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まぁ、それもいいか。
[縛られるものがある生活でもアテのある旅でもない。急いで決める事もないこと。]
…腹が減った。
何か食えるところないか?
あぁ、そうだ。
[思い出したように言ったのは、どの場面でだったか。
街を歩いている最中か、食事をしながらか。]
短剣の鞘が欲しいんだ。
腕の良い職人がいたら教えてくれないか。**
[夢を見ていた。
暗闇以外何もない空間に、黒いドレス姿で立っている私。
背後に気配を感じて振り返ると、そこには黒いワンピースを着た私が居た。
目の前の私は何も言わないし、私も何も言わない。
お互い立ち止まったまま互いを見るだけ。
そんな無言の空間で、私達は同時に口を開いた。]
『さようなら、アナベル』
『さようなら、ゾフィヤ』
[背を向けて立ち去る私の背後で、砂が崩れる音がした。]
[夢の世界から戻ると、揺られる感覚。
意識が覚醒して周りが分かるようになると、ソファに寝かされて居たことに気付き、起き上がって座る姿勢になった。]**
もう朝だもんなあ
俺は眠いけど
[パン屋はこれから仕込みなんだろうか]
……シルキーってどんなものが好き?血って美味いのかい
[人はともかく街はボロボロのままだ。
朝食を優雅に、ってのは難しいかもしれない]
俺の家なら、新しい卵とスープとチーズがあるよ
[おっさんの粗食だけど。
ああ、それに朝からいい酒を飲もうって約束だった。
メルヒオルはどこにいるだろう]
[どの場面か、きっとそういうのは些細なことだ。
並んで歩いたり、向かい合って食事をしたり。
外から見たら親子みたいなんだろうなんて、気にもしなかった。もともと動じないタイプだし]
ん、鞘?
短剣なら革のシースか。職人はいるとも
──それか、木鞘でもいいなら俺が承けるよ、その仕事
[モノがあるなら見せてみて、とか。
少し眠そうな声で**]
― 翌夜・タルボシュ郊外にて ―
[双子が目覚めたのは、藍色の空に星が輝き始めた宵であった。
戦装束から旅装に替えて身支度を調え、まずは渇きを満たさんと地上に出る。
死にかけた街が生き返って、住民が戻っていたのは多少驚いたが、大貴族の強大な魔力をもってすれば不思議なことではないとすぐに納得した。
壊れた家の辺りをうろうろしていた男たち(双子は知らなかったが彼らは謂わば火事場泥棒の類だった)から手っ取り早く血を奪い、双子は街を出た。
人気のないところまで出ると、たっぷりと補給した血の力を使い、
急げば今夜のうちに絢爛公の居城に着くだろう。
夜も更けて月星よりは明かりのない山道を、双子は疾駆した。 ]
― 絢爛公の居城 ―
オトヴァルトの子、アデルムンド、推参仕りましてござりまする。
今宵はタルボシュの次第につきましてご報告いたしたく、参上いたしました。
[旅装を解くより報告を優先した双子は、仕える貴き御方の前に深く膝を折って挨拶した。*]
― 街中 ―
[部下二人を連れて、城までの道を引き返す。
街中に破壊の痕跡は残れども、人々の顔に怯えはない。
絢爛卿の施した術によって街の大部分の人間は記憶を持ち越さず、彼らは普段通りの一日を始めようとしていた。
途中でマチスとレオンハルトと合流する事が出来、部下全員の安否を確認する。
