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『ねえねえ、どうしたの?お兄ちゃん。どうしてそんな顔でリーザを見るの?』
[きょとんと首を傾げる姿は、生まれた時から見知ったもの。]
『大丈夫なんだよ?これが一番正しいことなの。怖がらなくてもいいんだよ。』
[ころころと、涼やかな声が耳を打つ。
小鳥の囀りのような無邪気な笑い声が、自分は好きだった。]
リーザね。ヨアくんも好き。パメちゃんも。お兄ちゃんのことも。
みんな、みんな、大好き!
[紡ぐ言葉も、普段の彼女と何も変わらなかったのに。]
だからね。
――みんなでいっしょに、しんじゃおう?
[愛らしい瞳に狂気を宿し。
花のような小さなぷっくりとした唇は、今は歪んだ微笑を形作り。
楽しげに、
本当に怖いのは…
狼か…それとも人間、か。
[確認するよう口ずさむ。
自分ではわからないが。
今の男はの瞳は、ディーターの冷徹なそれとは似通ったようでまた違った。
重くどんよりした光を灯していたかもしれない。]
・・・すまないな、こんな話をして。
一杯飲むか?
[グラスをテーブルの上に置いて。
拒まれなければ、液で器を満たすだろう。]
ハ、アンタだってわかってんだろうに……
あいつらがどんだけアンタ、頼りにしてるってことくらいは?
[慕われる、ということに。何か悩んでいるような様子を感じ取ったので。>>160
己の見たままを語る。それから、少しだけ真剣な口調で]
……アンタにしたって、その、なんだ、「あの事件」て言やぁいいか?
その……なんてえんだ。傷跡、ってのかな。それが残ってるってこと位、鈍い俺にだって解るさ。
そこまで汲んで……あいつらはアンタを慕ってるんじゃねえかな。
[そのように正直な感想を述べて……]
[自分に呼応するようなオットーの呟き>>163は、あえて聞こえないふりをした。
だが。
このパン屋を営む温厚な男も。
恐らくディーターとは違った意味で、何かを見てきているのだろうと、想像するのは難しいことではなかった。
差し出される酒に対しては、割と乗り気の様子で]
お。悪くねえな、……あ?ちとまて。
[そもそも嵐に備えなくて大丈夫なのか……そう言おうとして、軽く周りを見渡す。
もともとパンを焼くことを想定された堅牢な建物。軽く見るだけでも、並大抵の嵐ではびくともすまいことは解った。
なら、遠慮は要るまいか。]
……そうだな、頂こう。
……ろくでもねえ嵐の夜に。平和な明日を祈って、乾杯。
[そう言って乾杯を持ちかけ。注がれた酒を、グラスの半分まで一気に飲み干す]
(そう言えば、最近ゲルトの顔を見ていないな)
[グラスを空けながら。
いつの頃か、不意に暇さえあれば、いつでも眠っている知人の顔を思いだし。
彼のことだ。もしかしたら睡眠を欲するあまり、食事すら忘れている可能性もある。]
(…嵐がやんだら、パンでも届けに行くか)
[つらつらと、そんなことを考えながら。
男同士の夜は更けていく。**]
そうだな、ペーター。
少し俺の話を聞いてくれないか?
[相手の返事もまたずに、どこか懐かしむような目をして話し始めた。]
話したこと無かったけど、子供の頃俺もこの島が大嫌いだったよ。
なあ、オットー。
アンタがもし、あいつらを騙してるってんなら、だ……
そいつぁ恐らく、責任持って騙し続けなきゃなんねえぜ。
[自嘲するように笑うオットー>>169には軽く笑ってそう言うが、目は真剣で。
そして、心のなかで付け足す――俺がそうしているように――と。
騙しているというのであれば、自分も変わらないのだから。
さてはて。
酒の肴の話としては。
大陸で見たこと聞いたことを多少の誇張込みで話したり。
共に食に関わる身、互いの仕事話も悪くなく。
島の若者たちへの期待と心配の話もあっただろうか。
ただ、なるだけ、人狼騒動の事件のことは思い起こさせないように。
嵐の音は耳触りで、長い夜にはむしろ好都合でもあったようで。
たまにボートや小屋を心配するような素振りも見せつつ。
夜は更け――結局自然に、眠りに落ちた**]
海があるだけで他は面白いものなんて何もないし島の外の話を聞くたび外の世界に憧れた。
…それに、親は出稼ぎに行っていっつもいなくてさ。
パメラやオットーやオットーの妹とよく遊んでたけど、やっぱり…寂しかったな。
[十年前のあの日と同じようにゴロゴロと雷の鳴る音が近づいてきているが、ペーターがいてくれるから恐怖は感じなかった。]
あー、疲れた。
[大方準備が終わった娘は上に大きく伸びた。
久々の嵐の準備は色々と忘れていたりしていた部分もある為、思ったより時間が掛かってしまった。
外はもう暗くなっていていた。]
……ご飯にしよう
[必要以上に堅固に閉ざした窓や扉の最終チェックを終わらせると、娘は部屋を軽く片付け、扉に掛かっていた袋の中身を温め始める。
そのついでにアップルティーを淹れると、お盆にそれらを乗せてダイニングに。]
いただきます
[机に並べ、椅子に座った娘は手を合わせて食べ始める。]
……やっぱり、オト兄さんのパンは美味しい
[そう言いながらモグモグと食べる。
一人で静かに食べていた娘は、ガタガタと鳴る音を聞きながら、昔のことを思い出していた。]
―回想:10年前―
[娘は目の前に広がっている酷く生臭い、赤い絵の具が撒き散らされた光景を見ながら呆然としていた。
真ん中には赤く染まった何かが置いてある。
それが何なのかはわからなかった。
いや、わかってはいけないと思った。
大人たちは周りで『人狼だ』『人狼の仕業だ』と騒いでいる。
ジンロウってナニ?
