情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
>>_42
[目の前の少女が消えようとしている、大事な人が泣いている。
二つの光景が頭の中をグルグルとし、思わずドロシーを抱きすくめていた]
寂しくない筈が無いじゃないか。
僕が君を好きなのが支配によるものに過ぎない筈なんてないじゃないか。
君に奪われた心なんて…戻らないよ!
それに…君の心の事は、何も、ないんじゃないか…。
[仮にドロシーの言うとおり、館から出た途端に支配が解けたとしても、ドロシーの方は何も救われてないのだ。]
>>_43
[抱きすくめられると、涙が止まらなくなる。
彼の言葉を聴きながら、
そろそろと彼の背を抱き返し、強く掴む]
貴方を、あたしのものになんてするんじゃなかった…
だって、ナイジェルは生きてるのに。
ナイジェルの、人生があるのに…
[そんな、建前の言葉が先に出る。けれど、
抑えられない本音が嗚咽混じりに、掠れる様に吐き出される]
―――っ……、さみしいよ、さみしい、
ナイジェルがいないと、やだ……
はなれたくない、よ…
>>_44
[ドロシーの強がる言葉は痛々しかった。
故にナイジェルの耳を通り過ぎていった]
確かに僕は生きている。人生がある。
だけど君が居ないなんて…考えられないんだ。
[ドロシーの言葉の最後に同意するように腕に力を込める]
>>_45
[ここ迄言ってくれる人がいるなんて信じられない。
けれど抱きしめる腕に更に力が込められ、胸が詰まる。
本当に、本当に、]
…ナイジェル……愛してるわ…
[涙混じりにそう吐露して、無理に彼の腕の中で動く。
最初にした様に、その胸元に口付けを落とす。
それは初めに施した呪ではなく、ただの…呪解だった。
館から出れば、呪は霧散するだろう。
再び館に足を踏み入れても、効果はない。
それは彼にも呪を介して伝わるだろうか…。
目で示して、一度館から出る様に促す]
>>_46
[先程「館から出たら」という言葉が有ったので少し警戒しそうになるが、このドロシーの促しには応えるべきな気がした。
館の入り口へと歩いていき少しだけ止まると内側に振り返り、館の外へ踏み出した。]
>>_47
[離れ難かったが、素直に従ってくれる彼を、まだ頬を濡らしていた涙を拭って、見送る。
地下に咲いた不思議な桜の木の下、衣服を着込んで、待つ]
…ちゃんと戻って来てくれるかしら…
[「ちゃんと」などという物言いに自嘲したくなる。
しかし帰って来てくれたら、今後どうしたらいいのか…
これからゆっくり考えるのも、悪くはないか…
そう一人微笑みながら、きゅっと胸の前で手を組み、祈った]
>>_48
[館から出た瞬間、ナイジェルの目が赤く染まる。
心の中からドロシーの捕える力が霧消していくごとに瞳の色が戻っていき、完全に瞳の色が戻るとき完全に彼女の支配力を脱する。
彼の脳に思い出されるのはドロシーへの執着する心に呑まれ、ドロシーの言うままに彼女に触れる自分の姿。
挙句の果てには本能に呑まれて幼い体格の少女を襲う自分の姿に内心激しく悶絶する]
…さて。
[回想すること10分。ナイジェルは館の中へと踵を返した。
回想の中の自分の姿に呆れながらもナイジェルの意志はドロシーからの解放を選ばなかった。]
>>_49
…う…
[館の外で、彼を縛っていた自らの鎖がほどかれるのだけはっきりと感じる。自分が望んだ事なのに、ひどく切ない。
そしてそれ以上、彼がどうなったかが知れないのがもどかしい。
時計の音が一秒を刻む毎に不安になる。
自分からこの部屋の階段を昇って確認しに行こうか。
そう考えるのに、いざ実行しようと思うと怖くて、その内足に力が入らなくなってその場に座って、手をついてしまう]
…ナイジェル…
[掌の上にひらりと落ちた桜の花びらを見つめながら、
愛しい人の名を呼んだ]
>>_50
[術が解けてなおドロシーを選んだのは何故かと言えば、術に掛かる前にも関わりがあったことである。
故に術中の自分の行動への抵抗も薄かったということである]
[先程の場所に戻って来れば、座り込んで手をつく愛しき存在の姿。
そっと歩み寄り、抱きすくめる]
呼んだ?
