情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
ミーちゃん、迷子になってないかい?
困ったら、お呼び。
ああ、あと、面白いものを見つけたら教えておくれ。
[ 桜色の蜂鳥は、狐耳を見つけると、その側にホバリングしながら、囁きを伝えた。言葉を返せば、桜石の魔人にも届くだろう。** ]
迷子じゃないもん!
[精神年齢的に、背伸びもしたいお年頃。
その時は森まで来たものの、どうすればいいのか迷っていたので逆に。ぷぅ、と頬膨らませたが]
でも、ありがと。
[モゴモゴと続け、了解、と返した]
[蜂鳥は常に傍にいるものか。いなければ、呼び寄せるための標を掲げて]
いぃさま?
あのね、弓矢で追われてた人もいたよ。
[続けるかは少し迷ってから]
…なんかヤだったから、追ってた方は森からも追い払っちゃった。
[そう報告?した**]
おや、ごめんよ、ミーちゃん。
[ 迷子じゃない、と、抗議する声に、謝罪を告げながら、その声は愉しげに笑っている。 ]
可愛いお前が迷って怪我でもしたらと、心配になっちゃうのさ。
[ モゴモゴと続いた言葉に返す声は、甘い色を帯びる。 ]
弓矢を持った追っ手とは、また穏やかじゃないね。
[ 次いで告げられた顛末には、おやおや、と肩を竦める。 ]
ふふ、そんな無粋な輩は追い返して正解だよ。
ちょっと懲らしめてやるくらいで丁度いい。
[ そんな風に、少々煽る桜石の魔人は、常日頃、気に入らぬ者が近づけば遠慮なく放り出しているのだった。 ]
でも、縁に惹かれた者同士を邪魔しちゃいけないよ?
捻れた絆をどうするのかは、招かれた者次第だからね。
[ 囁きを伝えた蜂鳥は、そのまま桜色の羽根を休めて、ミーネの肩に、ちょん、と止まる。追い払われぬ限りはそこで大人しくしているだろう。* ]
姉さま、ミーちゃんが、無粋な輩を追い返したんだってさ。
血の気配をそっちから感じるから、招かれた者が傷ついてるかもしれないよ。
だよね。だよね。
よかったぁ!
[肯定され、嬉しげに弾む語尾と共に尻尾もパタパタ揺れていた。
永き時を主と共にしてきた魔人は憧憬の対象で、同じように出来たことを誇らしく思う]
むぅ。それは、分かってるよ。
かぁさまの邪魔はしないもん。
[されどそこは雲泥之差あれど同輩たる意識故か。主に対するとは違い、まず反駁してしまうのだが。
一呼吸置き、蜂鳥の頭をゆるりと撫でる。
素直にはなれないながら、初めて見つけた来訪者への固執をサラリと捨てられるようにもなっていた]
とーさん、それ、なんだ?
[未だ何も失わずにいた頃。
父が新たに鍛える刃が、いつもとどこか違う事に気づいて投げかけた問い。
それに向けられたのは、楽し気な笑みだった]
「なに、ちょっと、造ってみたい、ってぇ気になったんでな。
未来の戦乙女様への贈り物って所だ」
……みらいのいくさおとめ?
[冗談めかした言葉に素で返した言葉はちょっと棒読みで。
その反応に、父はやれやれ、と苦笑していた]
「お前のそういう所は、母さんそっくりだなぁ……」
なにそれ?
ていうか、それ、『龍爪』にちょっと似てる?
[ぼやくような言葉にも素で首を傾げつつ。
少年の好奇心は刃の形へと向けられる。
そこから、刀の種別やら何やらの話へと話題は以降して行ったから、『未来の戦乙女』が誰を示すかの追及はその場ではされぬまま。
もっとも、少年に教えれば贈る相手にもすぐバレるから、父としても仔細を説明する気はあまりなかったのだが]
[意識の奥底、帳の向こうに沈んだ記憶。
見えた刃は帳を揺らがす。
けれど、それは今だ、小さな漣にとどまるのみ。*]
ああ、まあ、過ぎるおいたはしていないようだから、問題ないさね。
[伝わる声に、神魔が返す言葉はのんびりとしたもの]
なぁに、傷を負っても得たいものがあるというなら、それも乗り越えるだろうさ。
アレに願うって事は、そこまで織り込んで行うべきことってのは。
主もわかっておろ?