道中で死亡者がいない事も確認済み。
まるで化かされたような気分だが、黒髪の隠す首筋にはうっすらと噛み跡が残っていた。
彼等もまた、どうして自分が早朝から街中に居るのかを覚えていない様子だった。
幸いにも今日は非番だ。
この後はどうするか、と問われて]
まずは宿舎に戻る。
取りに行かなければいけないものがあるし。
[淡く笑みを浮かべて応えれば、興味を引かれたらしいレオンハルトが問うてくる。]
……葡萄酒だ。
渡す約束をしたのでな。
[彼は覚えているだろうか、昨晩の事を。*]
― 翌夜 ―
[来客のあるを聞き、謁見室へと案内させる。
大仰なことを望まず、応接室と呼ぶに相応しい小さな部屋で双子を迎えた。]
良く来てくれましたね。
タルボシュ城制圧の際の働きは、さすがでした。
報告を受けましょう。聞かせてください。
[端的に賞賛した後、続きを促す。*]
― 宴の後 ―
[タルボシュ地方の北方隣、フェルクドラク。
点在する巨大な岩山の間を深い濃緑の針葉樹が埋める森に吸血鬼の住処があった。
そこは希少な陶石の産地であり、芸術の揺籃であり、魔女が統べる錬金術師の工房]
あら…あら
お休みだと言ったのに、皆仕事をしていたのかしら
[鴉羽色の馬が運ぶ馬車がファサードに滑り、吸血鬼が降り立てば。
侍従にして弟子の人間が迎えに出る。
彼女はふわりと微笑して、指先で鴉の頬を撫でた]
― 城内→城下町 ―
おはよう。
[城に近付けば、同僚達と顔を合わせる。
今日の警邏の当番に引継ぎをして、宿舎の中に入った。
宿舎内にも幾らか破壊の跡があったが、
それでも部屋に保管していた瓶は割れずに済んだらしい。
上物の葡萄酒を一本手に取ると、商店街へ引き返す。
大工の家を目指してみるが、彼は何処にいただろうか。
少女と一緒に居るようならば、ワインの瓶を渡すだけに留める心算。*]
なあに、連れの一人もいないのかって?
良いではないの。宴は一夜の夢だわ
[唇を尖らせる仕草は愉しそうに]
絢爛公にお礼状を出そうね。一番上等な紙と、例の赤金のインクを用意して
[機嫌がいい、と弟子に指摘されてくるりと喉を鳴らした]
ええ、そうなの。佳いことを思い出せたものだから
それに皆とても可哀想だったし美味しかった
でも──デザートがまだなのだよ
とびきり甘いのがいいわ
[バサリ、羽音を残して、魔女の姿は芸術の揺籃へ消えた**]
[双子はダンピールの娘との遭遇から、大聖堂の虐殺、若き騎士との決闘まで、包み隠さず絢爛公に語った。
仕える御方に誉れを戴けるよう、取るに足らぬと不興を買わぬよう、精一杯虚勢を張る様は、公にはどう見えただろうか。
鏡写しのふたつの顔、響きも全く同じ声が代わる代わる語る話は視点が交錯し、まるでその場にいたのはふたりでなくひとりであったかのように聞こえる。]
あの騎士は、見どころがありました。
かの者が研鑽を積み、円熟の境に達した時に、また立ち合いたいものです。
[双子は、最後にそう言って締めくくった。*]
シェットラント・アラディーンが、
その身を賭して守り抜いた子だ。
よろしく頼むよ。
[フードの下で紅い髪が揺れ、
同じくらい紅い唇が弧を描く。
次の瞬間には、音を立てて人の形が崩れ、
残された灰の山も風が攫っていった。*]
覚えてるクチかい?
