投げかけられかけた質問は、黒の彼によってなかったものとされる。
前の所持者はどちら側にいたんだろうか。
けれど今、彼はヒーローの側に立ってその力を使っている。――それならいいのでは、という言葉では、答えには足らないだろう。
代わりに投げられた質問に、相棒は応える。]
…俺っすか?
魔物の起こした事件を捜査してる途中に魔物に遭遇したんすけど、一般人がまだ避難し損ねていたからつい、警棒持って殴りかかったんすよね。
まぁ当然只の棒なんで、叶う筈ないんすけど。
それで一般人は逃がせたんですけど、俺は危うく死にかけて――そしたら、カラドさんが助けてくれたんすよ。
『まぁ、危なっかしくもあるこいつの志に共鳴したわけだ。』
で、カラドさんと契約して、俺達はタッグを組んだってわけっすよ。
[へらりと笑っているが、己が助けなかったら死んでいたんだからな。]
[銀の指輪は共鳴するように光る。
思わせぶりな言葉に相棒の顔は更に赤くなった。]
…?!
あ、あはは。またまたぁー。
[声は上擦っているし、どぎまぎしているのは向こうにも伝わるだろうな。]
あれっ、女装ヒーローは一定の層には人気ありますよね。
意外と似合う、だとかで……。
[直前までの真剣な話が台無しですよ緑の子よ。
もう一つの通信機ととっかえひっかえして、話に割り込みます。]
つまりお前はこんなのに歩み寄ろうと頑張っているわけだ。
見上げた精神だね、真似できやしない。
[嘆息の後、ぼそりと呟く]
ヒーローって奴は、やっぱりどこか似ているのだろうな。
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