[突然の襲撃に面して祖母から渡された袋筒。
襲撃当時は私が武器を取る事態には陥らず、悲惨な現状への対処に追われるのに必死で。
且つ、時を遅れて知ることとなった不幸を中々受け入れられなかったために、その封を解くまでには受け取ってから半年も過ぎてようやくだった。
開いた中から出てきたのは、祖母がまだ早いと言っていた通り私の身丈にはまだ長すぎる柄と、その先に据えられた煌めき。
それは何の見識も持たぬ身であっても、業物だと分かるものだった]
……イェンスくんのとうさま。
わたしの、ために
こんなすごいの、用意、してくれてたんだ。
[声に出せば、あの温かな笑顔が今にもすぐに脳裏に浮かぶ。
その顔も、もう二度と見ることは出来ないのだという思いも同時に浮かんで。
いわばこれが彼の人の形見の品ともなったのだと、視界が歪んだ。
溢れる涙で刃を汚さぬように、身を離して、手で顔を覆い]
なんで、こんな…
やだ、やだよ、やだ…
もうあえないなんて、やだ、やだよ…
どこいっちゃったの、ねぇ、
いぇんすくん、
いぇんすくん…!!!
[行方知れず、けれどきっと彼ももうこの世にはいないだろうと。
そういわれた名を、何度も呼んで泣き崩れて。
けれどこの慟哭は誰に言ってもどうすることも出来ないとも分かっていたから。
私一人と、この薙刀だけの秘め事として、ずぅっと胸に、しまいこんできたものだった]
[こうして戦う中、なぜか過るのは3年間の鍛錬の記憶。
それはきっと、私が初めて覚えた他人と戦う間合いだからだ。
何度も手合わせをして、何度もケガをして。
でも、その度にこうしたらいいんじゃないか、こうしたら追撃になるんじゃないか。
そんな話をして、たくさんたくさん、覚えていったから]
あのね、わたし、
とちがみさま?のかごが、つよいんだって。
だからね、いまはまだムリだけど
おっきくなったら、じめんをうごかしたりとか
もっとたくさんのつちを、もちあげたりとか
[ふいに話し始めたこちらに、彼はどんな顔をしていたか。
それに構わずに話を続けたのは、どうしてもお願いしたいことがあったから]
そしたら、もっとたくさんのたたかいかた、
できるよーに、きっとなるから
まっててね。イェンスくん。
[そう言ったのは、私との手合わせで彼が何かを使わないようにしてると気がついていたから。
それが何かまでは知らなかったけれど、なんとなく寂しかったのだ。
手を抜かれてるとまでは思わなかったけれど、でも、全力を見せてもらえる自分にはまだなれていないのだとは思えて。
いつか、全力を出してもらえる自分になれるまで。
その時も彼はいてくれるのだと、幼い私は愚直に信じていた*]
[交差の最中、繰り出される技は記憶の帳をゆらり、揺らす]
……とちがみさまの、かご?
[稽古の合間、唐突に始まった話。
言われた意味がわからず、きょとん、としたまま、話を聞いた]
……へぇ……なんかそれ、凄いなぁ。
[てか、めっちゃそれ、攻め難そう……というのまでは、言葉にはしなかったけれど。
でもなんでいきなりそんな話を、と思った所に告げられたのは、待っててね、というお願いで]
あー、えー、と。
[唐突なお願いは、なんだか色々、見透かされているような気がして、妙な声が上がった。
武術の稽古とは直接関係ないから、と使わずにいる雷の力の事とか、違う間合いでの戦い方の事とか、いろいろ。
別に遠慮しているとか手を抜いているとか、ではないのだけれど。
何かしら、気づかれているのか、と思うとちょっと後ろめたいようななんというかな気持ちになってしまうのも確かで]
……う、ん。
[それでも。
向けられる言葉と瞳が真っ直ぐだったから、返したのは頷きひとつ]
俺も、まだまだ全然足りてないから。
全力で、ぶつかれるように、がんばりながら。
まってる、な。
[そんな未来が当たり前に来ると思っていたからこそ。
返す言葉に、迷いは、なかった。*]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新