>>_51
…?!
[ふわりと抱きすくめられる迄気付かなかった。
そのぬくもりも、優しい声も間違い様がなく]
ナイジェル…
[振り返り、彼の顔を見る。
帰って来てくれた…
そう思い、涙がまた込み上げるが、ふと気付く。
自分の支配下を抜けた彼はどう変わったのか。
いや、自分が支配する前に戻っただけか…
顔から翳りが消せない。確かめたくて、尋ねる]
…どうして来てくれたの?
>>_52
僕は君に心を支配されるがまま執着していただけでは無かったというだけの話だな。
ドロシーが術を掛ける前にも色々な事があって…君の支配で程度が増しては居た気がするけど、結局はその延長戦。結局は自分の意志だったと…支配が解けたことで再び自覚したんだよ。
>>_53
嘘よ…そんなの…
[自分に都合のよい事ばかり起こり過ぎて、にわかには信じ難い。
いっそこれは、]
…夢?
[泣きそうな顔でそう囁きながら、彼の頬に手を伸ばし…
何故かその頬を軽くつねった]
>>_54
…僕を抓ってどうするんだ。
夢じゃないから!僕は間違いなく居るから!
[ドロシーに抓られて反論する]
大方、支配が解けたら一緒に居てくれる理由がないとか考えてたんだろうけど、結局戻ってきたんだから受け入れてよ。ね?
>>_55
[反論されて手を離す。けれどまた、今後は撫でる様に触れて]
……ええ。勿論、
受け入れさせてちょうだい。
貴方がいないとあたしも…駄目みたい。
[ナイジェルがいつか死ぬ時…その時を待って、一緒に天国に行こうなんて考え、どうかしてるかしら?…一人心の中で笑いながら、優しく何度も頬を撫でた]
>>_56
勿論だ。ずっと一緒だよ。
[擽ったそうに受け入れる
愛おしそうに抱き寄せる]
>>_57
…ふふっ。
夢ではないみたいだけれど…夢みたい。
ナイジェル…だいすき。
[ふわふわと幸せが胸につまってゆく。
抱き寄せられるまま距離を詰め、ゆっくり唇を寄せた]
>>_58
ドロシー…
[大好きと言われて幸せな気分になり、ドロシーの口付けに優しく応じる。]
[>>_37隠された歪む貌に怯えの色を見た気がした。
困惑、拒絶、けれど怯え強要される事への諦めからの、許容。
その腕が再び伸ばされる事は無く、己を護る様に、瞳を隠す。
…目も合わせてはくれないのかい?
最初の日に浮かんだその言葉が、頭に浮かんだ。
あぁ、なんだ…
胸に落ちるたのは、昏い落胆の色。
真っ白だったそこにぽたりと落ちて、じわじわと、蝕んで行く
なんだ、もうはや、君は私を求めることを止めてしまうのか。
それもそうだ、望む速度で追い掛けぬ男よりも、
己を護る方が大事だろう。それは、きっと、仕方のない事。
私自身だって、そうなのだから]
[一気に、熱が冷めた。欲情の焔だけではなく、
胸の内に灯った、柔らかななにかも、一緒に。
その熱が消えて、始めて、
彼を思っている間、暖かな心地で居られた事を知る。
凍える様な寒さを、忘れていた事を知る。
けれど、もう、戻れない。
臆病者の私はもう二度と、彼を信じようとすることも、
想うこともできないだろう]
…冗談だよ、
君が急げというから、少し本気で段飛ばしをしてみただけさ。
ほらね?時間が必要なのは、君の方だっただろう?
大丈夫、君の嫌がる事をしたい訳では無いんだ。
…怯えさせてすまなかったね。もうしないよ、大丈夫。
[乱した衣服を正してやってから、
幼子を諭すような穏やかな口調であやすように髪を撫でる。
他の誰かにそうしたのと、同じ気持ちで。
其の侭彼の傍を離れようとすれば、
引き留める手を伸ばしただろうか?
