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[酔ったような、はっきりしない頭で状況を整理しようとしているときに、聞こえたジークの言葉に目を見開いた]
なっ、え…!?
[ジークが自分を選んでくれていたという事実に、期待するように胸が高鳴った。
──そういう意味では無いかもしれない、と自戒しながら。
それでも今は、同じ気持ちなんだと思うと、思わず涙がひと粒こぼれ落ちた]
ありがとう、ジーク…。
[罪悪感を心の奥へしまい込んで。せめて今だけは夢を見させて欲しいから、こぼれ落ちた涙は嬉しさからだと自分に言い聞かせて誤魔化すように抱き付いた]
[本の頁を捲る。
"冒涜者"なる名は、其処にも記されていた。
冒涜者に"誘われた"者は"背信者"となり
狼獣人に従うもの、となるらしい]
なるほど…、俺を選んでくれたんだね、ありがとう。
迷惑なんて事はないんだ、素直に嬉しいよ。けれど…
俺には、すきなひとが居てね、
だから、君に対して恋愛感情を返す事は出来ない。
無粋かもしれないけれど…
隠して手玉に取るような事はしたくないから、言っておくね。
[トーンが落ちた相手の声音を気遣い
申し訳なさそうに、男の声も潜まった。
ローレルにそんな心算は無かっただろうけれど、
言っておく事が筋であろうと思い至り]
そのかわり… ではないけれど
俺に出来る事があれば、なんなりと。
君は狼獣人が誰なのか知っているんだよね?
その人に尽くし、協力するのならば俺も、従うよ。
俺の方の事情というか状況も… 知りたい?
泣かないの。
あんまり可愛い反応見せると、……我慢出来なくなるから。
[ぽろり、頬を滑る涙の美しさに吸い寄せられるよう
此方からも彼の躯を抱き締め、涙の痕を、そして
濡れた睫毛を舌先でちろりと舐めた]
隠しておくのも厭だから、言っておくけれど
僕の天使の仮面は"狼獣人につき従うもの"に
"背信者"へと塗りかえられてる。
意識共有を他にもしている人、居るんだ。
――一応、伝えておくね。
[背中へ回された腕の温もりに幸せを感じていると、睫毛を舐められて、ふいの慣れない感触に思わず
う、と小さな声が漏れた。
泣くつもりはなかったし、…我慢はしなくていい、と言いかけて言葉を飲み込む。
──ジークが正気に戻ったとき、思い出して不快に思うんじゃないか。
そんなことが頭を過ぎった。
キスの時点でアウトかもしれないけれど、戯れで済む程度でいようと、そう考えて]
べ、つに泣くつもりはなかったし、俺は可愛くないぞ…。
[本心を隠すように俯いて、頭をこすりつけながらそう言った。
そのままの体制でジークの自分は背信者だという告白を聞いて、案外律儀な人だなぁと少し笑いが込み上げた]
はは、人の事を真面目だなんだと言うが、ジークこそ隠し事が嫌だなんて、真面目じゃないか。
は、ふふ。
ああ、そうだ、気付いてるとは思うが俺には此処以外何もないと伝えておこう。
今の俺はもう、ジークと絆があるだけの只の人だ。
う、うん……?
えっと、聞こえてますよ……?
……誰ですか?
[頭に響く謎の声に、周囲を見渡しながら返事をした]
ああ、良かった…
実は僕、この力を良くわかってなくて…。
[頭の中に響く声は、聞いた事がおそらくないもの。
申し訳なさ全開の声で口を開き]
あのね、僕はシュナウザー、軍医をしてるよ。
ごめんね、君は…誰かな?
[小さく漏れた呻きは何処と無く、嫌悪を孕んでいるように聞こえてしまい。
彼の顔を、斜めに覗き込み、耳はへにゃりと力なく垂れた]
ごめん、……気持ち悪い?
男を薬の力で好きになる、なんて…
真面目なイェンス君にはハードル高いのかな、なんて。
ちょっと俺、心配だったりする。
[不快に思うのはイェンスの方かも、なんて
少しばかり不安を抱いてしまい、過度な接触を控えようとするのだけれど、「俺は可愛くない」なんて可愛い言葉を呟くものだからつい、
その唇へ、稚拙な音を立てて触れるだけのキスを落としてしまうのは、
――彼の可愛さの所為だと思う]
真面目…、そうかな。
真面目な人は、もう少し自制心あると思うけどね。
[「何もない」彼のその言葉に安堵する心が在った。
尤も、彼が如何なる絆を持とうとも、この想いを消す事など出来ず]
……"絆があるだけの只の人"?
俺の恋人じゃ、……ないの?
