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― マーチェス平原 ―
[辺境伯が討たれた折――…
あるものは友へとすぐさま連絡を送り、
あるものは平静を保っていた中で。
いちばん騒がしかったのは、おそらくこの男であっただろう]
[互いの兵が交戦しあう喧騒の最中。
あたかも運命の糸が引き合うように、二頭の馬が交錯した>>122。
堕ちたのは片方。
それは己が主と仰ぐ―――]
アルブレヒトさまぁああああああ!!!!?
[絶叫に似た悲鳴が喉を駆け上がり、意味を生まない響きを残す。
…ひと目で即死というのは分かった。
それでも、主君の亡骸を戦場に捨て置くことは出来なかった。
したくなかった。]
っ、
[我ながら馬鹿だと思う。
だが身体は損得を考える前に動いて、獲物を持たぬ方の腕が、地に伏す辺境伯へと伸びた。
必死だった。
無防備に晒してしまった背を、此処で攻撃されていたならば。
間違いなく彼はこの後紡がれる歴史を知らずに
無様に土に転がって、長くはない生涯を終えていただろう。
けれど追撃は、なかった>>172]
[辺境伯の遺体を抱えて逃げる、刹那、振り返る。
相手兵の合間に、懐かしい髪の主が…馬を下りる影が見えた。]
――――、ダンクラード… …さま
[親父に付き添って挨拶に行ったのは、もう、遠い過去の話だ。
…、今の主君を弑した相手。
胸に広がるこの感情は、憎しみと呼ぶには――苦すぎた*]
―とある王国/少し前―
[豪華な調度の置かれた一室。
不釣合いな薄暗い灯りが、二つの影を壁に写す。]
…ラモーラルに参ります。
お言葉に背きし不忠を、どうかお許し下さい。
…短い間でしたが、お側にありし日々、満ち足りておりました。
御恩は、言葉に尽くせませぬ…
[頭を垂れる。それは、どんな顔をして良いのかわからなかったから。]
[戦火の報を聞いて以来。
奥底にあった燻りは、いつしか明るい灯火となって心を焦がすようになっていた。]
どうか、いつまでもお健やかであらせられますよう…
[顔を上げ、問いかけるような瞳に目礼すると、部屋をあとにする。
振り返ることなく。]
…また、戦いなのか…戦うことでしか、護れぬ平和なのか…
多くの者がまた、欠片となってこぼれ落ちて行くのに…
[窓から吹き込む風に、壁のランプの炎が揺れる。
見上げた月は、いつかと同じ、少し、欠けていた。]*
―ウエストマール王都/郊外―
[見回すと、斜め後ろ辺りにいる傭兵の一団が、警戒の眼差しで自分を見ている。]
…どこかで会ったかな?
やれやれ、面倒臭い。
[いずれにせよ、自分のような女がこんな稼業をしていれば、
知った者からは疎まれ、知らぬ者からは奇異の目で見られる。
もはや気にもせず、溜息をついた時。]
>>28
…なかなかのご高説だ。声も良い。
で、これが心と実力を伴った言葉なら最高なんだけど…
それは目には見えないんだよな。
[悪党や嘘吐きも、同じ調子で同じようなことを口にする。
そんな場面を散々見てきただけに、つい皮肉が口をついた。]
>>75
[ふと、少し前にいる男の横顔が目に入る。
どこかで見た気もしたが、同じ傭兵ならいちいち気にすることでもない。]
…あは♪すっごい真面目な顔。
傭兵どころか、まるで王に傅く騎士の顔じゃないか。
それにしても…
[あまりにイイ顔だったので、つい、クスリと笑ってしまった。]
>>30
[出発!の声に、順次歩み始める。
可能な限り隊列を乱さない正規兵に対して、傭兵の集団はかなり自由だ。]
…よしよし、ゆっくり行こう。
しかし君、ヨボヨボだね。
[いつ捨てるかわからない稼業ゆえに、愛馬は持たない。
支給された古馬をなでた時、前方に先ほど自分を見ていた傭兵どもが見えた。
耳触りな笑い声がする。]
[軽く脇腹を蹴ると、ベテランの馬は速度をあげ、下卑た笑い声を上げる男どもの脇をするすると抜けて行く。
やがて
突然手綱や馬具の紐が切れ、落馬した男たちの怒声と、周囲の嘲笑が聞こえた。]
また、つまらぬものを斬ってしまった…
まあ、やっぱり人を指差して笑うのは失礼だと思うんだ。うん。
[しれっと歩みを進める馬上で、肩をすくめた。]**
―クリーク砦:現在―
がっはっは!
おいおい、照れてンのかぁ〜?
[>>267 エドルファスの少しつんけんとした態度に、マーティンは再び豪快に笑った。
上機嫌にクマの手でばんばんと、エドルファスの肩を叩こうとしたが。
次は、もしかしたら避けられてしまったかもしれない。
じゃれ合いといえど、マーティンの拳は、やはり痛いものだから。
続く言葉には深く頷き、]
そうだな。
儂らに護れるものなんざ、限られている。
[そう言って大きく腕を広げた。
2メートルもある大男の両腕は、丸太のように太い。
しかし、その大きさにも限りがある。]
でもなァ、大切なものはひとつでも多く守れるように……
努力することは決して無駄じゃねぇよ。
[ぱん、と力強く両手を叩いた。]
[―――全てを護ることは出来ずとも]
[―――この両腕に納まる幸せは、決して零すつもりはない]
[>>268「州都に向かうのか?」という問いに、エドルファスは真っ直ぐ頷いた。]
そうか、宜しくな!
