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『……いえ、てるみお姉ちゃんかしら。』
[それは、白枝の妹も使っていた、輝実への呼び名。
輝実は、この少女人形の中身を察しただろうか**]
僕は、もう消えたいなんて言わないから。
僕と、一緒に生きてください。
[貴方が痛みを感じないなら、
感じるはずだった痛みは僕が引き受けるから。]
もう、言わないな?
……なら、生きてやるから。
……何回も、言わせるなよ。
[あれ、安心したのは…なんでだろう。
その言葉を、聞いた気がするのはなぜだろう。]
[それから、彼の隣にいた人形に気づいた。
彼の契約者と思しき人形が、肩に乗ってきた。
その姿は莉紗ちゃんが持っていた人形そのままで]
あら、お久しぶり――って、まさか。
莉紗ちゃんの魂が、その人形に乗り移ってるの!?
[※あくまで推測である]
『あっ、大声出しちゃダメなの。
大体あってるけど……時羽流ちゃんには内緒なのよ?
あの子にだけは絶対に教えてやらないんだから。』
[くすくすと笑う声はあくまでただ楽しそうなもの。]
『あたしが、今ここにいるということは。
貴女の願いの一部は、もう叶っているのよ。
……それにね、死者の想いなんて知らない方がいい。
綺麗なものばかりならいいけれど、怨嗟も数多く存在するわ。
死んだばかりのあたしの声がそうだったように。
そんなものが毎日聞こえたりしたら、貴女、夜眠れなくなってしまうわよ?』
[言いながら、少女人形が苦笑を漏らした。
できることなら、彼女にもこの世界に足を踏み入れてしまう事がないようにして欲しい。
死んだばかりの自分の呪詛のようなものを、知って欲しくはない。]
言われてみれば、確かに……
『死者たちの想いが純粋なものとは限らない、か……』
[確かに、死者もその例に漏れないのかもしれない。
今を生きる人間にも純粋な者とそうでない者がいるように。
彼らの怨嗟に触れてしまえば、娘は苦しむことになっていたかもしれない]
『契約者と成ってからの一番の幸福だったよ。』
[問われた問いに、8年の時を経て再開を果たせたこの喜びこそが幸福そのものだと笑った]
なら、よかった……
私では、大したことはできないし、君の代わりなどにはなれないけども。
せめて、彼女が少しでも幸せでいられるように、見守っていくよ。
―――また、いつか会おう。
あのこと、父様から聞いたよ。
僕、永莉斗兄さんのとこに行こうと思うんだ。
……だから、よろしく、ね。
[思い出したように小さく囁いた。*]
――いいのか?
……そうか。
[意思を確かめる。てっきり断られるかと思っていた。変えようとして、何も変わらなかったのだから。]
……あぁ、此方こそ宜しく。
輝音の新しい明日が、始まるな。
[炎のような昨日の色を思い出し、
笑顔の従弟の頭を撫でた。
彼の新しい未来を、応援するように**]
……何かあったら連絡をよこすがいいよ。
いつまでも魔法が一つでは心もとないだろうし。
それに……ジェムを放り投げてちゃ、もったいなさすぎるしね。
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