[首を傾け、上目遣いに彼を見遣り]
[赤い世界では扉を開けて居ても、あちらの世界の扉はどうやら動かないらしい事を初めて確認する。
同時に二つの視覚情報が頭に届くけれど、不思議と混乱することは無かった。
目の前にはもう一人の自分。
どうやら触れる事は叶わないらしいと、互いに伸ばしたあちらの手がすり抜けて、理解した]
[赤い世界の自分はあちらの自分からは見えないらしい。
けれど凡そ何処に立って居るかは赤い世界の視覚情報を共有しているからあちらの自分も判ってる。
生霊みたい、とぼんやり思うのは二人同時。
二人居ても一人なのだから、同じに思考が働くのはさもありなんといったところか。
ただし互いにとって少しだけ違うのが、互いが互いに相手のことを「生霊みたい」と思っている点だろう。
むこうの自分は見えないのに確かにそこに居る赫い目の自分を、
赤い世界の自分は、触れる事が叶わず掌をすり抜けるあちらの自分に。
自分自身を偽物だと思う筈はない。
だって二人とも、本物の”アイリ”なのだから]
シュナウザー、さん……?
ああ、もしかして招待客の方でしょうか。
[ぽんと手を打つ。確か同じ名前が名簿に載っていた。]
私はシュテラと言います。
招待客のお世話をローゼンハイム卿から任されている者です。
[……これ、頭の中で思っただけでも伝わるのかな?
呟くのがちょっと恥ずかしくなり、そんなことを考えて反応を窺ってみる。]
ああ、うんそう招待された、人。
…君はここの船のスタッフさん…ということかな?
お仕事お疲れ様。
[そうか、招待客以外の人もいるんだと、今更ながらに。
スタッフがいなければ食事一つ、できないと言うのにそこの辺りは忘れていたとは心の中]
ええと、ごめんね、いきなり…話しかけたりして。
[伺う様な間を、何か気を悪くさせてしまったかと思えばもう一度、謝罪を述べる]
[こんな風に見えるのは、自分だけなのだろうか?
それともこれから目覚めるかもしれない誰かもなのだろうか?
今は独りきり故に確かめてみる事は叶わない]
[落ち着いてみて、判った事もある。
否、赤い世界の僕は知っていたけれど、思い出せなかった幾つものこと。このゲームで僕が為すべき役目。
それらをローゼンさんは赤い世界の自身が持つスマホに、情報として残してくれていたらしい、ということ。
これが無ければゲームが成り立たない所だった。
手伝ってくれと言われてはしゃいだあの時間が、最早随分と昔に思える]
いえいえ、まだ疲れるほどお仕事していませんから。
[おや、頭の中で意識して呟くだけでも伝わっているようだ。
そんなことを考えながら、苦笑交じりにそんなことを呟く。]
いえ、構いませんよ。
……ちょうど、私も暇していたところです。
よければ話し相手にさせてもらっても構いませんか?
[僕か目覚めさせた狼仲間が最後まで残れば、僕の勝ち。
狼が誰も居なくなったら僕の負け
目覚めさせた狼仲間じゃないひとが残っても勝ちにはならない。
あとは、最大の敵・絆を持つ二人は、早めに消えて貰った方がいい。
彼らが残れば、例え狼の誰かが最後まで残っても、僕の負け。
絆…そう聞いて思い出すのは覗いてしまったあの光景だった…]
[不安そうに覗き込むジークに、うっ、と声が詰まり]
……き、気持ち悪いなんて!思う訳ないだろ馬鹿っ!!
[思わず、本音が爆発した]
そもそも!その薬を無理やりジークに飲ませたのは俺だ!原因は全部っ、俺で!
だからっ、ジークがそんな心配する理由なんて、ないだろう!心配なのは、俺の方だ…!
今は気持ち悪くなくても、きっと後で後悔、するんだぞ…。
[耳をピンと立てて怒鳴るような勢いで言葉を口にしていた。
段々冷静になって、声は小さく、耳も下がっていくけれど、言い切るまでは止まらず。ああまたやってしまった、と落ち込んだ]
[子どものようなキスが振ってきて、それがまるで、愛おしげなキスに感じてしまって、先程の深いモノより恥ずかしく思えた。
もうどんな顔をすればいいのか分からなくなって、ただただ頬を赤く染めてジークの顔を睨み付けた]
真面目な人は自制心がある、なら、俺も真面目じゃないぞ。
あの行動も、今も、まるで自制心なんか無いじゃないか。
[自分よりもデカい男が、上目遣いで此方を見ている。
この人は、どれだけ俺の心を揺さぶる気なんだろう。頭を抱えたくなるが、それを耐えて]
こ、恋人、だ…!ジークの…!
[搾り出すような声でそう言った]
[どうやら伝えようと思ったことは相手に伝わるらしい。
一つ一つ口に出していたら立派に怪しい人になるので良かった、と思いつつ]
そうなの?…というか、こんなことになったらお仕事所じゃない、よね。
[暇だ、と言われればあからさまにほっとした声になる。
正直、能力を告げられても良くわからなかったし本当に誰かと繋がるとも思っていなかったのだ]
僕でよければ、喜んで。
ああ…そうだ。君はローゼンハイムさんから何か…聞いてた?
