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っ、
僕と会ったことがあるの!?
[口にしなかった疑問が相手に届いていたとまでは気付けていないが、意識の共有が出来ていることは理解して。
震える声で伝わった言葉に大きな反応を示した]
ぁ、と……ごめん。
僕、今記憶を失ってて。
原因も良く分からなくて…。
1年以上前のことは、覚えてないんだ ──…。
[ユーリエの声は震えていた。
覚えていないことが彼女を傷つけただろうことは推測出来て。
声のトーンは落ち、済まなそうな声で状況を伝える]
[俺の問いかけに返った反応は、思いの外大きなもの。
会ったことがあるのかと返されるのは想定出来ていたけれど、含まれたものが少し違うと感じて少し首を傾げる。
会った事のある相手を忘れていたと気付いたにしては、妙に驚愕が強い様な、という疑問は続いた声で答えを得て]
…それって…記憶、喪失ってヤツ…か?
じゃあ、俺のこと覚えてないのもそのせい、で…
[声のトーンが変わったことで、彼が本当のことを言っていると悟る。
こちらを見る目は本当に知らない人を見る目で、でも本当に申し訳なさそうにもしていて。
記憶を失ったというこの人の方がきっと大変なのに気遣わせてしまった申し訳無さに気付くと、顔を伏せ]
……こちらこそ、ごめんなさい。
記憶を失われているなんて、思っていなくて…
[氷女としての振る舞いを戻し、謝罪を返した]
………うん。
[記憶喪失と紡ぐ声に、苦笑めいた表情で頷く]
気にしないで。
普通、記憶が無くなってるなんて思わないだろうし。
[向けられる謝罪には、ユーリエに非は無いと言うように言葉を紡いだ]
…ねぇ、話し方。
普段通りで良いよ?
[途中で変化したユーリエの話し方に対し、そんなことを言う]
以前会った時と同じ話し方の方が、記憶も戻るかもしれないし。
[咄嗟に出た方が普段の喋り方なのではと思ったが故のこと]
……ふにぇぃ?
[届いたコエに、零れて落ちるのはどこか戸惑ったようなコエ]
あー……うん。
それも、わかってる、よ。
うん。
[ 送ったコエに返る、どこか戸惑うようなコエ。その響きに男は、また笑みを浮かべる ]
判ってるならいい。
[ いちいち反応が面白くて、構わずにいられないのは最初からのことで、実際今も楽しんでいた ]
─ 休息の間 ─
[提案の通り、メレディスは時間を空けてユーリエと話をする場を設けた。
可能なら自分の部屋で話を、とユーリエに伝えたが、どうだったか。
ともあれ、ユーリエには先ず自分の状況を改めて伝えることにした]
僕が記憶を失ったのは1年前、旅先でのことだったんだ。
気付いたら宿屋のベッドの上でね。
その時は名前すらも覚えてなかったんだけど、宿帳に記載してたお陰で名前だけは分かった。
それ以外は本当に何も覚えてなくてね。
宿にいた人や町の人から、占いやトランプをやって路銀を稼いでた、っていうのを聞いた。
でも分かったのはそれくらい。
その町に来てまだ日も浅かったらしくて、突っ込んだ話まではしてなかったらしい。
それからは町の人の話と推測を頼りにこれまで辿ってきた場所を遡ることで記憶を取り戻せないかと旅を続けてたんだ。
……その町での行動等の情報が入るようになったけど、記憶自体はまだ戻ってない。
[そこで一度話を途切れさせ、一呼吸置く]
…僕が君と出会ったのっていつ頃かな。
何か、印象に残ってることとかあったら、教えて欲しいんだ。
[記憶を取り戻す切欠にしたいから、と願う*]
………………。
[伝わる笑みの気配に、ちょっと沈黙が落ちた]
……もしかしなくとも、面白がってないかい?
[それを経て、ぽつ、と零れた疑問には、拗ねたような響き]
うん?そうだな。
お前を見てると面白いからな。
[ 拗ねたような響きに返る答えは素直なものだ ]
それに......いや、まあいいか。
[ 言いかけてやめたのは、今言うと更に拗ねられそうな気がしたからだった ]
けど、馬鹿にしてるわけじゃないぞ?
