情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
――大旦那様の訓示はお客様に対して真摯では無い気もするけれど。
けどお店側もお客様側も満足できるなら、これがいちばん良いことな感じもする。
とにかく今日も、天は金なり、地は金なり、人は金なり。
……というか、大旦那様が恋愛を題材にするのが意外。
見せしめの効用をよくわかってる男が何を言うかな。
[オズワルドから投げられた釘はパクリと呑み込むように軽い口調で返すのも、いつもと変わらず。
内心はどうであれ、城の外まで息子を追い回すわけにもいかないオズワルドの立場を斟酌して狼は走る。]
ところで、今回はどうやって飯代を稼ぐと思う?
あの子の発想、毎度、楽しみで──
― 戦艦スヴァローグ・艦内 ―
[この日、宇宙艦隊司令官の姿は乗艦たる戦艦の作戦司令室にあった。
とはいえ、作戦行動中というわけではない。
点検整備を兼ねて近距離巡航中の艦内に乗っかっているだけ。
下手な情報処理室よりよほど良い情報集積システムのあるこの艦を、ちょくちょく便利な執務室として利用していたのだ。
そんなわけでこの日も提督は]
ううーん …むにゃ。
[気持ちよくお昼寝中だった。]
[しばらく前に見た"妙な夢"はだいたい忘れていた。
だからまさか自分があんなことになろうとは、
それこそ夢にも思っていなかったのだけれども。
平和な睡眠時間は、暫しお預けの予感。]
俺はライナー
魔王軍のしたっぱだったから、覚えてないだろうけど。
お前さんは、エディでしょう。
何で知ってるかは、興味本位と言っておこうか。
魔王が居なくなった今ー
割りとどうでもいい話だよねえ。
[エディの肩の者に興味があったが、もっと興味深いものは負けた魔王の情報ー
戦記というのは、勝者側のもの。敗者側のものは皆無といっていいだろう。
ライナーであっても、そう簡単に手に入らない情報ー]
― ここではない、いつかのどこか ―
必ず手がかりを掴んで戻る。
だから、安心して待っていてくれ。
[男はそう言って微笑み、女の頬に手を伸ばした。]
― 秘密の空間 ―
[星の海を往く船。
刻まれた2つの名前。
かつての思い出と記憶が織られ。
姿はもう意味を成さず。
ただ隣の存在を感じながら、戯れのように
聞いて見たいねえ。
エディ、お前がどうして生き残ってるのか?
王子の話はもう散々聞いたからね。
ほら、俺なんか捕まって生き残ってしまったから。
興味あるんだよね。
反省とかしたいんじゃないけどね。
他聞きたくても、もういないじゃん!
王子側から聞いても、なんかつまらないしね。
いえ、発音といいますか…。
なんと言ったらいいんでしょうね…この違和感。
[非常に気持ち良さそうに歌っていた片割れの
邪魔をする気はないのだが、
表情は時に正直である。残念なことに]
ああ音痴とは違いますよ。
アプサラス、君の声は澄んでいて強い響きですから。
ただ、
[言葉を星々の合間に探し、――しばし拍を置く]
― 夕暮れ・とある街にて ―
[別れの時の女の様子は、今でも鮮明に思い出せる。
今や男にとって「故郷」となったそこを出てから、幾つの世界を経巡ったか。
結局手がかりは見つからぬまま、(男にとっての主観時間で)いくばくかの歳月が過ぎ去った。
西の地平が血朱の赤に染まる黄昏時、男は河にかかった橋の上で、欄干に凭れながら独り物思いに耽っていた。]
見せしめも時と場合を選ぶんだよ。
月に何度もやるもんじゃねえだろ。
[効能をわかっている、の部分は否定せずに、黒狼に向かってさらにひとしきり。
それでも気楽な調子なのは、致命的なことにはならないという信頼の現れ。]
ん?ああそうだなぁ。
前回は井戸掘り人足だったし、その前は賭け競馬か。
今は時期だから、鹿狩りの勢子でもやんじゃねえか?
[我が子を真剣に止めないのも、黒狼がついていくのに加えて、いろいろやってみるのもいいかと思うから。]
見た目、甘くて美味しそうなケーキをぱくりと一口食べてみたら、
ケーキそっくりに作った肉料理のメインディッシュだった
というような残念な違和感が…。
[ある程度柔軟になったとはいえ
童謡を奏でるには、片割れの覇はいささか強すぎたようだ]
[ちょっとしたことでも溢れる片割れの気性へと
薄い笑みを流しながら。
新しい世界を目指す旅人たちは
ゆるり悠久の星空を進んでいた――**]
[その背後を、旅の商人と思しいくたびれた旅装の二人組が通り過ぎる。]
「また
「あの鬼はどうしたんだ。ヴェルナー将軍は……」
[見るとはなしに視線がその後ろ姿を追い、雑踏に紛れて消えるまで眺め続けた。]
……何処でも変わらんか。
[かすかな吐息とともに洩れたのは、そんな言葉。]
[オズワルドの言葉に滲む慈しみと信頼を感じ取る。
この男は、昔、たくさんのものを奪われた。
そして、その後、たくさんのものが彼のもとに来た。
それに囚われることなく、守勢に籠るでもなく、彼の両腕はいつだって殴ったり抱き締めたりするのに空いている。
大きな愛。
そんなオズワルドを長年、間近で見ていると──]
おれも子ども持とうかな。
[ふわりと浮かぶ感慨。]
― 荒野 ―
[石塊を拾い上げ、其れを2個3個…と積んだ。
ハスキーに分類される低めの声が呪を唱える。
と、意志を持つかのように石塊の山が震え―――]
『ぐもっ』
[ストーンゴーレムが姿を露わした]
[無垢な魂だけが残った2人、取り繕った表情にはならないだろう。
片割れの微妙な表情は心情を正直に表したもので――それを悪く受け止めることはなく、慎重に言葉を選んだ気遣い(>>43)を心地良く感じつつ]
ほぅ……
もしそんな甘味をあのときグレーテが出していたら……
きっとシロウが面白い顔をしたに違いないッ!
