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あ、ああ
あー……あ
いやはや、どうやら窓から庭へ出ていったヤンチャな子がいるようで…
わたくし、屋根に乗られたりサッシを踏まれるのはどうもこう
くすぐったくて仕方ないのですけれどねぇ
ははあ、……それはまさか……
オクタヴィア、あの子ですね?
ほんとにもう、やんちゃなんですから……
そうだ、ひとつくしゃみをすれば
そんな危ないことも、しなくなるのでは?
左様でございますねえ…
ただ、危ない場所でおどかしたりして、万に一つでも、お怪我なんてさせるわけにはいきませんしね?
ソルのお方も、やんちゃなお嬢ちゃんをたしなめてやってくださいましよ?貴方だって確か、なかよしじゃあありませんか
はーぁ…
わたくしの声にちょいと耳を傾けてくだされば、
お外へお連れすることなんて朝飯前ですのに…ねえ
たしかに、その通り。
しかし私もなかなかお嬢さんやその後友人には頭が下がらないのですよ…いけませんね、大人がこんなことでは。
[うだつのあがらない様子で]
…それに、そうですよ、オクタヴィア。
大きくなっていたのですから今度は彼女が注意をしなければいけない番なのに。
[やれやれ、と]
ええ、ええ。
わたしも時々貴方のお世話になっておりますし。
そうだ、呼びかけてみてはどうですか?
また耳を傾けてくれるかも……しれませんしね。
ふふ、期待しておりますよ?
なにせ万能文化執事のベネディクト・ソルでございましょう
気弱ではいけません、暖炉のマントルピース殿のようにどっしり構えておいでませよ
…さて、ええ
呼びかけてはみますけれども
小さなオクタヴィアちゃんには──
この声は届かないような気もしているのですよね…今は、まだ?
なんてこと。
……ありうる。
あり得るから、困りますね、
あのお嬢様……
……いや、オクタヴィアちゃん……?
[どっちだったかしら。
まあ、いいではないか]
[
――声はどこから聞こえてくる?
わからない。
わからないことばかりだ。
――なろうとしたもの。
それすらも、自分のなくしたものなのか。
――自分は何なのだろう。
わからないのは、やはり自分だけではないのだろうか。
]
ああ、スースーするのがおさまりました
ありがとうございます
ねえ、ダンスパーティーというのは、ピアノやバイオリンがあれば充分なものでしたかね?
お菓子がたあくさん必要になりましょうか
わたくしも、食べられるわけじゃあございませんけど、焼き菓子やらお紅茶の香りが漂うのはウキウキするものですよね
うーん、どこから聞こえるんだろ…
というか、これ心の中の声…?
ゴーストハウスならそういうことも有りうるのかな…
もしもーし!
いえいえ、夏は窓を開け放ちたいですけれど、
もうだいぶ涼しくなってきましたからねえ。
どうだったでしょう…?
…あ、大人ならお酒を嗜みますが、
まだ若い子もいらっしゃいましたからね。
ふふ、では焼き菓子でも用意しましょうか。
あなたの好みは一体どんなお菓子でしょう?
いい香りを充満させるのですから。
なるほど、お酒!
たしかどこかに酒蔵が隠れているんでしたかねえ
お嬢様がお飲みにならないのですっかり何処かへ押し込めてしまったのですよ
好みの焼き菓子と申しますと、
そうですねえ、バターにチョコレエトの香り…ふむ、小さめのマフィンなんて如何で?
ちいちゃな女の子はああいうのに自分ででこれーとするのがお好きでしょう
そうでしたそうでした。
それに…旦那様がしっかりと鍵をかけておいでで、
結局わたしもよく存じ上げないのですよ…
ふむふむ…、
さすがあなたは素敵なことを思いつきますね!