俺が面白いと思うのは、お前の反応が俺にとっては新鮮だからだ。
俺の周りには、対等な相手ってのがそもそも居なかったからな。
[ 付け加えた声には僅かに寂しさのようなものが混じった ]
見てると面白い、って……。
[どーゆー意味で、と。
更に重ねようとした疑問は、続けられた言葉に途切れた]
いや、まあ。
馬鹿にされてる、とまでは言わないけど、さ。
[言葉にできない何かがあるんだから仕方ない、と。
言わなかったのは、付け加えられた声音に宿る響きのため]
……仕方ないなー、もう。
[間をあけて、零れたのはこんな一言]
まあ、あれだよ。
子供扱いしてるんじゃないんなら、いいんだ。
さすがに、もうじき二十歳になるっていうのにそれが理由で、っていうのは、ちょっと色々ありすぎるからね。
[引っかかる理由の一つのついでに年齢を告げたが、多分そこは一年前には言っていない事]
なんだ、坊主って呼んだの、まだ気にしてたのか?
[ 子供扱いという言葉に思い出したのは出会いの時のことだったから、そう言って ]
うん、大概の種は20歳くらいが成人だったっけな。龍だと、まだ仔龍って呼ばれる年だが...ああ判ってる、もう一緒にはしてないって。
お前がちゃんと大人だってのも解ってる。
[ やっぱりコエに乗せなくて正解だった、と思ったのは、「可愛い」というこれも素直な感想だった。
純粋に褒め言葉なのだが、到底きちんと伝わるとは思い難い ]
……気にしてるとゆーか、なんとゆーか、だけど。
[思う所の意図は、正確には伝えて。
というか、何でここまで引きずってんだ、と自己突っ込みしたいくらいなので、それ以上は言わず]
……うん。
それなら、いーんだ。
[わかっている、と重ねて言われてまで続けるのもなんだし、と気持ちを切り替えた]
[なお、言わずおいた一言を言われていたら、真っ直ぐに取る事は相当に難しかった。
その辺り、理性と感情のせめぎ合いが色々とあったりするので]
[我ながら呆然とした確認に、返されたのは苦笑。
気にしないでと言う声に何と返すことも出来ず、ただ見上げたままでいたけれど]
え…
[普段通りで話して良いという言葉に、目を瞠った。
記憶は無いはずなのに、何で分かったんだろう、と思ったのは一瞬だけ。
さっきが素の話し方と気づかない程、この青年は鈍くない。
だからといって、こちらの話し方も4年の間に頑張って身につけたもの。
簡単に頷くのは難しいこと、だったのだけれど]
…わかった。
じゃあ、二人で話す時はそうするな。
[記憶も戻るかも、の一言で返答は決まった。
自分のことは思い出してほしいのと、欲しくないのと半々だけど。
>>0:86何時かの夜、昼だけでは話が聞き足りなかった自分に教えてくれた旅の始まり。
あの時の、あの笑顔を見て、この人も故郷が大切なんだなって思ったのが、誰にも言わないでいた打ち明け話をする最後の一押しだったから。
大切なものを少しでも元に戻す手伝いが出来るなら、是も非も無い]
─ 休息の間 ─
[皆が思い思いに時間を過ごす中。
自分はメレディスの提案通り、話をする為に彼の部屋に来ていた。
彼の話を聞いて記憶を失っていても名前が分かっていた理由は知れたけれど。
それ以外のこと、何故記憶を失くしたかも分からないと聞けば先の広間での反応の大きさも理解できた。
記憶を取り戻す切っ掛けになるかもしれないと思ったのなら、平静を保つ方がきっと難しい]
…一年もの間、そんな旅、してきたのか。
[自分の記憶にある彼も旅の途中ではあったけれど、目的が違う。
あの、聞いてるだけでわくわくしてきた話の様な旅では無かっただろうと思うと、眉が下がり]
俺が兄ちゃん…メレディスさんと会ったのは、今から5年も前になる。
氷人族の郷の話を聞いたから、会ってみるかと思って来たって言ってたな。
うちの郷は雪原と雪山の真ん中辺りでよっぽど慣れてるヤツ位しか来ないから、珍しくて色々話してもらったりしたんだ。
[自分の中でメレディスの存在が大きいのは、話を聞いて憧れを抱いたことが一番の理由だけど。
あれから5年経っても彼の様な来訪者が居なかったのも、その一つ。
また来ようかな。
そんな言葉を残してくれたのは彼だけだったから──と考えた所で、あれは何を話していた時だったっけと思い返し。
は、と気付いた表情はすぐ、伏せた瞼に隠して言葉を続け]
俺の聞いた話だと、あの時にはもう旅をして結構経ってたはずだよ。
確か…こっちも5年、だったかな。
『世界軸』の近くから始めて、あちこち旅して、でも1つの街に長く滞在するからまだそんなに回れてないとも言ってた。
実際、うちの郷にも1か月位居たし。
…でも、色んな街の話をしてくれたり、見たこと無い物を見せてくれたりして。
俺達みんな、兄ちゃんのこと好きだったんだよ。
[閉鎖されている訳ではないけれど、土地の不便と一族の体質のせいで郷を出る者も来る者も少ない。
外から来た彼は、あまり動かぬ郷の中の時を動かす、そんな存在だったのだ、と。
もう朧げになっている記憶もあるが、思い出せる限りを話す中。
あの頃自分が男として育てられていたこと、自身を男だと思い込んでいたことだけは、言えなかった**]
─ 休息の間 ─
[メレディスの話を聞いて眉を下げるユーリエを見て、彼は小さく苦笑した]
僕はこんなことをしてたのか、って言う発見はある意味新鮮ではあったけどね。
……この部屋、随分殺風景だろ?
