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師匠……。
[巫女として、あるいは国に属するものとして何かをぶつけられることは、恐れもあったが覚悟はしていた。
しかし師は、そうしたものを背負わせたことに対し怒りを向けてくれた。
その言に思わず体の力が抜けそうになってしまう]
[どうにか持ち堪えつつ、頭を撫でられるのに身を任せて]
はい……。でも、ごめんなさい……。
私じゃなければもっと……うまくやれたかもしれないのに……。
[何もかも中途半端なままなのに、解き放たれることばかり夢見てしまう。
神魔の力を借りずとも、国を導くために出来ることもあったはずなのに。
そんな、師に責められた訳でもない部分をぐるぐると考えて、取り留めのないことを口にしていた]
ありがとうございます。
師匠がここに居てくれて良かった。
[例え試練に打ち勝つことが出来なくても、と。
自分の中の確かな変化を感じつつ、手が離れるまでされるがままになっていた*]
[少しだけ肩の力が抜けたように、安堵するようなに自分を呼ぶリュカ。
武芸を教えるのではない、旅人の心得を教えるのでもない。
それ以外のもので弟子を導かねばならないのだろう。]
そうだね、リュカには覚悟が足りなかった。
[甘やかすだけではダメなのだろう。]
国でどのようにするか。やれる方法は限られている。
例えば、そうだね。初代の巫女は飢えをなくし、内憂は減らせても、外患はなくならない。だからこそ方便をつかった。おじさんはそのように解釈しているよ。
上手くやれるかということじゃない、やりきるかどうか。その覚悟が大事だったのだと思うよ。
前に、故郷を庇護下において見捨てられた。といったね。
思うところがないわけじゃないけど国主としてはね、国を守るためだ。大きくするためだ。そういってしまえばよかったんだよ。
隙をみせたら突かれる、弱味を見せれば群がられる。それは同じ国の相手でも、他の国の相手に対しても同じさ。
どうしてもせざるを得ない結論を下す者というのは、とても孤独で、辛い役目を負ったのだとおもうよ。
[故郷について思うこととはまた別の見方として、心の内を話すようにリュカにいって聞かせる。非道だったというのではなく結論せざるを得なかったものの心境というものを、今のリュカなら理解できるだろうと。]
ま、今なら構わないけどね。
幸い弟子は師匠に弱音も苦しみも吐き出していいものだ。
……それに弟子は師匠の我儘に振り回されるものさ。
[最後のほうには少し含みを持たせながらも、穏やかに微笑を浮かべ]
なんにせよ、ここでやることをやったらだけどね
[成長といえばいいのか。試練といえばいいのか。神魔という存在に対してか。さてそれを知るのはもう少し将来のことだろう**]
[覚悟が足りなかった、と、断ずる師に言葉もなく項垂れている。
初代の巫女に関する考察も、漠然と想像していたものが明確にされるような形だった。
方便であり、覚悟だったのだと]
……そうですか。
あの国はずっと、そうやって支えられて……。
[意に添わず背負わされた責務。
一方でその伝統が、古くから国を護り、現在まで細々と国の命運を繋いでいるのだろう。
師の解釈に、ひとつ頷いた]
[かつて見捨てられ滅んだ国のこと。
師の故郷に関しても、その出身者としてでなく、決断した立場の視点で話してくれている。
割り切れるものではないのでは、とも思ったが、だからこそそれをしてくれる師に深い感謝を抱く]
そう……ですね。
国を護るとか、強くするなら、いつかは決断しなきゃいけないこと……。
[そして辛いとか嫌だという気持ちは表に出せず、非難も受けることとなるのだろう。
今までは師匠ただ一人に対し恐れていたことを、もっと広くから受け止めねばならない。
幼いあの日に考えていたより、それはずっと重たいことだった]
師匠、そんなこと言われたら私……。
本当に弱くなってしまいます。
[今なら弱音を吐いていいと言われて、やっぱり心の奥の何かが崩れそうになるのだ。
含みを持たせた言葉には気付かぬまま、師を見上げる]
ええ……それはわかってます。
ここまで来たんですから。
[やることをやったらの言葉には頷いて、その時を待つのだった**]
[上にたつものとしてはどうであるか、一つの観点を与えるようにしてリュカへ伝える。
そんなことも考えていなかったのか、というのは容易いが、それを教えるものが傍にいないということそのものが問題だとは思える]
今の君はリュカだからね、弱くなったところで問題ないでしょう。
それに頼れるものには頼るものですよ。親が子を救うように、それが許される相手というのもいるものですからね。
[困ったようにいうリュカに、くすりと笑みを浮かべた*]
[教え諭すように話す師の内面はわからなかったが、師の元を離れてからそう呼べるような人間に出会わなかったのは確かだった。
ここまで自分を動かしてきたのは、覚悟というより、自分以外に出来ないという諦めに近い感情で]
ふふ……親子、ですか。
[弱さを許すように言って、笑みを浮かべる師。
その思いは確かに嬉しいけれど、でも]
――お隣に並べる時は、遠いようですね。
[そんな寂しさも、少しだけあった]
森の番人だって、大して違わないんじゃないかな。
人の望みばかり聴くのは飽きない?
[ 揶揄うような声音は、けれど、どこか真摯な調子を含んでいる。 ]
まあ、似通うのは仕方ないわ。
でかい力を管理するてとこは、同じだし。
[揶揄うような声音の言葉。そこに宿る響きは感じ取ってはいるけれど。
神魔の調子は、崩れる事なく]
……んー?
別に、飽きたりはせんよ。
願いの形も色も千差万別、どんな無茶が振られるかは楽しみでもあるしねぇ。
[返す声音は、どこまでも軽い]
………生きていてくれて、よかった
[指を添わせて、小さく呟いた声は
彼の耳にまで届いただろうか]
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