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[ツィーアの指摘に、くくと笑いを零す。]
人間は面白いな。
弱いくせに、たまに抗おうとする奴がいる。
そういうのが一匹いると、他の連中まで強気になる。
見ていて飽きない連中だ。
[亜人どもではこうはいかない。
まさに、抗ってくるのを屈服させるのが面白い、だ。]
[視界の端で、ナールが止まる塔が撓む。
翼を広げてバランスを取り、尖塔の先に首の後ろを擦り付けているのも見えた。
ナールもまた、己が見つけ、屈服させ、手懐けたものだ。
一度こちらを主と認めてからは、忠実な乗騎として働いている。
生を吸い、死をまき散らす。あれもお気に入りのひとつだ。]
……っ!
[ちり、と焼け付く感触が伝わる。
直後に感じたのは、息苦しさと重苦しさ]
や……だっ……。
たす……け…………おにぃ……。
[途切れがちの言葉は、木々のざわめきに飲まれて。
無意識、助けを求めた先の事も何もかも──それきり、淡い霞の向こうに閉ざされた]
[力による支配に崩れ落ちた後、再び目を覚ましてから。
娘は、これまでとは全く異なる在り方に疑問を抱く事もなく、当たり前のように、下される命を果たす日々を過ごすようになる。
半魔という点で、純粋な魔族にはどうしても劣る。
それでも、父から継いだ異界の魔戦士の血と、それによって生み出されし魔鎌はそれを十分に補っていた。
銀月の牙を振るい、赤紅翻して駆ける姿はいつか、人のみならず魔族にも恐れられるようになっていたけれど。
それを気にする機微もまた、霞の奥に捕らわれたまま──今に、至る。*]
― ** ―
[屍術、という。
忌まわしきその術の、出所を知る者はいるだろうか。
契機は5年前、魔王がクレステッドという希代のヒトガタを作り上げたことだ。5年前、魔王の命のままに僕たるアイリを、レオヴィルの皇太子を捕えるため差し向けた。
そのままアイリの如くに操るのかと思いきや、魔王カナン・ディ=ラーグは、魔将すらも思いもよらぬ方法で、見事な人形を作り上げた。
称賛の思いがある。
なればこそ、我が王よ。との思いもある。
それでも悔しさをも覚えるのは、シメオンが、殊の外そうした分野に秀でた者との自負を強く持っていたが為だろう。
何か、別の方法で別のものを。
常の如くに人界をまわり、見出したのがこの術だった。]
[その文書を見つけたのは、ミュスカの森の奥深く。
古くは修道院としての体裁を保っていたかと思われる建造物は既に遺跡と化していて、古びた石には微かにモンテリー王家の紋が読み取れるのみ、緑なす木々の合間にひっそりと蹲ってあるようだった。
そこにシメオンが訪れたのは、ただ気紛れによる偶然だった。
木々の合間に見えた遺跡に、或いは何か目新しい知識はないものかと、さほど期待もせずに立ち寄った。
そこで見出した文書は、古い、蘇生にまつわる試みだった。
元々は、ただ大切な者を死の淵から救わんとする試みであったのだろう。ひょっとすれば著者には、救いたい愛する者があったのやもしれぬ。
どうやら成功せず、日の目を見ることもなかったらしきその研究に、魔は好奇心を動かされた。シメオンが屍術の研究に熱心になりだしたのは、その後のことである。]
[余談だが、ミュスカの遺跡にその後立ち寄ったことはない。
既に用は済んだ。得るべきものは得た。
破壊衝動に支配されているわけでもなかったから、遺跡に手を付ける無駄もおかしていない。ただ少しばかり古びた文書が失われてあるだけだ。
その遺跡が真に守るもの。
それに、魔が気づくことはなかった。]
[ともあれ件の遺跡で見出した、元は人の子の考えた不完全なる術、祈りの術を、魔は昏い屍を僕とする術へと熱心に作り替えた。
人や魔や、幾らでも手に入る死体を使い───時には新たに作り出し、幾度か試して死体を「起き上がらせる」ことには成功した。
たが、彼らには知性というものが欠けていた。
ただ創造主の命のまま、他の生きとし生ける者へと向かう存在。
悪くなかったが、求めているのはこのようなものでなかった。
そうではない。魔王が見せた術は、こんな下等なものじゃない。]
[鮮度が重要かと、敢えて死にたてを用意するなどもした。
知性が失われている、記憶が失われているということは魂が失われているのだろう。そう考え、魔石を使って魂の定着を試みる試みることもした。
すると魂は少しの間留められたが、魔力に耐えかねた生身が今度は失われた。肉の身体を失った魂は正気を失い、青褪めた幽鬼となった。……これも違う。]
[ただ幾度かの失敗を経るうちに、気付いたこともある。
どうやら意志を強く持っているもの、何かの思いを強く持つもの、そうした者の魂は少し”持ち”が良いようだった。
それを魔は、品質が良い。と評価した。
モンテリー王の屍を魔王に願ったのは、モンテリー王の最後の願い>>0:157を耳にしたためである。自らの死と引き換えに、他の生を願う思い。その強さ。
伝え聞く、レオヴィル皇子の死にざま>>126にも重なるようだった。
なればこそ、王とその家族の屍をと魔王に願った。
結局手に入れられたのは、かの魔兵器に喰らわれた後の「抜け殻」であったから、王も王族も知性なきアンデッドと化しただけで終わった。]
これは…いいな。まるごとか、そうしよう。
ふ、それでお前たちは何を企んでいる。
褒美が欲しいならくれてやろう。
お前たちにしては、悪くない土産だ。
[機嫌よく双子に言いかければ、さて何と返ったか。
双子には気前良く褒美を弾んで、魔は女を手に入れた。女は既に絶望を悟っていただろう、なのに凛とした覚悟を決めた良い顔だった。]
『…あのね。ワタシたちも役に立ちたいの』
だから、何かできることがあれば言ってよ。
『ヨセフのためにがんばるわ』
ロヴィンのためにもね。
[長耳をぱたぱた揺らし、上目遣いに熱意を向ける。
…もっと情報を得るためには、護られる側だけじゃあ、ダメだから。
そうして双子は――次のお仕事に向かうヨセフを見送った*]
『どうか……お願いがございます。』
なんだ、言ってみろ。
[女の願いに、魔は寛大な態度で応じた。
女も、この場で願いを述べるむなしさを承知していただろう。だが、それでも。抵抗も能わず、逃げることも叶わぬ中で女は儚い願いを述べた。]
『私の命は差し上げます。どうなっても構いません。』
『けれど子どもたちを──…息子たちを、どうか……』
『どうかお助け下さいませ。お願いでございます。』
己の命を差し出しても、か。
ふ……どうなっても構わんのだな?
