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[誘われて、天使がほんとうに思い出したのだと実感する。
差し招かれた尾でゆるく巻き付き、羽根の間に忍ばせた。
揺れる尾の先から、しゃらしゃらと微かな音が零れる。]
好きだ。
[尾をこうして入れるのも、一緒にいるのも、天使そのものも、
全部をまとめてひとことに。]
新しい絆?
[求めにきょとんとしたあと、疑問を笑みに溶かして頭を摺り寄せる。]
伴侶になろう。なりたい。
オレはオマエのもので、オマエはオレのものだ。
[新しい絆はどちらが上ということもない。
互いが望む限り一緒にいられる契りだ。]
オレもオマエの髪が欲しい。
交換しよう。
リングは、壊したから…
[右耳に触れて、少し小さくなる。
あれはお仕置きされる嫌なものだったけれど、良いものでもあったから。]
シュテラ…?
[未だ力が込められたままの腕に、問うような声音で名前を呼ぶ。
小さな詠唱と共に新たな風が体を撫でれば、煙るような血の匂いはこびりついた血と共に風に散っていった。]
ああ、心配するな。少々…疲れただけだ。
たしかに瘴気は強いが…、いつまでも飛び続けているわけにはいかないだろう。魔力がつきれば本当に動けなくなるぞ。
………シュテラ。お前だけなら、あの結界は破るなり通過するなりできるのか…?
[本意は告げないまま、可能かどうかだけを問う。正直、内面での邪霊との攻防で精神的にかなり疲労し魔法を使うだけの集中力などつきかけている状態だった。
このままでは共倒れ必至。ならば、とあまりまとまらない頭で考え始めていた。
相手の笑みは、男を安心させていた。それゆえ、少女を護る風がいつの間にかなくなっていることも気付かず。]
……私と。2人で戻れたら。
契約し直してください。
今度は、私自身の意思で、あなたに。
……いえ。忘れてください。
[相手からの答えや問いがないまま願いを告げようとして、途切らせた。
自分の中の渇望が、願望が、欲望が頭をもたげそうになったから。
ただ、誤魔化しては笑う。
つ、とその顔に汗が一筋垂れていただろう]
……確かに空を飛び続けるにはもう少し、休まないと。でも、ここには魔力が溢れていますから。
私は魔族ですよ?だから、ここの環境はーーあの声さえなければ、大丈夫なはずなんです。
だから、貴方を一人置いてはいきません。
あの声さえ、なければ……。
……きっと、大丈夫。
[表情が一瞬暗くなるものの、それでもと笑みを浮かべ直した。
悲観すればまた囚われてしまいそうで。
自分の中の渇望を、必死に抑えてきたそれを暴かれた今、また囁かれたら暴走しないとも限らないから。
だからただ、笑みを浮かべ]
でも、一つだけ、謝らせてください。
私は、貴方を…貴方が助かる可能性を、蹴ったのかもしれない。
私のワガママで。
…ごめんなさい。
[リングを壊したとギィが呟く。]
壊して、わたしを呼んだのだろう。
わたしのところに飛んできたから、おまえの元に駆けつけることができた。
[噛み砕かれた欠片──今は指輪にくっついて嵌ったそれを見せる。]
これはもう役目を果たしたのだ。
綺麗だからとっておこうと思うけれど。
今度はなくなったりしない。
互いの一部としてあり続ける。
[顔を寄せて髪を直接、絡めた。
小さく唇を綻ばせる。]
こんな時、誓いは、言葉よりも──
[天使が示したリングには、小さな欠片がひとつ増えていた。
届いた証。
繋がった証。
舌先を伸ばして舐め、感触を確かめる。]