[声を潜めるようにして聞いた。
だいたい教会前で一通り話してわかったんだが、
生き残れなかったり、狂っちゃってた人たちはこの夜のことを何も覚えてないようだった。
それと……あの見習いシスターのことは、最初からそんな子知らないと皆、口を揃えた。僅かな生き残りの人たち以外は、誰も]
じゃあ、あの双子とやりあって生きてたんだな
……いやいや、たいしたもんだ
[眠たい目でメルヒオルを見て、はは、と笑った。
くしゃくしゃに頭を撫でてやるかわりに抱きついた。左腕は手当されてるけど痛いまんまだ]
皆のために戦ってくれてありがとうなあ
[よーし飲もうぜ!割れてないジョッキをもってくるから!*]
[双子が語る宴の様相に耳を傾け、微笑んで頷く。>>244
当事者の眼差しから描かれる街や人間らの様子は趣深い。
目を閉ざして声だけを聞けば、代わる代わるに語られる情景は、より臨場感をもたらすスパイスとなる。
彼らの実力を思えば誇張ではなかろうと知れるし、立ち回りを語る段は耳に心地よかった。]
貴方がたにそうまで言わせるのならば、
その騎士は相当の素質を持っているのでしょうね。
もし貴方が望むのなら、
その騎士を狩る権利を渡しておきましょう。
[特定の人間を狩る権利を持つことはすなわち、
他の吸血鬼に手出しを許さないことにも繋がる。
いずれあるかも知れない再戦を、楽しみにしておこう。]
今回の褒賞は後ほどお送りします。
それとは別に、これを。
[手渡したのは、一組の小ぶりなナイフだった。
組み合わせることで、鋏のように使うこともできる。
施された装飾は、それが観賞用に作られたことを示すが、十分実用に耐える作りでもあった。]
城で見つけたものです。
貴方がたが持つのに相応しいものでしょう。
取っておいてください。
[城でこれを見つけた時、思い浮かんだのが彼らの顔だった。
ふたつでひとつの彼らがいつか分かれることがあればどうなるか。
そんな興味をも抱いていることは、無論、内心に深く納めている。*]
― 城下 ―
いかにも、そうだが。
[>>245宿舎へと戻る途中、陽の上り始めた時間にあっても未だ影の色濃い場所で声をかけられる。
そこは監視の目も薄い場所だった。
インクよりも濃い黒色の外套に全身を包んだ人物は背丈と声より男性だと分かるばかり。
誰何しようとする部下を手で押さえて、青年は彼に応じる。
迷子か、或いは攫われようとしていた少女か。
黒い布より垣間見えるのは、主人の娘の髪色に似ていて。]
……分かった。
[昨夜に数人の吸血鬼と出会ったばかり、彼等に似た雰囲気…人ならざる者であるように感じた。
今は陽の差す時間。
やや緊張した面持ちで肯くと、黒布に包まれた少女の身柄を引き取った。]
[黒い布をそっと払い、眠る少女の顔を見る。
近くで見る事はないが、まさしく主の愛娘だった。]
ローレル様をお連れするぞ。
[宿舎に戻る前、
行方が知れずに城内で騒ぎになっていた渦中に
彼女を送り届けるという大役を務める事になった。
事情を聴かれても、託されたのだ、としか言いようがなかったが。*]
― あれから ―
[殉教者ナネッテの帰天の儀式は、空の棺で恙無く行われた。彼女の亡骸は見つからなかったが、魔に対峙して死体も残らず死亡するものも存在するため、それを口実として予定通り行われる。元より亡骸が見つかれば中身を取り替えるだけだ、教会としては儀式を行うことが重要なのだから]
(……もっとも、それが実を結んだかは疑問ですけど)
[枢機卿が反吸血鬼の演説を行うことも予定通りだ。ただ、民衆はサクラこそ大げさに騒いでいるが、他の大多数の反応は芳しくない。この度のタルボシュの騒動は、教会の支配力に大きな傷をつけていた]
(さあて、わたくしも戻りましょう)
[黒い外套に身をすっぽりと隠してその様子を見ていたが、この反応を見れば十分だ。主様の言葉を賜らなければならない。未だ演説を続ける枢機卿に背を向けて、場を立ち去る]
[拠点で待つ主へ跪くと、教会の様子を伝える。主様の作戦通り、民衆の反発は高まっていた。後はこの機を逃さず、教会への復讐を果たすのみ]
主様。手筈は整いましてございます。
今こそ、わたくしめに出撃のご命令を!
[顔をあげ、主様の言葉を待つ。今このときより始まるのだ――わたくし達の時代が**]
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