[非力な獲物を甚振るように魔が笑えば、女は身体を震わせて、それでもこくりと頷いた。]
『子どもらを、お助け頂けるなら──…』
………ふん。
[下らんことだとは思う。無意味だろうとの感想すら抱く。
だが、その願いには興味をひかれた。
かのモンテリー王の言葉にも似た、他者を案じる心に興味が動いた。
魔の口元が、にやりと弧を描く。]
良かろう。我はお前の子どもらに手出しせぬ。
[断言すると、目に見えて女の顔が、ほ。と緩んだ。
けれどそれも束の間、続く言葉で再び絶望へと突き落とす。]
…だが。
残念ながら、子どもらはここにはおらぬ。
つい先ほど魔王様に献上されてな。
[女の顔が恐怖に歪む。
それを、ごく面白いもののように魔の瞳が覗き込んだ。]
く、くく。
無事に戻れば、我は約定通りに手出しはせんよ。
その目で確かめてみるがいい。
無論それを、お前が見ることが叶えば。な───…
[ざくり。と、何の前触れもなく女の腹に刃が突き立てられる。
女の瞳は、絶望の色を浮かべたまま宙に凍り付いた。
首を裂くのは良くない。どうにも見た目が宜しくない。
死体の首から上が、歩く都度かくかくする。
だから傷つけるのは胸よりも下がいい。
そうして確実に死を、さりとて素早すぎぬ程の緩やかな死を。]
………見たくば足掻くが良い。
強く生を願ってみせるがいい……
[耳に囁きを吹き入れる。
事切れる前に女の唇が動いて、子と、もう一つの名を呼んだ。
……ヨセフ様。と呼んだのは、かのモンテリーの王族の名か。
悪くない。魔は再び小さな笑みを浮かべた。]
[早足に通り抜けながらも、使えるものを頭に入れてゆく。
と、ロー・シェンは今ひとりの将官と合流した。
モンテリーの王弟。親しいはずもないが、存じ上げてはいる。
再会の間隔からすれば、ロー・シェンとよりもっと近くすらあるのだ。
彼が浮かべた表情を見て、把握されたと察した。
避ける色はみせず、会釈だけしておく。]
聞け 闇に彷徨い出し魂よ
我は汝を 死の楔より解き放つ者なり
我は汝に 永劫なる生を与える者なり
我は汝をとらえ 再び放つ者
暗黒の神の加護を 希う者なり
我は我が生の力をもって
永劫の安寧と苦痛を 汝に授けん
………応じよ。我が屍なる僕よ。
[ ヨセフの答えに、そうですか、と、頷く ]
話によれば、アレは、殲滅兵器...前に在るもの全てを消滅させるものだと聞きました。
ならば、使う時は前に出て来る筈だ。
大軍団を用意しておいて、それを諸共に消滅させる程、魔王も暇ではない...と信じたいとこですが。
[ 相手が人間ならば、それはほぼ確実視していい話。けれど、相手は魔王だ。正直何を考えているかは、判らないから、言葉尻は曖昧になった ]
攻城兵器については一時置こう。
今は手強いと連絡を受けている軍団をどう相手取るか、だ。
硬さと膂力を持つ闇ドワーフと、機動力のあるオークのウルフライダー。
巨大蜘蛛を操るゴブリンもいる。
どれも一筋縄ではいかない。
策を弄するにも、砦へ退避するにも抑える部隊は必要だ。
前線部隊だけでは持つまい。
私が出よう。
[昼の時のように前へ出ることを進言する*]
[ 話しながら、ヨセフの視線がディークを捉え、表情が変わるのを見る。対するディークは相も変わらず会釈などして涼しい顔だ ]
あ...ああ、ディーク。剣を預かってくれてたんだったな、すまん。
[ やっぱり説明は難しいなと思いながら、彼の持って来ていた剣に気付いて、礼を告げ、受け取ろうとする。
わざと親しげな口調を使ったのは、多分ディークには気付かれただろう ]
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