けれど、もう、遅い。
溶けはじめていた心の壁は再び固く凍り付いた。
もう二度と、彼で溶かす事は出来ないだろう]
― エピローグの先:another version ―
[――懐かしい聲が、聞こえた気がした]
[探していた姿を求めて咄嗟に振返る。
けれど、其処に居たのは、
窓硝子に映る色違いの己の姿だけだった]
[最初のあの日、彼に…カナンに巡り合った過去に、
元の自分が何だったのかは、もうすっかり忘れて思い出せない。
彼の姿を写した時には、この身は既に欠けていた
だから、なんとなく、そんな予感はしていた。
もう二度と逢えないのではないかと、薄々感じていた。
彼と同じものになりたくて、彼の姿を真似た。
彼と同じ聲を持つものになった。
けれど、彼はもう、居ないのだろうと]
[彼にもう一度逢えたなら、彼の世界へ渡ろうと、そう思っていた。
己の住む世界では、特異個体として狙われる身だ、
ろくに飛べもしないこの身では、少々生き辛い。
さて、何処へ行こうか――
硝子に映る姿がゆらりと揺らめいて、本来の姿を其処に映し出す。
鋭い赤い棘と黒銀の鱗を纏う身体、嘴の様な口元に、長い尾
腕の代わりに存在する、蝙蝠のそれに似て異なる皮膜を持つ翼、
小さく切り抜いた窓硝子では到底映しきれぬその姿。
四月の嘘が作り出した偽りの偶像では無い。
いちどきり、誰かを映す能力を経て変化したこの身は、
もう元には戻らない]
[彼は…――イェンスは、この姿を見たら如何思うだろう?
怯えさせてしまうだろうか?
…けれど不思議と、大丈夫な気がするから、
彼ならば受け入れてくれる気がするから…
何時か、彼にも見せようと思った。
色は違えど、美しいと想った、カナンと同じ、この姿を]
[一方だけが、痛々しく破れ、骨がむき出しになり傷ついたその翼は、
彼がもう二度と戻らぬ存在であることを己に知らしめるようで、
喪った彼の象徴のように、改めて、そう思える。
けれど、そう思っても、今はただ、懐かしく思うばかりで――…
…――ふと、思考の波から意識を浮上させる。
顔を上げて見渡す室内、…人が減った気がする。
過去のあの時の様に、
こうして皆散り散りに、何処かの世界へと帰って行くのだろう
カナンと一度別れた、あの時と同じ、
離れてしまえば、次に逢う事は、もう…]
……――君は、
君はこの後、どうするんだ?イェンス。
[尋ねた時に、彼は未だこの世界に居ただろうか。
確めるのが怖くて振返れない侭に問う言葉。
同時に気付く己の心。
嗚呼、彼が己の傍を離れ、消えゆく事を怖れるか。
傍に居たいと想う心は、離れがたいと感じるのは、
カナンの様に二度と逢えなくなる事を、怖れるのは、
求められる事を知り、求めるままに身体を重ね、
情が移っただけの一時の感傷だろうか?
それとも…]
[今は未だ、その答えはわからない。
けれど、此れから、知って行けばいい。
今は一時ばかりのものならば、此れから育んでいけばいい。
これからも、ずっと、彼の隣で]
私もつれて行ってくれまいか?
君の傍に…――君と一緒に居たいんだ。
[臆病者は振り返る事が出来ぬ侭に、けれど、
きっと彼がその腕を伸ばして、抱き締めてくれる事を信じて、
…彼も同じ事を望んでくれていると、信じて。
静かに目を伏せて、彼の返事を待った**]
ええ。
愛しているわ、ウェルシュ!
[ぎゅっと力を込めて強く、その身を抱きしめた]
[自分かの服を正してくれる彼からは
先ほどまでの熱は失せ
優しい言葉と柔らかな物腰ではあったが
どこか閉ざしてしまったのを感じて
ようやく、己の過ちに気がついた]
…また?
[去り行く彼に>>_62伸ばそうとした手は
そのまま何も掴まず、下げされる
やがて、彼が去り
そこにいたはずの黒髪の物売りも姿を消した]
――…ずっとずっと、大好きだよ。
[純白の胡蝶蘭の鉢植えを1つ、願いを込めて贈った]
[そっと、彼の手に花を握らせて、ぎゅっと抱きしめキスをした。
薄い花弁を持った秋の花と、白い小さな花。
カスミソウの花言葉は、『思えば思われる』
『コスモス』の花言葉は『乙女の真心』]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新