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[三回目のキスは深いキスだった。
びっくりして、思わず胸を押して離れようとしてしまった。]
ふぇ、ふぁっ、ふぁ!?
[謎の言葉が口から出る。目を白黒させて。
何が起こったのか、混乱したように見つめて]
ゆ、ゆっくり、おなしゃす。
[Lesson1から難易度高い。戸惑いは多いけれど、でも期待はしているから。
くたりと胸に体を預けた。]
アイリは何と恋愛するつもりなの?
ただ恋愛するだけなら、無機物とだってできるよ。
[いつしか変わった呼び名。
恋愛に固執するように見えるアイリに、ただ冷静に言葉を連ねる。
口ぶりからは諦観を示しているように見えるのに、彼女の態度かは恋に期待するようにしか見えなくて、耳元から離れていく。
一定の距離を詰めたなら、それ以上こちらから距離を縮めることはしない。
選ぶのは彼女でないと意味がないだから。
思考の波に揺蕩うアイリを見つめやり、腕を下ろす。
緩く繋いだ指先だけはつなげたままだが、彼女が払えば簡単にその手は解けてしまうだろう。*]
それは自分で考えないと、意味がないでしょ。
オレだって恋をすることになれば、
――アイリが初めてになる。
自分で……
[諦めたかのような、突き放すような。
まるで自分からするすると興味を失っていくような態度。
そんなの嫌だ
私は、この人と、恋愛をする。
私は、
じっと、相手を見て
改めて自分が選んだ相手を。最初は恋矢の力を借りたとしても、これからは私が『本物』にしていく相手を。
指を絡め、繋いだ手に力を込める。
興味を失われるなんて嫌だ]
私を好きになって、くれる?
[不安で。目の前の人の矢印はいまにも消えてしまいそうで。
ああ、これが、恋愛か。
もし許してもらえるなら、今度は私が、相手の腰に手を回して。ぎゅっと、抱き締めた。]
そりゃ、買いもするよ。
俺みたいな詐欺師を何の抵抗もなく受け入れて。
どんな聖人君子だって話さ。
[とぼけたように肩を竦めて。
だから詐欺師は、いきなり寺脇が泣いて縋りついてきたことに。
咄嗟に反応ができない]
……ト、トオル?
[どうすればいいか分からず、慌てて。
母を呼びながら嗚咽する寺脇に、かける言葉が見つからない。
結局、詐欺師は。少し迷った末に。
嗚咽に震える寺脇の肩を、優しく抱きしめた。
自分には、それくらいしかできない]
……一緒に?
[大きく、驚きに目を見開く。
瞬間、ぽたりと涙が零れ落ちた。
家族を知らない詐欺師は、唇を小さく震わせながら]
ああ、家族になろう。トオル。
ずっと一緒だ。
[死がふたりを別つまで。ずっと、ずっと。
家族を持つことなんて、甘い夢だと思っていた。
自分にとって、もっとも縁遠いことだと。
それでも、この人となら。一緒にやっていけると思った]
……ふふ、おかしいな。
今日会ったばかりだというのに。
トオルとの生活が、ありありと想像できるんだ。
[こじんまりとした一軒家に朝の陽ざしが降り注ぐ。
朝食を作りながら、自分はトオルが起きてくるのを待つのだ。
目玉焼きを焼いていると、飼っている猫がにおいを嗅ぎつけて。
自分の足元にすり寄ってきて。それで―――]
トオル。ありがとう。
[家族。喉から手が出るほど欲しかったもの。
どうあがいても自分が持てるはずのなかったもの。
胸の中が、じんわりと温かくて。
自らを偽ることしか知らなかった詐欺師は。
偽りではない、本当の満面の笑みを浮かべるのだった**]
[繋いだ指先に彼女の力が篭るのを感じて、指先に視線を落とす。順に視線は指から腕を辿り、彼女の顔へと移れば、そこには微かに宿る色が垣間見えた。
アイリの問いかけに小さく笑い、ゆっくりと瞬きを落としたら、向けられた視線を見返して。]
――……今はまだ分からない。
[嘘偽りのない心を口にする。
真摯な眼差しを向けられたからこそ、偽らずに本音を向ける。
それがたとえ彼女を傷つけたとしても最良だと思えたから。
胸のうちに、滑り込む身を抱き寄せることはしない。
けれど突き放すでもなく、繋いだ指を柔らかく解いて両腕を背に回す。抱き込むのではなく、自身の手を組み合わせて、腕と自身の胸に軽く挟むように。
抱きつくその腕は彼女の好きなように。*]
でも、一緒に居ることはできるよ。
[やわらかく、その腕が身体を包み込むように添えられる。背の高い彼のことをとても愛おしいと思った。愛したい、と思った。
返ってきた答えは肯定でも否定でも無かったけれど。
それはきっと彼なりの最良だったのだろうけれど。
私、にとっても――
恋愛なんて、初めての経験だから。
私が今まで避けてきたこと。煩わしい人間関係、恋矢で紐解くことしか考えていなかった世界。それをこれから、もし、ゆっくり自分の手で紐解いていけるのなら。
それは、きっと、恋愛をすることを赦された恋天使にとって、「最良」であり「幸福」なのではないだろうか。]
一緒に、居てください。
そして、私を、見ていてください。
私も、あなたを少しずつ、知っていくから。
[いつか好きになって、なんて、痴がましい事は言わない。其れを自分で選び取るのが、きっと。恋愛だから。*]
そっ、それはやだっ!
[多分きっとほんとは半月だって待てない。
恥ずかしくてたまらず待ったを言ってしまったけれど、本当は早く小津さんのものにしてもらいたい。
でも怖い、汚いものを思い出してしまいそうで…。
小津さんとのそういうことが汚いわけじゃなくて、自分の傷を知られるのも怖いけれど]
…ほんとに、全部…あげたい…
[あげたかった…。初めては小津さんに…。
すこし、嘘をついた。]
[力強い言葉に安堵の表情を浮かべる。
翻弄される初めての好きの気持ちを少しずつ飲み込めば、胸を覆うのは元来の強い好奇心。]
……もう一回、Lesson1、復習おなしゃす。
[予習復習をがんばって、次のステップへ進む速度を早めたいと思う。
目を閉じて、顔を近づける。
好奇心と探究心で、一線を超えるのは早いかもしれない。
それだけじゃなくて、まだまだ知らない小津の事を、たくさんしりたいし、自分のことも見せたい。
だから、次は、名前で読んでみようかなって。]
…要、さん。要…。大好き。
[熱を帯びた瞳で目の前の人をみつめる。
先に…………?
意味を理解して数秒、決意した。]
類くん…私、あなたのことが好きみたいです。
そう、先に言葉にしたかったの。
先に進む前に、順番ね!
[クスリ、と笑って人差し指をたてる。
誰かさんならウインクでもしたのだろうか。]
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