神子さんが何でも用意してあるって言ってたけど、僕の部屋は本当に必要最低限しかなかった。
旅をしていたせいもあるだろうけど……僕自身、何が必要なのか分からないからだと思う。
[多少の色のグラデーションにより部屋は飾られているとは言え、家具は宿屋にあるような最低限のものしかない]
こういう時こそ占いが頼りになるのかもしれないけど、占師は自らを占わず、ってのがあるからねぇ。
自分の力ではどうにもならない。
…もう一つの方法も、出来れば使いたくはないし。
[最後の言葉は潜めるように紡がれる]
[問いへの答えが紡がれる時は、真剣な表情で聞き漏らすことなきよう耳を傾けた。
自分が旅をしていた期間も、旅を始めた場所も、これまでは聞くことが出来なかったこと。
ユーリエとは他の者達以上の交流を持っていたことが窺い知れた]
理由が随分とアグレッシブだね……僕はそんな考え方をしてたのか。
[そうは言うものの、今も大して考え方が変わっていないことには気付いていない]
………そっか。
ユーリエの郷では、僕は楽しく過ごせたみたいだね。
[話を聞いて温かい気持ちになる。
心のどこかが反応しているように思えたが、話してくれた情景を思い出すには至れなかった]
…君の話し方、結構男性的だよね。
もう一方の話し方の方が女性らしくはあるんだけど……
── でも、今の話し方の方が君らしいと思うんだ。
覚えてないはずなのに、不思議だよね。
[ユーリエの話し方をすんなりと受け入れている自分がいる。
もう少し女性らしくすれば、とも思わない。
それが彼女なのだと思っている自分がいるのだ]
僕にとって君はなにか、大切な存在だったのかもしれないね ───。
[ぽつりと零して、メレディスは小さく微笑んだ*]
……大丈夫なのは、わかるけど!
見た目でいたそーなのは、程ほどにしてよねっ!
[装填しつつ、こんな突っ込みが飛んでしまったのは、条件反射のなせる業]
ああ?
[ 歩調を変えず進みながら、聞こえたコエに、不思議そうなコエが返る ]
痛そう?
ああ、そうか...そう見えるか。
大丈夫だ、俺は龍だから、お前程柔肌じゃない。
[ 毎度の如く、とても素直にそう告げる、が、素直すぎて、どこかずれているかもしれない ]
心配してくれたのは嬉しいがな。
[ 最後にそう付け加えるコエが本当に嬉しそうなのは、事実だったが ]
……いやだから、そーゆー問題じゃなくてだね……。
[突っ込みに返ってきたのは、とてもとても、素直な言葉だった]
そんなん説明されなくたってわかってるんだよ、ただ……。
[わかっていても、思う所はあるのだ、と。
言うより先に、なんか言われて]
……〜〜〜っ!
そこ、喜ぶ所かああああ!!!!!
[心配されるのが嬉しい、と言われても、こっちは全然嬉しくない。
それならそも心配させるな、とも言いたいのだが。
状況は、それ以上の突っ込みを飛ばす猶予を与えてくれない]
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