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魔法、魔法ね
まるで
まだ不安にはなるけれど
[不安]
[何か言ってみるたびに、悲しい顔をする人がいるような気がして]
[自分の何かが][忘却が][誰かを傷つけているのではと]
[歳を経て、子供へ還っていく自分]
だけどここなら寂しくないの
"私"が消えてしまうような悲しさも[混乱も]忘れてしまいましょう
遊びましょう
ここに、来たのだから
素敵なところよ。時間なんて気にしないで
みんな、待っていてくれたでしょう?
貴方に逢いたくて ここにいるのよ
[──ひとりでに動く調理器具。
柔らかな月光の下でも陽光の下でも。
眩く面映い記憶の欠片。
'往年'の姿を象った理由は分からず。
訪れる者達を迎える。]
─ 遠き日 ─
[ルートヴィヒは小さな田舎の外れ、木こりで僅かながらの銭を稼ぐ乱暴者の父親と病気がちな母の三男として生まれた。
生活はいつも苦しく体力のないルートヴィヒはいつも父親と意地悪な二人の兄に虐められていた。
そんな中で育てば自然とルートヴィヒは我が家を忌避するようになっていく。
だから碌に仕事の手伝いもできない彼は山や森や川をいつも一人歩いていた。
それも幼いルートヴィヒの行動範囲が徐々に拡がっていき、いつからだったろうか?どこかの暖かい誰かの元で優しい時間を過ごすようになっていた。
記憶も曖昧で朧だけどその誰かにルートヴィヒは色々なお話を聞かせてもらい、しばらくして読み書きまでをも習うようになった。
小さいルートヴィヒはその彼女を「先生」と呼んで慕った]
─ 遠き日 ─
[今でははっきりとは思い出せない記憶。
なぜならルートヴィヒの記憶は突然途切れているから。
覚えているのは凍えるような寒空と地面の冷たさ。
体中の熱が奪われていく感覚。
そして抱え上げられたときの安堵。
一家で遠く北の方に越してから数か月後。
何があったかわからない、わかっているのはある冬の日に家族と帰る家を失ったということ。
小さな足で体力の続く限り彷徨い辿り着いた先は小さな修道院。
辛うじて身体のいずれも失うことなく回復したルートヴィヒはそこで「暖かい家族」を得て、そして聖職者としての道を歩み始める。]
─ 遠き日 ─
[ルートヴィヒには学があった。
かつて先生の元で教わった作法や様々な知識。
そして読み書き・・・ラテン語の読み書きができるということはそれは神の教えを学ぶ上で大きな武器になった。
いつしかルートヴィヒは同期の者たちより頭一つ抜けて、今は司祭の地位にいる。
記憶にも薄い遠き日の先生との日々。
それが今のルートヴィヒを支えてくれていた。]
[記憶の中の女の子は考えました
ねぇ誰とお話ししたい?
ねぇだれとお話ししようか
――できれば、私以前にあった人がいいなぁ
『僕』が『私』としてあったことのある人
そう、考えればくぃ、と引っ張る縁の糸
ごめんね、と小さく呟いて、黄色の糸を結ぶは司祭様へ]
残して捨てるくらいならね。
捨てるくらいなら俺が食べるよ。
[さめるものだとしても]
…………。
[視線を逸らして黙り込む、肯定。]
[――そういえば]
わたし、まだ食べてない
わたしのぶん、食べちゃだめだから
[まだ、手をつけていなかった。
早めに食べなくては、と思う]
……ジュリエットには、
ロミオがいるから
彼女たちは、結局
川の上でいっしょにになれたわね。
……素敵よね。
[ともに老いることすらできぬ夢の様な誰かを、思い出しつつ。
そして自分のその人は、もうここにはきっと来ないのだ]
何時か共になろうとも、
ジュリエットには、長く生きて幸せにあって欲しいとも思えるがね。
・・・・・・。
[素敵よねと紡ぐ言葉に思うところがあるのか踏み込みはせずに。]
そうだね。
俺は、荷物を降ろしながらゆっくりと来て欲しいと思っている。
[眩しそうにジルを盗み見た。
透き通るような微笑みを浮かべて。]
荷物―――
きっとあのひとには、荷物がいっぱい過ぎたのね。
[ヴェルナーの笑みを見て、自分も薄く微笑んだ]
[どれくらい昔だったか。この洋館に迷い込み、訪れてくれたひとのことを思い出す。心を奪われたのは自分だけで、いつかその人は来なくなってしまった]
[たんに、渡り鳥の休むひとつの梢だったにすぎなくて――]
…ふふ。
きっとジルはだいじょうぶ。
順番を間違えたりは、しないわ。
・・・・・・。
[ベルの言う通りジルが間違えることはない。
だから、返す言葉は要らなかった。]
ああ、そうだね。
君も、君の想う人とも、
何時か大きな流れのなかで逢えると良い。
[遠い時を見るように笑みは限りなく透き通る。]
[ヴェルナーにただうなずきを返した後、
おどけて]
…大丈夫。
―――――わたし、切り替えは早いの?
[暗に、それはすでに過去と言わんばかりにウインクした**]
流石はお姫様その2というか。
やれやれ。
俺は君には敵わないだろうな。
[話を切り上げるように肩を竦めくすりと微笑んだ。*]
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