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生きる事を選ぶか。
自身が研究対象になる事は…生半可な苦痛ではないだろう。
…力になれる様、働きかけるつもりだが、覚悟はしておいてほしい。
[フレデリカが >>45それでも生きる道を選んでくれた事に、どこか安堵する。自分勝手な話だ。
だが、深く考えるまでもない。
当局で彼女がどの様な扱いをされるのか、容易に想像が出来てしまう。だから…決してそれが最善の選択だとはとても言えなかった。
ダーフィトについても同じだ。>>69
だが彼は見つけたい人がいるという。強い気持ちがあれば生きる事も救いが出来るのか。そう信じたい。信じるしかなかった。]
[暫く後、やや土で薄汚れた格好で宿泊所に戻ってくるが手にスコップはない。
掘った穴を「埋める」時のために、その場所に置いたままだ。
何度目かに立ち入る『潮風』の部屋。
眠り姫のようにベッドに横たわったままの彼女が起き上がるはずはないとわかってはいても、
扉を開ける時にどうしてもそう、淡い期待を抱いてしまう。
もちろんそんな奇跡は物語ではないから起こらない。]
…失礼します。少しの間、我慢してくださいね。
[彼女の鞄に日記を入れて肩にかけてから、その体を抱き上げると思った以上に軽かった。]
誰かに手伝ってもらう必要がなくて、助かりました。
[なんて冗談混じりに言いながら抱き上げた彼女の脚にはあの傷跡があって。]
俺はこれを醜いって思わないですけど、誰かに見られるのが嫌だとしたらちょうどよかったですかね。
[そのまま階下へ降りれば彼女の永遠の寝床を目指して歩き出す。]
[念入りに手を洗い、食堂でクッキー缶を開く。
中にはガラスの瓶が4つとポラロイド写真が何枚か。
瓶にはそれぞれ未来の自分か、仲間の誰かに宛てた手紙が入っていた。
kirkとマジックで書かれたそれを取り出し、開く。]
…ローズマリーさん、俺はずっと、貴女に隠し事をしていました。
[それは、当局から来た人間であること。]
貴女には話してもいいかななんて、思ったりもしましたが…
それを知った貴女が俺を憎んだらと思うと、怖くて。
何食わぬ顔で安全な場所から皆が死ぬのを見ていたと知ったら、きっと俺を軽蔑するでしょう?
憎まれるのも、蔑まれるのも慣れてます。
だけど、貴女にだけは…貴女の前でだけは、普通の男のふりがしたかった。
・・・本当に、身勝手ですね。俺は。
俺はここから離れなければなりません。
生きるために。
もう、貴女に会いには来れないかもしれない。
戻ってからの生活もまた、人でなしの、当局に使われるだけの犬みたいな生活でしょう。
生かしておいてもらえるならば、ですが。
だから、貴女にはひとつ、預け物をしたいんです。
涅槃で会えるまで、預かっておいてもらえませんか?
俺の、人としての心。一人の、ただの男としての。
[そう言って彼女の髪を撫でてから、もう一つ、彼女に言えなかった言葉を、自分の気持ちを預けるために呟いた。
穴の中には彼女の身体、日記帳、不恰好なサインの入ったオカルト雑誌、それから自分のジャケットを入れる。
土をかぶせたお墓の上にビール瓶をひとつ、名前も知らない花を挿して。
何も知らない人がこのラベルに書かれた名前を見たら、ここをオズワルドという名の人間の墓と思うかもしれない。
でもきっと、それも間違ってはいないなと、男は思った。*]
おれがこのてがみをよむころには
きっとおおがねもちのいけめんになってるから
このしまをかいとって、カーク島となずづけよう
アイたちもよんで、みんなでなかよくくらすんだ
ナイトの分まで生きてやるから心配すんな。
やっと会えたから、もう少しくらいは一緒にいたかったけどな。
[呟いた言葉に返し、彼の肩を寄せようと腕を伸ばす。
今度は再会ではなく、別れを告げる為のハグ。
一抹の哀しさが過ったが、縛られるを好まない悪友の、
残り少ない寿命を自由に過ごす望みは理解できて。
自由に過ごす最期の時を笑顔でおくってやりたいと、心からそう望んだ。]
あっほらし
[いかにも幼稚で莫迦な手紙。
続いてもうひとつ。あいつの名前が書かれた瓶を取り出す。
故人の秘密を暴くのは気が引けたが、他に見る者もいないし。
