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へぇ?生きてたんだ…?
[小さな声、否、口がそう動いただけかもしれない。君を見る目は何処か楽しげな様を一瞬だけ見せた。]
……?
なんで、そんなこと言うの?
[その笑みを見た瞬間、何故だかぞくりと悪寒がした。
何かが、脳裏に浮かんで消えた。
ーずきり。
頭が痛む。まるで、思い出すことを拒否するように。]
誰って居ないけど、私だってもう20歳だもん。
カレシ、欲しいなって……
[照れたようにそう言う。
ただし、去年も似たようなことを言っていた。去年は十代最後だし、と。]
ふふふ、そうだね。
マリエちゃんいい娘だから、きっといい人が見つかるよ。
それに…今年は素敵なことが起こりそうな気がしているんだ。恋の天使が下りてくるような…ね。
[年甲斐もなく恥ずかしいことを言ったかな、と少し照れる。]
じゃあ頑張ってチョコレート作るんだよ。私も応援しているから。
[軽く彼女の肩を叩く。頑張れ、という気持ちを手のひらに込めて。気分はさながら父親だ。]
出来上がったらテオさんにもあげるね?
これのお礼!!
[今年は素敵なことが起こりそう、という言葉に嬉しそうに応える。殴り込みにきたとは思えない豹変ぶりだが、本人はケロリとしたもので。]
テオさんは、彼女とか奥さんとかいないの?
[大人の人の恋愛には興味がある。恋愛って甘くて酸っぱくて、芸術にも大きく左右する、と聞いた。恋に恋する女は、目を輝かせて聞いてみる。]
ああ、ありがとう。楽しみにしているよ。
できれば、恋がうまくいった、っていう報告付きだと、もっと嬉しいかな。
[彼女が幸福とともに自分のところを訪れる、と想像するとそれだけで幸せな気持ちになれる。それが現実のものになればいい、と心の中で祈った。]
私かい…?ふぅむ…
そうだねぇ。今は特にないかなぁ。
[自らの恋愛に話が回ってくると、少し苦い顔をして答える。彼女は目を輝かせて自分の答えを期待しているようだが、そんな彼女の好奇心を刺激できるような答えなど持ち合わせていない。]
マリエちゃんのような若い子たちが恋をして幸せそうにしているのを見るのが、私の今の楽しみかな。
…ジジくさいかもしれないけどね。
[昔はもっと恋愛に明け暮れたような気もするが、今はこうして小さな店で暇と共に店番をしているのが性に合っている気がするな、と小さく苦笑する。]
久し振り…?
……カークさん、僕と会ったことがあるの?僕を知ってるの?知ってるなら教えて。僕は一体何なの?
[まくし立てるように言う。気持ちが急いていつの間にか質問をたくさんしていたことに気づけば、一言謝った。]
…あ、質問、しすぎた…。ごめんなさい。
ん?……さあ、ねぇ?
僕は君のこと≪は≫詳しく知らないんだ。
気になるよね、自身の事。
僕が君だったら…きっと同じ事聞いちゃうもの。
[男はきっと君を知っている。だが男は何一つ言わない。答えない。君が彼を知っているかどうかは、君しか分からないだろう。
答える代わりに男は静かに微笑めばスープを飲み干した。肯定の様と取るか何と捉えるかは君次第。]
──ふふ、知りたいのかい?
僕、必死な子は虐めたくなっちゃうよ?
[ちろりと口元から這い出る紅い舌で自己の唇を舐め取る男。その目は楽しそう。]
[楽しそうな相手を見上げる。その眼は強かに見つめる。
確実に、何かを知っているのはわかった。ただ、相手は素直に教えてはくれないだろう。
相手の服を軽く握っては問い掛ける。
この際、虐めたくなるというなんとなく怪しく感じる発言は置いておくことにして。
「僕は君のこと≪は≫詳しく知らないんだ。」
その言葉に気づく。自分の周りのことは知っているのではないかと。]
知りたい。知りたいよ。
……ねぇ、カークさん。僕の、周りの人との関係は分かるの?
ねぇ、カークさんは一体何者ーー
[言葉が切れる。何かが脳裏に映る。そして、冷たい笑みに感じる既視感。
僕は、この人をきっと知っている。この人もきっと僕を知っている。
…何か、嫌な予感がする。なんとなくそう感じれば頭痛がした。]
あははっ!そこ突っつかれるとなぁ…
これは答えない訳にはいかないかなぁ?
[強かな瞳を見つめ返す。あまりにも必死だから思わず君の額へとデコピンを軽くしてみようとしたがどうだろう。
自己の服を握り締められ、此方に頼る様には戸惑いを一瞬だけ見せたのだけども。男はその様に喉の奥から笑い声を漏らしたのだった。]
知ってる。知ってるって言っても僅か。
仕事柄調べたから…に、過ぎないけどさァ?
[一体何者か、その言葉は途中切れる。きっとその先…それを越えた時、彼は全て思い出すのではないか?
男はそう判断してまた笑み。]
…大丈夫かい?無理矢理教えても良いけど、これは本音。幸せでいたいなら知らない方が幸いさ。
それでも知りたかったら言ってね?その前に君の上着を買ってあげたいのは、本音だから。
[額を軽く弾かれたのなら、そこを思わず抑えるだろう。
仕事柄調べた、その言葉を聞けばそこから考えてみて。しかし謎は深まる。
確か医者と言われていたことを思い出したのだ。医者が調べるということは自分は何かの病気なのだろうか。いや、どこも苦しくないからそんなことはない、との考えに至れば、またしてもわからなくなった。
心配の言葉に黙って頷けば、忠告を聞いて。
相手の言葉はなんとなく、まだ言わないと、そういった響きにも聞こえた気がした。…これは、シェイの単なる勘違いかもしれないが。
暫し考えれば、結論を出す。]
………わかった。
とりあえず、服、欲しい…かな。
[最後の言葉は小さく遠慮気味な声。]
疑ってごめんなさい、こういうの性に合わないんでぶっちゃけますね
もしこの子に何かあれば、貴方が第一容疑者です
掻き回されても困るよ、フィオン?
[何処か恐る恐る言う言葉は強がっていた。
シェイにはバレない小さな声で、男は語る。]
掻きまわすって、何をです?
[そう思って、にこっと笑って見せる。
直感が、彼はただの人が良い医者ではない、と告げている。けれど、それはただの勘]
(まあ、確かにそんなに悪い人には見えないんだけどね…でも)
[出会ったときに一瞬こわばる頬の表情筋や
こちらと立ち話をするときの足への重心のかけ方
何事もなく会話を終えて立ち去る時、口元によぎる微かな嗤い
そんなわずかなものが、彼に後ろ暗いところがあることを示唆していた。
その考えを隠せるほど賢くは無いが、それが失礼極まりないものであることを知らぬほど馬鹿でもない]
(ごめんよ先生…けど、本当に、貴方が…なら、もう、この村で“その”仕事はさせない)
(でも、本当にそうなのかなあああああ!?)
[なんて不安は消えぬまま]
ははは…
[なんのことやら。そう言葉で訴える。笑って誤魔化すのは良くあること。それがまさか人当たりが良い人として見られる原因だとは知らず。]
いや、何でもないよ。
[立ち振る舞いが見抜かれ、本性があと少しで解き明かされそうになっているだなんて。男はそれを知らないが、知ったとしてさてどうするか。
昔からこの女、勘だけはかなりのモノなのなのだ。本当…こんな平和呆けしてそうな村で仕事が出来ないなんて。]
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