[赤い世界でスマホを操作し、愛らしい少女の名を、択ぶ。
心細いこの独りの空間で、傍に居て欲しいと思ったのは彼女だったから。もし彼女が自分の探すべき相手ではなかったなら…ローゼンさんの傍に転移する事になるのだろう。
ローゼンさんの傍に居る方が安心な事も何かと多い。
これでいいよね?
むこうの世界の自身に無言で問えば、もう1人の自分は笑顔でひとつ頷いた]
[ぴょこん。
白垂れ耳が持ち上がり、声を荒げる彼をじっと見遣る。
これが彼の、ひた隠されていた本音、なのだろう。
ぶちまけられた心境が、酷く心地良くて双眸を緩ませた]
だって、……君はローゼンさんに貰った命運通り
誰かを選ばないといけなくて、
……たまたま俺に白羽の矢が立ったんだろう?
きっと君の気持ちこそ、…薬効が切れたら
初雪のように跡形もなく溶けてしまうんだ……、
[落ち込む彼の言葉と共に、男の声音も酷く、沈んだ一瞬。
「自分も自制心なんてない」という彼の言葉に
……今、自分が抱いている欲望を"赦されている"のだ、なんて
勘違いしてしまう自分を、どうか許して欲しい。
挑むように此方を睨む彼の手首を掴み]
――そう、俺はイェンスの恋人。
好きだよ、……この気持ちは、きっと…
[『嘘じゃない』彼の耳許へ告げた言葉は願いにも似て。
そのまま彼を床へと縫い止め、喰らい付くような口付けを
耳朶へ、唇へ、首筋へと落としながら。
桜色の霞のかかる共有意識のその奥で、彼の躯から
衣服を剥ぎ取るように脱がしていこうとするだろう]
いやぁ……それが。
こんな状況になっていてもローゼンハイム卿から働きなさい、と事前に指示されていまして。
[面倒ですよねぇ、と正直に呟く。]
ローゼンハイム卿からは何も聞いていませんでしたが、
「お仕事」を頑張りなさいと意味深なことは言われてましたね……。
これって、このゲームを頑張れってことですかね?
[頭の中で悶々と考えていたことを、どうせならと一緒に呟く。
自分で考えていたそれに対して、何か意見を聞いてみたかった。]
そうなんだ…。
確かにスタッフが仕事放棄したら困るけど…でも、君もびっくりしたでしょうに。
[休むわけに行かないらしい彼女の面倒、には深く頷いた。言葉にはなっていなかったが彼女に伝わっただろうか]
お仕事、ね…それは単純にスタッフとしての物なのか、与えられた役割のことなのか…判断が難しいね。
ゲームは…頑張らなくても良いと、もらったメッセージからは取れたけど。
他のことを楽しむ、って漠然と言われても、ね?
うーん、判断が難しいなぁ…。
君はゲームを頑張ろうと思う?
[正直現状ではゲーム云々よりも困惑の方が強いのだ。
今度はこちらから聞いてみる。ゲームを頑張る=疑うもしくは誰かの耳を囓る、と言う事だから**]
そりゃもう。
こんなことになるなら、もっと賃金を吹っかければよかったです……!
[どうやら共感してくれたらしい男の声に、何度も頷く。]
難しいですよねー……。
一応、頑張ったらボーナスをくれるかもしれないので頑張ろうとは思ってるんですが。
狼獣人なんてどうやって見分けたらいんでしょうね?
[むぅ、と首を傾げながら頭に響く声に返事をした。]
[彼は、抵抗しただろうか?
仄かな抵抗すら腕の中へと抱き、くちづけで躯の緊張を解きつつ
チャイナ服を肌蹴させ、ボトムスを下着ごと引きおろし]
……怖い? 慣れてなさそうだよね、イェンス。
大丈夫、一緒に……、
[『気持ちよくなろう?』なんて、胸の尖りを甘く食んで
彼を快楽へ、より深い快感への好奇心で甘く誘う。
桜色の意識が途切れるその時まで……
執拗な愛撫で、彼の肌へ己の熱を*刻み込むだろう*]
[じゃぁ、ね。
声にすることなく互いに挨拶を交わして、二人の自分が向かい合う奇妙な時間は終わりを告げた。
その耳に牙を立てるべく、ドロシーの姿を探してぶらぶらと。
程無くして見付けた彼女にそっと忍び寄り]
……――ごめんね。
[聞こえる筈もないけれど、囁いて、そっと牙を立てる。
尖った犬歯が微かに傷をつけて、じわり、甘い味が広がった。
あぁ、二度目だ。そう思い出す。
そう、一人目は、ローゼンさん。
泣きじゃくる僕に、やり方を教えてくれた。
それと、あと、もうひとつ、何か教えてくれたような…
……――なんだっけ?]
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