あの頃のように、一緒にキッチンに立って…
それは叶わずとも、たくさんのお菓子を
一緒にデコレートするのはとても楽しそうですね。
さて、早速準備しましょうか。
[それはどのタイミングであっただろう。
どこから呼ばれている。というか囁かれている。]
も、もしもし?
[さっきから漏れていた女の子の声の主が、明確にこちらにベクトルを向けている。
ちょっとした恐怖を抱きながらそう返事した]
うわ、トランシーバーみたい!
ねえ、あなたもこの屋敷のゴーストなの?
私リーゼロッテ!
[勝手に話をすすめる]
ねえ、だれ?
自分を見失ってるのは、だれ……?
[頭に響く、自問の声。
アイデンティティが崩れゆく。
私はだれ?
あなたはだれ?
どこ? いるの? いないの?
それさえも、幻なの?]
[訪ねられたゴーストとのワードに一瞬神妙な顔をしたものの、すぐに冗談目かした声色で]
生ける屍と呼ばれるにはまだちょっと早いよ!?
[トランシーバーみたいというのは言い得て妙だと思えば]
私は、シルキー。
……ってあれ、あなたもってことは……まさか、あなた……
[震える]
んえ?
[相手の反応に一旦フリーズ。]
ちょちょっちょ、ちがうよ。
私はゴーストバスター目指してるもので…
あ、でもゴーストにゴーストバスターって言ったら
逃げられちゃうかもなので隠して…
って隠せてないっ!
[心のなかで自分ツッコミをしたつもりなのに反映され、戸惑う]
じゃあ貴方は生きてるのか……
私達、シックスセンスに目覚めたのかな?
[なんだかそそっかしい様子だなあなんて自分を棚上げして思って、くす、と笑う]
ゴーストバスター?
なんか、痛い肩書きだね?
[空気は読めない]
シックスセンスかあ……
んー、私はただ単にお腹空きすぎて頭おかしくなってるだけだと思うけどなあ。
ちょっと!
聞き捨てならないんですけど?!
こう見えても先祖代々伝わるゴーストバスターなのに!
[ぷんすこしつつ]
……。
シルキーはともかく私は普通におなかすいてないし…。
フィオン………
――フィオン?
[うっすらと、遠く。
でもこれまでと違って、はっきりと、言葉の輪郭が捕らえられる声で。
名前が響く。]
フィオン
あなたは、何をしているの
なんで私に、声をかけるの―――
先祖代々……?
先祖代々痛い人なの……?
いずれにせよ、
ゴーストバスターなら尚更こんな霊的な能力持ってたら問題なんじゃない?
[ね?と現実逃避の意味を込めて]
だからいちいち失礼な人だなー
…?
そうなる?
むしろ、第六感で気配を察知して
そこにずしゃー!とこう、はっ!とね?
わかんないか。
[下手すぎる説明を諦めた]
……俺……
[声が聞こえる
気のせいではないらしい]
……わからない
何もわからない
……どうして君に届くのかも
……君の声が聞こえるのかも
……きみは?
あは、ごめんて。
もしあなたの言うことが本当ならあなたの実体もこのお屋敷にいるんだよね?
……実際に会えたら信じてあげる。
[結論、わかんないということである]
そうだよ、探検中。
それにしても懐広いよね、ここのひと。
ふつーにお屋敷の中見させてくれてさ?
むむ。
私だってあなたに会うまではお化け説捨てないから!
私は、マリエッタ。
ここについさっき、立ち寄って。
絵を描いていたら、あなたの声が聞こえたのよ。
あなたが、私に、呼びかけてるんじゃないの?
この洋館は――なんなの?
[混乱しているような気もする彼に、畳みかけるように聞いてしまう。
自分だって、ここで起こる不思議な出来事に、目を回しそうなのだ――。
どこか、入ってはいけないところに、立ち入ってしまったかのよう。
それでも、この洋館は、自分を拒絶はしていない。
ここにいる自分が、何かを見つけられるのかもしれない、と――]
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