何より、知りたい気持ちには抗えず。]
――…、まじか……
[震える指で開いた先にあったのは、己にあてた恋文だった。
ひとつひとつ文字を辿っていくうちに、視界が緩み。
ぽたりと、古びた紙の上に雫が落ちてインクを滲ませる。]
そっか……おれたち、両想いだったんだ
[拙すぎて瓶に詰めることすらできなかった初恋。
知るには遅すぎた、想いの先に。
胸の裡でありがとうと告げると、またひとつ涙が落ちた。]
[残りの二つと、缶をひとつ携え【琴平】をノックしたのはいつだったか。]
これ。見つけてきたぞ
中は読んでない
[ダーフィトと、彼の妹が詰めた瓶とポラロイド写真。
受け取ってくれ、と差し出し。
しばらくそのまま、床を見つめること2(5x1)分。]
[妹が残したメッセージの中身を当時の私は知らない。>>89
タイムカプセルを埋める時、中身を尋ねると頬を膨らませ外方を向かれた。
瓶詰めのメッセージは時を越えて届く。]
「いっぱいいじわるするけど、カーくんのことだいすきです。
あけるころは、カーくんのおよめさんになってるよね。」
[残したポラロイドの1枚に、カークと妹の2人を撮ったショットがある。
私は妹の恋心を知らなかったが、その1枚は最も上手く取れた一つだった。
夏で満ちた展望台に、妹と未熟な騎士が並んで座り、笑い合っている。
数十年経っても色褪せない記録が額の中で輝いていた。]
おいおいもっと嬉しそうな顔しろよ
[ダーフィトの手に握られた瓶の中に、もうひとつ淡い恋心が詰まっているなんてことは20年前も今も察することはできなかったが、彼が撮った写真の中のふたりは、ちいさな恋人同士のようにも見えるくらい、被写体のこころを写していて客観的に見てもいい一枚だった。
話し声とその内容に、隠れていたのか出遅れたのか、柔らかそうな金糸の女性の姿が見えれば、ばつの悪さも忘れて頬を緩ませ。]
ゴール以外のもの、見つかって良かったな
[にやりと笑って、悪友の肘を小突いたか。]
[突然の心境の変化に対する反応は様々で、そのどれにもへらりと笑みを返し。理由を聞かれれば、大富豪になる夢を思い出したから、なんて恍けたことを告げるだろう。
今日か、明日か。いつとも知れぬその時を
ただぼんやりと過ごすなんて性に合っていない。
余命いくばく、かつ既に感染しているかもしれないこの身体が当局でどんな仕打ちを受けるか解らないが、不思議とこの島に来てからすこぶる体調が良くて、何故かまったく死ぬ気がしない。
あるかどうかわからない天国で、ゾフィヤが呆れている気がしたが、きっと気のせいだろう。
それぞれの遺体を埋葬し終え、迎えを待つ間。
展望台でひとり、最後の一服を楽しむ。
短い期間に、色んな人との出会いと辛い別れがあった。
いいことも、嫌な事もたくさんあったが後悔はしていない。
海の絶える島、思い出を湛えた島。
想いを断たれた島は今、
――想いを遂げた島に変わった]**
[当局への連絡を入れ、やがて迎えの船が来る。
それぞれの思い、決意を乗せて船は本土へ向けて出発するだろう。
これから先がこちらの思惑通りにすべてうまくいくとは限らないが、それでも。
生きると決断した彼らや、任務を越えて自らの正義を貫きたいとした相棒のために生きようと思う。
そしていつか、また彼女に会うときに恥ずかしくないような自分でありたいと、そう思う。
船の上から眺めるは、次第に小さくなっていく絶海島。
それは、離れるほどに愛おしく、来る前に感じた蟲惑的な魅力を湛えてこちらを見送っているように見えた。
またいつでも、会いにきてとでも言うように。
彼の地に呼ばれたのが運命ならばその意味は、きっと―――。*]
[食堂での話の後。
少し一人になりたくて、「八重」の部屋で泣きはらした。
これで何年分もの涙を流したから、きっともう暫くは泣かずに済む。
少し目は厚ぼったくなってしまったけれど、
嗚咽がおさまった頃、目元を拭って。
漸く自分の足で立ち上がった。
部屋を出れば、正面――ダーフィトさんの部屋――の前にカークの姿があって、なんとなくそちらへ足を向ける。
そこで丁度聞こえた言葉>>91に、ぱちくり。
瞳に薄ら溜まっていた雫が頬を伝ったけれど、
もうそこに先程までの悔恨の色は無かった。]
え? え、え?