[若くとも、腕が確かなこの青年ならば、ともに戦うことは心強い。
大船に乗った気持ちで付いて来いと云わんばかりに、マーティンはにかっと微笑んだ。]
なぁに、心配すんな!
面倒臭ぇことは、皆、兄者が何とかしてくれるだろ!
[そう言って、殿を護ってくれる老将のことを想った。
自分と違って思慮深く、戦術に長けたチャールズだからこそ、ディーンも安心して任せることが出来るのだろう。
マーティンがいつも何の不安も無く前線で暴れることが出来るのは、ひとえに彼のお陰である。]
儂らはただ、若の言うことを聞いてりゃええ。
若の言うことを信じて、恐れず、戦うまでさ。
[もし不安そうな色をその双眸に映したなら、そんな風にマーティンは言った。副将の双眸には、確かな自信と信頼が映っていただろう。]
[>>269 そして幾らかの会話をしたのち、エドルファスは一族に挨拶をしてくると言う。
おう行ってこい、と頷いて、]
そう言えば、サシャは出征に行くンかねぇ。
あンときの弓は凄かったなぁ。
よくあんな暗いなかで、一発で仕留められたものよ。
[そう言って思い返すは、クリーク砦襲撃の出来事。]
― 回想/幼年稽古 ―
ダフィにいさまー、けいこけいこー!
[盾と剣を自在に操る歳の離れた遠縁の青年に、オクタヴィアスはよく稽古をせがんだ。
オクタヴィアスが扱うのは軽めの木で出来た小振りの盾と剣。
最初は当然のように本格的なものではなく、剣士ごっこのようなものだったのだが、ダーフィトは根気よく付き合ってくれた]
[争乱が起きるまではそこにダンクラードも加わり、代わる代わる、時には同時にダーフィトに飛び掛っていったもので。
クレステッドが来てからは3人で稽古をつけてもらったりもした]
― 回想/若年稽古 ―
[稽古が本格的なものへと移ったのは、争乱が落ち着いてからのこと。
集まる顔触れは、一人、欠けていた]
…………
[稽古が出来るようになってからしばらくの間、オクタヴィアスは剣を持つことが出来なかった。
その間は盾だけの稽古を続けて、再び剣を持つようになったのは移住する2年前。
父から緑風信子石があしらわれたショートソードを与えられてからだった]
[基礎鍛錬だけは怠らなかったお陰か、剣を持っての稽古も程なく勘を取り戻した。
更に今までの遅れを取り戻すために、自分が納得するまでダーフィトには稽古に付き合ってもらった。
ダーフィトが周りから「オクタヴィアスに甘い」と言われているのは知っていたが、付き合ってくれるのがありがたく、何度もそれを繰り返した]
― 回想/故郷離れし時 ―
いつ帰って来れるかは分からないけど…
その時はまた稽古に付き合ってね、ダフィ兄様。
[出発の挨拶周りをしていた時、そんな言葉を彼に送る。
移住先でも鍛錬を怠らないと言う宣にも等しい言葉を残し、オクタヴィアスは故郷を離れたのである*]
[>>84 ディーン・ヴァンデラーら率いる独立解放軍が宵闇に紛れて、砦へと近付いた。
物陰に隠れながらの移動だったので、マーティンの巨躯は大層不利であった。
ゆえに、マーティンは最後尾に付き、一連の出来事を眺めていた。
充分に近付いたとき、ディーンはとある一点を指し示した。
塀の一番高い部分、一人の兵が緊張した面持ちで立っている。見張りの兵だろう。
目視できる距離とはいえど、まだまだ遠い。
あれ程遠いところ、しかも夜に、弓矢なんて当たるのだろうか。
マーティンは疑問に感じていた。
しかし、そう思った次の瞬間。塀から見張りの兵は消えていた。
すぐ前を見やると、弓矢を構えた少女の背中が見えた。]
[サシャ・カリュオン]
[キュベルドンの森に住んでいる、森の民の一人である。
まだマーティンが山賊であった頃、彼女にも色んな意味でお世話になったものである。
何の因果か、彼女が狩人の称号である「熊殺し」を得たと聞いたとき、マーティンは妙な気持ちになったのを覚えている。
彼女は聞くところによると、幼いときに掛かった病のため、聾唖者になってしまったそうだ。しかし、まるで喪われた聴覚を補うかのように、視力は非常に良いそうだ。
サシャの宵闇でも違わぬ確かな腕のお陰で、この砦は陥落したのである。]
もしあいつが残るンなら、ちっと挨拶しておきてェな。
[そんな風にひとりごちながら。
彼女は今頃どこに居るのだろう。
もし会えるならば、一言くらい、労いの言葉を掛けてやりたいものだ。]
ンじゃ、儂はそろそろ行くぜ。
エディも短い時間だが、しっかり休めよ。
これから忙しくなるからの。
[>>269 そんな風に、エドルファスに声を掛けると、マーティンは踵を返した。*]
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