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世話が焼けて、嫌になりそう、か?
[ くす、と小さく笑う気配は、それだけ余裕が戻ってきたためとは判るだろうか ]
オーバーヒートは確かに心配だったが、それだけじゃない、トーマスも、自分を盾に戦ってたからな...急いだ方がいいと思ったんだ。
身体の傷だけなら、後で癒しも出来るが、人間が長く虚無に触れるのは......危険すぎる。
[ でもこれは、トーマス達には言うなよ、と念を押して ]
それに、お前の足のメンテナンスやオーバーヒートは、俺にはどうしようもないが、俺の気の乱れは、お前が居てくれれば収まるからな。
こっちの方がマシだと、思ったんだ。
[ その他にも、虚無を倒すための力がどうしても及ばなかったら、龍身となって戦うしかないかもしれない、と考えたという理由もあるのだが、そちらは言わずにおいた...怒られそうだったので* ]
……それ、頷いたらどーする気だい?
[笑う気配が示すものに安堵はするものの、突っ込みだけは入れておいた。
ここらは性分だからどうにもならない、という事にしておきたい]
そりゃ、まぁ、ね。
直接触れたらまずそうだなっていうのは感じてたから、急がないと、っていうのはあったけど、でも。
[距離を置いていても言葉に出来ない圧を感じるほどなのだから、直接触れたらどうなるか、というのは何となくわかる。
口止めにはうん、と返すものの、まだちょっと割り切れない何かがある、というのは口調からも伝わるか]
……て、もう。
そことそこを天秤にかけるな、ばぁか。
[それに、と告げられた理由に、落ちるのは深い嘆息。
なお、もう一つの理由は伏せて正解だった、というのはちょっと置いて]
……居てくれればいい、っていうのはね、ボクにとってはきついものなのだよ。
『何も出来なくてもいいんだよ、お前が生きていてくれれば』って。
延々言われ続けるのって、どんな気分になると思う?
最初は……っていうか、物の道理が理解できない頃は、それでも良かったけれど。
……その内、それしか出来ない事が苦しくなってくるんだよ。
そうなると、何も受け入れられなくなってくるんだ。
[ぽつり、とぽつりと落ちるのは、今まで秘め続けてきた心情。
可愛い、と愛でる言葉を拒絶してきたのも、それに由来する、というのは伝わるか]
や……うん。
これ、ボクのわがままなのはわかってるんだ。
今だって、何もできてないわけじゃないのは、わかってはいるんだけど。
そういう風に言われちゃうと、なんていうか、気持ちが追いつかなくなって、逆に不安になる、から、その。
頷かれたら...困るな。
[ 頷いたらどうする気だと、突っ込まれれば、男は真顔でそう答えた ]
お前に嫌われても、俺の心は変わらないが...傍に居られなくなるのは困る。
[ 本当に嫌になったのだとは思っていないけれど、その事態を想像するのも遠慮したいという気分なのは、いつになく弱気な声音で伝わるだろうか ]
[ 続いてクラリッサが口にした想いを聞けば、男は、暫しの間、じっと口を噤んで、それからゆっくりと、大きな吐息をついた ]
.........どうも、俺は、肝心な所で言葉が足りないな。
[ 僅かに自嘲するような調子で零して、空の色の瞳を見つめる ]
ここに来る前の......いや、お前に会う前の俺だったら、あの時、龍牙を…俺の槍を『虚無』に投げたりはしなかった。
[ 静かに口にするのは「無茶をした」その刹那のこと ]
あれは、俺にとっては賭けだった。俺の勘が当たっていて、槍が運良く弱点に当たれば『虚無』に大きなダメージを与えられる。だが、躱されれば、俺は確実に武器を失う。
独りで戦っていたなら、そんな真似は絶対に出来ない。
例えどんなに大切なものを護ろうとしていたとしても、武器を手放しては、後が続かないからな。
[ 本当に独りならば、或いは最初から龍身となって相打ち覚悟の戦いを挑んだかもしれない...それは、やはり口にはしなかったけれど ]
だが、俺は独りじゃなかった。トーマスもシルキーも...何よりも、お前が後ろに居てくれた。
例え、俺が一時戦線を離脱する羽目になっても、きっと俺の意を汲み、後を受けてくれる...俺自身が虚無の反撃を受けたとしても、必ず援護してくれる…そう信じられたから、迷わず、あんな無茶も出来たんだ。
[ まるで自分の無茶を正当化するように、そんなことを言って ]
確かに今は、傍に居てくれるだけで、いい...そう言った。
だが、俺はお前を護って庇うだけの戦いをしたつもりはない。お前を護り、同時にお前に護られ助けられて......だからこそ、こうして、戻ってこられたんだ...お前の元に。
[ 握った手に、ぎゅ、と、力を込める。胸の中に宿る、強い想いを、その手の熱で伝えようとするかのように ]
俺は、約束を破らない......お前の手を、決して離したりはしない。
お前は、ただ1人の...俺の半身だから。
[ 例え、離れて戦っていたとしても、それは変わらないのだと、そう告げて、龍は静かに笑みを浮かべた* ]
[真顔で返された言葉に、じゃあ言うな、と言うのは、続く言葉の声音に取りあえず自重しておいて。
落とした心の内の内、それに対し返る言の葉。
黙ってそれを聞いた後──落としたのは、深い、ふかい、息ひとつ]
……まったくだよ。
過程を飛ばして結論だけ言うのは、理論証明と成立を妨げて、思考を止める最悪手なのだよ?