あぁ惜しい、見損ねた、この話をあのとき聞いておれば。
これは悔やまれる、あの宇宙でやり残したことが1つ増えてしまった。
あぁラト、やはりラトと離れていたのは余にとって欠落だったのだな。
[まったく方向性が違う握り拳を作らせた。
流麗なやりとりではないにしても、どうやってもふたりの仲は上手く行くようできているようだ]
― コリバーグ、商会直営の宿屋 ―
――某月某日。
モアネットから約1日の距離にある振興の開拓街。
商会の飛躍の原点となった大事な街。
この街の名前、実のところまだ正式な名称となっていないのだけど、大旦那様の名前をいただいて呼ばれるようになっている。
あと、本当は【◯◯バーク】らしいけど、商会の中ではバーグで伝わってしまっている。
この街ができた経緯は戦争からの避難民たちと力を合わせて築いたもの。
その後は、モアネット外の地域との流通の玄関口になっている。
モアネットの市街の中でたくさんの荷物を取り回すよりもこんな郊外で広い敷地が運営したほうがいいというのはわかってきた。
……あと、モアネットに置いていてもし見つかるとやばい商品の退避先にもなっているとかどうとか。
今日のお仕事は、若旦那様による視察のお付き。
その用事はすぐ終わって――商会が経営する宿屋で宿泊。
最近、この宿で働いている女の子が商会内でちょっと評判に。
とにかく真面目で働き者で、この宿屋に来たら見習って行けと言われるぐらい。
……あとここだけの話、若旦那様がよくその子に会いに来られているらしい。
…………さらにここだけの話、モアネットの若い騎士(見習い?)もその子を訪ねに来るらしい。
………………喧嘩とかにならないのだろうか。
先ほど、その子が宿屋の裏手でシーツを干しているところに会った。
そしたら――「幾多の世界がまた出会うなら、みんなに良き縁が授かりますように」なんて空に向けて微笑んでお祈りしていた。
さらに「行ってらっしゃい」なんて言ってるし、やっぱりただ者ではなさそう。
ひょっとしたら、神様だったりね。**
は? 子供ぉ?
[聞こえてきた声に、思わず素っ頓狂な声が出た。
ついで、しみじみと感慨深げになる。]
そうか。おまえも子供欲しがる年になったか。
いいぞ、子供は。息子もいいけど、娘も最高だぞ。
[実感籠りまくったお勧めをしてから、あ、という顔になる。]
わかってるだろうが、俺の子はだめだぞ?
[一応の念押しというやつである。]
― モアネット ―
[夕暮れの光が、オレンジ色に街を染めている。
その光の破片が窓から差し込んで、男の手元を照らし出した。
息をついて、顔を上げる。
もう随分と長い時間、こうして書類を相手に過ごしていた]
…ふう。
[目が乾いて、瞬きするとじんわりと痛む。
それに指先を当てて、目を閉ざした。
少しの間そうしてから、机上の硝子瓶へと手を伸ばす]
[ただしサイズはミニチュアである。
拳ほどの背丈のそれは、カクン。トカン。と馴染ませるように躯を揺らす。
表情を持たぬ岩人形が、伺うように造り手を見上げた]
さぁ、いきなさぁい。
[退屈そうに人差し指を前方に向ける魔女。
眼前にいるのは――魔物でもなんでもない。
おなじく魔女の造りし、岩人形だった]
[自分の魔術で作ったモノ同士がじゃれあう…もとい戦う様子を俯瞰しながら、魔女は小さく溜息をつく]
はぁあ、平和よねぇ。
せっかくぅ、力があったってぇ。
こーんな風にぃ自主訓練?するくらいしかぁ使い道ないんだものぅ。
なーーんかこう、ないのぉかしらねぇ。
面白いぃコト。
[セッペルト半島。
騎士団の力が強大な其の時代。
世界はまだ、束の間の平和を享受していた――**]
[瓶の中身は、色とりどりの飴である。
仕事の合間にと差し入れしてくれた人のを思う。
また怒られてしまうだろうか]
遠いな。
[ぽつと呟いた。
今はもう、戦いはない。解放戦争は終わった。
街は、国は活気を取り戻しつつある。
望んでいたはずの平和に不満はない。
不満はないが、ただ───時折、少し。少しだけ、]
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