これがあったから、オマエが来てくれた。
嬉しかった。
[そのまま幾度か指輪と指を舐める。]
[顔を寄せ、髪を絡める。
体温が近い。温かさが流れ込んでくる。]
オマエとオレが混ざり合って、ひとつになる。
互いに───…
[言葉よりも。
綻んだ唇に視線が吸い寄せられる。
同じように、自分の唇が綻ぶのがわかる。]
ヴィン………
[唇が柔かに重なる。
初めての接吻け。 そして最初のひとつ。
身体が震えるような喜びが走り、翼が小さく打ち震えた。]
わたしはおまえのもの、
おまえはわたしのもの──
[認識を新たにすれば、羽根に潜り込んで鳴る尾の先が、指の間を這った細い舌が、髪の絡まり合う体温が鮮やかに歌い巡る。]
[愛だ、と。
伴侶となった天使の口から紡がれれば、言葉が熱を持って輝きだす心地がした。]
愛、だ。
愛してる。ヴィンセント。
[湧き上がる気持ちのままに言葉を繰り返し、
二度目と、三度目の誓いを立て続けに交える。]
[天にも昇る心地というのは、こんな気持ちを言うのだろう。
天界へ昇って行ったときも期待に胸が躍っていたものだが、今は、足元から髪の先までが浮き立つような心地がする。
そんな幸福と歓喜で満たされた心の中に、一筋の影を見つけた。]
ヴィン、すぐにここを出よう。
[天使の腕を掴み、声に焦燥を滲ませる。]
ここにいるとオマエが危ない。
オマエが死ぬのは嫌だ。
だから、すぐ離れよう。
[先ほど流れ込んできたイメージが、再び脳裏に蘇っていた。]
─回想─
[細やかな旋律を奏でるのはピアノの音。
煌びやかなシャンデリアの下で、宝石が輝いている。
質の良い布で誂えられたドレス。
紅を引かれた唇。
綺麗に結えられた髪の毛。
こんな風に『お披露目』されることなんて、今までになかったのに。]
「 でもね、ルカ。
あなたは、───女の子なんだから。 」
[女性の腕を乗せ、ステップを踏み込むつま先。
くるりと回ってリードする姿。
腰に携えられたのは一本の剣。
同じ物を自分は持っている。
なのに、私の両手には、どれだけ、強く振舞おうたって、誰も。]
無理なのよ。
[だから、もういいの。
諦めたように笑みを浮かべるお母様。
白い手袋に覆われた傷だらけの手のひらは、爪が白くなるまで強く、硬く、握り締められていた。]*
嬉しい ── 愛している ── 幸せだ。
[言葉と接吻けを交互に息吹で感じられる近さに見つめるギィの面差し。
その情熱的な赤い髪は銀の一刷を添わせ、ギィの瞳に映る自分の姿には銀の髪に一筋の赤が走る。
愛は天魔の柵を越えるのだ。
天使にとっての感覚器官である翼はいっそう明るんで、春のうららな日差しの色となる。]
[その光は、この地においては危険なものでもあった。
誘蛾灯のごとく魔を呼び寄せる。
それを思い出したか、あるいは何かの予感に触発されてか、ギィは速やかな移動を促した。
二人が目指すべきは、この禍々しい結界の外。
ギィの故郷だ。]
わかった。
敵に遭遇した場合は、いつもの連携で。
[短く打ち合せを済ませ、光を紡いで装備を整える。]
[天使の翼が抱くのは、優しい太陽の暖かさ。
眩くも愛しいその翼から名残惜しく尾を引き戻す。]
いつものように、だな。
[戦いの装束を整えた天使を眩しげに見やって笑い、自らも赤い蛇へと姿を変える。
その頭には小さな星のように銀の鱗がひとつ輝いていた。]
[赤い蛇はさらに大きさを縮め、小蛇となって天使の足元に這い寄る。
そのままするすると体を登って、翼の間に落ち着いた。
ちらと舌を出して翼の温もりを味わい、身体を擦り付ける。]
………いいのか?
