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ウェルシュさま
こんにちは。お手紙、待ち侘びておりましたの。
私の名を書こうとするとき、
もう"ファルネーゼ"ではないのだと、何度も思っては、
なんだか庭の土に地上絵を作りたい気持ちになるのですわ。
嫉妬、……ですか?
どうしましょう。なんだか、とても、照れてしまって、
困ったわ。すごく、嬉しいのよ。
私のこと、移ろいやすく、流されやすいようにお思いかもしれませんが、
ご心配なさらなくとも、私は貴方のお傍に居たいと思って止まないの。
私には、難しいことはちっともわかりませんが、
もうすぐ貴方にお会いできそうだと、父に聞きました。
この貝殻はきっと、アベルさまがお間違いになったものですわ。
だから、そう、私はこれを貴方に贈って欲しいと思っているのです。
オクタヴィア・マクグラスは、お星さまを持って、
きっと、必ず、貴方の元へ向かいます。
だから、どうぞ、受け取ってくださいませね。
――― なんて、ね。
オクタヴィア
―書き損じ―
[インクに何度も潰されて、それでも屑籠には捨てられなかった紙片。]
ディーター様、信じられますか?
私は、貴方が最初にくださった手紙の
笑っていてほしい、
そのお気持ちに、一目で心奪われたのです。
[珍しく乱れた字体を隠すようにぐるぐるとインクが何度も上から重ねられている。]
アプサラス殿
こちらでは、最近は風が冷たくて仕方が無い。
もうそろそろ雪の季節だろうか。
アプサラス殿、どうか、身体に気をつけて。
私は変わりなく。身体は丈夫な方なんだ。
さて。
贈り物を気に入って貰えたのなら、とても、嬉しい。
初めてなんだ、「喜んで貰えるか」「気に入って貰えるか」とここまで考えながら贈り物を選んだのは。
貴女が笑顔を浮かべてくれるなら、きっと、それだけで嬉しいんだ。
一日も早く、貴女の笑顔が見たい。
こんな事をずっと思っているように、私も貴女関係になると落ち着きがなくなってばかりだ。
手紙を送るのを少し待とうと思っても、すぐに返事を送りたくなる。
まるで何かの病のようだ。
花嫁修業が順調とは言え、まだまだ。
合格は貰えても、目指すべきものはまだまだ先と言う所だ。
だから教えて欲しい。
髪も、ひとつに結ぶぐらいしかできない。
化粧も自分一人ではろくにできないしな。
女性は覚える事が多すぎる。
領内を巡る用に、貴女の馬も用意している。
頭の良い、性質の良い馬だ。すぐに乗り方も覚えられる。
子どもたちの為に私たちが何ができるか。
見て、知って、共に考えて欲しい。
貴女の父上――いや、私も父上とお呼びしていいのか――にもお会いして、お話を伺い、学びたい。
私の知らぬ、貴女の育った土地の事を、そこに生きる子どもたちの話を知りたいんだ。
考えれば考えるほど、まだまだやるべき事がたくさん出てくる。
だが、貴女と共にと思うなら、大丈夫な気がしてくるんだ。
早く、貴女に会いたい。
貴女ともっと共に在れる日が、早く来るのを祈りつつ。
ギレーヌ
私、シルキー・フォン・アウスレーゼは
汝、オズワルド・フェルマー様と運命を共にすることを
ここに誓います。
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