[最初は混乱が占めていた脳内も、状況を理解すればじわじわといろんなものが込み上げてきて]
[迎えに来たという当局の者は私と一切目を合わせなかった。無理もない。そのつもりがあったかなかったかは知らぬ。だが結果的に私は彼らの間抜けな犬だったのだから。
本来、約束事は不安定な物だと自覚していた。
また逆に、形ある未来を確約される事に興味もない。
だが、今はひどく安心をしていた。
オズワルドならば託すことが出来る。
確かに私は愚かだが、不思議と穏やかな気持ちですらいた。]
軍人として会えてよかった。
[島で出会った一人一人の顔を思い浮かべる。私がまだほんの僅かにでも軍人として生きた、その瞬間に出会えたことを感謝したい。そして残る三人を最後まで守ることをそっと心の中で誓うだろう。
散々島を探したが、中尉殿は結局最後まで見つからなかった。なぜだろう、彼ともまたどこかで会える気もしていた。たくさん話したい事も謝りたい事もがあるのだ。]
生きてみせるさ。
[どこまで続くかは解らない。
だが、OOとした約束は、残された希望として、私は明日も生きるーーー]**
は? ナイト、いや、なんでお前?
[届けられた瓶と写真を腕に抱え、
混乱を来して文章にならない文字列を、開け閉めを繰り返す口から出して。
理由を聞けば大富豪の夢と突拍子もない答えにまた面食らった。>>95
本当に、昔からずっとしてやられてばかりだ。
呆れるほど自分に素直な悪友の、その面はむしろ好ましいものであったが。
この時ばかりは、頭に向かって思い切りよく手刀を落とした。
扉向こうに見えたフレデリカの姿に悪友が企む笑みを見せて、>>94>>97
嫌な予感が当然外れるはずもなく。
彼女を目の前にして落とされた爆弾発言で、頬に熱が上るのを感じた。]
良かったなじゃねーよ。
[小突かれた返しに、踵を悪友の足に落とした。
そしてゆっくりと真っ赤な彼女の方へと数歩近づいて。]
だ、そうだ。ナイトも一緒だからもう泣く必要もないんだと。
[肩をすくめ戯けて言うと手を伸ばし。]
この先、辛いことも多いかもしれないけど、
こうして乗り越えられると思ってる。
だから、保護なんて犠牲にならずに一緒に生きてくれないか。
[大事な人への思いを見つけた。それが言葉になるうちに告げて。]
[覆われた顔が上げられて、ああ、綺麗だと改めて思った。
涙で腫れた瞼や頬に残る涙の跡が、彼女の優しさを現しているようで。
彼女の健気さに、いじらしさに胸が熱くなる。
頬に手を寄せ、雫の跡を拭おうとしたのはただそのために。]
—希望—
[小さく去り行く絶壁に向かって、私はシャッターを切った。
前ポケットに収まる半カートンの赤い箱が、風に煽られ音をたてている。
もう、ここを訪れることもないのだろう。
私は溜息を吐いて欄干に固定した腕を引きはがし、海に黙祷を捧げた。
船舶は向かう風を物ともせず、光る波を分けて進む。
目的地は先の見えない暗礁「当局の実験施設」
私達が生きて行ける可能性のある 不自由な新天地。
亡くなった人に、生きている人に思いを馳せ。
一眼レフのデジタルな背面に目を落とした。
海猫の飛び交う姿が戻った島の写真は、
切り立つ崖の茶と緑のコントラストで鮮やかに浮かび上がっていた。--fin--]
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