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カナン...そいつは血を食らうようだぞ。
[ 多分、と、一応それだけは伝えておくことにした。 ]
俺の血は苦くて不味いらしいが。
[ 思わず付け加えたコエには、微妙な不満が滲んだ。** ]
温泉への道を阻む相手がいる。
早く来ないと一人で強行突破してしまうぞ。
[ 近くにいるだろう飼い主に呼びかけておく。]
血を食らうだと?
どこの怪物だ、それは。
[コエでもたらされた情報には呆れたような言葉を返すが、目の前の狼を見れば納得もする。
あれは神話の怪物と言ってもいいだろう。]
お前は毒食いすぎて毒血になってるんじゃないか?
[聞こえてきた微妙な不満は笑い飛ばしておいた。
もうやめておけよ、という若干の労わりも滲む。]
なんだよこの玩具は。
お前が作ったのか?
こんなものを呼び出しておいて、おれまで一緒に掛かったら卑怯くさいだろ。
おれは見ていてやるよ。
[呼びかけには笑ってそう答えておく。]
[ うるさい音をたてて、ウォレンが金属の乗機でやってきた。]
なんだそれ。
[ 手は出さないとの宣言に、金髪男が一人で黒狼を止められる技量と踏んだかと楽しくなる。
あちらに加勢すると言ってくれたら、もう一戦、ウォレンとできたのにとは考えるけれど。]
あれが怪物に見えないなら、お前の目は...いや、その面白い服を自分で選んだなら、やっぱりどうかしてるのか?
[ 何と戦ってるつもりでいるのか、と、呆れたように返しかけたコエは、途中で多少の心配を含んだものに変わる。
そもそもひどく常識外れの、奇妙な場所だ、カナンの方に異変があっても不思議では無い。 ]
...別に、常に毒を食ってるわけじゃない。.........最近は。
[ 叔父が『不慮の死』を得て以来は、毒殺の危険は格段に減っていたから、続いた苦言めいた揶揄にはそう答えた。 ]
カナン、試しにそいつを湯に落としてみろ。
[ ごく気軽に、そう告げた。忠告というよりは、面白いから試してみろ、といった調子だ** ]
[戦いに集中していても、コエはちゃんと聞こえている。
さすがに一々答える暇はなかったが、]
俺がどうかしてるかだと?
俺の服をどうこう言う前に自分の恰好を見るべきだぞ?
なんだその、上はやたらもこもこしてるくせに下はやたら短い服は。
[悪口はなんか滑らかに出た。]
湯に?
[唐突な指南に疑問を返したが、楽しそうな調子だったので乗ってみることにする。]
なるほど。やってみよう。
溶けて消えてくれれば楽でいいな。
何だと...!?
[ すらすらと返されたこちらの服装へのツッコミに、更に言い返しかけたところで、黒狼の爪がカナンの脹脛を掠めたのを目にして眉を顰める。>>24 ]
......人の格好より、目の前の牙と爪を気にしろ。
[ ため息が零れた。 ]
ならば浴衣の着用を推すのです…
ほら…炬燵の中に手を入れると…
どこからともなく、ギィ様に似合いそうな…
素敵な柄の浴衣が手にあたりませんか…?
あら?こんなところにサイズもぴったり!
せかっくですから羽織るだけでも
みたいな…
ノリで…
[雑な心の声をテレパシーを発信した!]
その男、呪いがかかってたそうだが、今ので解けたのか?
[ とりあえず、カナンには、軽くネタばらししつつ、二人の側に近づいていく。警戒を解く気はなかったので、肩には雪かきスコップを担いだままだ。
自身の見た目が、客観的には、目指す二人とあまり変わらない怪しさだという自覚は当然無い。* ]
当人は呪いが解けたと言っているがな。
……?
驚かないな、お前。
こいつが人間だってわかってたか?
[答えてから、疑問符を飛ばす。]
狼化の呪いじゃなかったら、なんだ?
血を食らいたくなる呪いか?
[警戒する彼とは対照的に、すっかりくつろいでいる。*]
足以外に怪我は無いな?
[ 見えていたのは脹脛に届いた爪だけだったが、組み合いで骨や別の場所が痛んでいる可能性もあるだろうとの懸念から、まず確かめたのはそこだった。 ]
俺と対戦した時は、その姿だったからな。
まあ、こちらは......枝で叩き合う程度の、子供の遊びのようなものだったが。
[ 正直、あの対戦でかすり傷でもついたのが不思議なくらいだ。それだけヴォルフの膂力が人並み外れていたということだろうと、今となっては納得していたが。 ]
飼い主によると、呪いの種類は不明らしい。本人に聞いてみればどうだ?
[ 多分、血を食らうのも呪いではなかろうという予感はしていた。* ]
………ぁー……似合ってる。美人だ。
それ、土産として買って帰ろうか。
[密やかに短く言葉にする]
[ オズワルドが乗っていた金属塊は油や何やらの臭気がする。
少しばかり体温(?)もあるようだが、血は通っていなそうだった。
スピードに関しては戦闘行為ほど心惹かれないが、飼い主が楽しそうなら構わない。]
どこに行く? ウォレン。
最初に会った場所なんか、いいんじゃないか?
[ 樹氷の障害物コースである。確実に上級者向け。*]
あなた。
なるべく早く戻ってきてくださいましね。
[そう告げると、目を閉じてキスをねだった*]
もちろん。
できるかぎり早く、愛しい君の元に戻るよ。
[囁いて、そっとキスをしよう。*]
なあカナン、いつかゼファーが落ち着いたら…
二人で旅してみるのも、いいかもな?
[ そう、コエを送ったのは、さて、いつ頃のことだったか?** ]
[きっとそれは、ここの世界と別れる直前のことだろう。]
いつか、な。
[そんな未来があると思うのは、喜ばしいことだった。*]
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