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[それでも、この頃はまだ、少年をはじめとした男子と、まともに対話ができていた。
10歳になったその日から、男子に対する口数は極端に減り、目に見えて距離を取るようになった。
同時にその日から、体の成長もぴたりと止まっている*]
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そう言えば質問なのですが、試練中、緊急事態で壁とか床とか天井を破壊して移動もできそうでしょうか。
魔法とかでドカーンと。
属性変化時に備品などは元に戻るらしいのですが
[少し考えた後でも怒りはせずに。]
ざんねんだけどさ。
一生行けなくなるわけじゃないもん!
だからね。しぃちゃん。
くらい顔しないでくれるとうれしいな!
いつでもあんないできるようにするから。
その時は言ってくれるとうれしい。
きっと、あんないできなくてもどんなところがあるか言えると思うから!
[少女が変わっても、周囲が変わっても。
彼女に触れないだけで変わらぬ笑顔と呼び方を*]
/*
ご質問ありがとうございます!
えとえと、魔法で破壊しながら移動ということでしょうか?
具体的にどんな感じなのかちょっと想像できないのですが、強すぎないものであれば問題ないのです。
/*
回答ありがとうございます!
大丈夫です!そんな強いものでなく……人一人通れるくらいの穴を開けられればな感じなので……。
色々な意味で筋肉なので、ある種力づくで行けるかなと。
[そう、呼吸が乱れるなど易しい方。
男性と接触しようものなら、口を抑えて洗面所へ駆け込む、引き付けを起こす、貧血で倒れるといった症状が現れ、そしていずれの場合も、決まってある程度の時間、言葉を話せなくなっていた。
年月の経過と共に症状は酷くなり、小学校でも始めは周りから心配されていたものの、次第に「面倒臭い子」として扱われるようになった。]
――……暖かいのは、名前だけだ。
[ぼそりと、彼にだけ聞こえるように落とされた言葉。
少年を見る目は何処か羨むような目で]
― 二つのボタンが見ていたもの ―
[実によくあることだ。
よくあることでいて、深刻なことだ。
詩奈の母は、夫の前で口にこそ出さなかったけれど、疲労とストレスを溜め込んでいた。
思うようにいかない初めての育児。
格闘家の夫への栄養面のサポート。
実家へ助けを求めようにも、大家族の末っ子である彼女の両親は、既に介護を要する年齢だった。
それでも夫を支えようとしていたところへ投げられた心無い言葉>>213は、彼女を突き動かすに充分だったのだろう。
その翌朝には、彼女は最低限の手荷物と娘と共に、男の元から姿を消した*]
[覚えているのは。
舞台に喜んでいた昔の自分。
広がった火の赤。
動けぬ自分。
――両親は自分の手を引くことはなかった*]
[それを見ても変わることなく。
他の男子が触れようとする時は彼らの手をつかんででも止めただろう。
触れられなくても友として、変わらないようにしていた。
そもそも、自分も変わっていた部分があったかもしれないが。
自分は変わらないようにと笑っていた*]
[放火事件の起こった日。
発火を確認して、真っ先に思い浮かんだのは、
招待した兄夫婦と甥の顔。
逃げろ、と。
灰色の双眸は、確かに甥へと向けられていた。
だから、炎に飲み込まれようが、見えてはいたのだ。
子供の手を取ることのない、兄夫婦の指が。]
[事件から、数年程経った頃か。
舞台を降り、落ち着くまでに随分と時間を要し、
その間、甥と会うこともなかった。
退院後、初めて兄夫婦に会った時だ。]
サクは元気か?
なぁ、兄さん。
子供は、大切にしてやんねぇと、な。
[そう、言ったのは、
年の離れた弟のように可愛がる甥を想って。
そして、子供の手を引かなかった兄を、憂いて。
杞憂ならば、それで、良い。]*
「嗚呼、今は元気にしている。」
「あの時はどうにかしてたのよ。」
[そう言う彼らはどう映っただろう。]
「火で慌ててしまうなんて。」
「私は彼が連れて行くと思って。」
「俺だって。
とにかく大丈夫だから。」
[そう言って、仕事で子供を一人きりにする親を。
もし朔夜に会ったのなら彼はいつも通りに甘えるだろう。
貴方の心配をして変わりなく純粋に*]
――そう。
[落ち着いたとはいえ、
何も見えない不安もあったか。
その時は、そう、頷くしかなかった。
それでも、兄夫婦の忙しさは知っていて。
整体師としての勉強をつづけながら、
仕事をしながらも、
時間を作っては甥に会いに行った。]
[いつも通り、甘えてくる甥に、
時には優しく、危険なことでもしたならば叱って。
弟を想う、兄のように。
年離れた兄を持つ末子の、自己満足にしか、ならないとしても。]*
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