そう近くにいた大人に尋ねると、大人たちは慌てたように娘を追い払った。
何か見てはいけないものだったらしい。
娘はションボリしながら幼馴染みを探し始めた。]
ヨアヒムー?リーザー?ねえ、どこー?
[遊ぶために呼んだ訳ではない。
ただ、幼心にも不安はあって。
一人でいるのが怖かったから探した。
しかし何処を探しても見付からなくて。]
ねぇ、どこー…?
[その内、怖さに耐えられなくなり、泣きじゃくり初めてしまった。*]
なんで俺の親はこんな島に住み続けることに拘るのかと思ったけど、ああ、そういうことだったんだって。
…気づいたのは本当に最近なんだ。
親が亡くなって無かったら、今も気づいてなかったかも…。
[最後のほうは囁きに近かった。
話し終えると「聞いてくれてありがとう。」とペーターに微笑んだ。
ペーターがどう思ったかはわからないが、今日話しておきたくなったのだ。
子供の頃の自分と似ているペーターに。
しかし、ペーターは自分より賢いから、何かを失わずとも気づいてくれると信じていた。]
―現在―
[娘ははっと気付く。
いつの間にか食べるのを止め、ぼんやりしていたらしい。
手にはキッシュが半分残っていた。
娘はため息を吐くと再びゆっくりと食べ始める。
あの後、自分がどうしたのかは覚えていない。
ただ、あの時見たあれはヨアヒムの両親だった、ということを後で知った。
探しても見付けられなかったあの時、彼は何処かで泣いていたのかもしれない。と今なら思う。
もしそうなら、大事な幼馴染みの為にも側にいてあげたかった。
でも幼かった自分にそんなことはわからず。
だから誰かが側にいてくれたならいいな、と思う。]
[そうして、ヨアヒムの言葉を聞いて>>179>>182
ペーターは、腹の底から「何か」が冷えていくのを感じた。
それは怒りだったかもしれない、もしかしたらもっと別の何かかもしれない。
ただ、決して美しくは無い感情だった。それだけは確かだった。
それだけが、ペーターの口を動かした。]
……僕は、この島が嫌いだ。
皆が過去に縛られて、ただ穏やかに死んでいく現状を、甘んじて受け入れるしかないこの島が、大嫌い。
美しい星空も蒼い海も、いらないよ。
僕が欲しいのは……そんなものじゃない。
[机の下で、握りしめた手は力を籠めすぎて真っ白になっていた。
ドクドクと心臓が早鐘のように音をたてる。頭の奥でキィンと高い音がする。
抑えきれない感情が、ペーターの中で暴れていた。]
[それから少しペーターと他愛のない話をしただろうか。
食事を共にとって寝る準備をする。
ペーターにベッドを勧め、自分は床に敷いた布団に潜り込む。
久しぶりに誰かと共に寝る心地良さを噛み締めながら眠りについた**]
[手にしていた食べ物を食べ終えれば片付けて。
それさえも終わればどうしようかと考える。
このまま何か絵を描こうか。
それとも休んでしまおうか。]
今の状態で描いても、何も描けないわよね……
[嵐の準備で体は疲れている。
それに胸騒ぎのせいで精神的にも疲れている。
そんな時に筆を持っても紙を無駄にするだけだ。]
クララにも休め、って言われてるし。休んでしまおうかしら?
[疑問符は付いているが殆ど心の中は決まっていた。
娘は形だけの悩む仕草をした後、ベッドへ向かい潜り込むと目を瞑る。
寝て起きれば、きっと何時ものあしたを迎えられる。
そう信じて。**]
[ヨアヒムは、どんな顔をしているだろう。
じわりと後悔が泡のように沸き立ってきて、ペーターは慌てて顔を伏せた。]
この話、もうやめよ。したくない。
[どうにかそれだけ喉の奥から絞り出すと、俯きながら食事を詰め込んだ。
その後交わした言葉も、食事の味も、よく覚えてはいない。
ヨアヒムに奨められるままに>>185ベッドを借り、深くもぐりこんだ。
瞼が作り出した闇が、じわじわとペーターの心を苛む。
固く遮断された窓の向こうで、ごうごうと木々が揺れる音がする。
嵐が近づいてきたのだろうか。]
(全部、流れちゃえ…)
[朝になって、めちゃくちゃになって、何もかもなかったことになってしまえば……
ペーターが嫌う、子どもらしい馬鹿げた妄想だ。
それにすがることでしか、ペーターは「自分」を保つことができなかった**]
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