[言葉が足りない、という自嘲めいた言葉に入れるのは、技術屋的視点からの突っ込み]
……うん。
わかっては、いるんだよ。
……一緒にいるみんなを信じて突っ走ってった事は、ちゃんとわかってたんだよ。
だから、自分がどうすればいいかも、わかってて、ね。
[感情任せに突っ走らずに、踏みとどまっての重点射撃を選んだことで、その辺りは伝わってはいるだろう、と思うけど]
[重なる手に、力がこもる。
力と共に伝わる熱に、空色が少し、揺れたけれど]
……ん。
ちゃんと、届いてるなら。
ボクがボクとして、できてる事があるなら。
なら……大丈夫。
[そうは言っても、突っ走って行かれれば、その度に全力突っ込むのは変わらないだろうけれど、今は]
置いてかれない、って。
信じるよ。
[物理的な意味でも、精神的な意味でも、置いて行かれる事はない、と。
ようやくそう思えたから。
浮かんだのは、ごく自然な笑み、ひとつ。*]
お前と違って単純に出来てるんだよ、龍族は。
[ 最悪手と、理論だてて指摘されれば、まるっと種族特性のせいにしてしまう。多分、里の...特にオズワルドを仔龍時代から知っている側近連中辺りに聞かれたら、白い目で見られるだろう、が ]
[ わかっている、ちゃんとわかっていた、と、そう言葉を重ねるクラリッサには、男もうん、と頷いた ]
さすがの腕前だったぜ。俺よりも『虚無』を削ったダメージは大きかったんじゃないか?
[ 何しろ自分は躱されてばかりだったから、と、肩を竦めて ]
ああ、届いてる。お前の声は...コエも...いつも、俺には、まっすぐに届いてるから。
[ やがて信じると言って笑った、その笑顔に、少しの間、沈黙が落ちる ]
今、もの凄く、お前を抱き締めたくて困ってるんだが......
[ さすがに、ここじゃダメだよな?と、真顔で尋ねてしまうのは、少々どころではなく問題かもしれない* ]
……そこで種族特性にしてしまうのはどうなんだい。
[言えるほどに色々を深く知っているわけではないけれど、そこはしっかり突っ込んだ。
個人特性もあるだろこれ、と言いたげなのは伝わるか]
……あはは。
そりゃまあ、採算度外視のレアメタル使ってまで、削れなかったら悲し過ぎるからね。
[冗談めかした口調でそう言って。
届いている、と受け止めてくれる言葉に安堵したのも束の間の事]
……ダメに決まってんでしょ、この、ばぁかぁっ!!!!
[力いっぱい、拒否りました。
……突っ込み(物理)が入らなかったのは、多分、自重できた証。*]
だよなあ...
[ 力一杯拒否られて、いまいち自重できない皇龍は、少しばかり肩を落としたものの ]
じゃあ、後で...二人きりになれた時に、な。
[ どうやら実行しない、という選択肢は存在しないらしかった* ]
あったりまえでしょーが!
もうちょっと、場所を弁えたまえ、きみは!
[単に自分が気恥ずかしいから、というのは口にはしないが。
態度から伝わるのは已む無しか。
その後に出てきた選択肢には、何も言わなかった。
言えなかった、というのが正しいが。*]
[それから、彼だけに届く声で]
…ありがとう。
[自分に託してくれた事、信じてくれた事も含めて。
言い尽せない感謝を、一つ紡いだ]
[意識に届けられた感謝の言葉には柔らかく笑んで]
どう致しまして?
─── 僕からも、ありがとう。
[危険を冒して成してくれたことに対し、感謝を伝え返した]
だから、ちゃんと弁えただろう?
[ 思いのままに抱き締めなかったのを褒めてほしいとでも言いたげに、男は軽く首を傾げて ]
ほんとに可愛いなあ、お前は。
[ にっこり、また囁いたのは、慣らすため...ではなく、多分単なる本音だ* ]
いや、だからっ……!
[そも、こんな所で言うんじゃない、と。
言いかけた言葉は続く囁きのおかげでぶった切れた]
……〜〜〜っ!
…………も、この…………ばぁかっ!
[反射的に口をつくのは、可愛げの欠片ものらない憎まれ口。*]
[ くすくすと、笑う男が、その憎まれ口が一番可愛いな、と思ってるとは、多分、気付かれてはいないだろう* ]
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