僕は…、お前の意思に関係なく無理矢理契約したのに。
[もちろん、相手が対等な関係を望んでいることは先のやり取りでわかっていた。それでも。
怪しげな道具まで使って少女を繋ぎ止めようとした自分のそばに、まだいてくれるのかと思えば知らず小さな笑みが浮かんでいた。
忘れてほしい、そんな言葉に首を振り]
駄目だ。僕は…お前に側にいてほしい。首輪がなくなった今、それでも契約して側にいてくれるのなら……。
いや、契約、してくれ…シュテラ…。
[気だるい体で相手を見つめ告げる。命令でなく、懇願という形で告げるのはもしかしたらはじめてのことかもしれない。
魔力が溢れていると聞けば、納得。それでも、少女の回復はまだ済んでおらず、自分のそれを分け与えることもできない。
自らを包む風を維持することで、回復を妨げているのだろうと思えば自己嫌悪で表情は苦いものとなった。]
いや…お前はお前が最善だと思う選択をしたんたろう。
それに…僕だけが助かっても意味はない。だから、それでいい。
[相手が姿なき声から何を言われたかはわからない。だがそれはきっと、自分に囁かれたあの甘言と同じようなものなのだろう、と。そうであるならば、助けると言った言葉も本当であるかどうかすら怪しいのだ。きっと、少女の選択は正しかった。
そう信じ、告げていた。]
[側にいて欲しい。そんな事を言われたのは、ましてや懇願の形で乞われたのは初めての事だった。目を見開き、微かに震えーーそれでも。
首を横に振る姿がある]
いいえ、できません。
貴方は人間で、私は魔族。
私、思い知らされたんです。貴方が、どんなに大切か。そして、どんなにーー執着してしまっているか。
シェットラント様は人間で、いつか、誰かを…人間を愛するでしょう?
家庭を作り、その幸せを守ろうとするでしょう?
……その時に笑顔でいられる自信はありません。
今よりもっと時を重ねてしまったら、今よりきっと離れ難くなる。
その時に…貴方の敵になるような事はしたくない。
だから、……いま。
[離れたほうが良いのだと思う。
相手が自身を求めてくれ、とても嬉しいのに。だが、今を逸しては離れる事が出来ないだろう。
ーー狂気はいつでも訪れる。
それを自覚させられた今、頷くことはできなかった]
[王冠のように銀鱗を戴く小さな蛇が翼の間に収まる。
懐かしく心躍る感触。
指を肩越しに回して接吻け代わりに一撫でをしてから、軽やかに地を蹴った。]
ー回想ー
[キラキラと輝くシャンデリア。
繊細な音色。]
ルカ、綺麗。
[ダンスホールの二階から見下ろす着飾ったその人は、いつも見ていた人とは別人のように感じる。
……いや、別人なのだ。]
リヒャルト……、リヒャルト…
[ 新たに告げられた名を繰り返す。
確かめるように何度も。]
リヒャルト、あなたのそばに私の場所は残ってる?
私はこのまま、あなたに守られていてもいい?
ねぇ、気付いてるかな。
今のあなたはお姫さまみたいだってこと。
[あなたがお姫さまなら、私は何になればいい?
昨晩言い渡された"使い魔"という言葉が頭を過る。]
そうだね…そうするよ。使い魔の方が私にはお似合いだ。
[手すりに背を向けてずるずるとその場に座り込む。]
王子さまに命を捧げるお姫さまなんて、いないんだから。
[契約の繋がりを空気で感じる。
確かに相手はそこにいる。
私が命を捧げることになる、「リヒャルト」は。
手で顔を覆う。不思議と涙は出なかった。]*
[天使の背に乗って空へと高く舞い上がる。
それはすがすがしく心躍る体験だった。
いつ魔物に襲われるかわからないという状況でなければ、もっと楽しめるのだろうけれど。
湯煙立ち込める高さから抜け出せば、視界が広がった。
黒い結界が渓谷全体を覆っているのが見える。
あれを抜けさえすれば、魔物の脅威も減るだろう。]
さっき、契約し直すといったじゃないか…。
僕は…、初めてお前を見たとき、とても綺麗だと思った。
お前は力を使いきり、倒れてから僕が通りかかったと思っているが、実際は違う。
ほぼ暴走が終わりかけてはいたが、倒れる前に居合わせていた。
風を操り、敵を切り刻む姿は…
汚れていたあのときでさえ、綺麗だと思ったんだ。
あんな風に、道具を使ってでも側にいてほしいと思ったのは初めてだった。
これから先も、たぶんない。
おまえだけだ、シュテラ…。
[元々女は苦手だった。それでも何故か相手を初めて見たときから綺麗だと思い、どうしても側て見ていたいとおもったのだ。
従属に失敗し、今度は自分が切り刻まれることになろうとも本望だとすら思った。
これ以上の想いなど、おそらくない。もしも、まだ側にいたいと少しでも思ってくれるのなら。
今度は自分が従属してもいい。それも本音だった。
それゆえ、拒否されたことに強い胸の痛みを覚え。思わず、目を閉じてしまっていた。]
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